世界最高峰の戦略コンサルティングファーム『マッキンゼー・アンド・カンパニー』待遇と転職動向

「マッキンゼーへの転職難易度は業界イチって本当?」
「マッキンゼーに転職したらどんな待遇を得られるの?」

戦略コンサルを目指す人なら一度は憧れる会社といっても過言ではないのが、世界3大戦略コンサルティングファーム『MBB』の1つマッキンゼー・アンド・カンパニーです。

設立から100年近く経つ今もなおグローバル戦略ファームのトップブランドとして君臨するマッキンゼーは高年収やOB・OGの人脈(アルムナイ)などの魅力もあり転職市場でも大人気です。

そこでここでは、世界最高峰の戦略コンサルティングファームであるマッキンゼーの概要と合わせて、気になる年収や福利厚生などの待遇面、転職動向や転職に役立つ能力について解説します。

その後のキャリアや人生において非常に大きな財産となるマッキンゼーで経験を積みたい人は必見です。

1.マッキンゼーの概要

まず、世界中で知名度・信頼度抜群のマッキンゼーについて、どんな会社なのか解説します。

マッキンゼーの概要

  1. マッキンゼーの歴史
  2. マッキンゼーの特長・事業内容

次に1つずつ解説していきます。

(1)マッキンゼーの歴史

マッキンゼーは、1926年にシカゴ大学の経営学教授ジェームズ・O・マッキンゼー氏によって創設された戦略コンサルティングファームです。

「Fact base(事実に立脚)」、「Analytical approach(分析的アプローチ)」など今日の経営コンサルティングの基礎となる科学的アプローチによるコンサルティング手法を確立したマービン・バウアー氏が1933年に参画したことで飛躍的に成長したことでも有名です。

また、『人を育てること』を最優先にプロフェッショナルの組織を作り上げたマービン・バウアー氏のポリシーは今も色濃くマッキンゼーのカルチャーを支えています。

その後、1937年に創業者が亡くなり、会計事務所のスコービル・ウェリントンと合併してマッキンゼー・ウェリントン&カンパニーになりました。

その2年後の1939年にカーニー・アンド・カンパニー(現在のA.T.カーニー)が分離したものの、マッキンゼーは次々にオフィスを世界各地に展開し、現在では世界60カ国、105の支社に9,000人以上のコンサルタントを擁する巨大コンサルティングファームとなっています。

また、最近では社会や企業がおかれている現状の変化に伴い、高い専門性やネットワークやノウハウを駆使してデジタル領域からもクライアント企業をサポートする新しいサービスも次々に展開しています。

サービス名サービス内容
デジタル・マッキンゼークライアント企業のデジタルトランスフォメ―ションや能力構築を支援。デジタルを活用した企業変革(DX)を3つのテーマで実現。

  • 本業の足腰強化(抜本的な生産性向上)
  • 本業の再定義・変革(データドリブン企業への変革による成長)
  • 本業を超えたイノベーション(ESG志向の新たな事業創造)
Leap by McKinsey革新的で飛躍的な成長をもたらす新規事業創出ユニット
RTS(Reset. Transform. Sustain.)大規模な企業変革・事業再生を担うサービスライン。短期集中で、変革の目標設定、具体的計画の策定から実行完了まで一気通貫で支援し、大幅な業績改善を実現

また、設立から50年以上の老舗である日本支社は、各業界トップ企業を含めた国内上位30社の8割に相当する企業にその知見を提供しており、過去5年で1,000件以上のプロジェクトを実施していることからも国内での圧倒的なプレゼンス・信頼の厚さがわかることでしょう。

企業名マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン(McKinsey & Company)
日本オフィス所在地東京都港区六本木1-9-10
アークヒルズ仙石山森タワー
代表者岩谷 直幸 (日本支社長)
設立日本オフィス 1971年  (本社1926年)
従業員数約600名 (2020年03月現在) 約33,000名(グローバル)
ホームページhttps://www.mckinsey.com/jp/overview
沿革1926年 カーニー・アンド・マッキンゼー設立
1933年 マービン・バウワー氏が参画。マッキンゼーをトップクラスの経営コンサルティングファームに成長させる
1937年 会計事務所と合併。マッキンゼー・ウェリントン&カンパニーに
1939年 カーニー・アンド・カンパニー(現在のA.T.カーニー)が分離
1959年 初の海外オフィスをロンドンに開設
1971年 日本支社(東京)を開設
2020年 大阪支社を開設

