公認会計士が経営者の右腕に?会計士がCFOへ転職する際のメリットやスキルは?
「公認会計士としてキャリアアップしたい。」
「CFOではどのようなスキルが必要なのか?また、どう活躍できるのか?」
このような疑問を抱いたことはありませんか?
CFOは企業の財務に責任を持つ経営者の立場であり、公認会計士のスキルが活かせるポジションです。
この記事では、CFOの仕事内容を具体的に説明し、必要なスキルやメリットを紹介します。
これからのアクションを考える上で、是非参考にしてみてください。
1.公認会計士が担うCFOの仕事内容とは
さっそく、CFOの具体的業務内容を紹介します。
CFOとは、企業の最高財務責任者を指し、企業の財務に関する戦略立案や執行を担うトップの立場です。
主に、財務関係の仕事をする立場ですが、企業の経営状況などを鑑みて判断を下すことから、欧米では高経営責任者であるCEOと同様の地位が確立されていると言えます。
CFOの具体的な仕事内容としては、以下の例が挙げられます。
- 財務戦略の立案/執行
- 事業計画/予算の策定
- 資金調達/銀行交渉
- 監査法人業務
- 企業の価値向上
- 内部統制の構築 etc.
このように、CFOの仕事は企業の根幹を支えるものばかりです。
公認会計士は、専門性の高い知識を持っており会計・財務に関する強みがあります。
さらに、企業の経営者陣に対するアドバイザリー業務などを担うこともあるため経営陣の立場の視点も持っています。
そのため、CFOへ転職するポストの中で、公認会計士はニーズの高い存在です。
2.CFOになるために必要な能力
次に、CFOになるためにどのような能力が必要なのかを紹介します。
CFOは、企業において重要な存在かつトップに値する位にいます。
そのため、求められる能力もレベルが高く、転職するにあたってその内容を把握しておく必要があります。
順に紹介していきます。
(1)資金調達に関する理解・交渉力
企業における資金調達は重要な役割です。
そのため、CFOになる上で資金調達を理解し交渉を成功させる能力が求められます。
例えば、銀行から資金調達をする際、金額が大きくなればなるほど、なぜその金額が必要となるのか?調達した資金をどう使うのか?その結果なぜ数値目標が達成できるのか?といった具体的な経営シナリオかつ数字に対する細かい理解が求められます。
また、エクイティ(第三者割当増資)で資金を調達する際にも、エンジェル投資家やVCといった関係者や既存の株主も巻き込んだ交渉が必要となります。
上場やExitを目指す中で、現在のバリュエーションがなぜこの金額なのか、調達した金額はどう使うのか、次のラウンドに向けていかに事業を成長させるのかといったシナリオを描くことが求められるのです。
そのため、資金調達をする上で銀行と株主との折衝を考慮して、企業にとって最適なアクションを行うことが重要と言えます。
このように、CFOとして資金調達をスムーズに行うには、内容を理解し交渉力を持つことが求められるのです。
(2)経営を推進できる分析力
CFOは、財務の最高責任者でありながら、CEOと同様に経営を推進できる能力が必要になります。
例えば、上記で挙げたような財務戦略や執行をする際、企業の経営状況を把握しておくことが不可欠です。
また、経営陣的観点から俯瞰的に企業を捉え、事業計画や予算の策定を行う必要があります。
このような業務を円滑に行うためには、会計・財務関連の知識だけでなく経営陣としての知識が重要なのです。
(3)上場を推進できる知見
IPOを目指す企業のCFOの場合には、企業が上場準備段階に入ると、内部統制構築や主幹事の選定、監査法人対応などを業務に追加されるため、上場を推進できる知見が必要です。
まず内部統制では、企業が適切に経営されるために事業活動を行う上でのルールや仕組みを整備し、運用の推進を行います。
そのルールや仕組みには、業務の効率化や法令順守、資産の保全や各種リスクへの対応など、様々な観点が盛り込まれることになります。
さらに、どのような証券会社を主幹事に選定するのかも適切に判断する必要があります。
そして、企業の状況や事業内容を把握した上で様々な証券会社の情報収集を行い、客観的に選定を行うのです。
また、上場後の事業シナリオや調達シナリオもよく検討し、長期的に企業が成長するための施策も随時考慮する必要があります。
このようにCFOは、上場を目指す企業において上場を推進させる能力が重要なのです。
(4) バックオフィスに関する理解
企業によって、CFOが財務以外を兼任する場合もあります。
企業におけるバックオフィス業務は、総務や人事などを担います。
直接的な利益は生みませんが、上場時に監査が入ることもあるなど、企業が事業活動などを行う上で重要な役割であると言えます。
ただ、バックオフィス業務は非効率になりやすく、優先順位が落ちやすい業務でもあるので、いかに効率的で経営に直結するシステムを構築するのかが鍵となります。
企業によってバックオフィスの効率化は異なるため、現状のバックオフィスを十分に理解し最善の策を考えることも、CFOの役割なのです。
3.公認会計士がCFOになることのメリット
これまで、公認会計士がCFOになる上で必要な情報として、CFOが具体的にどのような存在なのかを紹介してきました。
最後に、これから公認会計士がCFOになることで得られるメリットを紹介します。
(1)経営陣としての経験を積める
公認会計士がCFOになることのメリットの一つ目は、経営陣としての経験値が上がることです。
上記でもお伝えしたようにCFOは、欧米ではCEOと同様の地位が確立されているほどのポジションです。
業務内容も高い責任能力が求められるものが多いです。
そのため、経営陣として直接的に経営に関わることができ様々な経験を積むことが期待できるでしょう。
キャリアアップを目指す方にはもってこいのメリットです。
(2)財務の立場から経営の意思決定を下せる
CFOになる上で考えられるメリットの二つ目は、財務の立場から経営の判断が下せることです。
これまで監査業務など業務の一部分のみ担当していた場合は、経営判断で下せる裁量権の幅広さに当初は驚きを感じるほどでしょう。
そのため、今まで培ったスキルを活かしつつ、経営の意思決定などの更なるスキルアップができると言えます。
会計・税務に対する理解という武器を活かして、どんどん幅広い業務で活躍することができるでしょう。
(3)より高い収入を目指せる
CFOになることの三つ目のメリットは、今より高い収入を目指せることです。
CFOの平均年収は、大手企業で約2,500~5,000万円、中小企業でも約1,500~2,500万円と言われています。
厚生労働省によると、公認会計士の平均年収が1,000万円を超えるのは45歳~49歳と言われています。
より高い収入を目指し更なるキャリアアップを目指しているのであれば、CFOへ転職することも一つの手段であると言えます。
また、CFOはインセンティブ設計がされている場合もあり、多くはストックオプションなど上場時に大きな報酬が約束されているケースがあります。
ベンチャー企業CFOの場合、入社時の年収は低かったとしても、ストックオプションを考慮すると大きく年収が跳ね上がるということも。
CFOはより高い年収を目指す人にとって、魅力的なポストと言えるでしょう。
まとめ
これから、公認会計士のスキルを活かしてキャリアアップを考えている方は、CFOのポストに応募してみることも良いでしょう。
既に持っている公認会計士としてのスキルとCFOは親和性が高く、より幅広い領域で既存のスキルを発揮することができます。
CFOは責任も大きいポジションですが、その分様々なメリットを得ることが期待できます。
これからのアクションを考える上で、参考にしてみてください。
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