全世界12兆円を扱う巨大PEファンド『ベインキャピタル・ジャパン』年収・待遇・転職動向

「有名なベインキャピタルへの転職難易度は高い?」
「ベインキャピタルに転職すると年収はどれくらい?」

グローバルPEファンドの中でも国内での投資実績の豊富さでいえばTOBによる上場企業の買収に強いことで知られるベインキャピタルが挙げられます。

ベインキャピタルの日本オフィスであるベインキャピタル・ジャパンは年収面でも待遇面でも高水準であるため、転職市場において難易度が高いことでも知られていますが、実は今が狙い目なんです。

そこでここでは、転職者に人気のベインキャピタル・ジャパンについて、企業の概要や年収・福利厚生などの待遇、そして転職動向について解説していきます。

世界のみならず日本のプライベート・エクイティ業界をリードするベインキャピタル・ジャパンへの転職をお考えの方はぜひご覧ください。

1.ベインキャピタルの概要

自分の実力を発揮できる

世界でも最大規模のプライベート・エクイティファンドといえば真っ先に名が挙がるのがベインキャピタルです。

ベインキャピタルの概要

  1. ベインキャピタルの歴史
  2. 日本のPE業界をリードするベインキャピタル・ジャパンの特長
  3. ベインキャピタル・ジャパンの事業内容・実績

ベインキャピタルは歴史も古く、その投資スケール・実績も世界トップクラスです。

次に1つずつみていきましょう。

(1)ベインキャピタルの歴史

ベインキャピタルは、1984年にコンサルティング企業大手ベイン・アンド・カンパニーのシニアパートナーらによって設立された米国・マサチューセッツ州ボストンに本社を置く独立系プライベート・エクイティ・ファンドです。

創業者の影響でメンバーにはコンサルティング会社出身者が圧倒的に多く、コンサルのバックグラウンドや経験を活かして投資先企業の経営戦略の策定と実行支援を行い、中長期的な事業価向上を図る投資など事業の成長に投資リターン創出の軸足をおいたコンサルティング・アプローチを重視した投資を創業以来続けています

また、世界14ヵ所(東京、ボストン、ニューヨーク、シカゴ、パロアルト、サンフランシスコ、ロンドン、ダブリン、ミュンヘン、香港、上海、ムンバイ、シドニー、メルボルン)にオフィスを構え、関連会社8社を通じてグローバルな投資活動を展開しています。

投資対象はグループ企業を抱え過ぎて個々の子会社の成長が妨げられている状況にある大企業など主に非効率な経営を行っている企業や創業者が筆頭株主となっている企業が多く、企業の成長ステージに応じた支援・投資を行い、投資先企業の戦略選定や成長の支援もサポートしています。

消費財・小売から製造業・金融に至るまでのあらゆる業界を対象とした総投資案件数は豊富で投資総額もけた違いです。

現在、全世界で約12兆円の資金を運用し、これまでに1,030社の企業買収・投資を実行し、グローバルのプライベート・エクイティファームとしても圧倒的な実績を誇っています。

ベインキャピタルの投資スタイル

  • コーポレート・カーブアウト:グループ内事業の独立をサポートし、飛躍的成長を実現。ベインキャピタルが最も得意とする投資スタイルであり日本でも多くの実績を築いている
  • 株式非公開化:長期的な成長を実現するために、非公開化によってアクティビストや一般株主からの要求など企業の資本政策上のリスク・負担をいったん回避し、抜本的な企業変革の実現を支援
  • 事業承継:継続的な事業価値の向上と次世代への継承のための基盤作りを様々な手法で支援
  • 共同投資:M&Aのプロフェッショナルとして、共同投資の実行及び投資後のPMIまで一貫して支援
  • グロースキャピタル:事業成長のための資金や専門知識やグローバルネットワークを活かした人的リソースなどを提供し、飛躍的な成長を遂げつつある企業がその可能性を最大限に発揮できるよう支援

日本ではベインキャピタル・プライベート・エクイティ・ジャパン・LLC(以降、ベインキャピタル・ジャパン)が2006年に設立され、2022年現在で日本で活動するプライベート・エクイティファンドで最大規模となる55名程度の投資プロフェッショナルが所属し次々に大型投資を実現させています。

会社名ベインキャピタル・プライベート・エクイティ・ジャパン・LLC
種別プライベート・エクイティファンド
本社所在地東京都千代田区丸の内1丁目1番1号パレスビル5F
代表者代表取締役 杉本 勇次
設立2006年
資本金不明
売上不明
純資産不明
従業員55名程度
事業内容プライベート・エクイティ
ホームページhttps://www.baincapital.co.jp
沿革
  • 2006年 日本オフィス開設
  • 2010年 ドミノ・ピザ・ジャパンへの投資を開始
  • 2011年 すかいらーくへの投資を開始
  • 2014年 マクロミルへの投資を開始
  • 2018年 東芝メモリへの投資を開始
  • 2020年 heyへの投資を開始 など