(2)マッキンゼーの特長・事業内容

日本の頭脳が結集するマッキンゼー日本支社は優秀な人材が集まったプロフェッショナル集団です。

世界中に展開している強みを生かしグローバルの専⁠門知⁠識とロ⁠ー⁠カ⁠ルの深い知⁠見を組み合わせてクライアント企業のサステナブルかつインクルーシブな成長の実現を支援しています。

マッキンゼーが支援しているクライアントは上場企業、非公開企業だけでなく政府機関など幅広く、業種もハイテク・自動車・金融・医薬品などの産業を中心に広く知見を提供しています。

マッキンゼーに強い熱意や目標を持った優秀なメンバーが多い理由として、『My Own McKinsey』と『プラクティス』が挙げられます。

マッキンゼーの特長

  • My Own McKinsey:自分で主体的に仕事やキャリアを組み立てていくこと
  • プラクティス:自主的に業界別・機能別のグループに分かれて行う研究活動

『My Own McKinsey』を掲げるマッキンゼーではメンバーの自主性や意欲を極力重んじており、メンバー自身も自分のスキルやキャリアを自分で作っていく意識が強いという特長があります。

それを受けて、マッキンゼーのコンサルタントはクライアント企業のコンサルティングに加えて、自主的に業界別・機能別のグループに分かれて行う研究活動『プラクティス』に所属してさらに専門的な知識・スキルを磨いています。

マッキンゼーでは1人のゼネラリストがクライアント企業に対応するのではなく、プロジェクトごとにチームを編成してクライアント企業の問題解決をサポートするシステムを採用しており、『プラクティス』に所属していれば関連するプロジェクトに優先的に配属され、『プラクティス』を通じて得た知見をすぐにクライアント企業のプロジェクトに反映させることができるようになっています。

このように、コンサルタントの成長意欲とクライアントへの還元が『My Own McKinsey』によってうまく循環しているため、マッキンゼーには常に優秀な人材が多いといえるでしょう。

産業別プラクティス機能別プラクティス
  • 先端エレクトロニクス・半導体
  • 自動車・産業機械
  • 化学・農業
  • 消費財
  • 電力・ガス
  • エンジニアリング・建設・建材
  • 金融サービス
  • ヘルスケアシステム・サービス
  • ライフサイエンス など
  • デジタル
  • グロース(成長)・マーケティング・アンド・セールス
  • Leap by McKinsey (新規事業立案)
  • オペレーション
  • 人材・組織・パフォーマンス
  • 戦略・コーポレートファイナンス
  • サステナビリティ
  • 企業変革

また、クライアントには各業界のリーディングカンパニーなど一流企業が多く、持ち込まれる課題も難解で複雑なものが多いため、それに対応するコンサルタントの質やレベルを上げることが欠かせません。

そこでマッキンゼーでは『プラクティス』に加えて専門性をさらに磨くための社員研修にも力を入れており、社費でのMBA留学やグローバルトレーニングなど人材の育成に投資を惜しまないなど『My Own McKinsey』のもと自主性・積極性・成長意欲が高い人をサポートする万全の体制を整えているのも大きな特長です。

コンサルタントとしてさらに高いレベル・優れた環境の中で研鑽を積みたい、世の中にコンサルティングという面から貢献したい人にはうってつけといえるでしょう。

2.マッキンゼーの待遇

転職エージェントを選ぶ3つのポイント

次に、口コミでも「高年収」との評判の高いマッキンゼーの待遇について解説します

マッキンゼーの待遇

  1. マッキンゼーの平均年収
  2. マッキンゼーの社風・社内環境・福利厚生

マッキンゼーは噂通り高年収・好待遇です。

次に1つずつ見ていきましょう。

(1)マッキンゼーの平均年収

マッキンゼーの平均年収は 1,500〜2,000万円(推定)です。

ただし、ボーナスの比率が高いため一概に平均年収がいくらであるというのは難しく、あくまで参考値としてご理解ください。

また昇進すると一気に年収が跳ね上がるため高いモチベーションを持って働くことができる給与体系となっているのも特長です。

昇進にはプロジェクトごとに行われる360度評価(プロジェクトのマネージャーからメンバーまでによる評価)で高い評価を得ることが重要となり、そこで好評価を得ることができれば早期に昇進することが可能です。

実際、2020年には29歳の若さでパートナーまで昇進した人がいて話題となったことからも、自分の頑張り次第で年収・役職を大きく上げることができる環境であり、実力主義の外資系コンサルの中でもマッキンゼーは特にその色が強いファームであることがわかります。

