証券会社への転職事情は?証券会社の年収や転職の4つのメリットを紹介
「人気の高い証券会社に転職するのは難しいの?」
「証券会社に転職するとどれくらいの年収になるの?」
年収アップやキャリアアップを目指す転職者に人気の高い業界といえば金融業界ですが、中でも特に人気が高いのが華々しいイメージのある証券会社です。
個人・法人の資産を預かる証券会社の仕事は、非常に大きな責任を負うと同時に、能力や成果によって大きな年収を得られる魅力的な仕事です。
そこで、ここでは証券会社への転職事情や概要と合わせて、証券会社に転職する4つのメリットを解説していきます。
ハードである反面、高収入でやりがいがある上に後々の自身のキャリアにも大いに役立つ証券会社に興味があるなら、この記事を読んでぜひチャレンジしてみてください。
1.証券会社への転職事情
まず、現在の証券会社の転職事情について解説していきます。
- 証券会社の中途採用動向について
- 未経験からの転職は可能?
- 即戦力となる金融業界経験者は証券会社への転職に有利
証券会社への転職を考えている人はぜひご覧ください。
(1)証券会社の中途採用動向について
証券業界全体としてコロナ禍の採用控えが一時的にありましたが、それも現在では回復傾向にあり、以前と同様に積極的に採用を行う証券会社が増えています。
ただし、証券会社は就活生からの人気が非常に高く、新卒で証券会社に入るのはいまだに狭き門といわれています。
しかし、ハードワーク・ノルマの厳しさ・ハラスメント等の理由から新卒で証券会社に入社した人のうち3年以内に転職する人が多いという業界でもあります。
そのため、即戦力として知識や経験、タフさを持つ中途採用の通年採用を実施している証券会社も少なくありません。
新卒では証券会社に入れなかった人も、中途採用なら証券会社で働ける可能性も高いです。
(2)未経験からの転職は可能?
証券市場で売買取引される株式や債券を取り扱う証券会社は、収入の安定性・年収の高さ、華々しいイメージから転職先として人気のある業界です。
ただし、長時間勤務・厳しいノルマ、人間関係のストレス・プレッシャーなどから入社後に辞める新卒社員も多いため、20代の未経験者をポテンシャル採用する証券会社も少なくありません。
採用の可能性を高めるなら、次の資格を持っていると有利です。
- ファイナンシャル・プランニング技能士
- DCプランナー(企業年金総合プランナー)
- 外務員
- 証券アナリスト
- 投資診断士
上記の資格を持っていなくてもポテンシャルを買われて採用されることもありますが、全く金融に関する知識がない状態で入社すると、その後のノルマ達成で躓いてしまうことも多いため、証券会社に転職するならあらかじめ金融に関する資格を取得しておくことをおすすめします。
特に、持っておくとよいのが、有価証券を販売できる「外務員資格」です。
この資格を取得できないと営業活動そのものができないため、証券会社で働くならマストの資格です。
外務員資格には一種外務員資格と二種外務員資格があり、この2つは有価証券の他にリスクが高いといわれるデリバティブ取引や信用取引の対象商品といった金融商品の取り扱いの点で異なります。
二種外務員資格を取得した場合、取り扱うことができるのは有価証券のみとなりますが、資格取得の難易度が高くないので業界未経験の場合は転職活動中に取得しておくことをおすすめします。
(3)即戦力となる金融業界経験者は証券会社への転職に有利
金融業界経験者は、証券会社への転職では有利です。
より確実に転職を成功させるために、同業他社ではなくその会社を志望した理由や、希望する職種・業務内容に対する理解を深めておくことが重要なポイントです。
さらに、最近の金融動向や経済状況なども把握しておく・営業力の高さやタフさをアピールすると好印象を与えられることでしょう。
また、即戦力であることを強調するために「外務員資格」できれば一級を取得しておくとさらに安心です。
2.証券会社の概要
次に、証券会社について基本的な説明から具体的な年収までみていきましょう。
- 証券会社とは
- 証券会社の職種と業務
- 証券会社の平均年収
証券会社は転職先として、やりがいの獲得・キャリア形成・年収アップに大いに役立つ選択です。
次に1つずつ解説していきます。
(1)証券会社とは