  (2)日本のPE業界をリードするベインキャピタル・ジャパンの特長

2006年のスタート以降、ベインキャピタル・ジャパンは業種・投資規模を問わず22件の投資を実行しており、日本のプライベート・エクイティ業界をリードする様々な投資実績を積み上げています。

その投資スタイルも、単なる「安く買って高く売る」という投資利潤追求を第一義とする投資家ではなく、投資先企業と長期的パートナーシップによる成長の実現を目指し投資期間後も見据えた投資先企業のサポートを行うのが大きな特長です。

また、外資系ならではのメリットを生かし、世界各地に展開するグローバルチームの保有するリソース・知見・ノウハウを活用することで投資先企業が国際市場での競争力を高め国内だけでなくグローバルに展開するためのサポートも得意としています。

ベインキャピタル・ジャパンはEXIT後も投資先の中堅企業のフルポテンシャル実現(企業の潜在能力を解き放ち、企業価値を最大化させること)のための戦略的パートナーとして多くの企業からの信頼も厚く、日本のプライベート・エクイティファンド市場を強力にリードしている企業といえます。

それを支えているのが、コンサルティングファームや金融機関・事業会社での経営経験を有する経営戦略のプロとオペレーション支援チームであり、ハンズオン支援など様々な形で事業内容に踏み込んだ改革を行い、多くの企業の再生に成功しています。

ハンズオン支援
経営課題を抱える投資先企業などを対象にメンバーを派遣し、さまざまな経営アドバイスを提供すること

また、近年ではアジア市場にも注目し、アジアの国々に投資するために作られたアジアファンド約5,000億円弱、ベインキャピタルの歴史で初という特定国向けファンドの日本ファンド約1,100億円強の投資も行っています。

(3)ベインキャピタル・ジャパンの事業内容・実績

ベインキャピタル・ジャパンは、TOBによる上場企業の買収に強く、これまでに数多くの有名企業の投資を行っているプライベート・エクイティファンドです。

日本でもトップクラスのディール数を誇っている理由として、ベインキャピタル・ジャパン独自の分業システムと固いチームワークの形成が挙げられます。

ベインキャピタル・ジャパンでは、インベストメントチーム(投資チーム)とポートフォリオチーム(経営支援チーム)を編成し、投資の段階ではインベストチームがディールをけん引し、その後を日本のマーケットを熟知したポートフォリオチームのメンバーが中心となってハンズオンなど投資先企業の経営を全面的に支援するシステムを採用しています。

とはいえ完全分業制ではなく、インベストメントチームでディールに携わってきたアソシエイトは引き続き同案件のポートフォリオチームに関わり、ワンチームとして投資先企業の経営改革を行っていくことになります。

その結果、若手や経験が浅いメンバーも最初から最後まで全てのフェーズで関わることになり、オールラウンダーのプロフェッショナルとして経験と実績を積んでいくことができます

この独自のシステムの構築により、ベインキャピタル・ジャパンでは日本でも他を圧倒するほどの数多くの実績を積み上げています。

投資先投資規模投資期間
ワークスアプリケーションズ(IT)約1,000億円2019年~
東芝メモリ(メーカー)約6,070億円2018年~
アサツーディ・ケイ(メディア)約1,600億円2017年~
雪国まいたけ(メーカー)約100億円2015年~
大江戸温泉物語(エンターテインメント)約500億円2015年~
日本風力開発(インフラ)約97億円2015年~
マクロミル(IT)約514億円2014年~
ジュピターショップチャンネル(メディア)約850億円2012~2016年
すかいらーく(サービス)約2,600億円2011~2017年
ドミノ・ピザ ジャパン(サービス)約60億円2010~2013年
D&M Holdings(メーカー)約467億円2008~ 2017年

投資金額に関わらずベインキャピタル・ジャパンが手掛けた企業は経営改革と事業再建に成功し、業界No.1の地位を獲得したり東証1部に再上場するなど好実績を上げています。

また、これまでは基本的にベインキャピタル・ジャパンは成熟した企業を投資対象としてきましたが、最近ではポテンシャル(潜在力)と顕在化している価値のギャップを持つ企業に対するグロースエクイティ投資(小規模でも成長性の高い会社への投資)にも力を入れています

これまでのグロースエクイティ投資の一例を見てみましょう。

投資先投資規模投資期間
hey(EコマースプラットフォームおよびmPOS)70億円2020年~
イグニス(マッチングアプリ・VRプラットフォーム)500億円2021年~
Linc’ well約80億円2021年~

