証券会社出身者は売り手市場!証券会社からの転職先と3つのポイント
「証券会社からの転職先にはどんなところがあるの?」
「証券会社って転職市場で人気って本当?」
華々しいイメージのある証券会社ですが実は転職者が多い業界でもあります。
証券会社での仕事に限界を感じた・更なる成長を得られる舞台で活躍したいなど転職を考える理由は様々ですが、多様な業界へのキャリアチェンジの可能性がある証券会社出身者は積極的に打って出るべきです!
そこでここでは、証券会社からの転職について、人気の高い転職先と合わせて、証券会社出身者が転職市場で高い評価を受けるポイントや転職の際の注意点等を解説していきます。
転職しようかどうか迷っている証券マンはぜひご覧ください!
1.引く手あまた!証券会社からの転職先は?
まず、証券会社出身者に人気の高い転職先について解説していきます。
証券会社の経歴は転職市場で大きな強みとなり、様々な選択肢の中から選ぶことができます。
- コンサルタント
- M&A仲介会社
- 金融業界(銀行・保険会社など)
- 一般企業の営業
- ベンチャー
次に1つずつ解説していきますね。
(1)コンサルタント
1つ目の転職会社からの転職先はコンサルタントです。
クライアントの重要な部分に携わるため、タフな精神力と体力、さらに経営者層との折衝力など証券会社勤務で培った経験やノウハウ、さらに分析力が活きる転職先です。
コンサルタントの仕事は多岐にわたりますが、大まかに分けると以下の3つに分類されます。
- 経営戦略コンサルタント:事業計画・事業再生・M&Aなど企業の経営戦略をサポート
- IT系コンサルタント: 企業の運営状況の分析・企業戦略や業務効率化などのITシステムの構築などIT戦略全般の構築をサポート
- 外資系コンサルタント:外資系のコンサルタント。経営戦略やIT系など
専門知識を生かしてサポートする仕事であるため難易度が高く、それに比例して平均年収も高いです。
20代の平均年収 | 30代平均年収 | 40代平均年収 | |
経営戦略コンサルタント | 550~650万円 | 600~750万円 | 700~900万円 |
IT系コンサルタント | 450~550万円 | 600~750万円 | 800~900万円 |
外資系コンサルタント | 600~2,000万円 | 2,000~5,000万円 | 5,000万円~2億円 |
特に外資系は年収が高水準なので人気が高いです。
(2)M&A仲介会社
2つ目の転職会社からの転職先はM&A仲介会社です。
事業売却などを検討している企業と事業の買収を検討している企業の間に立ち、法的な手続きや税務処理を行います。
重要なシーンで経営者層と信頼関係を築き、多角的な分析力や折衝力、調整力が必要とされるため、証券会社と親和性の高い転職先の1つです。
20代の平均年収 | 30代平均年収 | 40代平均年収 | |
M&A仲介会社の年収 | 700~900万円 | 900~1,000万円 | 1,000~1,300万円 |
証券会社と同様に激務ではありますが、高度に専門的な知識やスキルが必要とされるため、高い年収が期待できます。
(3)金融業界(銀行・保険会社など)
3つ目の転職会社からの転職先は金融業界です。
銀行や保険会社などは、証券会社勤務で得た金融知識や財務知識などをフルに活用できる上に、同じ無形商材を売る仕事であるため、証券会社出身者に人気が高い転職先です。
20代の平均年収 | 30代平均年収 | 40代平均年収 | |
銀行 | 350~450万円 | 450~650万円 | 600~700万円 |
保険会社 | 300~450万円 | 400~550万円 | 800~900万円 |
年収は会社規模や国内・外資、専門性の高さによって大きく変わりますが、平均年収も高水準です。
特に、ハイクラスの方が目指すエリート業界の一つである外資系金融機関は、扱う仕事の規模も大きく、けた違いの年収を得られるので人気です。
(4)一般企業の営業
4つ目の転職会社からの転職先は一般企業の営業です。
営業の仕事は、高いコミュニケーション能力に加え、自社商品・サービスに対する詳細な情報・知識などが必要とされます。
経営者層や富裕層と多く関わり、販売が難しいとされる無形商材を取り扱ってきた証券会社出身者にとっては自分のこれまでに獲得したスキルを存分に生かせる転職先といえるでしょう。
20代の平均年収 | 30代平均年収 | 40代平均年収 | |
営業 | 350~650万円 | 600~750万円 | 700~900万円 |
転職先の規模だけでなく、インセンティブの有無などによって大きく異なりますが、平均して高年収です。
実力社会なので、能力によっては平均をはるかに超える高い年収を得ることができます。
(5)ベンチャー
5つ目の転職会社からの転職先はベンチャーです。
IT系やインターネット広告業界などベンチャー企業は未知数で伸びしろが多い企業が多いため、証券会社勤務で培ったデータ収集能力や分析力などが大いに役立ちます。
20代の平均年収 | 30代平均年収 | 40代平均年収 | |
ベンチャー | 500~650万円 | 600~750万円 | 700~900万円 |
また、徹底した実力主義・成果主義を導入している企業も多いため、自分の力を試してみたい証券会社出身者にとってベンチャーは理想的な環境と言えるでしょう。
上記で紹介した業界以外にも、証券会社出身者が活躍できる転職先は数多くあります。
2.証券会社出身者が高評価を受ける4つのポイント
次に、証券会社出身者が転職市場で高い評価を受ける4つのポイントについて解説します。
証券会社で培ったスキルや経験を持つ人材は、幅広い業界で人気であり、どんな業界からも引く手あまたの売り手市場です!
