経理に転職したい!業務内容や求人傾向・転職をスムーズにするコツを経験別にご紹介
「経理部に転職したいけど、未経験でも採用されるものなのかな?」
「経理経験者だが、よりレベルアップした企業の経理部へ転職したい。その際に必要なスキルなどはあるのだろうか?」
経理部と一口に言っても、転職先の企業によって業務内容は変わります。
また、未経験の場合は難易度の高い企業よりも、業務の幅が広い中小企業への転職の方が決まりやすいでしょう。
今回は経理の業務の概要や経理部に転職するメリットとデメリット、さらに経理部に転職する場合のコツを未経験・経験者別にご紹介します。
最後まで記事を読めば、自身の経験やスキルに応じて、適切な経理部への転職プランが見つかるでしょう!
1.経理の業務の概要
経理の業務の概要を簡単に説明します。
- 日系大手の経理
- 中小企業の経理
- 外資系の経理
- 金融機関の経理
転職先の企業によって業務内容はかなり変わるので、事前に把握しておきましょう。
(1)日系大手の経理
日系大手の経理では、専門性の高い仕事が求められます。
経理部門が独立して設立されていて、原価計算・税務・決算など、業務ごとに細分化されて担当を受け持つことが多いです。
そのため担当業務に対しての専門性が求められます。
(2)中小企業の経理
中小企業の経理は、経理の仕事と人事党を兼任することが多いです。
経理が独立部門となっておらず、経理の仕事以外に給与計算・人事・労務関係の仕事も受け持ちます。
中小企業では、経理+人事等の仕事をオールラウンドにこなすスキルが求められるでしょう。
(3)外資系の経理
外資系の経理は、国際会計基準に合わせた経理業務が求められることが多いです。
国内で作成した財務諸表を、親会社である本国の基準に変換する必要があるでしょう。
IFRS検定の資格があると、転職に有利に働きます。
(4)金融機関の経理
金融機関の経理は、内容自体は他の経理業務と同じですが、商品がお金という点に相違点があります。
お金自体が管理対象のため、経理作業における管理は厳しく、ルールはかなり細かいでしょう。
また銀行等に転職した場合は預金残高等の個人情報に触れることも多いです。
基本的に経理は担当分けされていて、厳しいルールの中ルーティンで仕事をこなすのがメインになります。
2.経理に転職するメリットとデメリット
経理に転職するメリットとデメリットを紹介します。
- メリット
- デメリット
双方を比較して、転職を検討しましょう。
(1)メリット
経理に転職する4つのメリットを紹介します。
- 会社の会計知識がつく
- 経営陣との関わりが強く経営知識が付きやすい
- 転職に有利な経験になる
- 安定した職種である
1つずつ説明していきます。
#1:会社の会計知識がつく
経理に転職する1つ目のメリットは、会社の会計知識がつくことです。
経理は会社のお金の流れを管理する役割であり、資産と日々の出入金が一致しているかチェックする部門。
決算にも関わるため、会計の知識も身に付きます。
#2:経営陣との関わりが強く経営知識が付きやすい
経理に転職する2つ目のメリットは、経営陣との関わりが強く経営知識が付きやすいことです。
決算業務を担当する数字に強い部署であるため、経営陣から経理データを元にした提案や助言を求められることもあります。
そのため経営陣と話す機会が多く、会社経営に必要なお金の流れ・動かし方を学べるでしょう。
#3:転職に有利な経験になる
経理に転職する3つ目のメリットは、転職に有利な経験になります。
会計の知識があることで、その後会計事務所への転職やよりレベルアップした経理部門への転職も可能です。
また日商簿記やIFRS検定など、経理に関連する資格取得をすれば、さらに転職の選択肢も広がります。
#4:安定した職種である
経理に転職する4つ目のメリットは、安定した職種であることです。
企業において経理は必ず設置される部門であり、どの会社でも重宝されます。
業務が担当制の企業も多いため、労働環境も比較的良く、ライフワークバランスも取りやすいです。
(2)デメリット
経理に転職する3つのデメリットを紹介します。
