年収億越えって本当?コンサルティングファーム最高位『パートナー』の年収を徹底解説
「コンサルティングファームのパートナーになると年収億越えって本当?」
「パートナーになるにはどういう方法があるの?」
コンサルティングファームの最高責任者兼共同経営者であるパートナーは、超一流のコンサルタントの証であり、全コンサルタントが憧れる存在です。
パートナーになれば、政財界のトップのブレーンとして腕を存分に揮えるだけでなく、自身もファームのトップとして運営面でも大きな権限を持つことができるなどコンサルタントの醍醐味をたっぷり味わえることでしょう。
そこでここでは、コンサルティングファームのパートナーの平均年収と合わせて、業務内容やパートナーになる方法を解説していきます。
コンサルタントの最終目標であり、驚くほどの高年収を得られるパートナーを目指す人はぜひ参考にしてください。
1.コンサルのパートナーの年収
コンサルティングファームの最高職位であるパートナーの年収について解説します。
- コンサルティングファームのパートナーの年収比較
- 専門分野別パートナーの年収比較
パートナーの年収は専門分野やファームを問わず高年収です。
次に具体的に見ていきましょう。
(1)コンサルティングファームのパートナーの年収比較
コンサルティングファームのパートナーの年収については、パートナーの給与の大部分がプロジェクトの受注成績や業績と連動するインセンティブが関わってくるため相場というのはないものの、一般的に年齢に関係なく年収3,000~5,000万円、人によっては1億円以上にもなるといわれています。
ファームのパートナーの年収は専門分野によっても異なりますが、業績賞与を除いた最低ラインとなる固定給与の平均額だけをみてもかなりの高水準です。
専門分野 | 最低固定給与(推定) | コンサル経験 |
戦略系コンサル | 3,000万円~ | 7年以上 |
総合系コンサル | 2,000万円~ | 7年以上 |
IT系コンサル | 2,000万円~ | 7年以上 |
組織・人事系コンサル | 1,600万円~ | 7年以上 |
さらにここにファームの業績と連動した賞与が加わるため、業績の良いファームのパートナーであればその年収が1億円を超えることは珍しくなく、その個人の報酬は青天井となっています。
実力主義・成果主義のコンサル業界はどのポジションであっても頑張った分だけ年収に反映されるといわれていますが、中でも業績と連動した大きな額の報酬が得られるパートナーにはよりが強くその傾向が現れているといえるでしょう。
(2)専門分野別パートナーの年収比較
次に、転職市場でも人気の高いコンサルのパートナーの年収について、専門分野別にみていきましょう。
- 戦略系コンサルのパートナーの年収比較
- 総合系コンサルのパートナーの年収比較
- IT系コンサルのパートナーの年収比較
- 組織・人事系コンサルのパートナーの年収
- シンクタンク系コンサルのパートナーの年収比較
同じコンサル業界のパートナーといっても専門分野によって年収も異なるようです。
ちなみに、ここでの年収とは業績賞与を加味しないベース部分に当たる金額であり、パートナーにはさらに業績に連動した報酬が加わるため、最低ラインの年収とお考えください。
次に1つずつ紹介していきます。
#1:戦略系コンサルのパートナーの年収比較
コンサル業界の中でも特に年収の高いといわれる戦略系コンサルティングファームのパートナーの年収を見てみましょう。
外資系の戦略系コンサルティングファームで最高峰といわれる『MBB』やA.T.カーニーといったトップクラスの外資系戦略系コンサルのパートナーの年収は、コンサル業界の中でも特に高額です。
企業名 | 年収(推定) |
マッキンゼー・アンド・カンパニー | 5,000万円~ |
ボストン・コンサルティング・グループ | 4,400万円~ |
ベイン・アンド・カンパニー | 3,200万円~ |
A.T. カーニー | 5,000万円〜 |
ドリームインキュベータ | 3,000万円〜 |
経営共創基盤(IGPI) | 2,500万円〜 |
コーポレイト・ディレクション | 2,000万円~ |
P&Eディレクションズ | 2,000万円〜 |
マッキンゼーやA.T. カーニーでは、ベース部分ですでに5,000万円を超えるという驚くべき数字となっています、
一方、日系の戦略系コンサルティングファームのパートナーも最低2,000万円以上などかなりの高年収です。
#2:総合系コンサルのパートナーの年収比較
戦略やITから、実行、保守まで多くのサービスを提供している総合系コンサルティングファームのパートナーの年収を見てみましょう。
