コンサルタントの種類は8種類!業務とクライアントに分けて紹介
「コンサルタントへの転職を考えているが、種類が色々あるようで良く分からない」
「コンサルタントの種類を知って、自分がどういう所を選ぶと良いか知りたい」
近年、規模の大きな仕事が出来る、給料が一般的な日本企業に比べて高い、などの理由から、コンサルタントへ転職を考える人は増えていますが、コンサルタントの種類について知らない、という人は多いのではないですか?
コンサルタントは、その業務やクライアントにより、いくつかの種類に分類されます。
今回は、業務による分類をされた6種類と、クライアントによる分類をされた2種類を、その分野の代表的な企業と共に、ご紹介します。
コンサルタントの種類を知って、是非自分に合ったところを選んでください。
1.業務による分類
まずは、業務による6つの分類です。
- 戦略系コンサルタント
- 会計系コンサルタント
- 財務系コンサルタント
- 人事系コンサルタント
- 事業再生コンサルタント
- ITコンサルタント
それぞれがどのような内容の業務を行っているのかを見ていきましょう。
(1)戦略系コンサルタント
戦略系コンサルタントは、クライアントの市場拡大・新規事業拡大のための戦略提案を行うコンサルタントです。
具体的には、成長戦略やグローバル戦略、M&A戦略などの、戦略策定支援の他、新規事業参入や新商品開発、組織の再編など、経営者の視点を持ち、課題の解決に取り組んでいきます。
コンサルティングファームによって変わりますが、戦略系コンサルタントの報酬は1ヶ月あたり数百万~数千万と、高額になることが多く、クライアントは大企業や官公庁が多いです。
報酬が高い分、プロジェクトを担当するコンサルタントの年収も、他の業務を担当するコンサルタントよりも、高くなる傾向がありますが、その分、残業も多くプレッシャーものしかかってくる為、心身ともにタフな人が求められます。
特に状況分析や細かい資料の収集などは、入社1年目~3年目の役職であるアナリストの役割となるため、コンサルタントやマネージャーなど、上の役職に行くためには、ここが頑張りどころと言えるでしょう。
アーサー・D・リトル
アクセンチュア(ストラテジーグループ)
マッキンゼーアンドカンパニー
A.T.カンパニー
1886年、アーサー・D・リトルが世界初の戦略系コンサルタントファームとして立ち上がって以降、主だった企業が設立されました。
日本には1960年代以降、各ファームが進出しており、活動を続けています。
(2)会計系コンサルタント
会計系コンサルタントとは、クライアントの会社やビジネスの、会計に関する改善策のアドバイスをするコンサルタントです。
会計に関する法規制の動きの監視・対応、会計業務のプロセスの改善、投資に関してや、費用の削減などについてのアドバイスが仕事内容です。
コンサルタントには、会計に関する専門的な知識だけでなく、経営方針にも携わるため、経営面に関する知識も求められ、しかも、都度更新される会計分野の変化に対応し続ける必要がありますので、常に勉強が欠かせません。
中小企業診断士や公認会計士と言った資格を持っている人は、その知識を十分に活かせるポジションです。
資格を持っていなかったとしても、前職で、銀行などの金融業界、事業会社で経理業務などの経験を持つ人であれば、転職活動も有利に働く可能性があります。
会計系コンサルタントは、役職が上がるにつれ、英語力が必要になる場合も多いため、身についていると有利です。
PwCコンサルティング合同会社
デロイトトーマツコンサルティング株式会社
KPMGコンサルティング
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
それぞれが、世界4大監査法人と称される会計事務所のグループファームとして活動する法人で、big4と呼ばれています。
4社とも、今は総合コンサルティングファームとしても有名な各社ですが、もともとは会計系コンサルタントファームとして、スタートしている企業だったのです。
(3)財務系コンサルタント
財務系コンサルタントは、クライアントの資金戦略の検討・立案、業務プロセスの改善を仕事としています。
