経営コンサルへの転職に高学歴は必要?学歴フィルターと転職を成功させる3つの方法

「経営コンサルへの転職は高学歴でないと無理?」
「学歴がない人は経営コンサルタントになれない?」

高収入で人気が高いコンサル業界は転職難易度が高く、厳しい「学歴フィルター」があるといわれてきました。

実際、クライアント企業の難解な問題を解決する能力が求められるコンサルタントの業務と高学歴の人材との親和性は高く、コンサルタントに高学歴の人が多いのは事実ですが、最近では少しずつその状況にも変化が起こっているようです。

そこでここでは、企業の経営課題を解決する経営コンサルにおける学歴フィルターの存在の有無や現在の状況と合わせて、学歴に自信のない人が経営コンサルへの転職を成功させる3つの方法を解説します。

学歴を理由に経営コンサルタントへの道に進むことを躊躇している方はぜひご覧ください。

1.経営コンサル転職時の学歴フィルターの実態

経営コンサルに転職する際に気になる学歴フィルターについて解説します。

経営コンサルの学歴フィルター

  1. 経営コンサルの学歴フィルターの存在の有無
  2. 学歴フィルターの変化
  3. 高難易度のトップファームはいまだ学歴重視の傾向がある

経営コンサルとは、企業の経営状態を診断し、経営の効率化や合理化や設備投資計画などを提案して業績アップにつなげるコンサルティングファームです。

企業の経営指導を行う経営コンサルになる際に学歴フィルターがあるのかどうかは気になるところです。

次に1つずつみていきましょう。

(1)経営コンサルの学歴フィルターの存在の有無

FAS

経営コンサルには、一定以上の学歴がないと面接に進めない「学歴フィルター」が存在するといわれています。

ただ、転職業界でも特に人気の高いコンサル業界への転職の際には全般的に学歴フィルターが存在するといわれており、経営コンサルに限ったことではありません

中途採用では募集要項の学歴欄に「4年制大学卒業」程度の記載しかしていないところがほとんどですが、実際に転職を成功させた人の経歴を見ると、東大・京大・一橋・東京工業大学などの最難関国立大学や早稲田・慶応などの難関私立大学などの高学歴な人材が多いようです。

特に経営だけでなく外資系や戦略系などの知名度・人気・難易度の高いファームにその傾向が顕著ですが、それは採用条件に「高学歴」とあるからではなく、コンサルタントの仕事が論理的思考や数値処理の能力等を求められる仕事であることから必然的に『地頭』や『伸びしろ』を重視した採用を行っているためであることが考えられます。

実際、人気が高く採用応募者が多いトップファームほど、面接官を務める現場のコンサルタントの負担を減らすため、「高学歴=地頭が良い・目標を掲げて努力し続けるスタンス」がある人材と推定することで候補者の絞り込みをし、効率的に優秀な人材を採用したいという狙いがあるようです。

(2)学歴フィルターの変化

しかし、最近ではその状況も少しずつ変わりつつあるといわれています。

好況が続くコンサル業界ではコンサルティングニーズの増加にコンサルタント数が追い付かず人材不足が深刻化していることから、徐々に学歴フィルターが弛んで採用される大学の幅が広がりつつあるようです。

トップファームでも難関国立・私立大学以外の学歴を持つ中途採用者も増えており、学歴がそれほど高くなくても入社後に大きな成果を上げる人も多いことから、転職時に以前ほど採用希望者の学歴にこだわらなくなってきているのは事実のようです。

学歴は高卒であっても、経験やスキルを活かしてトップファームのコンサルタントとして活躍する人材も現れていることから、「高学歴=優秀な経営コンサルタント」という概念が崩れ、転職前の仕事で大きな成果を上げていたりポテンシャルがあれば大卒資格すら不問というファームもあるようです。

そのかわり、採用時には前職での経験や実績がいっそう重視されるようになるとともに、面接時に担当者が「一緒に働きたいか」「良い経営コンサルタントになりそうか」など人間的な魅力やポテンシャル等を重視して採用を進めるファームが増えてきています。

結論を言えば、コンサル業界では多くのファームで学歴フィルターがあるのは事実ですがそのフィルターは徐々に広がってきており、経営コンサルが中途採用者に求めるのは立派な学歴よりも魅力的な経歴・実績と人間性にシフトを移しているといえるでしょう。

(3)一部の高難易度のトップファームはいまだ学歴重視の傾向がある

ただ、経営コンサルの学歴フィルター状況が変わりつつあるといっても、グローバルに展開する外資系コンサルなど一部のトップファームではいまだその傾向が強いといわれています。

「人材」という無形商品を取り扱うコンサルティングファームでは新規クライアントの開拓や案件獲得の際にサービスの品質をアピールする手段として自社のコンサルタントの経歴を見せることがあり、クライアントの中には担当するコンサルタントに自分と同等もしくはそれ以上の学歴を求めるケースも少なくありません

大企業・国や県といった公共団体など高学歴のエリートで構成されたクライアントが多いBIG4などのトップファームは、顧客から十分信頼を得られるよう、ファーム内で働くコンサルタントも高学歴の人材が多くなるのも当然といえるでしょう。

そのため、学歴に自信のない人がトップファームへの転職を考えているなら、学歴以外の職歴・実績などの経歴面をクライアントに見せたときに十分信頼を得られるような実績・スキルを積んでおくことが重要です。

まずは別のファームで経営コンサルタントとして着実に実績を積みスキルを上げる、事業会社で多くの法人経験を積むなど、一見、回り道に見えるようですが自分のキャリアを着実に積むことが結果的にはトップファームへの近道となることでしょう。

