コンサルタントになるには何をすべき?資格や経験の有無は問われる?
「転職して、コンサルタントとして活躍してみたい」
「未経験からコンサルタントへ転職できるのか」
コンサルタントになるためには何をすべきなのかと悩んでいませんか?
この記事では多くの分野で活躍するコンサルタントになるためには、どのようなスキルが必要なのかや、どの会社に転職すればいいのかを紹介します。
コンサルタントになりたいと考えている方は、コンサルタントになるために必要なスキル5つや、年代別に転職する際に押さえておくべきポイントをぜひ参考に転職活動に励んでみてください。
1.コンサルタントになるために必要な5つのスキル
様々な分野で活躍しているコンサルタントですが、実際に働く場合にはどのようなスキルが必要なのでしょうか。
コンサルタントの求人を見ても、具体的に必要な資格や経験が書かれていないこともあり、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
コンサルタントとして活躍するためには、下記の5つのスキルを身に着けることをおすすめします。
- コミュニケーション能力
- 論理的思考
- リーダーシップ(自立心)
- 語学力
- 精神的、体力的にタフ
それでは5つのスキルについて詳しく解説します。
(1)コミュニケーション能力
コンサルタントのスキルとして、一つ目にコミュニケーション能力が重視されます。
難しい概念をクライアントに説明したり、時には経営を改善するために、クライアントの機嫌を損ねてしまうような点も伝えなければなりません。
ベースとなる信頼関係が大切なため、コミュニケーション能力が重要なのです。
クライアントが何を求めているかを推測し、今後の業界や社会の動向を見据えてわかりやすく提示する力が求められます。
(2)論理的思考
二つ目に、論理的思考が重視されます。
クライアントの多くはビジネス上で大きな問題を抱えていることが多く、業務の改善はもちろんのこと経営の向上もコンサルタント側に求めています。
物事をわかりやすく捉え、明確に道筋を立てて意志決定や抜本的な改革を求めるには、感情論ではなく論理的な思考が必要です。
コンサルタントにおいて、参考にされる論理的思考は下記の2つが代表的です。
1.MECE
2.ロジックツリー
論理的思考はコンサルタントを目指すなら必須の思考方法です。
コンサルタントを目指したいと思っている方は、思考についても学んでおきましょう。
(3)リーダーシップ(自立心)
三つ目に、リーダーシップ(自立心)が重視されます。
多くのコンサルタントに求められているのは、問題の解決に向かってリードしていくことです。
コンサルタントの仕事では、目標に向かって厳しく取りまとめを行う場面が多々あります。
円満なコミュニケーション能力が必要なのと同時に、率先して行動を束ねるリーダーシップを発揮していく必要があります。
目標の完遂に向かって孤独に自立心を保つことで、クライアントの問題点を炙り出し、問題を乗り越えることができるのです。
(4)語学力
四つ目に、語学力が重視されます。
コンサルタント分野においては外資系ファームも多く、まず英語力は必須と言えます。
外資系や海外駐在を目指すなら資格としてだけではなく、実務レベルで使える英語力を鍛えておきましょう。
加えて、現在注目が集まっている途上国地域のコンサルタントに挑戦する場合には、更なる第三言語を取得すると強みになります。
(5)精神的、体力的にタフ
五つ目に、精神的、体力的にタフであることが重視されます。
先に解説のとおり、コンサルタントは時に円滑にコミュニケーションを図り、時に孤独に業務を遂行させなければなりません。
仲間がいない、と感じる場面も少なくない業務のため精神的にタフであることが大切です。
また、コンサルティング業界はどの分野においても激務である傾向があります。
その分高収入も期待できますが、体力的にもタフであることが重要です。
論理的な思考を常に維持するためにも、心と身体の健康管理も業務上の大切なスキルです。
2.【年代別】コンサルタントに転職する際に押さえておきたいポイント
コンサルタントへ転職をしたい場合、ご自身の今の年齢にあった転職対策を行う必要があります。
そこで、コンサルタントへ転職する際に押さえておきたいポイントについて、20代~40代の年齢別に解説します。
(1)20代は経験が無くてもポテンシャルで採用を目指せる
コンサルティング業界は積極的に転職を受け入れている業界です。
特に第二新卒分野である20代を求める求人も多数あります。
新卒採用からまだ年月が経っておらず、経験があきらかに不足している場合でもポテンシャルがある人材なら受け入れています。
