PEファンド『アント・キャピタル・パートナーズ』の概要や転職情報を紹介
「PEファンドのアント・キャピタル・パートナーズはどのような会社?」
「アント・キャピタル・パートナーズの会社概要や転職情報について知りたい」
近年上場企業の非上場化支援、大手企業によるノンコア事業売却の受け皿、後継者不足に悩む中堅・中小企業の事業承継先等としてPE(プライベート・エクティ)ファンドの活用がますます増加しており、PEファンド業界は拡大傾向にあるといえるでしょう。
アント・キャピタル・パートナーズは、成長企業支援、企業再生、公開企業買収 によるゴーイングプライベートを含むマネジメント・バイアウト(バイイン)、既設投資 ファンド持分(LP)買取の業務を中心に行っているPEファンドです。
本記事では、アント・キャピタル・パートナーズの近年の業績を含む会社自体の概要についてや入社後の待遇、さらに転職情報を紹介します。
アント・キャピタル・パートナーズがどのような会社か知った上で転職を検討したいという人は、ぜひ参考にしてください。
1.アント・キャピタル・パートナーズとは
まずアント・キャピタル・パートナーズの概要について見ていきましょう。
- 会社概要
- アント・キャピタル・パートナーズの特徴
- 近年の業績・投資実績
アント・キャピタル・パートナーズは金融会社・事業会社出身者、弁護士・公認会計士など多彩なメンバーで運営されるPEファンドです。
以下で詳しく解説していきます。
(1)会社概要
会社名 | アント・キャピタル・パートナーズ株式会社 |
所在地 | 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号 丸の内ビルディング27階 |
設立年月日 | 2000年10月23日 |
資本金 | 100,000,000円 |
代表者 | 代表取締役社長 飯沼 良介 |
グループ役職員数 | 51名(非常勤役員及び出向社員を含む) |
事業概要 | 未上場株式等への投資業務、および投資事業組合の運営管理業務 |
株主 | 農林中央金庫、三井物産企業投資株式会社、役職員 |
公式HP | https://www.antcapital.jp/ |
アント・キャピタル・パートナーズは2010年、日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社と英アントファクトリー・ホールディングス・リミテッドとの合併により、アントファクトリージャパン株式会社として設立されました。
時価総額が150億円から200億円未満の中小型案件に特化しており、ハンズオン型投資と経営支援により、ファンド投資利回りは25%~60%超のリターンをあげているのが強みです。
3つの基本的信条を掲げ、結果にコミットした投資を行っています。
【投資に関して】
- 投資に際しては情実を排し収益的合理性を重視して厳しく選別する
- 投資は投資先との信頼関係の構築が前提であり、投資先、株主、出資者との信頼関係が損なわれかねない状況においては、当社への信頼の維持が利益に優先する
- 投資先には積極的に関与し、企業価値の増大をもたらすことに全力をつくす
- 本質的な課題に応え、人の喜びを創造するために、つねに常識を疑い、大胆な変革者であり続ける
【職務の遂行に関して】
- 最高の人材を求め、少数精鋭とし、お互いを尊重し、チームワークを重視する
- 妥協のない高潔さとプロフェッショナルとしての行動規範が求められる
- 名より実を優先し、言葉より実践を重視する
- 法令を遵守し、誠実かつ公正で信頼される企業人である
- チャレンジングな目標を設定し、楽しみながら結果を出すことに集中する
- 全ての行動を迅速に、全ての活動に境界を、そして全ての目標に限界を設けない
【職場環境に関して】
- 社員の多様性を尊重し、多彩な技能、意見、バックグラウンドを持った人々が積極的にリーダーシップを発揮し、自分だけでなく周りの人間の能力や可能性をフルに引き出せるような職場環境を築く
- 組織的な階層を最小限に抑え、権限と責任を明確にする
- 問題の解決と実行には全員の関与を求める
- 社員の家庭と仕事の調和を保てるよう配慮し、社員が家族への責任を果たせるよう応援する
(2)アント・キャピタル・パートナーズの特徴
アント・キャピタル・パートナーズは投資先に対して、明確なルールに基づいた経営支援を行っていることが特徴です。
コンサルタントが役職員の目線に立って同じ立場で経営を考えることに必要性を感じ、「見える化」、「考える化」、「実行する化」の3つのポイントを約3~4年にかけて改善することで、「IPOにも堪え得る筋肉質な経営体制」を構築しています。
- 投資後1年目:見える化
- 投資後2年目:考える化
- 投資後3年目:実行する化
月次決算の精緻化を行い、経営に必要な指標でありKPIを活用した経営管理を徹底し、分析を行った上で数字に基づく解決策の立案を作成し、現場が自ら考えて実行できる仕組みを作り上げているのです。
アント・キャピタル・パートナーズが51名という少数精鋭で経営を行っているのは、こうした体制を崩さないためともいえるでしょう。
(3)近年の業績・投資実績
アント・キャピタル・パートナーズの近年の業績は以下の通りです。
年度 | 純利益 | 純資産 |
2022年度 | 5億7,801万6,000円 | 51億1,398万6,000円 |
2021年度 | 7億5,604万4,000円 | 50億2,254万2,000円 |
2020年度 | 6億8,361万4,000円 | 63億4,927万8,000円 |
2019年度 | 3億1,271万2,000円 | 50億3,760万8,000円 |
2018年度 | 6億1,723万4,000円 | 未反映 |
直近の2022年度は前年に比べ純利益が少なくなっているものの、純資産は増加しており、全体を見ても安定した業績で推移しているといえます。
また投資実績も着実に積み上げています。
- 株式会社羅針
- ソフトブレーン株式会社
- 株式会社メック、株式会社シーメック
- 株式会社APEX
- 株式会社ヴイ・エス・テクノロジー
