【外資系・戦略コンサル】人気5ファームと転職動向と求められる人の4つの特徴
「外資系の戦略ファームに転職したい」
「外資系の戦略ファームで人気なのは?」
外資系の戦略ファームは転職者に人気の高いコンサル業界の中でも、ひときわ高い年収やその後のキャリアでの価値や評価の高さから圧倒的な人気を誇るコンサルティングファームです。
外資系の戦略ファームへの転職は難易度が高いことで知られていますが、コンサル業界の好況が続いており、採用意欲が軒並み高い今が転職のチャンスと言われています。
そこでここでは、外資系の戦略ファームの中でも特に人気の高い5社を紹介するとともに、外資系戦略コンサルの転職動向や求められる人の特徴を解説します。
国内外の大企業のブレーンとして活躍する外資系の戦略系コンサルに興味がある人は必見です。
1.外資系戦略ファームとは
コンサル業界を代表する外資系の戦略ファームとは、大企業に対する経営戦略全般のコンサルティングを行っている外国資本によるコンサルティングファームです。
戦略ファームは、コンサルティングサービスの中でもクライアント企業の「経営課題解決」「新規事業立案」「M&A戦略」「DX」「海外進出」などのテーマにおいて、クライアント企業の経営課題を特定し、その改善方法の戦略を提案するコンサルティングサービスを提供しています。
戦略ファームの中でも、本社をアメリカやヨーロッパに置き、世界各地に拠点を拡大してワールドワイドな展開をしているファームを外資系戦略コンサルと言い、各国を代表するような大企業をメインのクライアントとしています。
近年では、クライアントニーズの変化により課題解決の戦略の提案だけでなく実行の伴走支援まで行う企業も増えており、業務はさらに多岐に拡大しています。
2.人気の外資系・戦略系コンサルティングファーム5選
次に、転職市場でも特に人気の高い外資系の戦略ファーム5選を紹介します。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン
- ボストン・コンサルティング・グループ
- ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
- A.Tカーニー株式会社
- ローランド・ベルガー
外資系の戦略ファームは誰もが名前を聞いたことがある有名で大規模なものが多いです。
とびきりの高年収が得られる分、それに見合った結果を常に求められるハードな環境となりますが、成果を出した分はしっかり評価されて昇進や報酬に反映されるので、実力主義・成果主義の中でバリバリ働きたい人におすすめです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン
1つ目に紹介する外資系の戦略ファームは、マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン(以下、マッキンゼー)です。
1926年にジェームズ・O・マッキンゼーによって創立され、米Vault社『世界で最も権威あるコンサルティングファーム』2006年~2017年でずっと第1位にランクインするなど「世界最高峰」の名にふさわしい外資系の戦略ファームといえるでしょう。
日本では1971年にマッキンゼー日本支社が設置され、日本のトップ企業30社のうちの8割ほどの企業に対して世界最高峰といわれるサービスを提供しているなど高いシェアを誇っています。
また、世界67カ国130以上の拠点を一つの組織として扱う「One Firm Policy」のもと、国や領域などの垣根を越えて人材・ノウハウを共有することで、日本支社に勤めながらグローバルな案件に携わり、グローバルな働き方ができるのもマッキンゼーの大きな特徴です。
マッキンゼーは社風・社員も穏やかと言われており、良好な人間関係のもとで厳しく切磋琢磨しあいながらクライアント企業の難解な経営課題に日々向き合い、質の高いアウトプットを続ける過程でビジネスパーソンとして成長できる環境が整っていると言えるでしょう。
企業名 | マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン McKinsey & Company Japan |
設立 | 1971年 |
代表 | シニアパートナー 岩谷 直幸 |
従業員 | 約600名 |
所在地 | 東京都港区 六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー |
ホームページ | https://www.mckinsey.com/jp |
平均年収(推定) | 1,842万円 |
(2)ボストン・コンサルティング・グループ
2つ目に紹介する外資系の戦略ファームは、ボストン・コンサルティング・グループ(以下、BCG)です。
