欧州系最⼤経営戦略コンサルティングファーム『ローランド・ベルガー』転職動向と待遇
「ローランド・ベルガーの詳しい業務内容は何?」
「転職難易度は高い?年収や福利厚生も気になる」
戦略コンサルティングファーム業界ではMBBなど米国発の大手ファームが有名ですが、それに勝るとも劣らない高いコンサルティングでクライアント企業から絶大な支持を集めているのが欧州発戦略コンサルティングファームのローランド・ベルガーです。
ローランド・ベルガーは従来の高品質なサービスに加え、変化の激しい現代に沿った新しいサービスも次々に導入する革新性・柔軟性も併せ持ったファームです。
そこでここではローランド・ベルガーについて概要と合わせて年収や福利厚生などの待遇、転職難易度や転職情報、さらに転職を有利にする3つの能力について解説していきます。
コンサルタントとしての実力を短期間でぐっと引き上げるコンサルティング会社ローランド・ベルガーについて深く知りたい方はぜひご覧ください。
1.ローランド・ベルガーの概要
ローランド・ベルガーは欧州発の歴史ある戦略コンサルティングファームです。
- ローランド・ベルガーの歴史
- ローランド・ベルガーの特長・事業内容
次に1つずつ解説していきます。
(1)ローランド・ベルガーの歴史
ローランド・ベルガーは、ヨーロッパ発かつヨーロッパ最大の経営戦略コンサルティングファームとして、グローバルで様々な企業の長期的な成長に貢献しているファームです。
ドイツ・ミュンヘンで、ドイツを始めEU経済圏にて最も影響力を持つビジネスパーソンの一人である起業家のRoland Berger氏によって1967年に創業されて以来、コーポレイトビジョンとして『Creative strategies that work(結果と実効性を伴う創造的な戦略策定)』を掲げ、戦略案件にフォーカスしたコンサルティングを行っています。
現在は、ヨーロッパだけでなく世界35か国51都市にオフィスを展開し、共同経営者として320名のパートナーを中心に3,000人を超えるスタッフを擁し、グローバル市場でも独自のプレゼンスを示して高い評価を得ています。
ローランド・ベルガーの行うマネジメントコンサルティングに特化したコンサルティングサービスは、業界を限定せず、自動車・消費財・流通・化学・医薬品・金融・航空・運輸・ITなど多岐にわたっており、豊富な実績を保有しています。
プロジェクトのテーマとしては、全社戦略、企業再生、ブランド・マーケティング戦略、BRICs・新興国戦略、営業改革、新規事業戦略等が多いです。
日本法人である東京オフィスは1991年に開設されており、ローランド・ベルガーの『動く戦略』(クライアントの実情を理解した上で実効性の高い提案をすること)を追求したコンサルティングは日本でも多くのクライアントから高い評価を獲得、これまで著しい成長を遂げ、組織も約110名規模にまで拡大しています。
さらに、経験豊富なコンサルタントが日系企業のグローバル展開を全面的にサポートを行う東南アジアの『ジャパンデスク』設置や、様々な業種・能力・魅力を持った企業同士で新たな価値を創出する 『価値共創ネットワーク』など新しい取り組みもアグレッシブに展開しています。
日本法人名 | 株式会社ローランド・ベルガー(東京オフィス) |
本社所在地 | 東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル23階 |
代表者 | 大橋 譲(シニアパートナー、 代表取締役) |
設立 | 1991年(グローバル 1967年) |
従業員数 | 約110名 |
ホームページ | https://rolandberger.tokyo/ |
沿革 | 1967年 ドイツ・ミュンヘンで設立(本社) 1991年 日本法人「株式会社ローランド・ベルガー」設立 |
(2)ローランド・ベルガーの特長・事業内容
ローランド・ベルガーは、起業家精神をもった優秀な戦略コンサルタントによる戦略コンサルティングファームです。
現在、戦略コンサルティングファームといえば、戦略コンサルBIG3と呼ばれるのMBB (マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、ローランド・ベルガー)などアメリカ発のファームが有名ですが、ローランド・ベルガーは欧州に起源を持つ歴史あるコンサルティング・ファームとして米国系コンサルティングファームとは異なるカルチャーやアプローチでクライアント企業をサポートするのが大きな特長です。
ローランド・ベルガーの姿勢を表すのが3つのポリシーです。