- 高い営業力
- 金融知識・財務知識の豊富さ
- 情報収集能力・分析能力の高さ
- タフさ・ストレス耐性の高さ
次に1つずつ解説していきます。
(1)高い営業力
証券会社出身者が高い評価を受ける1つ目のポイントは、高い営業力です。
証券会社の証券マンは、顧客の資産状況や条件に合わせて金融商品(無形商材)を販売します。
形のある物を売り込む有形商材営業に比べると、目に見えないものを売り込まなければならない無形商材営業は難易度が高く、見えない商品の魅力を伝える高いプレゼン力、顧客から信頼を得るコミュニケーション力や折衝力が必要です。
そんな無形商材営業で実績を残す証券会社出身者の営業力はそれだけで高く評価されます。
また、経営者などの意思決定者や富裕層とのコミュニケ-ションに慣れており、信頼関係の構築もうまいため、証券会社出身者はそれだけで同業界だけでなく他の業界でも引っ張りだこです。
(2)金融知識・財務知識の豊富さ
証券会社出身者が高い評価を受ける2つ目のポイントは、金融知識・財務知識の豊富さです。
証券会社ではノルマが多い分、様々な金融知識や財務知識を得ることができます。
それと同時に、数字への意識も高く、具体例を挙げて説得力やアピール力を高めることができるなど営業の際に顧客との信頼関係構築に必要とされる要件をすべて兼ね備えている点でも評価が高いです。
(3)情報収集能力・分析能力の高さ
証券会社出身者が高い評価を受ける3つ目のポイントは、情報収集能力・分析能力の高さです。
大きなお金を動かすことの多い証券会社の勤務していると、日々変わる世界情勢や経済情勢について普段からチェックを欠かさないなど情報収集能力が必然的に高くなります。
アンテナ感度の高さや情報収集力はビジネスマンにとって重要なポイントです。
また、情報収集能力だけでなく、集めた情報から金融など様々な観点から分析をする能力も高いことも証券会社出身者の強みといえるでしょう。
(4)タフさ・ストレス耐性の高さ
証券会社出身者が高い評価を受ける4つ目のポイントは、タフさ・ストレス耐性の高さです。
証券会社はハードワーク・ノルマの厳しさ・ハラスメントで知られている業界です。
証券会社の仕事が質・量・環境ともにハードであることは、証券会社に就職した人が新卒から3年以内に転職する人が多いことからもわかることでしょう。
そんな中で精神的にも体力的にも辞めずに数年続けてきたというだけで、タフさ・ストレス耐性の高さがわかる
というものです。
特に最近はパワハラ問題に頭を悩ませている企業も多い中、過酷な環境を乗り越えてきたメンタルの強い証券会社出身者は採用側にとっても望ましい人材です。
面接時にもタフさをアピールすると好印象を与えられることでしょう。
3.証券会社からの転職時の2つの注意点
転職市場でも評価の高い証券会社出身者ですが、転職先は次の2点を考慮して選びましょう。
- 条件ではなく仕事の内容・将来性で選ぶ
- 福利厚生の充実度の違いを確認する
次に1つずつ解説していきます。
(1)条件ではなく仕事の内容・将来性で選ぶ
証券出身者の転職先選びの1つ目の注意点は、条件ではなく仕事の内容・将来性で選ぶことです。
証券会社出身者は引く手あまたです。
言い換えれば「つぶしが利く」ので様々な業種・業務の中から選ぶことができ、良い条件で転職できることも多いです。
しかし、だからといって高年収など条件だけで選んでは証券会社での二の舞となるおそれがあります。
長時間勤務・重いノルマや人間関係のストレス・プレッシャー、仕事のやり方の疑問などで証券会社からの転職を考えたのならば、二度と同じ轍を踏まないように転職先の条件の確認が重要です。
目先の条件だけではなく、仕事の内容・企業の雰囲気・働き方・その企業や業界の将来性などもじっくり考慮して選びましょう。