マッキンゼーやベインと共に戦略コンサル御三家『MBB』の一角であるBCGは、1963年にブルース・ヘンダーソンやジェイムズ・アベグレンらによって設立された、アメリカ・ボストンに本社を置く戦略コンサルティングファームです。
日本に初めて登場した外資系の戦略ファームであり、日本の企業にカスタマイズされたコンサルティングはクライアント企業から大きな支持を集め、現在も日本市場で大きなシェアを誇っています。
BCGの平均年収は戦略コンサルのトップクラスであり、海外案件も多く取り扱っていますが国内案件に力を入れているのが大きな特徴です。
また、マッキンゼーと同様に『人材輩出企業』としても有名で、高い人材育成力にも定評があります。
企業名 | ボストン・コンサルティング・グループ東京オフィス |
設立 | 1966年 |
代表 | 日本共同代表 秋池 玲子 / 内田 有希昌 |
従業員 | 約950名 |
所在地 | 東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号 日本橋室町三井タワー25階 |
ホームページ | https://www.bcg.com/ja-jp/ |
平均年収(推定) | 1,928万円 |
(3) ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
3つ目に紹介する外資系の戦略ファームは、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド(以下、ベイン)です。
1973年米国ボストンに創設された現在世界38ヶ国に63拠点のネットワークを展開している世界有数の戦略コンサルティングファームであり、設立当初から「徹底的な結果主義」を掲げ、現状に満足しない起業家精神文化をもとにしたクライアント企業の成長につながる高い提案力は多くの企業から信頼されています。
また、クライアント企業が満足するサービスを提供するためにトップレベルの人材を採用し、連動報酬制や充実したキャリア育成サポート制度など社員がやりがいをもって働ける環境づくりにも熱心なコンサルティングファームです。
働きやすい企業トップ50位を従業員の投票によりランク付けしたGlassdoorの『Best Places to Work(働きやすい企業)』において、ランキングがスタートした2009年から過去14年間にわたって4度の1位を獲得し、常に4位以内にランクイン(2022年は第3位)するなど「ホワイト」なファームとしても有名です。
企業名 | ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド |
設立 | 1981年 |
代表 | 代表・代表取締役社長 デイヴ マイケルズ |
従業員 | 約100名 |
所在地 | 東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号 日本橋室町三井タワー25階 |
ホームページ | https://www.bain.com/ja/ |
平均年収(推定) | 1,940万円 |
(4)A.T.カーニー株式会社
4つ目に紹介する外資系の戦略ファームは、A.T.カーニー株式会社(以下、A.T.カーニー)です。
A.T.カーニーは、米国シカゴで創立されたマッキンゼー・アンド・カンパニーのシカゴオフィスが1926年に独立し、アンドリュー・トーマス・カーニーによって創立された戦略ファームです。
世界41の国と地域・63拠点に約4,200名のスタッフとグローバルネットワークを擁し、 フォーチュン誌によるアメリカの上位500社のリスト『フォーチュン500』にランクインされている企業の3分の2以上をクライアントに持ち、政府機関やNPOなども顧客に抱えているなど主要産業分野のグローバル1,000社や各国大手企業を中心に戦略からオペレーション、ITに至るまで一貫した高品質のサービスを提供しています。
A.T.カーニーは上記で紹介してきた「MBB」次ぐ入社難易度といわれており、在籍しているコンサルタントの質も高く、高度な専門性、目に見える成果の実現、顧客企業との密接な協働作業を最大の強みとしています。
日本法人は1972年に開設され、名実ともに日本国内でも「The Best Firm」となることを目標として「目に見える成果(Tangible Result)」に拘ったコンサルティングを行っています。
企業名 | A.T.カーニー株式会社 A.T. Kearney |
設立 | 1972年 |
代表 | 関灘 茂 |
従業員 | 約200名 |
所在地 | 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー23階 |
ホームページ | https://www.jp.kearney.com/ |
平均年収(推定) | 1,660万円 |
(5)ローランド・ベルガー
5つ目に紹介する外資系の戦略ファームは、ローランド・ベルガー です。
