信用金庫からの転職は『なるはや』がポイント!人気の転職先や強みを解説
「信用金庫のスキルは専門的過ぎて転職したら通用しないのでは?」
「信用金庫の職員が活躍できる業界は?」
店舗の閉店や統合、信用金庫同士の合併が増えている中、今の仕事に不満や悩みがあり、転職を考え始めているという信用金庫職員も少なくありません。
しかし、信用金庫を辞めた後、どんな仕事に就けるのか不安で身動きが取れないという職員も多いといわれています。
そこでここでは、信用金庫出身者の転職市場での評価や強み、人気の転職先や転職時の注意点など、転職を考えている信用金庫職員が知りたい情報をまとめて解説します。
この記事が信用金庫からの転職をより真剣・具体的に考えるきっかけとなることでしょう。
1.信用金庫出身者の転職市場での評価
最初に、信用金庫出身者が転職市場でどんな評価を受けているのかを見ていきましょう。
- 信用金庫出身者は高評価
- 20代~30代前半の信用金庫出身者が人気
- 信用金庫からの転職はお早めに
転職を迷っているうちに信用金庫出身者の『旬』『売れ時』はどんどん過ぎて行ってしまうので注意が必要です。
次に1つずつ解説していきます。
(1)信用金庫出身者は高評価
信用金庫出身者は、転職市場でも高評価です。
その理由として、次の5点が挙げられます。
- 無形商材・法人営業の経験が多い
- 財務知識・会計知識・事務処理能力などが高い
- ストレス耐性の高さ・タフさがある
- 地域での人脈がある
- 『信用金庫』の看板による安心感がある
信用金庫で培った経験・スキルは転職市場でも十分評価されるのでご安心ください。
(2)20代~30代前半の信用金庫出身者が人気
転職市場では、20代~30代前半の信用金庫出身者が特に人気です。
会計・財務など企業が必要とする能力を備えている上に、柔軟性が高く、新しい組織・環境になじみやすい年齢層の信用金庫出身者ほど高い評価を受けます。
銀行や証券会社と比べて古い体質が残っている・独自の仕組みが多い信用金庫で長く勤めていることは転職市場で良い印象を持たれないため、30代後半以降の評価は下がってしまうことも少なくありません。
(3)信用金庫からの転職はお早めに
信用金庫は一般の民間企業とは異なり、地域経済の発展・地元の相互扶助を目的とした非営利法人です。
そこで得られる知識・ノウハウ・スキルは多く、信用金庫出身者は転職市場でも人気です。
しかし、信用金庫に長く務めていることで起こる弊害が足かせとなることも多いので、転職をお考えなら需要が高く、転職先の選択肢も多い若い年齢のうちに動くことをおすすめします。
2.信用金庫出身者に人気の5つの転職先
次に、信用金庫から転職した人に人気の高い5つの転職先について解説します。
- 金融業界(銀行・保険会社など)
- M&A仲介会社
- 一般企業の経理・事務・経営
- 一般企業の営業
- ベンチャー
次に転職先について1つずつ説明していきます。
(1)金融業界(銀行・保険会社など)
1つ目の信用金庫出身者に人気の転職先は、金融業界です。
地域社会の利益を優先する非営利団体の信用金庫と、利益第一主義の銀行等とは異なる点もあるので最初は戸惑うこともあるようです。
しかし、基本的に信用金庫で行っていた業務・スキルをそのまま活かせるので、信用金庫出身者の次の活躍の場として多くの人が金融業界を選んでいます。
(2)M&A仲介会社
2つ目の信用金庫出身者に人気の転職先は、M&A仲介会社です。
現在、日本国内では活発にM&Aが多く行われるようになっており、M&A仲介会社も人材不足傾向であるため、会計・財務知識を持つ信用金庫出身者は人気となっています。
実際、M&A仲介会社への転職される信用金庫出身者の方も多いです。
(3)一般企業の経理・事務・経営
3つ目の信用金庫出身者に人気の転職先は、一般企業の経理・事務・経営職です。
経理・事務に強い信用金庫出身者という特性を活かして、経理財務部門や事務部門に配属されることが多く、多くの信用金庫出身者が活躍しています。
また、経験を生かして、金融機関との交渉役・財務業務を任せられることも多いようです。
(4)一般企業の営業
4つ目の信用金庫出身者に人気の転職先は、一般企業の営業です。
信用金庫時代に多くの経営者や富裕層と多くの商談経営を行うことで培った高いコミュニケーション能力は、営業の仕事との親和性が高いです。
また、地元企業の経営者層や富裕層との人脈も営業をする際の大きな武器となるため、無形商材だけでなく有形商材での営業で成果をあげている信用金庫出身者も多いです。
