【外資系・独立系別】PEファンド大手企業ランキング!採用傾向と転職のコツ
「PEファンドのランキング1位ってどの企業?」
「転職を考えているけど、どのPEファンドを目指したら良いか分からない」
PEファンドには外資系と独立系の2つの領域があります。
しかし、実際にどの企業が外資で大手なのか、というのは分かりづらいですよね。
この記事ではPEファンド大手企業ランキング、大手企業の採用傾向や特徴、転職成功のコツを解説します。
PEファンドへの転職の情報を集め、転職先を探す助けになるでしょう!
1.PEファンド大手企業ランキング
PEファンドを外資系と独立系に分けて、ランキングを行いました。
- 外資系PEファンド
- 独立系PEファンド
時価総額ランキングを元にし、公開されている売上高情報を掲載しています。
大手企業はそれだけ転職先としても人気ですし、年収も高いです。
転職先を探したい方は、ランキングを参考にしてみてください。
それぞれ説明していきます。
(1)外資系PEファンドランキング
KKR | カーライルグループ | ベインキャピタル | |
売上高 | 2,719億円 | 1,486億円 | 1,363億円(2021年2月時点) |
社員数 | 400名以上 | 1,775名 | 国内:40名 全世界:1,000名以上 |
平均年収 | 非公開 | 1,200〜2,000万円+キャリー ※ジュニア層の場合。一般には非公開 | 1,000〜2,000万円+キャリー ※ジュニア層の場合。一般には非公開 |
時価総額 | 603億米ドル | 190億米ドル | 9.8億米ドル |
外資系PEファンドランキングは、以下の3社です。
- KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)
- カーライルグループ
- ベインキャピタル
売上高と時価総額では、KKR株式会社(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)が一位となりました。
続いて、カーライルグループとベインキャピタルが続きます。
全世界に展開する企業のため、従業員数も多いです。
それぞれ企業の概要を解説します。
#1:KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)
KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)は、1976年に設立された世界最大のPEファンドファームです。
KKRの投資総額は220億ドルを超えており、収益率25.6%と高い数値を出しています。
KKRジャパンの構成は、以下のようになっています。
- アナリスト
- アソシエイト
- プリンシパル
- ディレクター
- マネジングディレクター
- パートナー
外資系のPEファンドの平均年収は、アナリストで800〜1,100万円程度ですが、KKRは水準を大きく超えています。
年収が高いだけに難易度は高く、求人募集は現時点では公開されていません。
KKRへの転職希望者は、転職エージェントなどに事前に希望を伝えておき、情報を集めるようにしましょう。
#2:カーライルグループ
カーライルグループは、1987年以来グローバルに活躍するPEファンドです。
運用資産は1,320億ドル以上で、継続投資中の案件数は現時点で640社以上。
全世界に25ヶ所の拠点を持っています。
日本オフィスは2000年に開設されました。
外資系には珍しく、従業員は全員日本人で構成されています。
アソシエイト・シニアアソシエイトの求人を募集しており、過去には以下の条件で求人が掲載されていました。
【アソシエイト】
- GPAで好成績を残し、学士号を取得した人
- 最低2年の投資コンサルタントとしての経歴
【シニアアソシエイト】
- MBA取得者
- 3〜4年のPEファンド・投資銀行での実務経験
その他の条件として、コミュニケーション能力や体力面も重視されます。
投資銀行やコンサルティングファーム経験者の採用実績が多いので、この2つの職歴がある方は、求人情報を集めておきましょう。
#3:ベインキャピタル
ベインキャピタルは、1984年にアメリカで創設され、2006年に日本事務所が設立されました。
世界14ヶ所に拠点があり、日本オフィスでは投資チームとポートフォリオチームに分かれ、企業の成長力を向上させることを目的としています。
母体のベインキャピタルは、創立以来310件以上の投資実績があり、世界的な投資会社です。
2021年2月より日本陣営の拡充を目指し、求人募集を広げる方針を発表し、以下のような募集条件になっています。
- 日本語がネイティブレベル
- 英語がビジネスレベル