ローランド・ベルガーは1967年にドイツで設立されたヨーロッパを代表するグローバル戦略ファームであり、世界35カ国に51オフィスを展開し、起業家精神のもとにした様々な業種・規模のクライアントに対し新たなソリューションの提供力に定評があります。
多様性を重んじるカルチャーがあり、1991年に発足した日本法人にも多彩なバックグラウンドを有するコンサルタントが在籍しており、国内だけでなくアジア地域の成長の牽引力として活動しています。
また、専門分野のスタートアップや少数精鋭のチームなど多様な企業によるプロフェッショナル・ネットワーク『価値共創ネットワーク』を形成し、共同プロジェクトを行うことで1社ではできない価値創出を試みるなど革新的な取り組みも積極的に行っています。
企業名 | ローランド・ベルガー東京オフィス |
設立 | 1991年 |
代表 | 大橋譲 |
従業員 | 約110名 |
所在地 | 東京都港区赤坂1-12-32アーク森ビル23F |
ホームページ | https://rolandberger.tokyo/ |
平均年収 | 1,710万円 |
3.外資系・戦略ファームの転職情報
次に、気になる外資系・戦略ファームの転職情報について解説していきます。
- 外資系の戦略ファームの中途採用動向
- 外資系の戦略ファームは転職先として人気である
- 未経験からでも外資系・戦略ファームへの転職は可能か
外資系の戦略ファームのコンサルタントは、転職市場でも人気が高い花形職業となっています。
次に1つずつ解説します。
(1)外資系の戦略ファームの中途採用動向
コロナ直後は全般的に一時的に採用を様子見する傾向があったコンサル業界ですが、現在はDXへの投資など新たなテーマの案件が増えたことでコンサル業界全体の採用意欲もかなり高くなっています。
2021年のIDC Japanの調査で、今後の国内のコンサルティング業界の市場規模は2025年に1兆2,551億円にまで到達すると予測されており、好況が続くコンサル業界では案件増加と人手不足から今後もコンサルタントの採用を積極的に行う状況は続くという見解が見られます。
特に戦略ファームが積極的に採用しているのが、金融や製造など企業の経営を取り巻いている世の中の状況、情勢の変化が激しい業界出身者やDXなど特定領域で高い専門性・スキルを持つ人材です。
また、戦略立案から実行まで幅広いプロジェクト実績があるコンサルタント経験者も外資系の戦略コンサルで実践力として高く評価され、引く手あまたとなっているようです。
(2)外資系の戦略ファームは転職先として人気である
なぜ外資系の戦略ファームが転職市場で人気なのか、主な理由は以下のようなものになります。
- 高額な年収が得られる
- グローバル・大規模な案件に多く携わることができる
- 戦略立案などビジネスの中枢に携わることができる
- 成果主義・実力主義が徹底している
- ビジネスパーソンに必要なスキル・知見を得られる
- 卒業後のキャリアの選択肢が広がる
- 人脈を築ける
まず、多くの転職者を引きつけるのが、外資系の戦略ファームが他業種・他コンサルと比べて高年収を得られるという点です。
同じコンサルであっても、企業課題を解決するブレーンとして活動する戦略系コンサルの平均年収は、クライアント企業の規模が大きくプロジェクトも大規模になる傾向が多いことから他のコンサルと比べると高い水準となっています。
さらに外資系の戦略ファームは、日系の企業と比べると年功序列制ではなく実力主義・成果主義が徹底しているため、成果を上げれば正しく評価され、昇進するスピードも早く、転職してから短期間で年収を大幅アップさせることも可能な環境となっています。
また、結果がダイレクトに収入に直結する構造であるため、高いやりがいとモチベーションを持って働けることも、外資系の戦略ファームが転職希望者を引きつける大きな魅力のひとつといえるでしょう。
さらに、優秀な人材と共に難易度が高い案件に数多く取り組めるという成長機会の多い環境、蓄積されたノウハウをもとにビジネスパーソンに必要なスキル・知見を身につけられることなども、成長意欲や向上心の強い人にとって外資系の戦略ファームが転職先として人気がある理由と考えられます。
また、外資系の戦略ファームは世界的に名の知れた有名なファームが多く、そのブランド力や仕事で得た人脈・卒業生ネットワーク(アルムナイ)はその後のキャリアを築く上で大きな財産となる点も大きな魅力となっています。
(3)未経験からでも外資系・戦略ファームへの転職は可能か
コンサル未経験でも、外資系の戦略ファームへの転職は可能です。
クライアント企業の経営層と深く関わる戦略コンサルタントには経営層と対等に渡り合う高度な知識や情報・スキルに加え、高いコミュニケーション能力や社会人としての経験値も重要であることから、新卒よりも社会人経験のある中途採用者のほうが有利といわれており、中途採用者にコンサル経験を重視しないコンサルティングファームも増えている傾向にあると言われています。
