ファンド
fund

業務内容/具体的なテーマ

ファンド(投資信託)とは、一般的に複数の機関投資家や個人投資家から集めた資金をベンチャー企業を中心とする事業会社などへ投資し、その運用成果が投資家の投資額に応じて分配される仕組みである。 また、企業に対して投資するだけでなく経営に実際参画するという点が特徴的です。 PEファンドは、バイアウト、事業再生、ディストレスト、VCファンド(ベンチャーキャピタル)などの類型があり戦略もそれぞれ異なります。

現在の課題

2007年以降の信用収縮によってファンド運営は容易なものではないが、バイアウトファンドなどはファンド期間が長期であるためこれからの動きが重視されている。 また、2010年付近におけるリーマンショックの影響から、多くのファンドがクローズしてしまった一方で景気回復・案件数増加の傾向があるため新たなプレイヤーが増えている。


ファームで得られる経験

ファンドにおいては成果に応じて報酬額が決まるため、報酬額を上げるために現状課題や解決策を導く論理的思考力が得られる。また、成果を出すために現場の経営者、社員との円滑なコミュニケーション力が培えると言える。 さらに、投資先の財務状況などによって投資実行を完了するまでに時間や労力が削られることも少なく無いため、忍耐力がつくことが期待できる。


プロジェクト例

ファンドの具体的なプロジェクト例は以下の通りです。

  • ・投資案件のソーシング(開拓・検討・交渉など)
  • ・エグゼキューション(投資実行)
  • ・企業の買収
  • ・EXIT(投資先の売却)

採用動向

近年、ファンドの採用市場において求人は増加傾向にあり不況下かどうかに関わらず継続して求人が行われている。 ファンドの規模が拡大しているため外資系大手ファンドではもちろん、日系大手・中規模ファームにおける採用枠が増加している。 また全体的には、アソシエイトクラスの採用が大半を占めVP以上の採用は多くはない。


選考内容

ファンド業界における選考内容は、提出が必要な書類よりも面接が主に重視され、各社によって流れは異なるものの、大抵の場合5〜6回程度の面接が行われる。また、志望動機はもちろんモデリングテストと呼ばれるケーススタディやコーポレートファイナンスの知識を問うテストを行う企業も存在する。


合否を分けるポイント

今までの経験がファンド業界にどのように活かせるのかをアピールできるがどうかが合否を分けるポイントになる。 PE(プライベートエクイティ)ファンドでは、PEファンド業務、戦略コンサルティングファーム経験者など特定の経験者を採用条件に含む企業が多い。 VC(ベンチャーキャピタル)では、円滑なコミュニケーション力、財務分析力、企業の将来性を精査する能力が求められる。

これらの求められる能力を、今までの経験と照らし合わせてどのようにアピールするかが重要である。


キャリアについて

ファンド業界で勤務し一定の経験を積んだ後は、以下のようなキャリアプランが考えられる。 ・事業会社のCFO ・ベンチャー企業などの財務、CFOポジション ・他ファンド、ヘッジファンド ファンドにおいて少数派であるものの、一定数が金融業界やコンサル業界など以前勤務していた業界に戻る。ビジネスを理解し財務に強い人材は、事業会社のCFOなど高いポジションでのニーズが高いと言える。

転職事例

20代

大手FAS(財務・戦略アドバイザリー) → 大手PEファンド
(900万円 → 1,100万円)


30代

税理士事務所 → 会計コンサルタント企業 
(1,150万円 → 1,260万円)


職位別の年収

以下がファンドの職位別年収です。

【日系・外資系PEファンド】
・アソシエイト相当: 800〜1,500万円
・ヴァイスプレジデント: 1,200〜2,000万円
・ディレクター: 1,500〜3,500万円
・パートナー: 2,500万円以上 【VC】
・アソシエイト相当: 500〜900万円
・ヴァイスプレジデント: 900〜1,2000万円
・ディレクター: 1,200〜1,500万円
・パートナー: 1,500万円以上



ファンドにおいて年収は、インセンティブによって大きく異なるため一概にレンジを定めることはできませんが、以上がファンドの職位別年収例です。 また、PEやVCは投資が成功した際のキャリーと呼ばれるものが発生する可能性があるため、上記の年収レンジのみで判断することは難しいと言えます。

労働環境/働き方について

ファンドにおいては、成果を出すために現場の経営者や社員と日々コミュニケーションをとりながら仕事を進める必要がある。一方で、投資家としての立場で彼らと対峙することも重要であるため、バランスを取ることが求められる。 残業時間については、実際に投資を検討しデューデリジェンスや資料作成を行う段階における業務量や時間が増え、残業時間もそれに伴って増加する可能性がある。 一方、主にPEファンドでは自身の時間軸でプロジェクトを進めることが多いため残業時間の調節はある程度効くことが多い。