証券会社とは、有価証券(株式や債券、手形、小切手など)の売買や取り次ぎ・引き受けなどを行う会社です。
資金が必要な企業や国などの団体と資金を運用したい投資家との間に立ち、資金調達・資産運用のマッチングを行う社会的な信用のある仲介機関として存在しています。
現在は、国の政策・将来への不安から投資に関心や興味を持つ人が増えているため、ますますその存在が重要視されています。
(2)証券会社の職種と業務
証券会社の職種を大別すると2つに分けられます。
証券会社特有の専門性・責任を求められる職種・業務が多いことが特徴です。
#1:営業職
証券会社の1つ目の職種は、証券口座の開設や投資商品を案内したり、顧客に資産運用のアドバイスを行う営業職です。
- 法人営業(ホールセール): 企業や各種団体に口座開設や金融商品を提案する
- 個人営業(リテール): 個人顧客に口座開設や金融商品を提案する
- IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー): 中立的な立場から顧客に資産運用の提案を行う
新卒や未経験の中途採用者がはじめに担当するのが口座開設営業となるパターンが多いです。
毎月ノルマが設定されており、その達成に最初は尽力することになるため、精神的・肉体的なタフさが求められます。
また、金融商品や資産運用の提案も顧客の資産を預かる重要な仕事のため、営業担当者自身も常に株の動向を注視し、様々な勉強することも求められます。
#2:専門職
証券会社の2つ目の職種は専門職です。
- トレーダー:顧客の依頼に応じて取引を行う業務(証券会社の報酬は、仲介の代替えをした際の手数料)
- ディーラー:自社の資金を元手に有価証券を売買する業務(証券会社の報酬は、取引で得た売買益)
- エコノミスト:マクロ経済全般のリサーチや分析を行う専門家。経済分析のエキスパートとして情報収集・分析し、今後の経済状況に関する予測を提示する業務
- 証券アナリスト:株式や債券など証券に投資する際の判断材料となる情報の収集・分析しアドバイスする業務
- ファンドマネージャー:複数の投資家から資金を募り、その資金を運用する業務 など
証券会社には様々な専門職があり、それぞれ高い能力・知見が求められます。
(3)証券会社の平均年収
証券会社の平均年収は約500~750万円程度です。
国内と外資、都心と地方、年齢・性別、能力等でも大きく変わりますが、証券会社業界は職種に限らず比較的安定的な収入を得られる傾向にあり、年収もほかの業種と比べると高めに設定されている企業が多いです。
国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査』によると民間の平均給与は433万円ですので、それと比較しても高収入となっています。
年代別にみても、
年齢 | 証券会社の平均年収 | 全体の平均年収 |
20代 | 462万円 | 362.6万円 |
30代 | 835万円 | 614.8万円 |
40代 | 1,000万円 | 694.8万円 |
ちなみに、金融・コンサルティング全体の平均年収は421万円なので、証券会社は業界内においても高い年収が期待できるといえます。
ただ、証券会社の年収は、企業の規模・国内か外資かなどによって大きく変わります。
特に差を生むのが給与制度であり、大きく分けて2つあります。
- ノルマ制:基本給が多めに設定される分、毎月のノルマ分の働きをしなくてはならない制度
- 完全歩合制:給与が自分の働きに比例するというもので、結果を出せば出すほど給与が上がる制度
多くの証券会社が完全歩合制を採用しているため、能力・実力によっては20代後半でも年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
また、事業規模も同じ証券マンの年収を大きくかかわります。
例えば、日本を代表するような知名度の高い大手証券会社の平均年収をみてみれば、その年収水準の高さがわかることでしょう。
企業名 | 平均年収(賞与含む・推定) |
野村ホールディングス | 約1,600万円 |
三菱UFJ証券ホールディングス | 約1,220万円 |
大和証券ホールディングス | 約1,160万円 |
日本証券金融 | 約940万円 |
岡三証券グループ | 約927万円 |
松井証券 | 約846万円 |