(5)ベンチャー
5つ目の信用金庫出身者に人気の転職先は、ベンチャーです。
起業したてのベンチャーはバックオフィス機能が不十分であることも多いため、経理・事務など多角的なスキルを持つ信用金庫出身者は大人気です。
経営・人事なども含めた幅広い業務を担当し、ベンチャー企業内で重要なポジションに就いて活躍している人も少なくありません。
3.信用金庫出身者が評価されるスキル・経験
新卒のときの就活とは違って即戦力を求められる転職では、業種や職種が変わっても使える技能「ポータブルスキル」が備わっている信用金庫の職員は高く評価されることが多いです。
- コミュニケーション能力
- 提案力
- 会計知識・財務知識
- 事務処理能力・文書作成能力
- ストレス耐性の高さ・タフネスさ
信用金庫出身者のどんなところが人気なのか1つずつ説明していきます。
(1)コミュニケーション能力
1つ目の信用金庫出身者の高評価ポイントは、コミュニケーション能力です。
地域密着型の信用金庫では、管轄エリア内の老若男女を問わず様々なお客様(個人・中小企業など)と接することが多いため、コミュニケーション能力が自然と鍛えられます。
その上、融資等の商談の際には年上の百戦錬磨・海千山千の経営者や財務担当役員などと対峙する機会もあり、折衝力やトーク力も自然とアップしていることでしょう。
コミュニケーション能力はどんな仕事であっても基本となる重要な力です。
信用金庫の仕事を通じていろんな人と接して得た経験・スキルは、証券会社出身者の大きな強みになります。
(2)提案力
2つ目の信用金庫出身者の高評価ポイントは、提案力です。
地元密着型の信用金庫での営業の重要な業務の1つに、顧客の状況や要望に合わせた提案を行う業務があります。
中小零細企業が多いエリアでは、より柔軟性に富み、顧客のニーズにマッチした提案力が求められます。
多くの中小企業のビジネスに触れ、分析・評価する経験・スキルや提案力は、顧客と密につながる信用金庫出身者だからこそ得られる最大の強みです。
企業が求める顧客に寄り添った提案力を備えた人材、それが信用金庫出身者といっても過言ではありません。
(3)会計知識・財務知識
3つ目の信用金庫出身者の高評価ポイントは、会計知識・財務知識です。
信用金庫の職員も当然、簿記など会計に関する知識・経験が豊富です。
また、融資業務に携わっていれば企業の決算書など財務諸表の分析などの経験も多く、税金対策・キャッシュフローの改善など客観的な視点からのアドバイスなども行うなど、様々な会計知識・財務知識を備えていることが多いです。
会計・財務分野のプロ・経験者を必要とする企業は多いため、信用金庫出身者は重宝されます。
(4)事務処理能力・文書作成能力
4つ目の信用金庫出身者の高評価ポイントは、事務処理能力・文章作成能力です。
基本的にお金を取り扱う金融機関は事務手続き・事務処理が細かく正確であり、信用金庫業務に必要な提案書や稟議書や営業日報など様々な書類も日常的に作成しているので文書作成能力も高いです。
また、細かな業務を続ける実直さ、入庫後に受けなければならない銀行業務検定や証券外務員二種など様々な資格試験の勉強をコツコツ重ねる堅実さも高く評価されます。
(5)ストレス耐性の高さ・タフネスさ
5つ目の信用金庫出身者の高評価ポイントは、ストレス耐性の高さ・タフネスさです。
信用金庫にも厳しいノルマはあり、それが達成できなかった時の上司からの詰めは、メガバンク・銀行とそれほど変わらないといわれています。
また、地域密着型であるゆえに顧客からのクレームや問い合わせの対応、顧客と上司と板挟みとなることも頻繁にあり、ストレスにさらされることが多いです。
社員のメンタルダウンなど多くの企業で問題視されている中、ストレス耐性・タフさのある信用金庫職員は企業にとっても望ましい人材といえます。
4.信用金庫からの転職時の3つの注意点
信用金庫からの転職を考える際、理解しておきたい3つの注意点を解説します。
- 福利厚生の充実度の違い
- 環境・人間関係の大きな変化
- 年収の変化
次に1つずつ解説していきます。
(1)福利厚生の充実度の違い
1つ目の注意点は、福利厚生の充実度の違いです。
信用金庫はハードでストレスが多いといわれている一方、福利厚生が一般企業よりも充実しています。
信用金庫では、各種手当の他、産休・育休支援、職員だけが入れる割の良い保険など特別な割引・特典なども多いです。
信用金庫に新卒で入っていればなおさら信用金庫の充実した福利厚生が当たり前と思い込んでしまうものですが、転職先の企業でも同様の福利厚生を受けられるとは限らないので確認しておきましょう。