世界トップクラスの4大総合系コンサルティングファーム『BIG4』コンサルを含めたの総合系コンサルティングファームのパートナーの年収をご覧ください。
企業名 | 年収(推定) |
デロイト・トーマツ・コンサルティング | 3,000万円〜 |
PwCコンサルティング | 2,000万円〜 |
KPMGコンサルティング | 1,500万円〜 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 1,800万円~ |
アクセンチュア | 2,000万円~ |
アビームコンサルティング | 2,500万円〜 |
ベイカレント・コンサルティング | 2,000万円〜 |
シグマクシス | 1,600万円〜 |
クニエ | 1,500万円~ |
『BIG4』コンサルの中でも特に高年収で知られるデロイト・トーマツ・コンサルティングのパートナーの年収は戦略系コンサルティングファームと遜色ありません。
また、日系コンサルティングファームの年収は、外資系コンサルティングファームと比較すると見劣りがするといわれていますが、総合系ではあまり差が無いようです。
#3:IT系コンサルのパートナーの年収比較
次に、近年成長著しいIT系コンサルティングファームのパートナーの年収を見てみましょう。
企業名 | 年収(推定) |
ケンブリッジテクノロジーパートナーズ | 2,000万円〜 |
フューチャーアーキテクト | 1,200万円~ |
ウルシステムズ | 1,500万円~ |
ガートナージャパン | 1,600万円〜 |
DXやAIなど新たなテクノロジーの導入に伴い、大企業だけでなく中堅~中小・ベンチャー企業へのIT戦略策定や業務改革支援を行うIT系コンサルティングファームのコンサルティングニーズは年々上昇しています。
そのため、IT系コンサルティングファームのパートナーのベース部分は戦略系や総合系と比べるとそこまで高額ではありませんが、そこに高額な報酬が加えられてかなりの高年収を得ているようです。
#4:組織・人事系コンサルのパートナーの年収比較
企業の組織ビジョン・人事戦略の策定・人事制度構築や導入などクライアント企業の人と組織の変革を専門的に手掛けるコンサルティングを行う組織・人事系コンサルティングファームのパートナーの年収も高水準です。
企業名 | 年収(推定) |
タワーズワトソン | 2,000万円~ |
マーサー・ジャパン | 2,000万円~ |
コーン・フェリー・ジャパン | 2,000万円~ |
リンクアンドモチベーション | 1,500万円~ |
#5:シンクタンク系コンサルのパートナーの年収比較
シンクタンク系コンサルとは、政府や地方自治体などの公的機関や事業会社からの依頼を受けて、情報収集・調査、収集したデータの分析、分析を元にした政策提言、コンサルティングを行うファームです。
シンクタンク系コンサルのパートナーの年収は、他のコンサルと比べると少々控えめとなっていますが、それでも一般的な平均年収と比べるとかなりの高年収といえるでしょう。
企業名 | 年収(推定) |
NTTデータ経営研究所 | 1,800万円〜 |
三菱UFJ リサーチ&コンサルティング | 1,600万円~ |
みずほリサーチ&テクノロジーズ | 1,200万円〜 |
富士通総研 | 1,000万円〜 |
2.コンサルティングファームのパートナーの業務
一般企業では考えられないような高年収を得られるコンサルティングファームのパートナーというポジションはとても魅力的なものですが、その分、重大な責任を担うポジションでもあります。
コンサルティングファームの『パートナー』の仕事は大きく分けて2つ挙げられます。
- 営業
- ファームの経営
コンサルティングファームのパートナーの仕事はこれまでのポジションとは比べようのないほどハードなものといわれていますが、それ以上に得られるやりがいも一際大きい魅力的な仕事です。
次に1つずつ解説していきます。
(1)営業
1つ目のコンサルティングファームのパートナーの仕事は営業です。
パートナーはファームの単なる役員ではなく、ファームを代表するトップ営業マンとしての役割を担っています。
パートナーになると、既存のクライアントの新たなプロジェクトの受注や現在行っているプロジェクトの継続の受注、新規クライアントの獲得と新規プロジェクトの受注などを目指し、これまで培った人脈などを使って営業を行うことになります。
各パートナーには売上目標が課されており、パートナーの営業成績はパートナー個人のの報酬だけでなくファーム全体の利益にも反映されるため、コンサルティングの仕事を受注するのがパートナーの最も重要な業務であるといえるでしょう。
(2)ファームの経営