企業の組織の代表的機能である、「財務」に着目し、資金調達や投資戦略の組立、M&Aなどのアドバイスをすること具体的な業務内容です。
あらゆる資産を数値化して、価値を向上させることが目的で、クライアントの時価総額評価向上の戦略を常に考え続けています。
財務系コンサルタントへの転職には、企業経営や会計、法務の専門知識を持っていると有利です。
変わっていく法律に常にスピーディに対応することで、クライアントの厚い信頼を得ることが出来ます。
株式会社日本M&Aセンター株式会社
マクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社
アドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ株式会社
全国の公認会計士・税理士約500人が共同出資して設立された株式会社日本M&Aセンター株式会社、小規模ながら高いパフォーマンスを発揮するマクサス・コーポレートアドバイザリー株式会社、投資銀行、監査法人の出身者で立ち上げられたアドバンスト・ビジネス・ダイレクションズ株式会社が代表的なコンサルティングファームです。
専門的な知識が必要な業務ですので、公認会計士や税理士が立ち上げに関わっている所であれば、クライアントにとっても安心感がありますね。
(4)人事系コンサルタント
人事系コンサルタントとは、クライアントの人事評価・人材確保などの課題解決を主な業務とするコンサルタントです。
人事における各種制度や福利厚生の設計、研修制度の設定、企業の海外進出やM&Aに伴う人事システムの刷新などが具体的な業務となり、新商品の開発など、企業の外部に向けての働きかけはせず、内部から制度を整えていく業務であることが、他のコンサルティングファームとの一番の違いになります。
必要なスキルとして、人事の知識・スキルが求められる場合が多いため、事業会社で人事として働いている人の転職先として候補に挙がる場合が多いです。
人事系コンサルタントとしてコンサルタントの経験を積めば、他の領域のコンサルタントへの転職も有利になり、その後のキャリアが開けます。
マーサージャパン
グロービス
トーマツイノベーション
人事系コンサルタントは、外資系ファームが多いことが特徴です。
人事系コンサルタントの業務は多岐に渡りますので、こちらでご紹介したファームでも、一つの課題に対するアプローチが変わってきます。
マーサージャパンは戦略・組織・人事を統合した経営視点からコンサルティングを行っており、グロービスは、経営大学院の運営や、ベンチャー企業への投資、経営ノウハウの発信を主です。
トーマツイノベーションは、人材育成に必要なサービスを提供しています。
(5)事業再生コンサルタント
事業再生コンサルタントは、資金難のクライアントに対し、金融債権者や株主との間に入って資金調達等を行い、事業の再生を図るコンサルタントです。
数あるコンサルタントの領域の中でも、花形の1つとされ、近年の世界的な経済情勢の変化により、益々ニーズが高まっています。
具体的には、金融機関との交渉、採算の取れない事業の整理や組織構造の改革が業務内容です。
異業種からの転職の場合は、銀行などの金融機関、融資業務の経験者、投資など金融コンサルティングの経験者が有利と言えますが、これらの業種で培ったスキル以外にも、事業の再生が目的となりますので、経営面の知識が必要と言えるでしょう。
戦略系コンサルタントのアフターキャリアの1つとしても考えられており、経験を積んだのち、事業再生コンサルタントファームを立ち上げ、独立する人もいます。
アリックスパートナーズ株式会社
山田ビジネスコンサルティング株式会社
フロンティア・マネジメント株式会社
アリックスパートナーズは、経済産業省出身者が代表を務めていた時期もあり、事業再生領域の中で、特に代表的なファームです。
日系コンサルティングファームでは、山田ビジネスコンサルティング株式会社が、企業の延命ではなく、成長を目標に、多くの企業の支援を行っています。
(6)ITコンサルタント
ITコンサルタントは、クライアントのIT戦略や、システム管理・新システム導入の提案を主とするコンサルタントです。
