社会イノベーションコンサルタント『日立コンサルティング』の気になる待遇と転職事情を紹介
「日立コンサルティングっていったいどんなファームなの?」
「転職難易度が高いって本当?入社後の年収や待遇は?」
日立コンサルティングは、売上規模約10兆円の日立グループが持つ様々なリソースを活用して幅広い業種で高品質なサービスを行うことに定評がある国内系戦略コンサルティングファームです。
転職市場でも人気が高く難易度も高い転職先ではありますが、日立コンサルティングの一員になれば社会イノベーションの実現にも貢献することができ、コンサルタントとして高い充実感や満足感を感じながら働けることでしょう。
そこでここでは、日立コンサルティングについて、概要と合わせて年収などの待遇や転職動向、転職時に有利になる能力について解説します。
一歩先の進んだ未来をつくるためにコンサルタントの立場から企業をサポートする日立コンサルティングで活躍したい方はぜひご覧ください。
1.日立コンサルティングの概要
日立コンサルティングの概要についてみていきましょう。
- 日立コンサルティングの歴史
- 日立コンサルティングの特長
- 日立コンサルティングの事業内容・実績
「社会イノベーションコンサルタント」をポリシーに展開する日立コンサルティングは、クライアントからの信頼も高いコンサルティングファームです。
次に1つずつ解説します。
(1)日立コンサルティングの歴史
日立コンサルティングは、2002年7月にビジネス戦略とIT戦略を統合したソリューションを提供する日立製作所のコンサルティング会社 『株式会社エクスペリオ・ソリューションズ・ジャパン』として設立されたコンサルティングファームです。
その後、事業を拡大しながら社名の変更やオフィスの移転を何度か行いつつ着実に規模を拡大し、2006年に日立コンサルティングと社名変更を行って現在に至ります。
日立コンサルティングは、事業戦略立案や業務改革からITシステム導入コンサルティングまで幅広い分野で事業とIT全般にわたり支援を行う一大国内系コンサルティングファームとして多くの実績を誇っています。
クライアントも多岐にわたっており、メーカーや流通、社会インフラ系(金融、エネルギー、通信、鉄道、水道、物流)などの各業界を代表する大手企業・グローバル企業から、官公庁や自治体に至るまで実にさまざまです。
複雑かつ多様化した社会や企業・官公庁等が抱える様々な課題に対し、日立グループのネットワークや経験をもとに、一企業の枠組みや領域を超えた協創の先導・具現化・定着を支援し、日立が長年培ってきたインフラ技術と高度なITを組み合わせた社会イノベーションの事業を通じて課題を解決するソリューションを提案しています。
企業名 | 株式会社日立コンサルティング |
本社所在地 | 東京都千代田区麹町4番地1 麹町大通りビル |
代表者 | 代表取締役 取締役社長 八尋 俊英 |
設立 | 2002年7月1日 |
資本金 | 24億円 (日立製作所100%出資) |
売上 | 111億3800万円(2022年03月31日時点) |
純資産 | 69億8800万円(2022年03月31日時点) |
従業員 | 448名(2022年2月末現在) |
事業内容 | マネジメントコンサルティング (経営計画、事業戦略、新事業構想~立上げ支援) 業務コンサルティング (業務改革、働き方改革、バリューチェーン改革) ITコンサルティング (IT構想、IT戦略、デジタル技術活用) |
ホームページ | http://www.hitachiconsulting.co.jp/ |
沿革 | 2002年7月 日立製作所の100%子会社株式会社 エクスペリオ・ソリューションズ・ジャパンとして設立 2003年5月 株式会社 エクサージュへ社名変更・港区六本木に移転 2006年4月 株式会社 日立コンサルティングへ社名変更 2006年10月 日立製作所のビジネスソリューション事業部を統合 2006年11月 陣容拡大に伴い港区港南(品川)に移転 2012年5月 陣容拡大に伴い千代田区麹町に移転 2021年4月 名古屋オフィスを開設 |
(2)日立コンサルティングの特長
日立コンサルティングは、日立グループの経営改革の支援によって得た経験や知識、日立の社会インフラ領域における実績、ITの総合力を組み合わせた的確なコンサルティングを行うことに定評があります。
コンサルティングを行う対象も幅広く、以下の6つの業種をターゲットとしています。
- 製造、流通、サービスなどの「産業」
- 官公庁、自治体、公益法人などの「公共」
- Fintech、保険などの「金融」
- エネルギー、都市、水、交通、通信などに関わる広い意味での「社会インフラ」
- 次世代ワークスタイル改革、健康経営支援などの「ヘルスケア・健康経営」
- 先端のデジタルテクノロジーを活用した「IT・デジタル」