学歴や職歴によっては優秀さが保証されているため、新卒1~2年後でも外資系コンサルティング・ファームへの転職が成功している方も多数います。
経済動向により新卒採用が足りなかったコンサルティング・ファームも多く、第二新卒向けの説明会も開催されているので情報をチェックしましょう。
特に新卒時に本当はコンサルティング分野に関心があったにも関わらず、就職先は別分野だった方は、諦めずに早期の転職活動を開始しましょう。
(2)30代は即戦力としての魅力をアピール
コンサルティング業界の花形ともいえる年齢は30代です。
知識と経験もあり、体力的にも自信があるなら是非コンサルティング業界への転職を目指しましょう。
30代の転職のポイントは、「即戦力である」ことをアピールできるか否かです。
20代の頃とは異なり、学歴や職歴ではなく今までどんな業務を行ってきたのか、具体的にアピールする必要があります。
コンサルティング業界とは全く別業界の職歴でも、実績や海外駐在経験がある場合には歓迎されることも多いので、積極的にアピールしましょう。
クライアント企業の中にすぐポジションを持つ年齢のため、プロジェクトをマネジメント出来るのかも重視されています。
(3)40代は培ってきた人脈を生かせることを伝える
40代でコンサルに転職する場合は、さまざまな会社のキーパーソンとの人脈をアピールするとよいでしょう。
営業を行うには、事業会社のキーパーソンと接点を持つ必要がありますが、一から人脈を築くのは難しいので、過去の業界で培ってきた人脈を持つ人材は重宝されます。
3.【年代別】コンサルタントに転職するとどんな業務に挑戦できるのか
出典:https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/consulting.html
一言でコンサルタントと言っても、その業務は多岐に渡っています。
役職も多数あるため、未経験の方にとってはどんな仕事なのか想像がつきにくいでしょう。
そこで、コンサルティング業界における役職名を有名企業である「PwCコンサルティング合同会社」を例に業務内容を解説します。
PwCにおける役職は下からアソシエイト・シニアアソシエイト・マネージャー・シニアマネージャー・ディレクター・パートナーの順です。
アソシエイト | PwCにおけるアソシエイトとは入社後1~3年程度の役職です。 スタートラインに位置しておりプロジェクトのメンバーとして補佐的な立ち位置で業務を行います。 まずはコンサルティング業務を習うための役職です。 推定年収は500万から750万円と言われています。 |
シニアアソシエイト | 入社後3年目以降に昇格することが多い役職です。 アソシエイトの上位職として活躍し、実力を磨きます。 雑務も多いですが徐々に発言力も持つようになり、頭角を現した方から管理職であるマネージャーに移ります。 推定年収は900万から1,000万円台と言われています。 |
マネージャー | PwCにおいてはマネージャーから管理職扱いとされ、パフォーマンス重視の評価に移行していきます。 クライアントからの仕事をいかに的確に仕上げるかが評価ポイントとなっており、受注の継続も能力の一つとして扱われます。 能力のある人材なら20代でもマネージャーに到達しており、年収は1,200万円台に到達すると言われています。 |
シニアマネージャー | 一般的に入社後10年目以降から任されるようになるマネージャーの上位職です。 この頃にはアソシエイト・シニアアソシエイトへの指導や管理など人材育成も評価ポイントとされる他、新規事業における収益化も求められます。 推定年収は1,500~1,800万円台に到達し、コンサルタント業界の中でも上位の地位として評価されています。 |
ディレクター | 保険会社や大手金融機関、航空業界など大型のプロジェクトにフロントの立ち位置で介入し、プロジェクトマネジメントを主導するのがディレクターです。 PwCの中でも上位の役職として士気の向上や組織力を高めることが求められます。 ディレクターの推定年収は2,300万円クラスとされており、その分意志決定や人事決定に関しても責任を持たねばなりません。 |
パートナー | ビジネスの最終決定権を持つパートナーは役職の最高位に位置します。 コンサルティング・ファームの中心的な人物として国境を超えるクロス・ボーダー案件を多数手がけます。 また、業界再編を主導するパートナーも多く、経営統合の裏には優秀なパートナーの存在が不可欠です。 推定年収は4,000万円を超えるとされ、PwCの未来をけん引する人物しかたどり着くことができません。 |
(1)20代で転職した場合どんな仕事に挑戦できる?