経営戦略に沿ったIT戦略を提案し、システム開発の提案やシステムの最適化を通じて、クライアント企業の経営を助けることが業務内容です。
ITコンサルタントは、システムエンジニアと混同されることも多いのですが、ITコンサルタントが明確になった経営課題を解決に導くためにシステム導入を決める役割であるのに対し、システムエンジニアは、ITコンサルタントが求めたシステムを構築する役割を持ちます。
ITについての知見はもちろん、クライアントの課題を明確にする情報収集能力や論理的な思考能力が必要です。
野村総合研究所
シグマクシス
ヒューチャーアーキテクト
ITコンサルタントの代表的なファームとしては、デジタルトランスフォーメーションを実現するための組織能力を早急に高める必要があると新年を持つ野村総合研究所、能力とモチベーションを高め続けるプロフェッショナル集団のシグマクシス、中立性を保ち、顧客の全体最適の視点を持ってゼロベース思考で業務に取り組む強みを持つヒューチャーアーキテクトが挙げられます。
2.クライアントによる分類
続いて、専門分野に特化したクライアントを持つコンサルタントを2種類ご紹介します。
- 医療・ヘルスケア系コンサルタント
- 製造業コンサルタント
それぞれ、専門知識の必要になる、特別なクライアントを持つコンサルタントです。
(1)医療・ヘルスケア系コンサルタント
医療・ヘルスケア系コンサルタントは、病院や医薬品・医療機器メーカーをクライアントに持つコンサルタントのことです。
クリニックや病院に対しては、開業医に対する事業計画の策定、職員の採用から育成、開業後の集客やマーケティング、医療機器メーカーに対してはM&A戦略の策定、営業改革、購買コストの削減、システム導入などが具体的な仕事内容となります。
一般的な事業会社へのコンサルティングとは違い、医療業界特有の慣習を踏まえたコンサルティングが必要になりますので、医療業界全般の知見や、診療報酬、医療機器などを備えたスキルを持つ人が優遇されます。
IQVIAソリューションズ・ジャパン
グローバルヘルスコンサルティング
KPMGヘルスケアジャパン
代表的な医療・ヘルスケア系コンサルタントファームには、アメリカの医療情報会社、IQVIAのメンバーファームであるIQVIAソリューションズ・ジャパンや、アメリカに本社を置くグローバルヘルスコンサルティング、コンサルbig4のひとつであるKPMGコンサルティングとグループ企業同士であるKPMGヘルスケアジャパンが挙げられます。
(2)製造業コンサルタント
製造業コンサルタントは、製造業をクライアントに持つ特化型のコンサルタントです。
具体的には、メーカー現場の業務効率化の改善支援、生産工程の改善、製品のライフサイクルの管理、コスト削減がを行っています。
製造業コンサルタントに転職する人の多くは、メーカーでの勤務経験がある人のため、前職の経験をコンサルティングに活かすことが可能です。
コンサルタントとなることで、一現場の担当者の立ち位置から、経営者に寄り添った、経営視点を身につけられます。
ものづくり戦略カンパニー
株式会社O2
アイティアイディ
代表的な製造業コンサルタントファームは、顧客益、社会益、自益の調和合一を旨とするものづくり戦略カンパニーや、「市場創出型企業」を創るコンサルタントファームである株式会社O2、開発力向上を通じて、モノ・コトづくりの企業の価値向上と業務効率化を実現するアイティアイディが挙げられます。
まとめ
コンサルティングと一口に言っても、その業務内容やクライアントにより、いくつかの種類に分かれます。
今回は、業務内容別の6種類と、クライアント別の2種類のコンサルタントをご紹介しました。
企業の課題解決のため、専門家が独自の視点でメスを入れていくことで、きっと、より良い結果を生むことができます。
コンサルタントは、その実現のためのユーザーと言って良いでしょう。
各コンサルタントで必要なスキルが変わってきますので、コンサルタントへの転職を考えている人は、自分のどのようなスキルをどの領域で活かしていけるかを見極めて活動していってください。
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