2.学歴フィルターを越えて希望の経営コンサル転職を成功させる3つの方法

規模の大きな仕事をしたい

最後に、学歴に自信のない人が学歴フィルターを越えて希望の経営コンサル転職を成功させる方法を解説します。

経営コンサルに転職する3つの方法

  1. 学歴不問・経歴重視のファームや成長企業を選び経験を積む
  2. ファームが求めている専門性を磨く
  3. クロスボーダー案件で活用できる高い英語力を身につける

国内外の難関大学卒という肩書が無くても経営コンサルへの転職は可能ですし、トップファームへのキャリアアップももちろん可能です。

次に1つずつ解説していきます。

(1)学歴不問・経歴重視のファームや成長企業を選び経験を積む

学歴に自信のない人が経営コンサルタントになる1つ目の方法は、学歴を重視しない経営コンサルティングファームや成長企業に転職する方法です。

人材不足の傾向が強い今のコンサル業界では、自身がファームのブランドや規模や条件にこだわらなければ転職先の選択肢は格段に広がります。

経営コンサルティングニーズの急増によって日本でも様々な経営コンサルティングファームが登場していますが、なかには知名度や規模はそれほど高くないもののBIG4やMBBなどの有名ファーム出身者が独立して質の高いコンサルティングを行っているファームも数多くあります

そういったベンチャー的なファームは学歴より経歴や人物を見て採用を行っているところも多いため、学歴に自信のない人にも大きなチャンスがあることでしょう。

まずはそこで十分な実績を積んで経営コンサルタントのスキルを上げれば、次の転職先のファームの選択肢もより大規模なもの・ランクの高いものへと上げていくことができ、最終的にはトップファームへの転職実現の可能性もあります

また、コンサル業界以外でもベンチャーなど成長著しく勢いのある企業も学歴よりも実力重視で積極採用をしているところが多く、そこで法人営業など経営コンサルで評価される実績を多く積むことも効果的な方法です。

現在、クライアント企業の事業内容や属する業界の特徴・強み弱みを理解した現場理解度の高い経営コンサルタントによるコンサルティングが求められており、経営コンサル業界でも様々な業界経験者の採用ニーズが高まっているため、事業会社での経験は決して無駄にはなりません

(2)ファームが求めている専門性を磨く

学歴に自信のない人が経営コンサルタントになる2つ目の方法として、自身の武器となる専門性を磨く方法が挙げられます。

現代の企業を取り巻く環境は大きく変動しており、経営コンサルでも組織再編・IPO支援・人事・組織・会計・税務などの従来のサービスの他にブランディング・マーケティング・デジタルシフト・DX・働き方改革・CSR・海外展開など新しい動きに対応するサービスにも力を入れているファームも増えています

経営コンサルタントにはクライアント企業の先を行く知識・情報・スキル・技術が求められるため、特定の分野に高い専門性を持つ人に対する経営コンサルティングファームの採用熱も非常に高くなっています

その流れを受けて、ファームが求める高度な専門性を持っている難関大学卒でなはないコンサルタントが有名ファームに転職成功して活躍するケースも増えており、専門性があることで学歴の壁を超えることは可能です。

学歴に自信のない人は自分の武器となる専門性を磨き、それを活かせる経営コンサルティングファームを選ぶことも有効な方法といえるでしょう。

(3)クロスボーダー案件で活用できる高い英語力を身につける

学歴に自信のない人が経営コンサルタントになる3つ目の方法は、クロスボーダー案件で活用できる高い英語力を身につける方法です。

現在、日本の国内市場の縮小や少子高齢化などを原因としてマーケットを海外にシフトする日本企業が増えていることから、経営コンサルティングファームでもクロスボーダー案件を取り扱う機会が増えてきています

企業の海外展開にあたって経営コンサルタントは現地のスタッフとの交渉など専門的なやり取りを英語でしなければならないため、帰国子女などネイティブレベルで話すことができれば学歴はハードルを下げても良いという経営コンサルティングファームも少なくありません

ビジネスレベルの英会話力があれば評価されることも多いため、学歴に自信のない人は英語力という武器を増やすのも転職を成功させるために効果的な戦略と言えるでしょう。

まとめ

経営コンサルでも学歴フィルターはありますが、以前ほど厳密・ハードルが高いものではなくなってきているようです。

経営コンサルタントになるのに一定程度の学歴は関係するものの、肩書だけで十分条件を満たすわけではなく、最終的に採用の決め手となるのはその人自身が持つ経歴や能力や魅力などであるため、経営コンサルタントの仕事に興味や熱意があるならば「学歴が・・・」と諦めずにどんどん挑戦すべきでしょう。

とはいえ、やはりトップファームでは高学歴のエリートの応募が殺到するため、学歴に自信がない人は不利であることは否めないのは事実です。

しかし、学歴がかすむくらいの実績・経歴、さらに人間的な魅力があれば採用されるケースは多々あり、実際にあまり学歴がよいとは言えなくても、トップファームで活躍している経営コンサルタントも少なくありません

学歴に自信がないけれどトップ経営コンサルのコンサルタントとして働きたいという人は、最初は学歴にこだわらず今の経験をそのまま評価してくれるファームや事業会社で研鑽するのが有効な手段とも言えます。

まずは幅広く自分の可能性を探るところから始めて、焦ることなく数年スパンで計画を練り、着実に実力を身につけて経営コンサルタントとしてのキャリアを積み上げていきましょう。

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