PEファンドの年収水準は?年収以外の転職のメリット・求められる人材について解説

「PEファンドの年収はどの程度?」
「年収を上げるのが目的で転職を考えている。PEファンドを目指したいが、転職難易度が高すぎるだろうか?」

PEファンドの年収は、初年度から800〜1,000万円以上が水準です。

企業によって差がありますが、報酬的にはかなり魅力的で、人気の転職先と言えるでしょう。

しかし、報酬体系が特殊であり、実際の年収がイメージしづらい部分もありますよね。

今回は、PEファンドへ転職した場合の年収水準や報酬体系、年収以外の魅力やPEファンドが求める人材について解説します。

PEファンドの年収水準を知れば、転職へのモチベーションアップになるでしょう!

1.PEファンドへ転職した場合の年収水準

監査法人の役職ごとの平均年収

PEファンドへ転職した場合の年収水準を、以下3つの領域に分けて解説します。

  1. PEファンド全体の平均年収
  2. 外資系PEファンドの平均年収
  3. 国内系PEファンドの平均年収

PEファンドには、外資系と国内系のファンドがあり、給与水準が異なります。

1つずつ詳細を説明するので、将来的な年収についてイメージしながら読んでみてください。

(1)PEファンド全体の平均年収

まず、PEファンド全体の平均年収は、職位別に以下のようになります。

職位年収
アナリスト800〜1,000万円
アソシエイト900〜1,500万円
ヴァイス・プレジデント1,000〜1,600万円
ディレクター1,500〜2,500万円

PEファンドへ実務経験者が入社した場合、経験に応じてアナリスト・またはアソシエイトからスタートです。

初年度から年収800〜1,500万円を狙えるため、かなり高収入の業界と言えますね。

また、年次を重ねて昇進できれば、年収1,600万円〜2,500万円も視野に入ります。

PEファンド業界は全体を通して、かなりの高年収の職種と言えるでしょう。

(2)外資系PEファンドの平均年収

準大手・中小監査法人

外資系PEファンドの平均年収は、職位別に以下のようになります。

職位年収
アナリスト800〜1,100万円
アソシエイト1,000〜1,500万円
ヴァイス・プレジデント1,500〜2,000万円
ディレクター2,000〜3,000万円

外資系PEファンドとは、アポロ・グローバルマネジメントやKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)を想定したものです。

母体が外資系の大企業のため、年収水準は全体平均を大きく上回る傾向です。

アナリストやアソシエイトは、年収の上限が100万円程度業界全体の標準より高くなりました。

また、ディレクタークラスになると、年収3,000万円以上も目指せます。

外資系PEファンドは狭き門であり、スキル・経験・成果を強く求められますが、年収もそれに比例するようにかなり高いです。

(3)国内系PEファンドの平均年収

日本国内系PEファンドの平均年収は、職位別に以下のようになります。

職位年収
アナリスト800〜1,100万円
アソシエイト1,000〜1,200万円
ヴァイス・プレジデント1,200〜1,500万円
ディレクター1,500〜2,000万円