- Serve all our stakeholders(全てのステークホルダーを重視する姿勢)
- Long-term perspective(長期的な視座)
- Cooperation and collaboration(協調・協業)
ダイバーシティを重んじるカルチャーが企業文化に深く根付いているローランド・ベルガーでは、短期的な企業価値向上・株主価値向上ではなく長期的な視点でのクライアント企業の成長を支援することを重視しています。
また、経営学のセオリーに偏ったトップダウンアプローチを採るのではなく、クライアント企業の文化・社員の意思を尊重すること、アントレプレナーシップ(起業家精神)を尊重することも重視しています。
特にアントレプレナーシップ(起業家精神)は低下する日本の国際競争力を回復する重要な鍵と考えられており、ローランド・ベルガーにコンサルティングを依頼する多くの企業が期待している点でもあります。
それを具体的に実行しているのが、多彩なバックグラウンドを持つ優秀なコンサルタントです。
ローランド・ベルガーのコンサルティングサービスは産業別・機能別の2つの専門グループを組織し、各グループにクライアント企業の問題解決に役立つ専門知識、経験、ノウハウを持ったコンサルタントを配置し多角的な支援を行っています。
ローランド・ベルガーのコンサルタントの育成方法も特殊で、若手コンサルタントに特定の業界を担当させず様々な業界の案件に関わらせ、早くから大きな仕事を任せることで社内研修やOJTと合わせて成長をサポートしています。
また、日本国内における各種産業向けのコンサルティングサービスに加え、シンガポール・中国・インドネシアに『ジャパンデスク』を設置して、東京オフィスや世界50か国以上のオフィスに在籍する3,000人のエキスパートと連携しながら日系企業の海外進出・グローバル化や海外でのマネジメント支援にも力を入れるなど、アジア地域の成長の牽引力となっているのも大きな特長です。
他にも、様々な領域で異なる強みを持つ企業やスタートアップが連携して共同プロジェクトを行う『価値共創ネットワーク』(VCN: Value Collaboration Network)の構築にも注力しています。
『価値共創ネットワーク』には現在36社が参画しており、既にこれまでの活動の中で未来構想・AIを活用したDX・技術起点の新規事業創出・サステイナビリティを起点とした戦略策定など、単独1社では実現しえない多様な共同プロジェクトを実施してサステナブルな成長・価値創出をサポートしています。
ローランド・ベルガーは短期的な利益に囚われない持続可能な社会への価値創造をモットーとし、創立以来ずっと欧州のカルチャーを色濃く反映した強い独自性のあるコンサルティングでクライアント企業をサポートし続けている戦略コンサルティングファームです。
それと同時に、従来のコンサルファームの枠組みを超えた取り組みを次々に行うなど多様化する時代に合わせた柔軟な進化を続ける革新性も魅力といえるでしょう。
2.ローランド・ベルガーの待遇
次に、ローランド・ベルガーに入社後の待遇について解説します。
- ローランド・ベルガーの平均年収
- ローランド・ベルガーの社風・社内環境・福利厚生
ローランド・ベルガーはどんなコンサルティングファームなのか気になる人はぜひご覧ください。
(1)ローランド・ベルガーの平均年収
ローランド・ベルガーの平均年収は800万円~最大で2,000万円以上と言われています。
徹底した実力主義の給与体系となっており、半年ごとに昇級のチャンスがあります。
同社は下記のような役職で分かれており、成果を出せば昇進スピードも速くなるので更なる年収を短期間で得られるようになるのも難しくありません。
役職 | 年収(推定) |
ジュニア・コンサルタント | 500~800万円 |
コンサルタント | 800~1,000万円 |
シニア・コンサルタント | 1,100~1,700万円 |
プロジェクト・マネージャー | 1,700~2,100万円 |
シニア・プロジェクト・マネージャー | 2,100~2,500万円 |
プリンシパル | 2,500万円~ |
パートナー | 3,000万円~ |
ローランド・ベルガーは若手のうちから大きな仕事を任され、一人ひとりの裁量も大きいので、自由でチャレンジングな雰囲気の中でコンサルタントとしての多くの経験・スキルを積みたい人にとっては理想的な環境にあります。
高年収を得ることよりもコンサルタントとして成長する機会を他よりも数多く得たいという人にはまさに理想的なファームと言えるでしょう。
