【BIG4コンサル】転職動向と評価されるポイント・成功させるポイントを解説
「BIG4コンサルへの転職って難しいの?」
「BIG4コンサルへはどうすれば転職できる?」
数あるコンサルティングファームの中でも、コンサルティングの質・知名度・規模・実績・平均年収・難易度ともにトップレベルに高いといわれているのがBIG4コンサルです。
その評価・ステータスの高さから、コンサルタントのキャリアの目標としてBIG4コンサルを掲げている人も少なくありません。
そこでここではBIG4コンサルへの転職について、各ファームの特長や平均年収と合わせて解説していきます。
BIG4コンサルにチャレンジしてみたいと思っている方は必見です。
1.BIG4コンサルとは
まず最初に、BIG4コンサルへの転職についての解説の前に、各コンサルについて詳しく解説します。
- BIG4コンサルとは
- BIG4コンサル各社の特長
- BIG4コンサルの平均年収
それぞれのファームの特長・強みや平均年収をみれば、多くの人が憧れるBIG4コンサルの魅力がわかることでしょう。
(1)BIG4コンサルとは
BIG4コンサルとは、会計系の以下の4つのコンサルティングファームのことです。
- デロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社
- PwCコンサルティング合同会社
- KPMGコンサルティング株式会社
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
BIG4コンサルは、コンサル業界の中でも知名度・実績において世界有数のビッグファームとして知られています。
世界四大監査法人をスタートとしているBIG4コンサルは、会計の領域に留まることなく幅広い業務を手掛けて領域を広げおり、さらにグローバルなネットワークを活用することで世界規模に展開するコンサルとして世界的に高い競争力を持っています。
所属するコンサルタントも皆、それぞれが得意業種・領域における高度な専門性と豊富な経験を持っており、プロジェクトごとにチームを形成して、クライアント企業の問題解決やビジネス戦略の策定に対して的確な支援を行うことから、企業や政府機関から絶大な信頼を得ています。
(2)BIG4コンサル各社の特長
一口に「BIG4コンサル」いっても、各社で特長や強みが大きく異なります。
例えば、外資系ならではの『Up or Out』の文化が強いファームもあれば、人を育てる文化の根付いたファームもあるなどそれぞれ独自の個性も強いため、BIG4コンサルへの転職を考えているなら、ファームのカラーをしっかり理解しておくと良いでしょう。
それぞれの特徴を解説していきます。
#1:デロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社
(画像出典:デロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社)
デロイト・トーマツ・コンサルティングは、BIG4コンサルの中でも日系の雰囲気が強いことで知られています。
人を育てる社風が根付いており、社員に対する研修が充実しているだけでなく、福利厚生の充実・従業員の満足度が高い 「Well-being」プログラムにより長期的にキャリアを積みやすいのが特長です。
また、業務系に強く、業種×機能のチームを形成してクライアント企業の戦略の策定から実行支援まで行います。
会社名 | デロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社 (Deloitte Tohmatsu Consulting LLC) |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング |
設立 | 1993年4月 |
ホームページ | https://www2.deloitte.com/jp/ja/services/consulting.html |
特徴 |
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#2:PwCコンサルティング合同会社
(画像出典:PwCコンサルティング合同会社)
PwCコンサルティングは、BIG4コンサルの中でも最も外資色が強いといわれているコンサルティングファームです。
徹底した実力主義で、社歴が浅くても、成果をだせば昇級・昇給・インセンティブ等で十分な報酬を得ることが可能と言われており、年収面でもBIG4コンサルの中で高い水準となっています。
『One Team』で専門家が結集して、クライアント企業の経営戦略の策定から実行までを行います。
世界規模で広がるグローバルネットワークが強固で、海外案件に強いのもPwCコンサルティングの大きな特長です。
会社名 | PwCコンサルティング合同会社 |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One タワー |
設立 | 2016年2月29日 |
ホームページ | https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/consulting.html |
特徴 |
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#3:KPMGコンサルティング株式会社