また、マッキンゼーの平均年収を競合となる外資系戦略コンサルティングファームの平均年収(推定) と比較してみても年収レベルは同等もしくはそれ以上です。

(2)マッキンゼーの社風・社内環境・福利厚生

マッキンゼーは社員の成長や意志を大切にする文化があり、自由闊達な組織でやりたいことがあればなんでもでき、役職に関係なく意見が言えるなどフラットな雰囲気がある職場です。

バックボーンも年齢も人種も様々であるためダイバーシティを尊重する土壌があり、若手・中途採用者も関係なくお互いをプロフェッショナルとして尊重する社風を持つファームとしても知られています。

制限なく個々のスキルやキャラクターを足し合わせたり掛け算することでクライアントへのインアクトを最大化するのがマッキンゼーならではの働き方であり最大の魅力といえるでしょう。

また、産休育休制度や不妊治療に対する補助・ベビーシッターへの補助、時短勤務など女性が働きやすい制度・待遇は充実していますし、残業した際に出る夕食代、毎年年俸の16~18%程度を退職金として積み立てる退職金積立制度などマッキンゼー社員からも好評な福利厚生もあります。

他にも、優秀な人材と切磋琢磨しながら働けること、そして独自の巨大で最強といわれるアルムナイ(卒業生)ネットワークに参加できること、さらに卒業後も『マッキンゼー出身』という大きなステータス・ブランドが使えることは目に見える福利厚生ではありませんが、マッキンゼーだからこそ得られる大きな福利厚生と言えるでしょう。

3.マッキンゼーの転職動向

次に、マッキンゼーの転職動向について解説します。

マッキンゼーの転職動向

  1. マッキンゼーの転職状況
  2. マッキンゼーの転職情報
  3. 業界未経験からでも可能か

マッキンゼーへの転職を考えている人は必見です。

(1)マッキンゼーの転職状況

戦略ファームとして最高峰であるマッキンゼーの転職難易度はトップクラスです。

コンサルティングファームへの転職は全般的に難易度が高いといわれていますが、マッキンゼーはその中でも最高難易度といわれています。

マッキンゼーの転職情報で「全てのポジションにて積極採用中」と記されてはいますが、メンバーに求められる条件の高さと採用人数の少なさの2つの理由によりかなり狭き門となっています。

まず、現在のメンバーの経歴を見ると、東京大学や大阪大学やハーバード大学やオックスフォード大学など国内外の超難関大学・大学院卒、外務省(外交官)や外資系戦略コンサルティングファームやメガバンク、三菱商事出身など各業界の高学歴・超エリートばかりです。

さらに、採用時にビヘイビアー面接を重視していることからわかるように、ハードスキルがあるのはもちろんのこと、地頭の良さやオリジナリティ、パーソナリティなどソフトスキル面での優秀さも求められるなど、採用条件はさらに厳しくなっています。

ビヘイビアー面接とは
パーソナリティをアピールする面接。
職務履歴書に沿って候補者の以前の業務内容や価値観や転職理由などを聞き、候補者のパーソナリティや立ち振舞い、質問に対する受け答えなどから見極める面接手法。

それに加えて採用人数も少ないため、優秀な人材が集中し難易度が最高レベルとなっています。

また、英語を使用して仕事をする頻度は他の外資戦略ファームの数倍といっても過言ではないため英語が堪能な人材でないとまず採用されないとみて良いでしょう。

ただ、最近注力しているデジタル関連の人材を積極採用しているのでこちらの分野に強みを持つ人材は今がチャンスです。

(2)マッキンゼー転職情報

努力を惜しまない向上心がある

マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンでは、現在積極的に採用活動を行っています

募集部門業務内容
マッキンゼー・アクセラレート企業変革の設計やチェンジマネジメントを専門とするプラクティス
マッキンゼー・デジタルデジタル化の推進とデジタル新規事業構築を通じ、クライアントの課題解決や事業変革の支援を行う。
コンサルタントに限らず、プロダクトオーナー、デザイナー、データサイエンティスト、データエンジニアと幅広いバックグラウンドを持つエキスパート人材も採用中。

全てのポジションにて積極採用中ですので、興味がある方はぜひご応募ください。

(3)業界未経験からでも可能か

マッキンゼーへの転職は未経験だとかなりハードルが高いと考えられます。

しかし、近年依頼数が増加している企業のDX化・IT関連の専門スキルや実績があれば、コンサルティング業務経験がなくても採用される可能性はあります。

とはいえ、ビジネスレベルの英語力はどうしても必要なのでTOEIC800点程度の英語力を身につけておくようにしましょう。

4.マッキンゼーへの転職に有利になる能力

次にマッキンゼーへの転職に有利になる3つの能力について解説します。

転職が有利になる能力

  1. 強いリーダーシップ
  2. 高い問題解決能力
  3. チャレンジ精神

コンサルティング会社の中でも最高レベルの難易度を誇るマッキンゼーへの転職を成功させるために、この3つの能力は最低限身につけておきましょう

次に1つずつ解説します。

(1)強いリーダーシップ

マッキンゼーへの転職を有利にする1つ目の能力は、強いリーダーシップです。

コンサルタントには、まずはクライアイント企業から信頼されること、そして次に的確な解決策を提案すること、そしてクライアント企業の志気を高めて既存のやり方を変更させ提案を実行を支援することが求められます。