上記の業種に対し、事業戦略・事業企画・業務改革(BPR)などビジネスの上流工程が中心部分のコンサルティングを行い、それを実践するためのシステムインテグレーションは日立製作所や日立のグループ企業へと引き継がれます。
つまり、日立コンサルティングはコンサルティングというソフトウェア領域と日立製作所等のハードウェア領域をセットでクライアントに提供できるのが最大の強みです。
コンサルティングから実践まで一貫したサービスをスピード感を持ってトータルで提供できる日立コンサルティングに対するクライアントからの信頼は非常に高く、クライアントの半数以上(55%)が日立グループ以外の企業や官公庁という数字をみてもそれは明らかでしょう。
また、規模の大きな案件も多く取り扱っているのでビッグプロジェクトに関わりたい人ややりがいを感じながら働きたい人にとっても日立コンサルティングは理想的なコンサルティングファームと言えます。
さらに、日立グループのサービスを活用したソリューションを活かし日系企業の海外展開支援も積極的に行っているのも日立コンサルティングの特長の1つです。
海外展開支援では、日本ビジネスの知見にもとづく日本品質でのプロジェクトデリバリーを強みに、クライアント企業がさまざまなグローバル課題を解決し、ビジネスを推進していけるよう徹底したサポートに人気があります。
さらに、今後ますます重要となり拡大すると予想されるIoTやAI分野のコンサルティングに注力しているのも大きな特長です。
2017年4月には、デジタル・イノベーションコンサルティング本部を新たに社長直下で設立し、IoTやデジタルトランスフォーメーションなどのIT分野でのコンサルティングをスタートしています。
これらの積極的な展開により、日立コンサルティングの2021年度の売上高は前年比9.38%増、純利益も前年比9.47%増と大幅に増大しており、これからさらに市場規模が広がるIT分野のコンサルティングをけん引する国内系コンサルティングファームとしての将来性も高いといえます。
2.日立コンサルティングの待遇
気になる日立コンサルティングの待遇について解説します。
- 日立コンサルティングの平均年収
- 日立コンサルティングの社風・社内環境・福利厚生
一流として国内外に知られる日立グループのコンサルティングファームだけあって、年収も待遇も好条件です。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)日立コンサルティングの平均年収
日立コンサルティングの年収は、公式サイトでは年収は500万円~1,500万円と公表されています。
経験やスキルによって優遇されたり、賞与については業績やパフォーマンスによって変動するとも書いているため、成績次第では若い内から1,000万円以上の年収を得ることも可能です。
また、日立コンサルティングの年収を他のコンサルティングファームと比べると、以下の通りです。
企業名 | 平均年収(推定) |
日立コンサルティング | 500万円~1,500万円 |
マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,200万円 |
ベイカレント・コンサルティング | 1,101万円 |
野村総合研究所 | 1,225万円 |
日立コンサルティングの平均年収は、他の国内コンサルティングファームと比較しても遜色ない高水準と言えます。
また、日立コンサルティングは充実した福利厚生など待遇面でのメリットも大きいと言われています。。
(2)日立コンサルティングの社風・社内環境・福利厚生
日立コンサルティングは、若手にもどんどん重要な案件を任せるなど自由闊達な社風のコンサルティングファームです。
IT分野など新しい分野にも積極的に展開しているため、社内やメンバー間で新しい意見も柔軟に取り入れるフランクでオープンな雰囲気となっていると口コミでも評判です。
また「社員のプライベートの充実がビジネスシーンでの能力発揮の最大のポイント」と捉える土壌があり、性別・年齢を問わず多様な人材を活かすダイバーシティも重視しているため、福利厚生も非常に充実しています。
- 介護休暇
- 出産/育児休暇(お子様一人当たり最大3年間の育休取得可能)
- 子・家族の看護休暇
- 配偶者出産休暇
- 生理休暇
- 配偶者転勤休暇
- 時短勤務制度(育児や介護を実施する者について、最大4時間勤務までの調整が可能)
- 育児・介護を行う社員の残業/深夜労働制限
- 妊娠中・出産後1年以内社員に対する勤務規則緩和制度
社員のライフステージに合わせてワークライフバランスを十分に考慮しながら社員が働きやすい環境・職場づくりに積極的に取り組んでいます。
また、日立コンサルティングはリモートワークの普及率も非常に高く、全社員にPCなタブレットなどのモバイル機器を配布するほか、全国に179か所あるサテライトオフィスによりリモートワークの支援を行うなど、リモートワーク率82.2%と多くの社員がこの制度を活用しています。