特に最近では戦略ファームでも戦略立案のみではなく、結果までコミットできることを期待される傾向が強まっており、実行支援をするという観点から事業会社での経営企画・事業企画の経験者や投資銀行や監査法人などの実務経験者が高く評価され、採用されているようです。
コンサル未経験の方には、0からでもコンサルティングスキルを身につけることができる充実した研修を用意しているファームも多いため、コンサル未経験であっても入社後に十分に力をつけることができます。
企業の命運を大きく左右する戦略コンサルの仕事に興味がある人は、転職時に未経験であることは不利にはならないのでぜひチャレンジしましょう。
4.外資系・戦略ファームで求められる人の4つの特徴
外資系の戦略ファームで求められる人の特徴について解説します。
- ロジカル思考がある人
- ビジネスレベルの英語力がある人
- 肉体的・精神的にタフな人
- 勤勉・努力家である人
上記の4つの特徴は、企業のブレーンとして難易度の高い案件に取り組む外資系・戦略ファームのコンサルタントに重要な特徴ばかりです。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)ロジカル思考がある人
1つ目の特徴は、ロジカル思考がある人です。
戦略コンサルタントは、クライアント企業の現状のデータや情報やヒアリングから問題を見つけ、経営面やマネジメントに関して戦略計画を策定して、具体的なアクションプランへと落とし込むのが仕事であるため、事実(ファクト)を捉えて推論する論理的な思考力があることが不可欠です。
また、クライアント企業の経営層といういわば経営のプロフェッショナルに対して戦略コンサルタントが提案をする際、ロジカル思考に基づいた論理的な提案は相手を説明・説得する上で大きな武器となります。
考えが異なる相手であっても理解・納得してもらえる提案を行うために不可欠なロジカル思考は、戦略コンサルタントが必ず身につけていなければいけない特徴といっても過言ではありません。
(2)ビジネスレベルの英語力がある人
2つ目の特徴は、ビジネスレベルの英語力がある人です。
世界中に拠点を持つグローバルな外資系の戦略ファームでは海外案件を手掛けることが多く、その際にはグループのネットワークを利用して海外オフィスのメンバー・スタッフと協同で取り組むことがほとんどであり、海外のクライアント企業とのやりとりも日常的に行うことになります。
外資系の戦略ファームでは英語でのケース面接を課されるケースもあるため、外資系の戦略ファームのコンサルタントとして活躍するにはTOEIC750点以上で不自由なく英語を話せる能力が不可欠です。
(3)肉体的・精神的にタフな人
3つ目の特徴は、肉体的・精神的にタフな人です。
外資系のコンサルの多くが実力主義であり、「Up or Out」の文化の中で常に成果を出し続けることを求められます。
頑張って成果を上げた分だけ昇進・年収に反映されるため常にやりがいと高いモチベーションを持って働くことができますが、その一方で戦略ファームは特に優秀な人材が集まっている上に難易度の高い案件が多いため、プレッシャーの中で成果を出し続けるには精神的・肉体的なタフさが求められます。
どんなクライアント・案件であっても、ポジティブに考え、タフに取り組める人も戦略ファームに求められる人材です。
(4)勤勉・努力家である人
4つ目の特徴は、勤勉・努力家である人です。
変化に合わせて柔軟に変わり続けることができる企業が生き残るといわれている今、企業がコンサルタントに求めるものも変化しており、変化に合わせて柔軟に対応するために、コンサルタントも現状で満足することなく、常に自身のスキルや情報、技術等をアップデートし続ける必要があります。
問題・課題の解決や発展を望むクライアント企業の目的を達成させるというコンサルタントの使命を全うするために、常に向上心を持って学び、努力し続けることができる人であることも、戦略ファームのコンサルタントとして求められる大きな特性と言えるでしょう。
まとめ
外資系の戦略ファームについて、人気の5企業と転職動向、求められる人の4つの特徴について解説しました。
ハードといわれるコンサルティング業界の中でも、クライアント企業のブレーンとして活動する外資系の戦略コンサルの仕事は決して楽ではありませんが、高年収を得られると同時に自分の能力・スキルを磨きつつ、他では得難い経験ができるなどコンサルタントとして成長機会も多い魅力的な仕事といえます。
徹底した実力主義・結果主義の世界で、自分を成長させたい・可能性を広げたいと考えている人はぜひ外資系の戦略ファームへの転職にチャレンジしましょう。
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