問題を抱える企業のマイナスの現場にコンサルタントが入ってゼロから信頼を得てプラスに転じさせるために欠かせないのが皆をまとめて率いる強力なリーダーシップであり、マッキンゼーでも面接の際には希望者にリーダーシップがあるかどうかを重要ポイントとし、注意深く見ています。

これまでのプロジェクトをまとめて成功させた体験などビヘイビアー面接時に自身のリーダーシップをアピールすることで、マッキンゼーで高評価を得られることでしょう。

(2)高い問題解決能力

コンサル 転職 後悔⑨

マッキンゼーへの転職を有利にする2つ目の能力は、高い問題解決能力です。

クライアント企業の抱える問題を素早く分析する読解力や数的処理能力、論理的思考能力はもちろんのこと、最適な提案を行う提案力などの総合的な問題解決能力が求められます。

問題解決能力はケース面接でチェックされるため、事前にケース面接対策も徹底的に行っておくことをおすすめします。

ケース面接とは
与えられた問いに対して制限時間内に一定の仮説を置きながら構造化し、ボトルネックを特定して解決策を提案する面接形式。

ケース面接では、売上推計と売上拡大策や現状の利益把握と利益拡大策、社会問題の現状と解決方法など様々な問いが出題されるため、できるだけ事前に多くの問いを想定して練習しておくことをおすすめします。

(3)チャレンジ精神

キャリアアップしたい方

マッキンゼーへの転職を有利にする3つ目の能力は、チャレンジ精神です。

チャレンジ精神とは新しい事業や展開を切り拓くために不可欠な想像力・発想力・行動力・リスクを恐れない勇敢さを伴った精神です。

既存の枠や概念にとらわれず、目的・目標に向かって自ら考え行動できる人材は、マッキンゼーが重視している『My Own McKinsey』に通じる人材であり、マッキンゼー流のコンサルティングを行うのに最適な人材でもあります。

実際、マッキンゼーを退職したOB・OGの中にはチャレンジ精神を持つ人が多く、DeNAを設立した南場智子氏、コンサルティング・ビジネス教育サービスのHRCを設立した内海康文氏、ウェルスナビを設立した柴山和久氏など多くの有名人がいます。

「将来夢を実現したい」「こんなビジネスを立ち上げたい」という強い熱意があるなら、マッキンゼーの面接でアピールすると有利に転職を進めることができることでしょう。

5.マッキンゼーからのキャリアパス

コンサルファームの最高峰の一つであるマッキンゼーからのキャリアパスは非常に選択肢が豊富であり、OB・OGには退職後にも素晴らしい経歴を残している方が数多くいます

マッキンゼーのキャリアパス

  • 国内外の事業企業の代表取締役・CXOなど
  • コンサルティング会社の役職・支社長など
  • PEファンドや金融機関
  • 大学教授
  • 学校の開校
  • ベンチャー
  • 自治体・政府関係の委員や顧問、大臣 など

大手企業の重要性の高い課題に数多く取り組む中で高いスキルを身につけたマッキンゼーの出身者の中は、どの業界でも引く手あまたです。

また、政府関連の事業に関わる人など政財界で活躍する卒業生は数知れません。

マッキンゼーでの得た経験やアルムナイによる人脈はその後のキャリア形成にとって大きな財産となるのは間違いないでしょう。

まとめ

マッキンゼーは、世界トップクラスの戦略コンサルティングファームであり、コンサル業界で上を目指すコンサルタントから最も人気の高い超一流のファームです。

一流企業をクライアントに抱えるマッキンゼーでは世界中で認められた高品質なコンサルティングスキルを学べるだけでなく、驚くほどの高収入も得られるので転職市場でも大人気です。

転職難易度はマックスではありますが、マッキンゼーで得た経験や知見、人脈、そして経歴は、コンサルタントとしての今後の飛躍にも大きく貢献するのは間違いありません。

コンサルタントとして最高の舞台でチャレンジしたいとお考えの方はぜひマッキンゼーへの転職を検討してみることをおすすめします。

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