M&Aによる事業売却業界の転職情報やおすすめの転職先を紹介
「M&Aによる事業売却とはどんなものか気になる」
「M&Aコンサルタントについて詳しく知りたい」
M&Aと聞くと会社そのものを売却する方法に思われがちですが、M&Aでは事業の一部を第三者売却する「事業売却」という方法も存在します。
近年M&Aによる事業売却の需要は伸びており、それに伴うM&Aコンサルタントの採用ニーズも高まっているのが現状です。
本記事ではM&Aによる事業売却について詳しく知りたい人に向けて、事業売却の概要、また事業売却を行うM&Aコンサルタント、さらにM&Aコンサルタントの中途採用を積極的に行っているコンサルティングファームを4社紹介します。
M&Aによる事業売却について気になっている人は、ぜひ参考にしてみてください。
また本記事を読む前に、M&A仲介の業界事情や基本情報など、詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.M&Aによる事業売却とは?
M&Aによる事業売却とは、会社や個人事業主が行っている事業の一部を切り取り、第三者に売却することを指します。
- 資産
- 負債
- ブランド
- 販路
- 従業員
売却には資産やそれにともなう負債だけでなく、商品などのブランドや販路、そこで働いている従業員なども含まれます。
たとえば、店舗を複数運営している経営者が採算の合わない店舗を居抜きで第三者に売却するような場合には、事業売却が行われるのです。
事業売却はコストカットだけでなく、多店舗展開により人材や設備などの資源が分散してしまったものを再び集中させる場合や、手にしたお金を新たなビジネスに利用する場合などにも用いられます。
(1)事業売却と会社売却の違い
M&Aと聞くと会社そのものを売却するイメージを持つ人も多いと思いますが、事業売却と会社売却には違いがあります。
事業売却は先に説明したように、事業のいち部門を切り取って個別に売買することであるのに対し、会社売却は会社をまるごと第三者に売却するのです。
- 売却の対象
- 売却対価の受領者
- 消費税の課税対象の有無
事業売却は資産や負債、従業員を売買するのに対し、会社売却では会社の株主が持っている株式が売買されます。
株主が持っている株式のすべてを買い手側に売却することにより、買い手側は100%親会社となり、その結果、間接的に売り手企業を支配することになるのです。
またこのことと関連して、事業売却の場合は買い手側から対価を得るのは売却を行った会社や個人であるのに対し、会社売却では売却を行った会社の株主が対価を得ます。
さらにもう1つの違いは、消費税の課税対象の有無です。
事業売却の場合は一部の資産が買手へ移動した際に消費税が課税されますが、会社売却は株式の売却となるため、消費税は課税されません。
以上3点が事業売却と会社売却で大きく異なる点となります。
(2)事業売却の流れ
事業売却の具体的な流れは以下の通りです。
- 売却事業・売却先の決定
- 買い手側による条件提示・基本合意
- デューデリジェンス
- 取締役会での決議
- 事業譲渡契約書の締結
- 事業の移転手続き
- 株主総会での特別決議、株主への通知・公告
- 各所への届出・許認可の取得
M&Aコンサルタントはこれらをサポートし、相手先の選定、企業価値評価、相手企業の経営状況などの詳細な調査、相手先との交渉、各契約を業務内容としています。
M&Aによる事業売却を成功させるには、良い買手と売るタイミングが重要です。
M&Aコンサルタントはこの2点を意識しつつ、事業売却の流れに則って業務を遂行することが大切となります。
(3)M&Aによる事業売却の需要は高まっている
M&Aによる事業売却の需要は、近年高まりを見せています。
下記は事業売却にのみ焦点を当てた集計ではないものの、事業売却を含むM&Aの件数の推移を表したものです。
年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
M&A件数 | 約3,000件 | 約3,800件 | 約4,100件 | 約3,700件 | 約4,300件 |
(参照:マールオンライン「1985年以降のマーケット別M&A件数の推移」)
M&Aが増加した背景にあるのは、経営者の高齢化や後継者不足問題の深刻化です。
さらには創業者利益を得て早期リタイアを図るべく、はじめから会社売却や事業譲渡を以前から検討していた経営者や、自社の事業を売却してまとまった対価を得て新規事業への参入を計画している経営者も出てきています。
M&Aによる事業売却需要の高まりに合わせて、M&Aコンサルタントの採用ニーズも比例して高まっているといえるでしょう。
2.M&Aコンサルタントについて
M&Aによる事業売却について理解したところで、それをサポートしていくM&Aコンサルタントについての概要を見ていきましょう。
- 業務内容
- 前職
- 平均年収
M&Aコンサルタントへの転職を検討している人に向けて、以下で詳しく説明します。
(1)業務内容
M&Aコンサルタントの業務は多岐に渡ります。
- M&A戦略策定
- 対象企業探し
- 交渉・デューデリジェンス
- 契約
- 統合
M&Aを行うのにあたり、戦略の策定は不可欠です。
何を目的としてM&Aを行うのか、どのような戦略で行うのかなど、M&Aの大枠を決めていきます。
それが決まると、対象企業探しです。
一般的に幅広い業種・地域から可能性のある企業を探すロングリストを作成したあと、一定の基準で企業を絞り込み、優先順位をつけてショートリストを作成します。
対象企業を絞り込んだあとは、交渉や、企業の価値や将来の収益性、リスクの調査および分析を行うデューデリジェンスを経て、契約と統合がM&Aコンサルタントの一連の業務の流れです。
(2)M&Aコンサルタントに求められるもの
M&Aコンサルタントには即戦力が求められるため、新卒採用や未経験者採用を積極的に行う企業は多くありません。
しかし未経験者であっても前職で金融機関に勤めていた人や営業などで実績を残している人あれば採用される可能性は高いようです。
- 営業力
- 金融知識
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- プレゼンテーション能力
未経験でM&Aコンサルタントに転職したい場合は、前職で上記のような能力を得たことをアピールすると好印象に繋がっていくことでしょう。
