業務内容/具体的なテーマ
監査法人では、主に会計監査業務とコンサルティング業務を行っている。
会計監査業務においては、企業の経営状況や財務情報が適正かどうかを公正な立場で監査および証明を行う。コンサルティング業務においては、クライアントに対して内部統制支援サービス、上場(IPO)支援、財務コンサルティング業務などの課題解決に向けた相談・助言を行う。
監査法人の業務のほとんどは会計監査業務であるものの近年では、コンサルティング業務を強化する監査法人が増えている。
さらに大手監査法人では、グローバル展開を目指す企業への海外進出支援などを強化している。
現在の課題
昨今ITの導入が進み、監査法人が多く担う会計監査業務の中でもデジタル人材の確保や監査自動化などが強いられている状況である。 そのため、コンサルティングファームとは異なる監査法人ならではのコンサルティング業務が必要とされている。
ファームで得られる経験
監査法人での仕事は、専門性の高い会計知識や正確性が必要となる一方で、それらの多くの業務を効率よく進めるためのPCスキルやITリテラシーが重要である。そのため、業務をこなすうちに以上の能力が培えると言える。 さらに監査法人におけるコンサルティング業務では、クライアントのコミュニケーションをとりながら企業を全体的に俯瞰できる視野が得られる。
プロジェクト例
監査法人の具体的なプロジェクト例は以下の通りです。
監査業務
- ・財務諸表監査
- ・内部統制監査
- ・業務監査
コンサルティング業務
- ・財務コンサルティング業務
- ・システム監査業務
- ・リスクマネジメント
- ・コーポレートガバナンス
- ・企業コンプライアンス業務
採用動向
上述のように、近年監査法人ではコンサルティング業務への力を入れ始めているため、会計監査業務を行う公認会計士以外にコンサルティング業務領域の採用を積極的に行っている。 主に、一般事業会社でのシステム監査やコンサルティング経験がある人材が求められる。
選考内容
通常、一次選考でESなどの書類提出、小論文、グループディスカッションによって選考が行われ二次選考の複数もしくは個人の面接で経験や資格などがみられる。企業によっては、Web上の試験を設けているケースもあり試験内容は、財務や会計に特化したものである。
合否を分けるポイント
監査法人では公認会計士有資格者が優先的に採用され、他にもUSCPAの有資格者やコンサルティングの経験者が採用されるケースもある。 特に、財務や会計に関する専門的知識を備えている人材は監査法人のニーズに合っていると言える。
キャリアについて
監査法人に勤務し一定の経験を積んだ後は、以下のようなキャリアプランが考えられる。 ・コンサルティングファーム ・国内系FAS ・ベンチャー企業のCFO ・PEファンド ・事業会社の内部監査部門 監査法人では、財務や会計に関する専門的知識を有しているだけでなくクライアントに対するコンサルティング業務経験も積めるため、そのスキルを活かしたキャリア選択を行うことができます。
転職事例
20代
中小監査法人(会計監査) → 大手監査法人(シニア)
(500万円 → 650万円)
30代
商社(経理部門) → 監査法人(リスクコンサルタント)
(700万円 → 800万円)
職位別の年収
公以下が監査法人の職位別年収です。
【Big4監査法人】
・アソシエイト相当: 500万円前後
・シニアアソシエイト: 600〜700万円
・マネージャー: 800〜1,000万円
・パートナー: 1,500万円以上
【中堅監査法人】
・アソシエイト: 400〜500万円
・シニアアソシエイト: 500〜600万円
・マネージャー: 800〜1,000万円
・シニアマネージャー: 1,200〜1,500万円
・パートナー: 1,300万円以上
監査法人の年収は全体的に高水準といえ、事業規模が大きいほど年収が高くなる傾向にあると言える。 しかし、各ファームによってレンジは大幅に異なるため以上の年収例は一例である。
労働環境/働き方について
各ファームによって異なるものの監査法人は、比較的業務量が多く激務の時期もある業界である。 決算期は、繁忙期とも言え業務量が多くなるため1年間の中で最も忙しい状態だが、それ以外の期間は余裕を持って業務行え休みがとりやすい労働環境であると言える。 また、業務内容に正確性が求められるため精神的負担が多いと感じられるケースが多いが、近年ではITの導入も進み、より効率の良い働きやすい環境づくりが行われている。