- 投資銀行・コンサル等のプロフェッショナルファームでの経験が2年以上
- PE投資経験者歓迎
まず必須なのが語学力で、投資銀行・コンサルティングファームでの経験が2年以上求められます。
未経験でも、上記の職歴があれば、アソシエイト等のジュニアのポジションで採用される可能性があるでしょう。
(2)独立系PEファンド
ユニゾン・キャピタル株式会社 | 株式会社アドバンテッジパートナーズ | インテグラル株式会社 | |
売上高 | 非公開 | 非公開 | 11億5,900万円 |
社員数 | 31名 | 35名 | 42名 |
平均年収 | 1,000〜1,500万円+キャリー ※ジュニア層の場合。一般には非公開 | 1,000〜1,500万円+キャリー ※ジュニア層の場合。一般には非公開 | 1,000〜1,500万円+キャリー ※ジュニア層の場合。一般には非公開 |
時価総額 | 2050億円 | 391億円 | 355億円 |
独立系PEファンドランキング上位3位は、以下の3社です。
- ユニゾン・キャピタル株式会社
- 株式会社アドバンテッジパートナーズ
- インテグラル株式会社
非上場のため、売上高非公開の企業がありますが、時価総額ランキングの上位を掲載しています。
ユニゾン・キャピタル株式会社は2,050億円、株式会社アドバンテッジ・パートナーズは391億円、インテグラル株式会社は355億円です。
どの企業も年収水準は、1,000万円以上であり、PEファンドを志す人にはかなり人気の企業となっています。
#1:ユニゾン・キャピタル株式会社
ユニゾン・キャピタル株式会社は、1998年に設立された、国内PEファンドのパイオニア的な位置付けの企業です。
投資実績は日本国内で29件以上、韓国では5件以上。
平均年収は1,000万円〜1,500万円+キャリーで、アナリスト・アソシエイト・ディレクター・パートナーに昇格するにつれ、収入が上がっていきます。
31名と少数精鋭で運営しており、求人情報の公開はかなり限定的です。
転職エージェントと連携して、採用の傾向等を掴んでおく必要があります。
#2:株式会社アドバンテッジパートナーズ
株式会社アドバンテッジパートナーズは、1992年創業のPEファンドです。
日本初のバイアウト専用ファンドで、これまで50社以上への投資を行っています。
東京を中心に、香港や上海、シンガポールなどアジア圏に拠点があります。
30名のうち3分の2が、企業経営、または経営コンサルティングの経験者です。
現時点では求人情報が公開されていませんが、経営コンサルティング等の実務経験は求められます。
#3:インテグラル株式会社
インテグラル株式会社は、2007年に設立されたPEファンドです。
年収は1,000〜1,500万円+キャリーで、アナリスト・アソシエイト・ヴァイスプレジデント・ディレクター・パートナーという職位構造。
入社後すぐであっても、最前線で仕事をさせることをモットーとしており、実務経験をしっかり積める環境です。
インテグラル株式会社の求人情報を掲載しておきます。
シニアアソシエイト・アソシエイト職で、応募資格は以下です。
- PE投資等・投資銀行業務・会計/税務、経営コンサルティング、起業、企業再生、経営企画、海外ビジネスなどの実務経験がある方
- 英語や他の言語がネイティブに近い・またはそれ以上の方
- 社会人として何かに深く取り込んできた意欲的な方
基本的に実務経験を重視していますが、未経験であっても高い語学力や意欲的な人材を求めている傾向です。
2.PEファンド企業ランキング上位の会社の特徴と転職のコツ
PEファンド企業ランキング上位の会社の特徴と転職のコツを紹介します。
- 外資系PEファンドランキング
- 独立系PEファンド
外資系PEファンドと独立系に分けて、それぞれの傾向や転職成功のコツをまとめました。
1つずつ説明していきます。
(1)外資系PEファンド
外資系PEファンドについて、以下の項目について説明します。
- 特徴
- 転職のコツ
それぞれ解説します。
#1:特徴
外資系PEファンドの特徴は、以下の通りです。
- 年収水準が高い
- 規模が大きな案件が多い
- 高学歴学歴・MBA修了者が多い
- 投資銀行・コンサルティングファーム出身者が多い
- 最終選考に至るまでの期間が数ヶ月かかることが多い
まず、外資系PEファンドの年収水準は、かなり高いと言えます。
日本企業と比べても、年収の上限がかなり高く設定されています。
ベースサラリーに加えて、成果報酬が見込めるため、記載した年収よりも成果を出せば年収を上げていけるでしょう。
また、外資系の特徴として、日本国内ではなく海外事業者へ赴任する場合は、さらに給料が上がる傾向があります。
外資系PEファンドで取り扱っている規模の案件は、国内案件よりもスケールが大きいものが多いです。