(画像出典:KPMGコンサルティング株式会社)
KPMGコンサルティングは、2014年に設立したコンサルティングファームです。
BIG4コンサルの中でも比較的歴史が浅いことから、新しいことへのチャレンジを推す社風が強く、手を挙げれば興味のある案件にもどんどん加わることができ、成長機会が多いといわれています。
また、徹底した実力主義・少数精鋭であることで知られています。
コンサルタント一人一人が携わるプロジェクトの幅が広く、やりがいや高いモチベーションを感じて働けることが魅力です。
KPMGコンサルティングは、ダイバーシティにも積極的に取り組む多国籍なチームで、セキュリティ関連・DX・IT関連に強みを持っています。
会社名 | KPMGコンサルティング |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー |
設立 | 2014年7月 |
ホームページ | https://kpmg.com/jp/ja/home/about/kc.html |
特徴 |
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#4:EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
(画像出典:EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、2020年に設立された、BIG4コンサルの中で最も新しいコンサルティングファームです。
若くベンチャー的な風土・気質の中、若手のうちから様々な業務に携わることができ、チャレンジしやすい雰囲気があるのが特長です。
それを受けて、社員にもチャレンジ精神や起業家マインドを持つ人が多いようです。
また、グローバルとのコネクションが非常に強く、ダイバーシティが浸透して外国籍や女性の社員比率が高くなっているのも、新しいファームならではといえるでしょう。
また、IT分野のコンサルに強いのも大きな特長となっています。
会社名 | EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 |
本社所在地 | 東京都千代田区有楽町1丁目1番2号 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー |
設立 | 2020年10月 |
ホームページ | https://www.ey.com/ja_jp/people/ey-strategy-and-consulting |
特徴 |
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(3)BIG4コンサルの平均年収
BIG4コンサルの年収について見てみましょう。
コンサルティングファーム名 | 平均年収(推定) |
デロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社 | 938万円 |
PwCコンサルティング合同会社 | 964万円 |
KPMGコンサルティング株式会社 | 882万円 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 | 902万円 |
平均年収はどのBIG4コンサルも平均年収が900万円前後と高水準であり、1,000万円以上の年収を得ている人も少なくありません。
また、BIG4コンサルは基本的にどこも実力主義で、自分の実績で年収や職位を上げられるため、常に高いモチベーションを持って働ける環境が整っているといえるでしょう。
さらに、コンサルタントの年収は職位に紐づいており、コンサルタントからマネージャー、パートナーと昇格していくにつれて飛躍的に年収もアップします。
特に、BIG4コンサルのコンサルタントのトップであるパートナーともなれば、3,000万円以上は当たり前、億レベルの年収を得ている人も少なくありません。
他にも、BIG4コンサルで働くことは、高年収以外にも目に見えない部分で大きな特典があります。
BIG4コンサルでの勤務で得た知見や経験、「BIG4コンサルOB」という肩書は、どこでも高く評価されるため、今後、コンサル業界以外の事業会社やベンチャーなど他業界で活躍したいと思った時にキャリアの選択肢を大幅に広げてくれることでしょう。
それに加えて、各コンサルのアルムナイなどで優秀なOB・OGとの人脈が作れることも、年収面に加えて得られる大きなメリットといえます。
高年収に加えて、ポストコンサルとして転職市場での高い評価や幅広い業界に広がる有益な人脈を得られるなど、BIG4コンサルは転職した後にも魅力の多いファームといえるでしょう。
2.BIG4コンサルへの転職動向
BIG4コンサルへの転職について解説します。
- BIG4コンサルの中途採用動向
- BIG4コンサルへの未経験からの転職は可能か
コンサルティングファームの最高峰と言えるBIG4コンサルへの転職は、難易度・競争率ともに高いため簡単ではありません。
しかし、コンサルティングニーズの高まりにより、以前と比べて挑戦しやすくなっているといわれています。
(1)BIG4コンサルの中途採用動向
現在、コンサル業界は規模・売上ともに拡大しているファームが多く、採用人数を増やしているため、コンサルタントに転職するチャンスは広がっているといえます。