(3)平均年収
M&Aコンサルタントの平均年収は600万円から2,000万円前後といわれています。
ずいぶん差があると思われたかもしれませんが、これは職位や担当する案件の成功報酬によって変わってくるためです。
M&Aコンサルタントには基本的に中途採用で就職する場合が多いため、年齢による違いはあまり見られません。
頑張れば頑張るほど平均年収を上げていける仕事でもあるため、自身の目標に向かって仕事をこなしていけると良いでしょう。
ここまでの内容を読み、M&AコンサルタントやM&A仲介企業の転職事情や転職成功のポイントなど、詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
3.M&Aコンサルタントの中途採用を行っている会社3選
ここまで読んで、M&Aコンサルタントへの転職の意向を固めた人も多いことでしょう。
最後にM&Aコンサルタントの中途採用を行っている会社を4社紹介します。
- 株式会社ストライク
- 株式会社日本M&Aセンター
- インテグループ株式会社
- ユニヴィスグループ
どこも事業売却に関わるM&Aを行うのに経験豊富なコンサルティングファームです。
ぜひ参考にして、どこの会社へ転職したいかを決めていってください。
(1)株式会社ストライク
会社名 | 株式会社ストライク |
設立 | 1997年7月 |
資本金 | 8億2,374万円 (2022年9月30日現在) |
本社住所 | 東京都千代田区大手町1丁目2番1号 三井物産ビル15階 |
従業員数 | 220名 (2022年9月30日現在) |
公式HP | https://www.strike.co.jp/ |
株式会社ストライクは、日本初のM&Aマッチングサービス「M&A市場SMART」を運営する会社です。
このM&Aマッチングサービスによって想像しなかった領域からの募集や問い合わせも寄せられ、事業売却を考える会社とのマッチングの可能性が爆発的に拡大しました。
通年にわたりM&Aコンサルタントの募集を行っており、中途採用の場合年収は前職を考慮して決定されます。
基本給にプラスしてインセンティブが支給されるので、30代前半の人で年収は3,000万円を超える人もおり、結果を出していくことで対価を得られる仕組みが作られている会社です。
(2)株式会社日本M&Aセンター
会社名 | 株式会社日本M&Aセンター |
設立 | 2021年4月1日 (1991年4月25日 創業) |
資本金 | 37億円 |
本社住所 | 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 鉃鋼ビルディング 24階 |
従業員数 | 972名 (2022年3月末時点) |
公式HP | https://www.nihon-ma.co.jp/ |
友好的M&A支援で実績No.1のM&A仲介会社である株式会社日本M&Aセンターは、全国の地方銀行9割、信用金庫8割、1,050の会計事務所と提携し、 国内最大級のM&A情報ネットワークを構築しているコンサルティングファームです。
経験豊富でM&A・事業承継に精通したコンサルタントが多く在籍し、クライアントのサポートを行っています。
社風は「成果至上主義」で、実績を挙げるほど、給与は青天井式に上がっていくようです。
営業力に自信があって強者の中でのしあがっていく根性がある人は、ぜひ日本M&Aセンターへの転職を検討してみてください。
(3)インテグループ株式会社
会社名 | インテグループ株式会社 |
設立 | 2007年6月 |
資本金 | 1億円 |
本社住所 | 東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル4F |
従業員数 | 非公開 |
公式HP | https://www.integroup.jp/ |
売上1億円前後から150億円くらいの企業がメインのクライアントであるインテグループは、中小規模のM&Aに特化したM&Aコンサルティングファームです。
いかなる企業グループにも属していない完全独立系の会社であり、しがらみなくクライアントにとってベストの相手先を紹介することができる点を強みとしています。
役員プラスコンサルタントという少数精鋭で運営されており、個人の裁量が大きく、多くの案件に携わることで早い成長が期待できるため、会社と共に成長していきたいと望む人には最適な職場といえるでしょう。
本記事で挙げた3社のほか、事業売却含むM&A仲介の代表企業について、詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
(4)ユニヴィスグループ
会社名 | ユニヴィスグループ |
設立 | 2014年 |
資本金 | 非公開 |
本社住所 | 東京都港区虎ノ門3-8-8 NTT虎ノ門ビル6階 |
従業員数 | 98名 |
公式HP | https://univis.co.jp/ |
ユニヴィスグループは、「M&A」「事業投資」「コンサルティング」3つのサービスを一体として提供しています。
ユニヴィスグループは大手M&A会社を案件でリードしてきた経験豊富な方たちがたくさんいらっしゃいますので、近くで先輩の能力を見ることができ、より早く自身のキャリアアップへと繋がるでしょう。
また、グループ内には公認会計士や税理士、弁護士なども所属しており、法務面の観点からも手厚いサービスを提供することができます。
少数精鋭で活躍しているため、業務内容に縛りがなく様々な業務に携わることができます。
M&A業界での経験の有無は問わないので、M&Aの業務に興味のある方は公式採用サイトよりエントリーしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
M&Aには会社売却だけでなく、一部の事業だけを売買する事業売却も存在します。
M&Aによる事業売却の需要は高まっており、合わせて事業売却を行うM&Aコンサルタントの採用ニーズも徐々に高まっているといえるでしょう。
M&Aコンサルタントになって事業売却を行いたいと思う人は、ぜひ本記事を参考にして、希望する会社への転職を成功させてください。
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