2つ目のコンサルティングファームのパートナーの仕事はファームの経営です。
パートナーになると、コンサルティングファームの最高責任者兼共同経営者として大きな権限を持つことになります。
具体的には、コンサルティングファームのトップとして成長戦略・ブランド戦略や中長期的な経営計画を練ったり、スタッフの採用・育成、コンサルタントの労働環境の整備などにも携わることになります。
特にコンサル業界はキャリアを考えて転職を行う人が多いため、ファームの成長に不可欠な優秀な人材に長く在籍してもらえるように、また、他ファームから優秀な人材に来てもらえるように、社員が魅力や希望を感じるファームに整えることもパートナーの重要な業務といえるでしょう。
他にも、グローバル展開をしているコンサルティングファームの場合は、本社や他国のオフィスとの連携を日本ローカルファームの代表者・窓口となって行う業務も加わるなど様々な経営に関する重要な業務全般を担うことになります。
今、一般の事業会社だけでなく、コンサル業界自体もAIの導入や働き方改革などで大きく変貌しています。
そんな中で自分のコンサルティングファームを今後どのように展開し成長させていくかはパートナーの考えや方針が大きく影響するため、パートナーはそのコンサルティングファームの今後の命運を握っている存在といっても過言ではないでしょう。
パートナーになるのは狭き門であり、パートナーになった後は営業やファームの経営など業務も責任も大きなものになりますが、厳しい選考をクリアしてパートナーになれば、大手企業や公共団体のブレーンとして企業や社会をよりよくするプロジェクトを創っていくというコンサルタント冥利に尽きる仕事に数多く携われるようになる上に、十分な報酬とステータスが約束されています。
コンサルタントとして仕事をするなら、パートナーとして活躍することをゴールに設定して取り組みましょう。
3.コンサルティングファームのパートナーになる3つの方法
パートナーに昇進するためには3つの方法があります。
- 社内で成果を上げて昇進する
- ビッグクライアントを持つ
- ファームtoファームで転職をする
コンサルタントの中でパートナーにまで昇進できるのはわずか1割程度といわれています。
かなり狭き門ではありますが、コンサル業界に身を置くならば一流のコンサルタントの証であるパートナーを目指しましょう。
(1)社内で成果を上げ続けて昇進する
コンサルティングファームのパートナーになる1つ目の方法は、社内で成果を上げ続けて昇進する方法です。
コンサルティングファームのパートナーになるための最もオーソドックスなルートであり、社内でプロジェクトのバリュー・成果を着実に出したり、マネージャーのポジションから業務に加わるセールス業務で大きな結果を出すことでパートナーからの評価を上げて昇進する方法です。
他の業界と比べると実力主義・能力主義の傾向が強いといわれるコンサル業界では、実績を上げていけば短期間でアナリストからコンサルタントへ、そしてマネージャーへ、そしてそこでさらに実力と実績を付けることで認められてパートナーへと昇進することができる可能性があります。
一般的にパートナーの平均年齢は35歳以上、コンサル経験は7年以上の人が多いのですが、中にはBIG4の一つであるEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社で26歳でパートナーになったケースや、世界最高峰と呼ばれる戦略系コンサルティングファームのマッキンゼーで29歳でパートナーとなったケースなど、実力があれば20代後半~30台前半でパートナーになることも可能です。
ただし、基本的にコンサルティングファームに在籍しているのは優秀な人材が多く、その中で抜きんでた成果を上げ続けることは簡単ではありません。
しかし、常にクライアントの利益を考えてベストを尽くすことでクライアント企業からだけでなく、ファームのメンバーからも評価され、道は拓けていくことでしょう。
(2)ビッグクライアントを持つ
コンサルティングファームのパートナーになる2つ目の方法は、ビッグクライアント(ファームの重要顧客)を持つことです。
コンサルの顔として営業も担当するパートナーともなれば、誰もがファームの売上に大きく貢献するビッグクライアントを持っているといわれています。
「パートナーだからビッグクライアントを持っているのではなく、ビッグクライアントを持っているからパートナーになれる」といわれているほど、パートナーにとってビッグクライアントの存在は重要です。
コンサルティングファームではパートナーの営業力がそのままファームの売上に大きく影響するため、コンスタントに大きな案件や新規案件をもたらしてくれるビッグクライアントを持つコンサルタントは高く評価されます。