国内PEファンドとは、以下のような企業を想定しています。

  • 株式会社アドバンテッジパートナーズ
  • インテグラル
  • ポラリス

アナリスト職でも、年収水準はかなり高く、800〜1,000万円程度です。

順当に昇進できれば、最終的に年収2,000万円以上も視野に入ります。

外資系に比べると、年収自体は低いですが、日本の平均年収440万7,000円(参照:平成30年分・民間給与実態統計調査概況)と比較すると、かなり高い水準です。

2.PEファンドの報酬体系

PEファンドの報酬体系は、一般事業会社とかなり違います。

求人票に記載がある年収は、ボーナス等を含んだ金額が記載されていることもあるので、事前に報酬体系を知り、なるべく正しい年収予想ができるようにしましょう。

PEファンドの報酬体系は、主に以下の3つに分かれます。

  1. ベース
  2. ボーナス
  3. キャリー

企業によって内容が異なる場合があるので、詳細は転職エージェントなどで情報を仕入れ、確認するのがおすすめです。

1つずつ説明していきます。

(1)ベース

デメリット

PEファンドの報酬体系で覚えておくべき1つ目のことは、ベースです。

ベースとは、職位別に保証されている給与を意味します。

一般的にPEファンドは年俸制を採用している企業が多いです。

そのため、年俸(ベース)を12分割した金額が、毎月の給与となります。

例として、インテグラルの求人を見てみましょう。

年俸が792万円〜1,200万円程度と記載されています。

12分割すると、給与が66〜100万円程度であると分かりますね。

毎月どの程度の給与が入ってくるか、ベースから毎月の給与の金額は計算しておきましょう。

(2)ボーナス

昇格して高いポジションに就く

PEファンドの報酬体系で覚えておくべき2つ目のことは、ボーナスです。

一般的にPEファンドのボーナスは、ベースの20〜50%程度で、年に1回付与されます。

先ほどのインテグラルを例にして計算してみましょう。

ベースが1,200万円とすると、業績や評価に応じて、240〜600万円程度が支給されます。

求人票に記載のある年収は、ボーナスを含めている場合があるので注意してください。

(3)キャリー

給与規定や評価基準が整っているから

PEファンドの報酬体系で覚えておくべき3つ目のことは、キャリー(キャリードインタレスト)です。

キャリーとは成功報酬を意味し、プロジェクトで出た利益を配分してもらえる仕組みのこと。

一般的には、投資で得た利益の20%がファンドの報酬になります。

ファンドは利益の半分をプロジェクトメンバーへ分配し、そこから貢献度別にメンバーへ配分される金額がキャリーです。

例えば、100億円のファンドで200億円の利益を出したとします。

20%がファンドの報酬なので、20億円が会社へ入り、その半分の10億円が分配対象です。

貢献度とは役職に依存することが多く、この配分率についてはメンバーも知らされていません。

キャリーに上限はないので、ディレクタークラスの場合は1億円以上のキャリーを受け取る場合もあります。

また別に、ファンドへの出資権を得られる場合もあるようです。

求人票に記載がある年収以上に、キャリーで稼げる可能性があるのも、PEファンドという仕事の魅力でしょう。

3.PEファンドへ転職する年収以外のメリット

監査法人に転職するメリット・デメリット

PEファンドへ転職する年収以外のメリットを2つ紹介します。

  1. 投資判断のスキルがつく
  2. キャリアの幅が広がる

年収が高いことは魅力ですが、それ以外にもスキルアップやキャリアパスにつながる利点があるのです。

1つずつ説明していきます。

(1)投資判断のスキルがつく

PEファンドへ転職する年収以外の1つ目の魅力は、投資判断のスキルがつくことです。

投資判断には、事業分析力や読解力、語学力など様々な能力が必要。

ファンドの価値を最大限にして、利益を出さなければ、収入が得られない仕事だからです。

プレッシャーは大きいですが、日々市場の分析などを行い、投資への知見が広がります。

一般事業に勤めていても、なかなか取得できないスキルです。

投資スキルがつくのはPEファンドへ転職する魅力の1つと言えるでしょう。

(2)キャリアの幅が広がる

PEファンドへ転職する年収以外の2つ目の魅力は、キャリアの幅が広がることです。

PEファンドから次のキャリアを考える際に、職務経験が活かせます。

例えば、PEファンドの経験を活かして独立して、コンサルティングファームを開設する。

または、投資スキルを活かして、投資家になる人もいます。

国内PEファンドから外資系PEファンドへの転職、またコンサルティングファーム、投資銀行への転職も可能です。

PEファンドへの転職は、難易度の高い転職先へのアピールポイントになりやすく、キャリアパス形成にもなります。

4.年収の高いPEファンドが求める人材

監査法人に転職する3つのコツ

年収の高いPEファンドが求める人材について解説します。