(2)福利厚生の充実度の違い
証券出身者の転職先選びの2つ目の注意点は、福利厚生の充実度の違いです。
ハードでストレスも多い証券会社ですが、その分、福利厚生は手厚い会社が多いです。
新卒からずっと証券会社に勤めていた人に多いのが、証券会社での福利厚生が当たり前と勘違いしてしまうことです。
残念ながら、証券会社レベルの福利厚生が用意されている企業ばかりではありません。
特に証券会社出身者の転職希望者が多い外資系の会社は、福利厚生分が給与に含まれ、あまり充実していない会社が多いです。
外資系企業は年収が高いことで人気ですが、年収だけを重視していると思わぬところで不便や不利益を感じるケースもあるので注意が必要です。
4.証券会社からの転職を成功させる3つのポイント
最後に、証券会社からの転職を成功させるために役立つ3つのポイントを解説します。
- 証券マン時代の営業成績を数値化しておく
- 自分のキャリアプランを明確化しておく
- スカウトサイトや転職エージェントを利用する
証券会社出身者が満足度の高い転職を実現するために欠かせない重要なポイントです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)証券マン時代の営業成績を数値化しておく
転職成功の1つ目のポイントは、証券マン時代の営業成績を数値化しておくことです。
転職にあたり、証券会社出身というだけでかなり高い評価を受けることができます。
しかし、より自分の価値の高さを証明するために、証券会社での自分の実績を数値化しておけば、さらに面接シーンでアピール力抜群・強力な武器となります。
(2)自分のキャリアプランを明確化しておく
転職成功の2つ目のポイントは、自分のキャリアプランを明確化しておくことです。
優秀で即戦力となる人材が多い証券会社出身者は、同業界はもちろん他業界からもひっぱりだこです。
証券会社勤務の経歴は転職の際にステータスの1つになるといっても過言ではありません。
しかし、転職時の選択肢が多いことは有利ではありますが、逆にいえば、どの分野・業種に進むか選択肢が多くて迷って決められなくなってしまう人も多いです。
転職活動の前に、理想の働き方・ワークライフバランス・自分が重視しているものなどを明確化しておくことで、後悔の少ないルートを選べることでしょう。
(3)スカウトサイト・転職エージェントを利用する
転職成功の3つ目のポイントは、スカウトサイトや転職エージェントを利用することです。
残業が多くて多忙な証券会社での仕事と並行しながら、転職先の情報収集など自身の転職活動を行うのは至難の業です。
そのため、登録しておけば経歴等を見た企業や転職エージェントからスカウトされるスカウトサイトや、個別に相談や面接対策も行ってくれる転職エージェントを利用すれば、証券会社の仕事をしながら無理なく効率的に転職活動を進めることができます。
また、第三者が入ることで自身の市場価値の確認、今後の自分のキャリアプランを考えた最適な転職活動ができることでしょう。
まとめ
証券会社出身者の転職には様々な選択肢が用意されています。
証券会社出身という経歴だけで高い評価が得られるため、転職市場での価値も高く『売り手市場』といっても過言ではありません。
そんな中で転職を成功させるには、年収などの転職先の条件だけで選ぶのではなく、自分の理想の働き方やキャリアプラン、ワークライフバランス等を明確化しておくことが重要です。
ぜひ今回の情報をもとに、能力を安売りすることなく数ある選択肢の中から自分に適した企業を見つけ、優れた能力・経歴を最大限活用して満足のいく転職を成功させましょう。
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