20代でコンサルタント業界に転職できた場合、どんな業務に挑戦できるのでしょうか。
まだ新卒に近い20代は、一般的にアソシエイト職からスタートします。
アソシエイト職の業務内容は次のとおりです。
#1:リサーチ
アソシエイト職の業務はリサーチから始まります。
プロジェクトに必要な国内外のデータを収集し、分析や整理を行います。
各種統計や各国が発表する経済動向に関する資料など幅広い分野をリサーチする能力を鍛えます。
#2:資料作成
リサーチした内容を踏まえ、資料作成を行うのもアソシエイト職の仕事です。
コンサルティング・ファームは分析結果を資料にすることが常に求められます。
英語を使うことも多く、語学力が求められる仕事です。
#3:会議のファシリテーション(会議進行役)
リーダーシップや話術、コミュニケーション能力を磨くために会議のファシリテーションを行うのもアソシエイトの業務です。
組織の力を引き出し、士気を高めロジカルな結果を導くための会議を運営します。
(2)30代で転職した場合どんな仕事に挑戦できる?
30代でコンサルタント業界に転職した場合、コンサル業界における経験の有無によって仕事の内容は変わります。
経験者は転職当初からマネージャーやシニアマネージャーの役職としてスタートします。
一方未経験の場合、シニアアソシエイトかマネージャーに着任します。
即戦力として活躍することが求められ、プロジェクトチームの成長を担います。
また、継続しているプロジェクトを引き継ぎ業務の安定化も図ります。
#1:チームマネジメント
プロジェクトチームをけん引するマネジメントが30代の人材には求められています。
生産力を向上させ、人事評価も行う必要がある重要な仕事です。
また、近年ではマネジメントにチームのメンタル管理も求められるようになり、リーダーとして仕事の成果以外の業務も増加しています。
#2:プロジェクト進行
今までの職歴や経験なども踏まえてプロジェクトの進行も任されます。
特にベンチャー経験や海外駐在経験がある場合には早期にプロジェクト進行の舵取りを担います。
金融や商社経験がある方がプロジェクトの進行上好まれますが、業界動向によっては製造業における経験も求められつつあります。
30代の場合、業界未経験の方でも多くプロジェクト進行に挑戦しています。
(3)40代で転職した場合どんな仕事に挑戦できる?
実力主義のコンサルタント業界に40代で挑戦する場合、業界経験者はディレクターかパートナーとしてスタートします。
#1:アカウント開拓
新規の顧客獲得、事業の拡大を目指すために40代の社員はアカウント開拓がメイン業務です。
今まで培ってきた人脈や経験を使い、営業を行います。
戦略的ソリューション営業はもちろんのこと、地道な活動で既存競合他社から業務を勝ち取ることも重要です。
#2:ファームのマネジメント
パートナーの位置も目指せる40代は、ファームのマネジメントも大切な業務です。
経営課題を洗い出す能力はもちろんのこと、改善や新規業務などを取りまとめ、組織全体をマネジメントでけん引する能力が求められます。
若手の人材育成も踏まえ、組織全体の成長に責任を持つ仕事です。
まとめ
冷静沈着でタフであることが求められるコンサルタント業務ですが、20代~40代の方に門戸は開かれています。
秘められた自分のポテンシャルを信じ、転職に必要なポイントを押さえて早期に活動を開始しましょう。
クライアント企業の改善点を見つけ、戦略を分析し業務の発展をけん引していくことは、大変やりがいのある仕事です。
また、明確に自分の成果が収入として現れるダイナミックな業界ですので、今の自分をさらに高めるために、コンサルタントを目指してみましょう。
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