中でも、BIG4コンサルは特に即戦力となる中途採用に力を入れているファームが多いようです。
特に、デロイト・トーマツ・コンサルティングやEYストラテジー・アンド・コンサルティングは、事業規模の拡大に伴い、人員の増強に積極的な傾向が続いています。
また、BIG4コンサル全体で、IT関連のスキルや実績を持つ人を積極的に採用する傾向も強くなっています。
しかし、BIG4コンサルの採用意欲が高いといっても、求職者に求められるレベルが下がっているわけではありません。
世界規模に展開しているBIG4コンサルは、年収水準が高いだけでなく、成長機会の多い環境の中で様々な経験ができるため、コンサルタントとしての知見や経験を増やしたいエリート層の求職者数が多く、倍率も非常に高いです。
BIG4コンサルへの転職を成功させるなら、十分な対策を練ってチャレンジしましょう。
(2)BIG4コンサルへの未経験からの転職は可能か
BIG4コンサルへの未経験からの転職は可能です。
BIG4コンサルでは、コンサル未経験であっても以下の経歴を持つ人材を積極的に採用しています。
- 法人営業経験者
- 金融業界出身者
- IT業界出身者
中でも、デジタル技術の急速な発展に伴って企業やビジネス構造の変革期にある今、企業のデジタル化に関するコンサルティングニーズが激増していることから、BIG4コンサルもデジタルの戦略領域に力を入れているファームが多くなっており、IT専門家を積極的に採用する傾向が続いています。
実際、コンサル未経験であってもITの知見や経験が豊富であることを評価されてBIG4コンサルに採用され、この領域の専門家として活躍しているコンサルタントも少なくありません。
ポテンシャル採用では20代~30代前半の若い世代は特に採用されやすいため、チャレンジするなら早めに行うのが良いでしょう。
4.BIG4コンサルで高く評価される5つのポイント
BIG4コンサルへの転職の際、高く評価されるポイントを解説します。
- 分析力・洞察力
- コミュニケーション能力
- 業界専門性
- 語学力
- チャレンジ精神
BIG4コンサルで評価されるポイントを押さえておけば、面接時にも高い評価を得ることができます。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)分析力・洞察力
BIG4コンサルで高く評価される1つ目のポイントは、分析力と洞察力です。
クライアント企業の経営課題を解決するには、卓越した知見に基づく高度な分析力と洞察力が欠かせません。
コンサルタントの基礎能力として欠かせないスキルですが、コンサルティング業界の最高峰であるBIG4コンサルではさらに磨かれた分析力と洞察力が求められるため、面談でもこの点をしっかり確認されることが多いです。
分析力と洞察力を高めるには、よく周りを見ることや、考える基盤となる知識や情報を常に収集して蓄積しておくこと、そこから発展させて考える経験を積むことが欠かせません。
普段から注意深く周囲を観察し、分析力と洞察力を磨くようにしましょう。
(2)コミュニケーション能力
BIG4コンサルで高く評価される2つ目のポイントは、コミュニケーション能力です。
クライアント企業の経営者層とのやり取りがメインとなるコンサルタントにとって、企業のトップや重役と円滑な人間関係を築くコミュニケーション能力は、自分の提案を受け入れてもらいやすくするために欠かせない能力です。
また、ファーム内でもチームを組んで様々なメンバーと案件に取り組むことになるため、チーム内でスムーズな意思疎通を図れるコミュニケーション能力も必要です。
コミュニケーション能力を高めるには、伝える力・聞く力・理解する力の3つが欠かせません。
普段の生活・会話などからこの3点に気を付けて多くの人と接することでこのスキルを高めておきましょう。
(3)業界専門性
BIG4コンサルで高く評価される3つ目のポイントは、業界専門性です。
BIG4コンサルでも業界別に展開しているファームも多く、汎用的なスキルをベースに専門領域を持ったコンサルタントが求められています。
未経験でBIG4コンサルにチャレンジする人の場合、これまでの経験に基づいた業界・テーマで強みを持つ人は高く評価されるため、各ファームが重点を置いている業界での経験がある人はその専門性を高めておきましょう。
(4)語学力
BIG4コンサルで高く評価される4つ目のポイントは、語学力です。
世界各地にメンバーファームを持つBIG4コンサルでは、クロスボーダー案件を手掛ける機会も多く、外国籍の社員比率も高いEYなどはオフィスでは日常的に英語での会話となるなど、業務を遂行する上で最低限の語学力が必要なシーンが多くなります。
募集要項では語学力を必須条件として挙げていないファームもありますが、並みいるライバルよりも高い評価を得るためには、語学力が高いに越したことはありません。
実際、応募者の英語力を図るための指標としてTOEICスコアを採用する企業が多く、BIG4コンサルも同様にTOEICスコアをチェックしており、書類選考の段階でTOEICスコア800~850が求められているといわれています。
スコアの高さと真の英語力は比例するとは言い切れませんが、英語力のベースがあればそこからコミュニケーションも取りやすくなりますし、入社後に海外案件にもアサインされやすくなるなど、自分の成長機会を広げることにも繋がります。