また、国内外の教育機関等への留学、NPO法人等における長期研修に参加するために最長2年まで休暇を取得できる社員自己啓発休暇制度もあるなど、社員のキャリアアップ・スキルアップの支援にも意欲的です。
日立コンサルティングは、社員の仕事と私生活の両立、キャリアップなどの面からみると非常に働きやすく魅力のあるコンサルティングファームといえます。
3.日立コンサルティングの転職動向
次に、日立コンサルティングの転職動向について見ていきます。
- 日立コンサルティングの転職状況
- 日立コンサルティングの転職情報
- 業界未経験からでも可能か
日立コンサルティングは、コンサルタントとして成長したいと考えている人にぴったりのファームで非常に人気があります。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)日立コンサルティングの転職状況
日立コンサルティングは転職希望者の中でも特にハイレベルな人材からの人気が高く、転職難易度はかなり高いです。
日立グループという安心感や信頼感、安心して働ける環境や経営基盤、社会に貢献するやりがいのある仕事、そして高年収・好待遇と好ましい条件がそろっているので当然といえば当然といえるでしょう。
しかも、日立コンサルティングは外資系戦略コンサルティングファームのような『Up or Out』の土壌や雰囲気はなく、社員を丁寧に育成する社風であるため、コンサルタントとしてじっくり確実に成長したいという人から人気が高くなっています。
日立コンサルティングは元は日立製作所のコンサルティング部門という歴史があるため同社出身のメンバーも多く在籍していますが、外資・国内系コンサルティングファームや大手金融機関、大手事業会社などでキャリアを積んだメンバーも多いです。
また、日立コンサルティングでは全員が一流の仕事を求められるため、中途の経験者採用枠では同業他社での経験・スキルやそれに準ずる経験に加えて高い語学力(TOEIC800点)などが求められるため、ビジネスレベルの英会話ができるメンバーが揃っています。
このようなハイレベルな人材を求めている日立コンサルティングの転職難易度はどうしても高くなりますが、その一方で中途採用を行っている部門が多いのでチャンスはあります。
(2)日立コンサルティング転職情報
現在、日立コンサルティングでは多くの部門で中途採用を募集しています。
- 改革推進プロセスコンサルティング本部
- グローバルビジネス推進室
- 産業DXコンサルティング本部
- 社会DXコンサルティング本部
- デジタル・イノベーションコンサルティング本部(デジタル・イノベーション)
- デジタル戦略・エコシステムデザイン コンサルタント
- スマート社会基盤コンサルティング第1本部(金融領域)
- スマート社会基盤コンサルティング第2本部(公共領域)
- 官公庁・公共コンサルタント
- 社会イノベーションコンサルティング本部
- 名古屋ビジネス推進室
- SXコンサルティング推進室
- グローバルトランスフォーメーションコンサルティング本部
日立コンサルティングは規模も大きく部署も多いので採用のチャンスは高いです。
海外での経験を積みたい人向けの海外出張・赴任の可能性もある募集も多く、経験者だけでなく未経験者の採用にも積極的なのでぜひ興味のある部門の採用情報があればチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
詳しい情報は、日立コンサルティングの採用情報をご覧ください。
(3)業界未経験からでも可能か
日立コンサルティングへの転職はコンサルティング業界未経験からでも可能です。
実際、コンサルティングファームとしては珍しく、日立コンサルティングの中途採用では経験者だけでなく未経験者の採用にも意欲的です。
現在公表されている中途採用情報をみても「コンサル未経験者歓迎」と積極的に採用していますし、中途入社者の6~7割がコンサル未経験なので、業界未経験者だからといって応募を控える必要は全くありません。
これまでなんらかのコンサルティング経験がなくても、事業会社での営業やIT部門でのプロジェクト企画業務の経験やシステム導入・サービス導入・システム開発などの経験があれば高評価されるのでチャレンジしてみる価値はあります。
また、2017年に設立したデジタル・イノベーションコンサルティング本部でIoTやデジタルトランスフォーメーションなどのIT分野でのコンサルティングを積極的に進めているため、この分野における豊富な知見・経験を持つ人材は高く評価されます。
ITスキル等など専門的な強みがある人材であれば、充実した研修のある日立コンサルティングの中途採用ではコンサル業務未経験の有無については重視されないため、チャレンジしてみる価値があります。
さらに、専門スキル・経験に加えて、ビジネスレベルの英語力(TOEIC870点以上)や優秀なコンサルタントになるために不可欠なコミュニケーション能力を磨くことが、日立コンサルティングへの転職を成功させる重要なカギです。