(2)環境・人間関係の大きな変化
2つ目の注意点は、環境・人間関係の変化です。
金融機関はお金を扱うため、事務処理がとても細かい上に業務上の制約やルールも多い業界です。
信用金庫から同じ金融機関に転職した場合を除き、一般企業等では信用金庫ほど細かな業務も制約もルールもなく、いわゆる『緩さ』に戸惑う人も多いようです。
また、厳密な縦社会・年功序列である信用金庫と比べ、人間関係や会社の雰囲気も転職先によって大きく変わり、不安を感じる人も珍しくありません。
そのため、転職活動時には企業の人間関係などを確認しておくのがおすすめです。
(3)年収の変化
3つ目の注意点は、年収の変化です。
信用金庫の職員の年収は、約400~600万円前後です。
これは、信用金庫の仕事内容・仕事量の割に安く、他の金融機関と比較しても低い年収ではありますが、安定しているという大きなメリットがあります。
また、信用金庫は地域経済の発展を目的とした非営利法人であるため、景気の影響を一般企業よりも受けない点でも安定感があります。
そんな信用金庫からの転職では、転職先によっては最初は年収が下がることも珍しくありません。
また、一般企業では景気や業績によってボーナスカットなど転職時よりも年収が下がるリスクもある上に、リストラ・倒産などのリスクもあります。
「転職をすれば年収が上がる」というイメージがありますが、下がることもあることを理解しておきましょう。
5.信用金庫からの転職を成功させる3つのポイント
最後に、信用金庫出身者が転職で成功するために重要な3つのポイントについて解説します。
- 自分の強み・実績を明確にしておく
- 評価される資格を取得しておく
- スカウトサイト・転職エージェントを利用する
この3つを押さえておけば、より満足度の高い転職をすることができるはずです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)自分の強み・実績を明確にしておく
信用金庫出身者の転職成功の1つ目のポイントは、自分の強み・実績を明確にしておくことです。
信用金庫の職員という経歴・実績は一般的に信頼度が高いのですが、転職市場では同じ金融業界の銀行や証券会社とは異なることも多く、考えていたよりも評価されないケースもあります。
そのため、信用金庫で実際に自分が行った実績をまとめておき、経営者層との折衝が得意などの自身の強みも明確にしておくと、面接の際に自分の価値を正しくアピールしやすくなります。
(2)評価される資格を取得しておく
信用金庫出身者の転職成功の2つ目のポイントは、評価される資格を取得しておくことです。
転職にあたって、信用金庫での経験は多くの観点で評価が得やすい反面、入庫後に受けて取得した様々な資格は汎用性が低く、転職時に評価されないものも少なくありません。
そのため、ファイナンシャルプランナーや日商簿記2級・1級など一般的にも評価の高い資格取得を目指すと、転職時の選択肢が広がり、好印象を与えられます。
(3)スカウトサイト・転職エージェントを利用する
信用金庫出身者の転職成功の3つ目のポイントは、スカウトサイトや転職エージェントを利用することです。
信用金庫の仕事は常に多く、多忙でハードす。
そんな中で自身の転職活動(情報収集など)を同時進行で行うのは至難の業といえるでしょう。
しかし、だからといって転職活動を後回しにしているとどんどん証券会社出身である自身の市場価値は下がっていきます。
時間をロスしないためにも、登録しておけば自分の経歴等を見た企業や転職エージェントからスカウトされるスカウトサイトや、相談や面接対策などもしてくれる転職エージェントを利用するのが効率的です。
自身の市場価値の確認、今後の自分のキャリアプランを考えて、最適な転職活動ができます。
まとめ
信用金庫からの転職において、信用金庫出身者に人気の転職業界や高評価を受けるポイント、注意点などを解説しました。
転職は誰にとっても人生の大きな転機となるものですので、不安や心配、ためらいを感じるのは当然です。
しかし、信用金庫同士の経営統合など信用金庫を取り巻く環境は、今、大きく変化しています。
そんな中で信用金庫からの転職を考えているなら、年齢の若いうちにすぐさま行動を始めることが重要です。
ぜひ今回の情報をもとにじっくり考えて、信用金庫出身の強みを生かして最善の転職を実現してくださいね。
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