早いうちからビッグクライアントを持つことができれば、大きな売上を上げることができ、パートナーへの昇進の際の最重要ポイントである新規営業力の条件をクリアして飛び級昇進でのパートナー就任も視野に入ってくることでしょう。
ビッグクライアントは他の担当者から任せてもらえることもありますが、基本的にはパートナーになる人のほとんどがマネージャーやシニアマネージャーなどのうちに自分が担当している企業を育ててビッグクライアントにしているようです。
ただし、ビッグクライアントとなりうる企業は他のコンサルタントからも人気が高いため、激しい争奪戦の中で「他の人ではなくこの人のコンサルティングを受けたい」「高額でも依頼したい」とクライアント企業に継続的に思ってもらえるような高い業務スキルや信頼される人間性を磨き、強い関係を築いておくことが欠かせません。
ちなみに、ビッグクライアントになってもらう企業選びに関しては、ファーム全体としての今後の方向性や売上を伸ばすためのブランド戦略的側面も求められるため、先を見据えた高い視座を持ってビッグクライアントとして育てるクライアント企業を選ぶことも重要です。
コンサルティングファームでパートナーを目指すなら、早い段階から自分の強い武器となるビッグクライアントを育てる準備をしておきましょう。
(3)ファームtoファームで転職をする
コンサルティングファームのパートナーになる3つ目の方法は、ファームtoファームで転職をすることです。
コンサル業界ではファームによって評価されるポイントが異なるため、能力は十分あるのに社内制度・評価とのミスマッチにより適正な評価が得られず、昇進が止まってしまうというケースがあります。
成果主義・実力主義の傾向が顕著なコンサル業界であれば、とびぬけた能力や実績さえ出していれば誰でもコンサルティングファームのパートナーになれるように思えますが残念ながら実際にそうではありません。
日本の企業では昇進するための要素として「運が7割・社内政治が2割・能力が1割」といわれていますが、コンサル業界の中でもやはり多少その傾向があるようです。
例えば、ファームの人員や規模の増加に比例せずパートナーの人員数がそのままであったり、すでにパートナーの職が埋まっていて空きがない場合は、いくらバリュー・成果・売上を出していてもなかなかパートナーになれないことも少なくありません。
また、大きな組織の上に立ち運営するには政治力は欠かせないといわれていますが、成果主義・実力主義といわれるコンサル業界でも、より良い評価を上司にしてもらうために社内でうまく立ち回る器用な人や社内政治に長けた人が、能力が高い人よりも先に昇進するケースもあるようです。
もし、能力や実績・ファームへの貢献度が十分なのにそれ以外の自分ではどうしようもない事由でパートナーに昇格できない・できなさそうという場合は、自身の能力を高く評価してくれるコンサルティングファームに転職し、『ファームtoファーム』でパートナーを目指すという方法もあります。
幸いなことに、好況が続くコンサルティング業界では現在は即戦力となるコンサル経験者の取り合いが起こっている状態であり、優秀なコンサルタントであれば前職と比べて高い年収・ポジションを提示して採用したいと考えているコンサルティングファームも少なくありません。
別のコンサルティングファームに転職することで適正な評価を得てパートナーへの道が開けるケースも少なくないので、今勤めているファームでパートナーへの道筋が見えないという人はぜひ『ファームtoファーム』でパートナーを目指しましょう。
まとめ
全コンサルタントの憧れであるコンサルティングファームの頂点・パートナーの年収について解説しました。
コンサルティングファームを代表するパートナーの年収は驚くほど高く、しかもインセンティブは無制限なので成果を出せば出すほど高額な年収を得ることができます。
その分、営業やファームの運営などの責任や負担も大きくなりますが、それ以上に国内外のトップ層と共に企業や社会を変えていくことができるというパートナーの仕事に楽しさややりがいを感じて「パートナーになって良かった」と思うことでしょう。
パートナーになるためには今働いているコンサルティングファームで成績を残すことも大事ですが、より高い評価をしてくれる別のファームに転職するというのも一つの方法なので、自分の能力に自信がある場合は転職を検討してみるのもおすすめです。
コンサルタントのトップであるパートナーになれるのはほんの一握りの優秀な人材といわれていますが、ぜひコンサルタントの頂点を目指して今からできることを始めましょう。
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