ぜひ日立グループとともに日立コンサルティングの一員として社会イノベーションを実現したいという志のある人はチャレンジしてみてください。
4.日立コンサルティングへの転職に有利になる能力
日立コンサルティングへの転職に有利になる能力について見ていきましょう。
- 技術分野の豊富な知見や経験
- 高いコミュニケーション能力
- ビジネスレベルの英語力
日立コンサルティングで重視されるのは、他のコンサルティングファームと少し異なります。
日立コンサルティングへの転職を考えている方は必見です。
(1)技術分野の豊富な知見や経験
1つ目の日立コンサルティングへの転職が有利になる能力は、技術分野における豊富な知見や経験です。
「モノづくり」に力を入れているの日立グループの日立コンサルティングの中途採用では、製造や流通、サービスや通信業やエネルギー業界や、事業会社のIT部門でのプロジェクト企画業務の経験、DX推進や大規模IT導入などのデジタルテクノロジーの経験、組織改革・立上げ等の改革プロジェクトの経験などの技術分野での具体的で実践的な知見・経験・スキルが求められます。
もちろんコンサルティング経験があるとなお良いとされていますが、なくてもそれほどマイナスにはならないのが日立コンサルティングへの中途採用の大きな特長です。
これまで自分が携わった業務について具体的にまとめておくと大きなアドバンテージとなります。
(2)高いコミュニケーション能力
2つ目の日立コンサルティングへの転職が有利になる能力は、高いコミュニケーション能力です。
いくら素晴らしいアイディアや分析力があっても、コンサルタントが対するのは機械や数字ではなく『人間』であり、相手に信頼され受け入れてもらうことができなければ何の意味もありません。
また、日立コンサルティングではプロジェクトに対しチームで取り組むため、メンバーとチームワークを持ってより大きな成果を出せる人材であることも重視されます。
そのため、クライアントや仲間の懐に入って円滑な人間関係を築き信頼を勝ち取ることができる高いコミュニケーション能力があるかどうかは優秀なコンサルタントになれるかどうかの分かれ目であり、日立コンサルティングの面接でもそこが重視されています。
コミュニケーション能力は、ビジネスシーンだけでなくプライベートで多くの「経験→振り返り→概念化→実践」を繰り返す『経験学習サイクル』で高めるのが効果的です。
これはコンサルタントとして活動する際にも活用できるスキルだといえるでしょう。
(3)ビジネスレベルの英語力
3つ目の日立コンサルティングへの転職が有利になる能力は、ビジネスレベルの英語力です。
国内企業のコンサルティングだけでなく海外展開を考える企業の支援にも力を入れているため、マスト能力ではありませんが、あれば大きなアドバンテージになります。
まずは、ビジネスレベルの英語力(TOEIC800点)を目指してトレーニングをしておくことをおすすめします。
5.日立コンサルティングからのキャリアパス
最後に、日立コンサルティングからのキャリアパスについて解説します。
日立コンサルティングは、待遇面で解説した通り、「Up or Out」の傾向がほぼなく、入社した人は長く在籍する傾向があって離職率も低いという珍しいコンサルティングファームです。
しかし、中にはキャリアアップを求めて転職する人もおり、その方向性は様々です。
- 外資系・国内系コンサルティングファーム
- 外資系・国内系ファンド
- 大手事業会社の企画職
- ベンチャー企業
コンサルタントとしての更なる飛躍を求めて外資系コンサルティングファームや国内系コンサルティングファームへ転職する人や、経験や知見を活かしてファンドに転職する人、製造業などに強い日立コンサルティングで得た知見を活かして事業会社へ転職する人など様々です。
また、日立コンサルティングでの経験から得た知見や人脈を活かしてベンチャー企業への転職する人もいます。
企業だけでなく政府系の仕事にも携わることができる日立コンサルティングの後のキャリアの選択肢も豊富であるのも同社が人気の理由の1つといえるでしょう。
まとめ
日立コンサルティングは、社会インフラの実績とITによる総合力を備える日立グループのバッグボーン・リソースを活かしてコンサルティングビジネスを展開している国内屈指のコンサルティングファームです。
ますます高度化・複雑化する社会課題の解決の支援やITなど次世代社会の構想策定など最先端のコンサルティングに携われるのは規模も実績も桁違いの日立コンサルティングだからこそです。
待遇面でも優れた日立コンサルティングは転職市場でも人気ですが、他のコンサルティングファームとは採用時に重視するポイントが異なるため、どんな人にもチャンスはあります。
コンサルタントとして活躍することを考えているなら日立コンサルティングの中途採用にチャレンジしてみましょう。
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