GMOクリック証券 | 約845万円 |
基本的に平均年収が高いといわれる証券会社は魅力的な転職先の1つです。
まずは小規模・中規模の証券会社に転職して経験・実績を積んだ後に大手の証券会社へ転職すれば、最前線で活躍し更なる高収入を得ることも夢ではありません。
3.証券会社に転職する4つのメリット
最後に、証券会社に転職する4つのメリットを解説します。
- 完全成果主義・高収入
- 金融知識が身につく
- 最新の情報を把握できる
- さらなるキャリアアップにつながる
証券会社はタフさが求められる反面、自分の能力アップや年収アップ、自分の市場価値を上げて将来の選択肢を増やす最適解の1つです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)完全成果主義・高収入
証券会社に転職する1つ目のメリットは、完全成果主義・高収入であることです。
証券会社は、結果を出せば出した分だけ評価=給与アップにつながる完全成果主義・実力主義の業界です。
最初は設定されたノルマの達成に苦労やストレスを感じるかもしれませんが、それを乗り越えれば後は自分の実力次第です。
様々な経験をしていく際に、プレゼン力や折衝力、コミュニケーション力などの営業力・対人スキルを身につけることができれば、仕事もどんどん面白くなると同時に成果・年収も上がっていくことでしょう。
個人の実力が収入にダイレクトに反映される証券会社は、自分の能力を試したい、高い収入を得たいという人に最適な環境と言えます。
(2)金融知識が身につく
証券会社に転職する2つ目のメリットは、金融商品を取り扱う証券会社では多くの金融知識を身につけられることです。
逆に言えば、金融に関する知識をもっていなくては証券会社では何もできません。
証券会社の仕事で成果をあげるには顧客との信頼関係の構築が不可欠です。
そのため、自然と金融への関心が高まりますし、自身でも勉強を積極的に行うことから、気が付けば金融に関する深く広い知識・情報を習得できているものです。
豊富な金融知識はキャリアアップにも役立つ上に、自身の資格取得やプライベートな資金運用にも役立てられる大きなメリットと言えます。
(3)最新の情報を把握できるようになる
証券会社に転職する3つ目のメリットは、常に最新の情報を把握できるようになることです。
顧客の資産に深くかかわる証券マンには、金融の知識だけでなく、最新の経済や社会状況・国際状況に関しての知識の自己研鑚が不可欠です。
そのため、様々な情報に対するアンテナの感度・情報収集能力も自然と高まり、常に最新の経済情勢をアップデートする能力が身につきます。
情報をいち早く把握することはビジネスパーソンにとっても大きなメリットであり武器にもなるものです。
過酷でハード、そして責任を求められる証券会社での仕事ですが、その分、自然と自分の能力も高められることでしょう。
(4)さらなるキャリアアップにつながる
証券会社に転職する4つ目のメリットは、さらなるキャリアアップにつながることです。
金融商品を販売する時に必要なプレゼン力や折衝力、コミュニケーション力などの営業力・対人スキル、タフさや豊富な金融知識を獲得できる証券会社の勤務経験はそれだけで転職市場で大きな武器となります。
そのため、証券会社に勤務し経験や実績を積んだ後の転職先の選択肢もぐっと増えます。
- コンサルティング
- 金融業界(証券会社・銀行・保険会社など)
- M&A仲介会社
- 一般企業の営業
- 不動産業界
- ベンチャーなど
『証券会社出身』というだけで、優秀な即戦力とみなされるといっても過言ではありません。
自分の将来の選択肢を増やすという点からみても、証券会社へ転職し、自分の実力・価値をあげることは大いに意義があるといえるでしょう。
まとめ
他業種の平均年収よりも高水準、頑張り・能力次第ではさらに高い年収を手にできる可能性があることが、証券会社で働く上での最大の魅力です。
しかも、その後のキャリア形成にも大きくプラスとなるため、自分を厳しい場に置き、能力・市場価値を今以上に高めたい人にとっては最適な仕事といえるでしょう。
証券会社に興味がある人は、ぜひ必要な資格を取得しチャレンジしてみてくださいね。
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