  1. 外資系PEファンドの場合
  2. 日系PEファンドの場合

外資系と国内ファンドでは、求める人材の傾向やスキルに違いがあります。

それぞれ解説するので、自身のスキル・経歴を考えながら読んでみてください。

(1)外資系PEファンドの場合

ファイナンスベンチャーの起業に必要なスキルが身につく

外資系PEファンドが求める人材は、以下のような特徴があります。

  • 投資銀行・FASでの職務経験
  • コンサルティングファームでの業務経験
  • PEファンド経験者
  • 語学力
  • 財務知識

基本的に経験者優遇の業界であり、未経験者の採用は難易度が高いです。

未経験の場合は、投資銀行・FASでの業務経験、語学力や財務知識が求められます。

企業によって、募集人材は違うので、転職エージェントと相談して、スキルや経験に合う転職先を探す必要があるでしょう。

例として、社名非公開のPEファンドの求人募集を紹介します。

社名非公開求人の例

【必須事項】

  • 2年以上の下記業務経験
  • 投資銀行業務、FAS業務(M&Aアドバイザリー等)
  • 戦略コンサルティング業務
  • プライベートエクイティ投資業務
  • コーポレートファイナンス、財務会計に係る深い知識
  • 財務モデリングスキル
  • 日本語(Native)、英語(fluent)

未経験者でも採用対象ですが、投資銀行・FAS、戦略コンサルティングファームでの経験者を募集しています。

また、コーポレートファイナンスや財務会計の深い知識が求められ、語学力も必要です。

社名非公開求人の例

【必須事項】

  • プライベート・エクイティ投資に関する3年以上の実務経験を有する方
  • 海外の運用機関等と十分なコミュニケーションが可能な英語力を有する方

次の求人では、経験者のみへの募集です。

海外の運用機関とのコミュニケーションが可能な英語力とあるので、スピーキングスキルも求められます。

基本的に、外資系のPEファンドを目指す場合は、英語力は必須と思って良いでしょう。

未経験は基本的に採用されづらく、投資や財務の知識が求められることが多いです。

(2)日系PEファンドの場合

日系PEファンドが求める人材は、以下のような特徴があります。

  • 戦略コンサルティングファーム経験者
  • M&A業界経験者
  • PEファンド経験者

基本的に、PEファンド経験者か、戦略コンサルティング・M&A業界からの転職者を募集する傾向です。

日系企業では、英語での面接もありませんし、読み書きが出来れば初年度は問題ない企業が多いでしょう。

しかし、海外のファンドを取り扱うような企業では、語学力が募集要項に書かれていることもあります。

例として、インテグラルの求人募集を見てみましょう。

インテグラルの例

【実務経験の例】

  • PE投資等の投資業務
  • 投資銀行業務(M&A・エクイティ・デット・ファイナンス)
  • 会計・税務(デューデリジェンス・監査)
  • 経営コンサルティング
  • 起業経験者
  • 事業再生
  • 経営企画業務
  • 海外ビジネス

インテグラルでは、実務経験を重視しています。

起業経験者や海外ビジネスの担当者なども募集していることから、外資系よりは未経験者にも門戸が広いイメージです。

しかし、難易度は以前高いので、自身のスキルと経歴を棚卸しし、しっかり対策する必要があります。

次に、株式会社マーキュリア インベストメントの求人を見てみましょう。

株式会社マーキュリア インベストメントの例

  • 事業投資経験(必須)
  • クロスボーダーM&Aの経験者(尚可)
  • ビジネスレベルの英語力、中国語力(尚可)

国内ファンドですが、クロスボーダー案件が多いため、語学力が歓迎条件とされていまs。

事業投資経験が必須であり、未経験者は募集していません。

国内のPEファンドでも、企業が抱えている案件の傾向を見て、語学力や勤務経験をチェックする必要があります。

PEファンドの求人情報の7割程度は非公開のため、求人詳細は転職エージェントやハイクラス向けの求人サイトを探すのがおすすめです。

まとめ

今回は、PEファンドの平均年収や年収以外の魅力、PEファンドに求められる人材について紹介しました。

年収水準は初年度でも800万円以上が期待でき、成功報酬であるキャリーによっては、1,000〜2,000万円以上も視野に入る仕事です。

投資スキルがつき、将来へのキャリアパスにも有効な、魅力的な転職先と言えるでしょう。

ただし、難易度の高い職種であり、投資銀行やコンサルティングファームでの実務経験が求められます。

求人情報をよく見て、自身のスキルと経歴に合った企業を探さなければなりません。

PEファンドは年収が高く、将来性のある仕事です。

記事を参考にして、自身の希望年収をイメージし、PEファンドへの転職を検討してください。

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