- ミスが許されない環境である
- 決算期は残業が多くなる可能性がある
- 上が詰まり昇進しづらい
1つずつ説明していきます。
#1:ミスが許されない環境である
経理に転職する1つ目のデメリットは、ミスが許されない環境です。
会社のお金を管理し、そのデータを元に決算が行われるため、もちろん失敗は許されません。
そのため常にチェックに気を回したり、確認に追われてしまいます。
失敗した際のリスクが大きく、精神的にストレスを感じる可能性があるでしょう。
#2:決算期は残業が多くなる可能性がある
経理に転職する2つ目のデメリットは、決算期は残業が多くなる可能性があることです。
月次決算・四半期決算・年度決算の時期には、残高の確定や決算書の作成、申告書の作成等の膨大な業務があります。
また、上場企業では株主総会が開催されるため、その準備も担当しなければなりません。
時期によっては残業時間が増える可能性があるでしょう。
#3:上が詰まり昇進しづらい
経理に転職する3つ目のデメリットは、上が詰まり昇進しづらいことです。
在籍している会社で上位ポジションを目指す人も多く、特にマネージャークラスは転職をあまりしません。
その為、昇進のためのポストが空かず、フラストレーションを感じることがあるでしょう。
この場合は自身がより良いポストにつける別会社への転職などを検討した方が良いかもしれません。
3.経理への転職は難しい?未経験と経験者の難易度の違い
経理への転職は、未経験と経験者で難易度が違います。
- 経理未経験者は即戦力になりづらい
- 経理経験者は転職先が求めている知識を有していれば有利
自身の経歴・スキルに合わせて、難易度を考える参考にしてみましょう。
それぞれ説明します。
(1)経理未経験者は即戦力になりづらい
経理未経験者は、経理部門では即戦力になりづらいため、ポテンシャル採用が多いです。
そのため20代のうちの早めの転職が求められます。
年齢が上がるほど転職に不利になり、採用難易度が上昇するためです。
即戦力にならない経理未経験者は、できるだけ若いうちに転職を考えましょう。
(2)経理経験者は転職先が求めている知識を有していれば有利
経理経験者は、転職先が求めている知識を有していれば有利です。
冒頭でも説明したように、経理業務は転職先の企業によって業務内容が違います。
経理の基礎知識があることは評価されますが、例えば中小企業の経理から外資系の経理への転職の場合は、語学力や国際会計の知識があった方が有利です。
求人票をよく見て、転職先が求めるスキルがあるかを考えて対策しましょう。
4.経理への転職をスムーズにするコツ
経理への転職をスムーズにするコツを、2つのパターンごとに解説します。
- 未経験者の経理への転職
- 経験者の経理への転職
経理業務の経験があるかどうかで難易度は変わりますが、さらに有利に転職を進めるための手立ても考えておきましょう。
1つずつ説明します。
(1)未経験者の経理への転職
未経験者の経理への転職の場合は、以下の3つのコツを実践してみましょう。
- 資格を取得する
- 対応業務範囲の広い企業を目指す
- 転職に有利なタイミングで探す
未経験の場合は即戦力にならないため、資格や狙う企業を変えて転職成功率を上げなければなりません。
具体的に1つずつ詳細を解説します。
#1:資格を取得する
未経験者の経理への転職の場合は、資格取得をするとアピールポイントになります。
経理を目指す人が取得しておくと良い資格は、日商簿記です。
日商簿記とは企業の経理業務に必要な会計知識についての検定。
・3級 …基本的な商業簿記ができる、小規模企業・商店での経理が行える。
・2級 …高度な商業簿記、工業簿記が可能。財務諸表から経営内容を読み解ける。一般的な企業の経理レベル。
・1級 …非常に高度な商業簿記・工業簿記を使いこなせる。経営管理や経営分析も行える、日商簿記の最高レベル。
目指す企業規模にもよりますが、中規模企業以上の経理を希望するなら、2級は取得しておきたいところです。
1級に合格すると会計士試験の受験資格が与えられ、より大手企業の経理職へつける可能性も上がります。