(2)ローランド・ベルガーの社風・社内環境・福利厚生
ローランド・ベルガーは、職位関係なくフラットな人間関係とオープンな社風を持つコンサルティングファームです。
年次や職位にとらわれずに意見をぶつけ合えるのは、多様性を認め協調を重んじると同時にダイレクトに意見を交換し合う文化のあるドイツ発のファームであるためと考えられます。
基本的に一人一人が自律的に動くことを求められていますが、困った時にはメンバー同士が自然と力を貸し合い助け合う文化も根付いており、働きやすい環境が整っているようです。
また、基本的に年収水準が高く社会保険・社宅借り上げ・確定拠出年金制度(401K)がある上に、充実した研修制度が整っているため、社員の口コミではそれほど不満はないようです。
具体的な研修制度としては各種グローバルトレーニング制度、国内トレーニング制度、海外オフィスとのエクスチェンジプログラム、MBA留学支援制度、語学学習費用補助などが用意されています。
スキルを上げる意欲がある人や積極的に海外でチャレンジしたい人にとっては手厚い支援が受けられるファームといえるでしょう。
3.ローランド・ベルガーの転職動向
ローランド・ベルガーの転職動向について見ていきましょう。
- ローランド・ベルガーの転職状況
- ローランド・ベルガーの転職情報
- 業界未経験からでも可能か
ローランド・ベルガーはコンサルタントとしての実力を伸ばしたい人がこぞって集まるコンサルティングファームです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)ローランド・ベルガーの転職状況
ローランド・ベルガーの転職市場での人気は高く、採用人数も少ないため転職難易度は比較的高いです。
近年、コンサル案件の拡大により採用人数を増やして規模を拡大するコンサルティングファームが多いといわれていますが、ローランド・ベルガーは採用を拡大しておらず、昔ながらの少数精鋭・小規模を維持しているため、競争率はどうしても高くなってしまうようです。
ローランド・ベルガーは戦略案件にフォーカスした中途採用を中心とした少数精鋭ファームであり、米系・フランス系・日系など各国の有名コンサルティングファーム出身者が多いのですが、その他にも日本航空・大手通信企業や日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)など有名事業会社や金融関係出身者も多く、それぞれが現場経験を活かしながら実効性の高い戦略立案をしています。
現メンバーの中には、デジタル庁のプロジェクトマネージャとしても勤務し我が国の行政サービス等のデジタル化推進の役割も担っているプリンシパルの横山浩実氏など我が国の政府機関と強いパイプを持つメンバーが多い点も、ローランド・ベルガーの人気を押し上げています。
コンサルタントとして十分な論理思考能力や対人関係能力を有すると同時に、クライアント企業を応援する心や高いプロフェッショナリズム、そして基本的に激務であるため肉体的・精神的なタフネスさを併せ持つ人がローランド・ベルガーでは活躍しているようです。
これらに自信がある人はローランド・ベルガーの転職にチャレンジすることをおすすめします。
(2)ローランド・ベルガー転職情報
ローランド・ベルガーでは通年で中途採用を行っています。
「多様な人材こそがコンサルティングファームとしての価値をさらに高めていく原動力の一つとなる」と考え、コンサルティング経験がなくとも特定の領域でキャリアを持つ人材を積極的に採用しています
現在募集しているのは経営戦略コンサルタントです。
職種 | 募集条件 |
経営戦略コンサルタント |
|
詳しくは、ローランドベルガー『キャリア採用について』をご覧ください。
(3)業界未経験からでも可能か
ローランド・ベルガーへの転職はコンサルティング業界未経験でも可能です。
コンサルティング経験がなくても、事業会社や官公庁等、プロフェッショナル職において1年以上の実務経験があればどなたでもチャレンジは可能です。
実際、コンサルティング業界での経験がなく、一般企業からローランド・ベルガーに転職して活躍しているメンバーも少なくありません。
ただし、ローランド・ベルガーは少数精鋭のプロフェッショナル集団ですので求められる条件は基本的に高く、業界未経験ならばなおさら経験者以上に念入りな準備が必要です。
具体的には、ローランド・ベルガーではクライアントの実情を理解した上で実効性の高い提案を行う『動く戦略』を掲げており、クライアントと信頼関係を築くコミュニケーション能力や他メンバーと協調するチームワーク力、それから問題解決能力が重視されます。