投資額も桁違いなことが多く、スケール感の大きな案件に携わり、経験を積めるでしょう。
特に大学の指定があるわけではないですが、やはり高学歴の人が多いです。
- 東京大学
- 慶應義塾大学
- 早稲田大学
- 一橋大学
- ハーバード大学
- スタンフォード大学
- イエール大学
世界の名門大学出身者が在籍しています。
また、従業員の40%程度はMBA修了者です。
学歴で判断されるわけではないですが、求める人材傾向の職歴がコンサルティングファームや投資銀行出身者のため、必然的に学歴も高くなります。
また、外資系PEファンドの選考では、企業によって面接が5〜6回行われることも。
選考開始から最終選考までに、2〜3ヶ月かかることもあり、長期戦を覚悟しなければなりません。
#2:転職のコツ
外資系PEファンドへの転職成功のコツを解説していきます。
まず、PEファンドへの転職者自体が投資銀行やコンサルティングファーム出身者です。
外資系のPEファンドは基本的に英語で取引先とのやり取り等を行う必要があり、語学力は必須。
また選考では、エクセルを用いたLBOモデリングが重視される傾向です。
対象会社の財務諸表を用いて、企業価値を上げるための投資額と最終的に売却した際に利益がどの程度出るかを計算する指標のこと。
テストの内容は企業によって違いますが、LBOモデルへの理解は、外資系PEファンドへの転職には欠かせないでしょう。
選考の傾向・回数は転職エージェントから入手し、しっかり対策する必要があります。
(2)独立系PEファンド
独立系PEファンドについて、特徴と転職のコツを紹介します。
- 特徴
- 転職のコツ
1つずつ解説します。
#1:特徴
独立系PEファンドの特徴は、以下の通りです。
- 2017年より求人募集が増加傾向
- 投資銀行・コンサルティングファーム出身が多いが、近年大手商社・商品企画部門出身者も採用されている
- 採用枠は1〜2名と激戦である
- 英語力の必需性は企業によるが、ドキュメント作成ができるスキルは必要
- 国内有名大学出身者が多い
独立系PEファンドは、近年求人募集が増加傾向にあります。
といっても各企業の募集枠は1〜2名と限定的であり、かなり狭い枠であることに変わりありません。
外資系と同じく、投資銀行やコンサルティングファーム出身者が多いです。
しかし、最近は大手商社や商品企画部門の出身者などからの転職者も出ています。
経験は必要ですが、全くの未経験だからといって諦める必要はなく、企業の求人要項から、スキルと職歴が自分に合うものをチョイスすると良いでしょう。
英語力は外資系ほど求められない傾向にありますが、ドキュメント作成ができる程度のスキルは必要です。
大卒以上であれば挑戦できますが、社内で働いている人は有名大学出身者が多いでしょう。
#2:転職のコツ
独立系PEファンドへの転職のコツは、情報収集です。
もちろんモデリングテストなどへの対策は必要ですが、PEファンドの求人は非公開が多く、通常のサイトでは企業名が伏せられていたり、掲載されていません。
そのため、転職エージェントとの連携が欠かせません。
同時に選考対策などもサポートしてくれるので、PEファンドへ転職したい方は、エージェントへの登録を済ませて情報を集めましょう。
3.ランキング上位のPEファンドからのキャリアパス
ランキング上位のPEファンドからのキャリアパスを調べました。
- その他PEファンド
- 大手事業会社の投資・M&A部門
- ベンチャー企業のCFOなど
- 独立起業
- コンサルティングファーム
- 投資銀行
同職のPEファンドへ転職する方もいますし、ベンチャー企業で役職者として迎え入れられるケースも多いです。
また、投資先の会社でマネージャー職で転職するケースもありました。
PEファンドでのスキルを活かし、独立企業する人も多いです。
PEファンドでの経験は、転職にも有利に働きます。
独立する場合も経歴に加えると一目置かれますし、投資先との関係を作り、独立後の事業に生かすこともできるでしょう。
PEファンドを経験することで、今後のキャリアが広がります。
まとめ
今回は、PEファンドランキングを外資系・独立系に分けて紹介しました。
6社は欧米・国内で最大手のPEファンドであり、難易度は高いですが、転職先としてかなり人気です。
募集枠はかなり限られていますので、大手PEファンドへ転職したい方は、転職エージェントと連携してすぐに求人情報が入るようにしておくのがおすすめ。
PEファンド大手は年収も高く、幅広いスキルを身につけられます。
しっかり情報収集し、大手PEファンドへの転職を成功させてください。
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