オンラインストア開設サービス「STORES」やキャッシュレス決済「STORES ターミナル」など商売のデジタル化を支援する「STORES デジタルストアプラットフォーム」を展開する『hey』への投資が日本のスタートアップへの投資第1号となります。

それ以降も積極的に小規模でも成長性の高い会社への投資を次々に行い、新しい領域での投資も活発化させています。

2.ベインキャピタル・ジャパンの待遇

気になるベインキャピタル・ジャパンの待遇について見ていきましょう。

ベインキャピタル・ジャパンの待遇

  1. ベインキャピタル・ジャパンの平均年収
  2. ベインキャピタル・ジャパンの社風・社内環境・福利厚生

ベインキャピタル・ジャパンは外資系らしいオープンさと高収入に加え、働く人が伸び伸びと働ける環境が整っているプライベート・エクイティファンドです。

次に1つずつ解説していきます。

(1)ベインキャピタル・ジャパンの平均年収

ベインキャピタル・ジャパンの平均年収は公開されている情報は残念ながらありません。

PEファンドでは基本的には非公開求人であり、各々の実績を鑑みて年収がオファーされる形になります。

あくまで目安になりますが、若手層での採用の場合、年収はベース1,000万円~2,000万円にキャリーが加わる形で提示されるケースが多いようです。

PEファンドの報酬体系は、ベース(年俸)+キャリー(成功報酬)となっており、案件次第で計り知れない報酬を得ることができます。

キャリーは数千万円から多い時で億単位の金額が支払われることもあるため、数多くの投資を行い成功させているベインキャピタル・ジャパンでは上記の金額をはるかに超える年収を得ている人も少なくありません。

キャリーの機会が多いことからプライベート・エクイティファンド業界の御三家と呼ばれるKKR、カーライル、ブラックストーンといった名だたるプライベート・エクイティファンドと比べても転職市場でもベインキャピタル・ジャパンの人気は非常に高くなっています。

(2)ベインキャピタル・ジャパンの社風・社内環境・福利厚生

ベインキャピタル・ジャパンは年次に問わず人を大切にする文化が根ざしていて、風通しがよい上に性別を問わず活躍できる環境が整っている会社です。

近年ではリモートワークが導入され、ライフワークバランスを考えて働けるようになったなど働きやすさの点でも評価が高くなっています

また、グローバルに展開する外資系プライベート・エクイティファンドゆえに他のプライベート・エクイティファンドでは取り扱えないような規模が大きな案件や様々な業界の案件に関与できることも多く、やる気があれば若手でもどんどんチャンスをもらえる社風です。

その一例として、ビジネススクール留学から戻ってきたメンバーが「グロースエクイティ投資をやりたい」と言ったことから始まったグロースエクイティ投資など、メンバーの新しい意見も積極的に取り入れる許容力もあります。

さらに人事評価もしっかりしており、自身のパフォーマンス次第で比較的昇進しやすい点も人気があります。

また、福利厚生の面でも、ベインキャピタル・ジャパンの福利厚生は情報公開はされていないものの「充実している」「満足」と社員の口コミ評価が高いです。

他にも、メンバーの資格取得にも意欲的であり、非取得者がビジネススクールに行きたい場合には強く支援する体制も整っているなど待遇面も充実しているプライベート・エクイティファンドです。

3.ベインキャピタル・ジャパンへの転職動向

ベインキャピタル・ジャパンの転職動向について解説します。

ベインキャピタル・ジャパンの転職動向

  1. ベインキャピタル・ジャパンの転職状況
  2. ベインキャピタル・ジャパンの転職情報
  3. 業界未経験からでも可能か

高収入、そして社風や雰囲気、待遇面まで充実しているベインキャピタル・ジャパンへの転職を考えている人は必見です。

(1)ベインキャピタル・ジャパンの転職状況

現在、ベインキャピタル・ジャパンでは人材を積極採用しています。

ディール数が積みあがっており、年々、投資の規模も組織も大きくなっていることを背景に、採用数としての目標はありませんが優秀な人材なら人数を問わず採用しているのが現状です。

結果的にはこの数年は年間3~4人くらいを採用しているになっています。

ベインキャピタル・ジャパンのメンバーはほぼ中途採用で構成されており、ベインキャピタル・ジャパンの代表者と同じく外資金融・外資コンサル・日経金融出身者が多いです。

代表取締役である杉本氏の前職はリップルウッド、シニアエグゼクティブの徳渕氏の前職はマッキンゼー・アンド・カンパニー、他のメンバーも国際協力銀行・SMBC日興証券・ゴールドマンサックス・モルガンスタンレーなどのトップクラスの金融系の他にアクセンチュアやマッキンゼー・アンド・カンパニーやベイン・アンド・カンパニーやボストンコンサルティンググループなど世界的に著名なコンサルティング出身者ばかりです。