アント・キャピタル・パートナーズは多くの実績を積みながら安定した経営を行っている会社であるのが伺えます。
2.待遇
アント・キャピタル・パートナーズはどのような会社であるのか、待遇面から見ていきましょう。
- 平均年収
- 社風
- 福利厚生
アント・キャピタル・パートナーズをはじめとするPEファンド業界は初年度から年収800万円以上が狙える、かなり高収入の業界といえます。
外資系のファンドの中でもアント・キャピタル・パートナーズは比較的開放的な社風で働きやすいようです。
以下で詳しく紹介します。
(1)平均年収
アント・キャピタル・パートナーズの平均年収は公開されている情報は残念ながらありません。
PEファンドでは基本的には非公開求人であり、各々の実績を鑑みて年収がオファーされる形になります。
あくまで目安になりますが、若手層での採用の場合、年収はベース750万円~1,500万円にキャリーが加わる形で提示されるケースが多いようです。
PEファンドの報酬体系は、ベース(年俸)+キャリー(成功報酬)となっており、案件次第で計り知れない報酬を得ることができます。
(2)社風
アント・キャピタル・パートナーズの社風について見ていきましょう。
アント・キャピタル・パートナーズの社風は以下の通りです。
- 比較的開放的
- 男女差なく働きやすい
- 残業が少なくワークライフバランスが取りやすい
- 自らの考えを経営陣に直接伝えることができる
- 実力主義
アント・キャピタル・パートナーズでは比較的風通しが良く、男女差がなく働きやすいと感じている人が多いようです。
ただし数字へのこだわりはしっかりと持つことが大切で、案件によっては勤務時間が増えることも覚悟しておくと良いでしょう。
(3)福利厚生
アント・キャピタル・パートナーズの福利厚生は一般的な内容を取り揃えています。
- 各種社会保険
- 福利厚生施設、リロクラブ
- 通勤交通費あり
- 転勤なし
- 有給休暇
- 産前産後休暇
- 育児・介護休暇等
退職金制度はありませんが年俸の最大20%を確定給付企業年金に積み立てることが可能です。
育児・介護休暇等もあるため、女性も働きやすい職場といえますね。
3.アント・キャピタル・パートナーズの転職情報
転職希望の企業が決まった際には、転職情報についてよく知ることが、転職後のミスマッチを防ぐのに有効です。
アント・キャピタル・パートナーズの転職情報を紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
- 中途採用事情
- 募集職種
- 求める人物像
- 未経験でも可能か
以下で紹介します。
(1)中途採用事情
アント・キャピタル・パートナーズの中途採用数の推移は公表されていませんが、少数精鋭制で会社を運営していることから、多くの人材を採用している傾向はありません。
そのためアント・キャピタル・パートナーズへの転職は狭き門と予想されます。
少しでも転職活動を成功に近づけるために、転職エージェントへの相談も検討に入れると良いでしょう。
またこれまでの合格者は以下の前職を持つ人が多いようです。
- コンサルティングファーム
- 外資系証券会社や投資銀行
- 事業会社
- 弁護士
- 公認会計士
アント・キャピタル・パートナーズでは前職でPEファンドの経験は求められませんので、前職でどのようなスキルを得てそれをどのように活かしたいかについて提案することで合格率を上げることができるでしょう。
(2)募集職種
アント・キャピタル・パートナーズでは、「キャピタリスト」の職で働ける人を募集しています。
キャピタリストの仕事内容は以下の通りです。
- 投資案件探し
- 投資のアレンジ、実行
- 経営戦略の策定・実行支援(バリューアップ)
- モニタリング
- M&A支援
- Exit
簡単にいえばPEファンドでの業務すべてを担当します。
バリエーション、財務DDといったファイナンスの知見よりもビジネスコンサルティングの知見を有する人を求めているようです。
人によっては社外取締役として複数の事業会社の役員を兼任できる可能性もありますので、コンサルタントとして躍進できるチャンスのある会社といえます。
(3)求める人物像
アント・キャピタル・パートナーズが求める人物像は以下の通りです。
- 若手の方
- コンサルティングファーム出身の方(戦略ファーム尚可)
- 外資系証券会社や投資銀行でM&A、コーポレートファイナンス経験のある方
- 事業会社で投融資、経営企画、新規事業開発、役員経験のある方
- 投資志向とコンサルティング志向をバランスよくお持ちの方
- 英語力お持ちの方尚可
経験に加え投資志向やコンサルティング志向についても求められていますので、自身がそれを持っていることを面接等でどのように伝えれば良いのかの検討が必要になります。
(4)未経験でも可能か
アント・キャピタル・パートナーズへの転職は、PEファンドでの経験が無くても可能です。
上記でも紹介しましたがアント・キャピタル・パートナーズはファイナンスの経験よりもビジネスコンサルティングの知見を有する方を求めており、前職でPEファンドの経験は必要としていません。
未経験でアント・キャピタル・パートナーズへ転職したい場合、経験を補う前向きな姿勢や志望動機を明確にすることが成功のポイントになるでしょう。
まとめ
ハンズオン型投資と経営支援により多くのリターンを上げているPEファンドのひとつ「アント・キャピタル・パートナーズ」は、転職市場でも注目されている会社です。
外資系企業の特徴として年収が高いことが挙げられますが、案件次第ではあるものの残業が少なくワークライフバランスが取りやすい会社といえるでしょう。
アント・キャピタル・パートナーズへの転職には前職での業界経験は必要ありませんが、投資志向やコンサルティング志向をバランス良く持っているなどの条件が必要となります。
本記事を読んでアント・キャピタル・パートナーズに興味を持った人は、ぜひ転職エージェントなど第三者の力も借りながら、転職活動を成功させてください。
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