また、外資系の経理に転職したいなら、USCPA(米国公認会計士)やIFRS検定(国際会計基準検定)を取得しておきましょう。
国際会計に関しての知識、また語学力が求められるため、経理未経験者だとかなりハードルが高いからです。
未経験から経理に転職したい場合は、転職先の企業に合わせた資格を取得しておきましょう。
#2:対応業務範囲の広い企業を目指す
未経験者の経理への転職の場合は、対応業務範囲の広い企業を目指しましょう。
金融機関などの専門的な経理は、未経験では内定率は低いからです。
中小企業の経理など、オールラウンダー的な働き方が求められる企業の方が内定率は高くなります。
最初から大手企業を目指しても成功率が低いので、キャリアパスとして中小企業を経由するのが適切です。
転職の成功度を高めるためにも、業務範囲の広い企業から転職に挑戦しましょう。
#3:転職に有利なタイミングで探す
未経験者が経理へ転職する場合、転職に有利なタイミングも重視しましょう。
経理部の繁忙期である5月以降、つまり6〜10月頃は比較的緊急性が低く、また人材の教育をする余裕がある時期です。
逆に決算期の求人は即戦力を求めているため、教育に手間をかけている時間がありません。
繁忙期の間は、未経験は採用されづらいでしょう。
決算が終わりひと段落しているタイミングでの転職を考えてみてください。
(2)経験者の経理への転職
経験者の経理への転職の場合は、以下の3つのコツを意識しましょう。
- 専門性を高める
- 簿記1級を取得する
- コミュニケーション能力をアピールする
経験者が経理部への転職をする場合、在籍企業よりもランクが上の企業を目指すことが多いはずです。
その場合に有利になるアピールポイントを身につけましょう。
#1:専門性を高める
経験者が経理部へ転職する場合は、専門性を高めることを意識してください。
例えば経理部で需要が高いのは、決算処理の経験者や英語を使う業務です。
在籍している企業でまだ担当していない場合は、申し出て実務経験を積んでおきましょう。
専門性が高く、難易度が高い業務が行える経験者は即戦力として評価され、繁忙期の求人でも採用されやすいです。
特に決算処理ができると、急募の求人案件を獲得しやすく、内定が決まりやすいでしょう。
#2:簿記1級を取得する
経験者が経理部へ転職する場合、簿記1級を取得しておきましょう。
特に大手企業の経理部の場合は高度な経理処理が求められ、実務経験の年数によっては弱いと判断されることがあります。
そこで簿記1級を獲得しておくと、非常に高度な商業・工業簿記ができるというアピールになるのです。
資格取得の難易度は高いですが、転職の際に有利になるので可能であれば資格取得も考えましょう。
また、外資系の企業を目指したいなら、IFRS検定など国際会計基準についての知識をつけるのもポイントになります。
目指したい企業の求人情報をエージェントから取得し、対策を進めておきましょう。
#3:コミュニケーション能力をアピールする
経験者が経理部へ転職する場合は、コミュニケーション能力をアピールしましょう。
30代以上で転職する場合、経理経験者は役職付きで入社できる可能性があります。
マネージャーとして入社する場合、チームと馴染めるか、また業務方針を適切に説明できるかなどの能力も必要です。
適切に部署や関連部門との連携が取れる人物であるとアピールしましょう。
まとめ
この記事では、経理部への転職について解説しました。
経理部と言っても、日系大手・中小企業、金融機関・外資系によって、業務内容が違います。
難易度も大手や外資、金融関係は高めになるので、未経験者はまずは中小企業のオールラウンダー的な役割から、キャリアをスタートさせるのがオススメです。
経理への転職は、未経験であれば資格取得でアピールポイントを増やす、経験者は専門性やコミュニケーション能力を評価してもらうようにしましょう。
経理部は比較的安定しており、経営知識を得られるチャンスもあることから、その後のキャリア形成にも有利な職種です。
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