国内でもトップクラス、もしくは国際的にも有名な企業出身者ばかりであることからもわかるように、ベインキャピタル・ジャパンへの転職時に求められるスキルや経験、経歴は非常に高い上に、採用数も少ないことからかなりの難関であるのは間違いありません。

また、コンサルティングを重視しているプライベート・エクイティファンドであるため、メンバーに求められる役割は社長業に近いと言え、様々なシーンで多角的な判断ができるかどうかも採用の重要なポイントとなっているといわれています。

しかし、2021年に日本国内中堅企業の投資に特化した日本ファンドを立ち上げたこともあって着実に採用数が増えており、以前と比べるとベインキャピタル・ジャパンの転職難易度は若干の低下がみられます。

大きな案件に関わりたい、トップクラスの外資系プライベート・エクイティファンドで働きたいと考えている人にとっては今が狙い目といえます。

(2)ベインキャピタル転職情報

ベインキャピタル・ジャパンの転職情報は現在のところ公開されていません

しかし、上述のようにベインキャピタル・ジャパンでは、現在優秀な人材を常時募集しています。

その背景として、これまでの豊富な投資実績を背景に案件紹介が多く集まってきているだけでなく、2021年にベインキャピタル初の特定国向けファンド『Japan Middle Market』(運用額約1,100億円)を設定したこと、従来の伝統的な投資先に加えてベンチャー投資にも注力するようになったことによる業務の急激な増加があります。

それに加えて新たに大阪に拠点を構える構想もあり、優秀な人材を積極的に募集している状況です。

しかし、現在ベインキャピタル・ジャパンは中途採用についてのオープンな情報を発信していないため必要な経歴やスキル等は現在のところ不明ですが、ホームページに公開されているベインキャピタル・ジャパンの主要メンバーの経歴を見ると金融系出身者やコンサル出身者が多くを占めることから、金融業界やコンサル業界の経歴・スキルがある人にはチャンスがあるとみて良いでしょう。

入社後、社内での投資チームとポートフォリオチームの間での異動も可能なので、プライベート・エクイティファンドのオールラウンダーを目指したい人にもおすすめです。

まずは非公開案件も取り扱うハイクラス転職サイトやハイクラス転職エージェントに登録しておくことをおすすめします。

(3)業界未経験からでも可能か

ベインキャピタル・ジャパンへの転職は、成長意欲・学習意欲・謙虚さ・チャレンジ精神のある人ならプライベート・エクイティファンド業界未経験からでも可能です。

ただし、国内のプライベート・エクイティファンドの中でもトップクラスであるベインキャピタル・ジャパンへの転職希望者に求められるスキルは他と比べてもハードルがかなり高いため、財務や経営、M&A等に関するスキルや経験がない方が熱意だけでチャレンジするのは無謀と言えます。

業界未経験からベインキャピタル・ジャパンへの転職を成功させるなら、まずはどのような経歴の人が採用されているかを確認し、現在のメンバーと同等もしくはそれ以上の経歴・スキル・実績を身につけるのが近道です。

また、ベインキャピタル・ジャパンでは投資先企業の海外進出などもサポートする案件に携わることも多く、その際に世界中に展開するチームとの交渉も多いことから、高い語学力も求められます。

語学力の目安としては、外資系金融にエントリーする人のTOEICの平均スコア870点と同程度かそれ以上の英語力を身につけておくと大きな武器になります。

まとめ

ベインキャピタルは国内でもトップクラスの規模を誇るプライベート・エクイティファンドであり、日本オフィスであるベインキャピタル・ジャパンでも他のプライベート・エクイティファンドと比べて規模の大きな案件に多く関与できる魅力的な企業です。

ベインキャピタル・ジャパンを含めプライベート・エクイティファンドは仕事の内容や年収の点から転職者に非常に人気のキャリアですが、求められるレベルの高さや採用枠の少なさから最難関の転職先と言っても過言ではありません。

しかし、投資先企業の飛躍をサポートするという社会的意義・やりがいの大きさ、他では得られないほどの高額な報酬など魅力の多いベインキャピタル・ジャパンへの転職はチャレンジしてみる価値はあります。

特に現在のベインキャピタル・ジャパンは採用強化を図る姿勢を見せているためチャンスです。

自己成長や自身のその後のキャリアのためにも、ぜひ自身のハードスキルや経験を増やしてベインキャピタル・ジャパンへの転職にトライしてみましょう。

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