それを見るためにケース面接で多く出題されるため、事前にトレーニングをしておくことをおすすめします。
また、事業会社・東京オフィスなどの社内でのグローバルデータベースは全て英語となるのでネイティブレベルの英語力が求められるので、TOEIC780点レベルの英語力を身につけておくことも不可欠です。
4.ローランド・ベルガーへの転職に有利になる能力
次に、ローランド・ベルガーの転職時に有利になる3つの能力を解説します。
- 強力なリーダーシップ
- チャレンジ精神
- スタミナ・タフさ
この3つを兼ね備えた人材をローランド・ベルガーでは常に求めています。
次に1つずつみていきましょう。
(1)強力なリーダーシップ
ローランド・ベルガーへの転職に有利になる1つ目の能力は、強力なリーダーシップです。
問題を抱えたクライアント企業に最適なソリューションを提案をしても、クライアントとの間に信頼関係を築くことができていなければ実行はおろか提案を受け入れてもらうことすらできません。
特に、クライアントの上層部はコンサルタントよりも年齢も上、経験も豊富な人であることが多く、そんな人たちと共に問題に向き合っていくには強力なリーダーシップが必要です。
そのため、ローランド・ベルガーの面接時には、自分がまとめたプロジェクトなどリーダーシップを発揮した経験をアピールすると高評価を得られることでしょう。
(2)チャレンジ精神
ローランド・ベルガーへの転職に有利になる2つ目の能力は、チャレンジ精神です。
ローランド・ベルガーは、経営のプロフェッショナルとして一社一社のクライアントごとの課題や未来と向き合い、常に一歩先のソリューションを提示することをモットーとしています。
そのためには、形式的なルールや固定概念や前例に縛られることなく、常に本質を見つめ、クライアントと共に変革を起こしていくために何が必要なのかを新しい発想・着眼点から考えるチャレンジ精神が不可欠です。
これまで誰も考えなかったことを提案し、誰もできなかったことを実行する力はローランド・ベルガーのコンサルタントにとって最重要な心臓部といっても過言ではありません。
企業での新しい事業や部門の立ち上げ経験や新しいビジョンがある人は、その点を面接で積極的にアピールしてローランド・ベルガーのコンサルタントとしてふさわしい人材であることを印象付けると転職も有利になることでしょう。
(3)スタミナ・タフさ
ローランド・ベルガーへの転職に有利になる3つ目の能力は、スタミナ・タフさです。
ローランド・ベルガーは噂通り残業が多くハードワークであるため、体力的なタフさが欠かせません。
また、長期的な視点でクライアント企業の成長を支援するローランド・ベルガーのコンサルティングには粘り強さや忍耐力、熱意を持ち続ける持続力など精神的なタフさも必要です。
ローランド・ベルガーで活躍するには強靭な心身・スタミナが必要であるため、体力・精神力に自信があることも面接時には武器となるのでしっかりアピールしましょう。
5.ローランド・ベルガーからのキャリアパス
最後に、ローランド・ベルガーからのキャリアパスを解説します。
- 大手戦略コンサルティングファーム
- 大手グローバル事業会社 CXO
- ベンチャー・スタートアップ
ローランド・ベルガーで培った経営コンサルタントとしてのスキルや経験を活かして大手戦略コンサルティングファームやグローバル事業会社へ転職する人が多い一方、ベンチャー・スタートアップ企業で持ち前のチャレンジ精神を活かして腕を振るう人も少なくありません。
MBBのように勤務経験が世界中どこでも通用するステータスになるわけではありませんが、経営コンサルタントとしての実力はしっかり身についているので思い描いたキャリアを築くことは難しくないでしょう。
まとめ
ローランド・ベルガーは、戦略コンサルティングファームとして多くのクライアントに最上級のコンサルティングサービスを提供している欧州発の人気コンサルティングファームです。
ローランド・ベルガーは実力次第で昇級スピードもアップしやすい上に、ここで得られた経験・スキル、そしてクライアント企業やファームのメンバーとの間に築いた人脈は、今後のコンサルタントとしてあるいは別の道に進んだ場合でも大きな財産となるのは間違いありません。
転職難易度は高いですが、強力なリーダーシップやチャレンジ精神、タフさを身につけてチャレンジしましょう。
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