語学力は自分の取り組み次第でいかようにも伸ばすことが可能なので、時間を見つけてトレーニングを行い、スコアを上げていくようにしましょう。
(5)チャレンジ精神
BIG4コンサルで高く評価される5つ目のポイントは、チャレンジ精神です。
BIG4コンサルのクライアントは、国内のトップ企業や海外でも展開する一流企業が多いです。
変化の大きい経済・社会の最先端にいる企業が抱える複雑な経営課題等を解決するには、コンサルタント自身に既成概念や既存の枠に捕らわれない新たな視点・思考が欠かせません。
また、クライアント企業によって状況や課題は多種多様であるため、他での成功事例をそのまま適用できることはなく、常に柔軟に対応していく力も必要となります。
常にクライアント企業に対してバリューを出し続けていかなければいけないコンサルタントにとって、どんな案件にもチャレンジ精神を持って取り組み、成長し続けられることが重要な素質です。
現状に満足せず、常に挑戦し続けるマインドを持っている人材を、BIG4コンサルでは高く評価しています。
自己アピールの際には、これまでのチャレンジ経験等も踏まえて伝えることで、好印象を与えることができることでしょう。
5.BIG4コンサルへの転職を成功させる3つのポイント
最後に、BIG4コンサルへの転職を成功させるための3つのポイントを解説します。
- BIG4コンサル各社の特長・カラーを理解する
- BIG4コンサルに強いハイクラス向けの転職エージェントを利用する
- 他のコンサルティングファームも並行してチャレンジする
この3つのポイントをおさえておけば、BIG4コンサルへの転職成功率を高められることでしょう。
(1)BIG4コンサル各社の特長・カラーを理解する
1つめのポイントは、BIG4コンサル各社の特長やカラーを理解することです。
BIG4コンサルはそれぞれファームによって特長が全く異なり、それに伴って求める人材の傾向も異なっています。
例えば、人を育てる文化の強いデロイト・トーマツ・コンサルティングの基本的な選考の視点は「コンサルタントに成長できる素質があるか」であり、「今、何ができるか」よりもコンサルタントとしての伸びしろを重点的にチェックされるため、コンサルタントに不可欠な論理的思考能力や分析力などを磨くことで採用されやすくなります。
また、自分の強み・武器となる経験・スキルと各コンサルが強化したい分野の経験・スキルがマッチしていることも、BIG4コンサルへの転職を成功させるための重要な要素です。
BIG4コンサル各社の特長をしっかり理解し、自分のスキルや経験を棚卸した上でそれを高く評価してくれるファームを選べば、BIG4コンサルへの転職の成功率を上げられることでしょう。
(2)BIG4コンサルに強いハイクラス向けの転職エージェントを利用する
2つ目のポイントは、BIG4コンサルに強いハイクラス向けの転職エージェントを利用することです。
BIG4コンサルの中途採用では特に面接に重点が置かれており、ファームによって面接のスタイルや出題傾向、そこでチェックされるポイントも大きく異なります。
BIG4コンサルのそれぞれの中途採用システムを熟知し、それに合わせた十分な面接対策ができるハイクラス向けの転職エージェントに相談することで、事前に万全の準備をすることができます。
また、BIG4コンサルへの転職支援実績がある転職エージェントの場合、先に転職支援をした人が現在高いポジションにいるなど転職エージェント独自のパイプを持っていることも多く、そこだけが保有している非公開求人を勧めてもらえることも少なくありません。
選択肢が増えるというメリットもあり、転職成功率をさらに高められることでしょう。
(3)他のコンサルティングファームも並行してチャレンジする
3つ目のポイントは、他のコンサルティングファームも並行してチャレンジすることです。
「BIG4コンサルで働きたい」と強く思うあまり、BIG4コンサルだけに絞ってチャレンジすることは非常にハイリスクであるため避けるべきです。
転職の際の面接で重要な『場慣れ』をするために事前にできるだけ経験を積んでおくためにも、他のファームも視野・選択肢に入れて転職活動を行いましょう。
特に、コンサルティングファームの面接では、人事担当者ではなく、現役のコンサルタントやその上のマネージャークラス、最終的にはファームのトップであるパートナーとのやりとりとなるため、”コンサルタントによる面接”に慣れておくことが欠かせません。
複数社を受けることで選考慣れして結果を出しやすくなるだけでなく、もしBIG4コンサルへの転職が今回うまくいかなかったとしても、キャリアの空白期間を作ることなく、他のファームで実績を積んだ上で、改めてBIG4コンサルへチャレンジすることもできます。
まとめ
BIG4コンサルへの転職について解説しました。
BIG4コンサルはコンサル業界の中でも超難関ファームであるのは間違いありませんが、それぞれのファームが求める人材・傾向・ポイントを把握して十分な対策することで、未経験でも転職を成功させることは可能です。
実際、未経験からBIG4コンサルへ転職し、成果を上げて重要なポジションについて活躍している人も少なくありません。
それぞれの特徴をしっかりと知って、転職活動をさせましょう。
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