【2023年10月最新】コンサルティング業界を徹底解説!未経験にも役立つ業界事情や転職情報を紹介
「コンサルティング業界へ転職したいが、業界知識や企業情報がわからない」
「未経験でもコンサルティング転職はできるのか?」
「コンサルティング業界の転職事情や転職成功のポイントが知りたい」
現在転職を検討している方の中には、コンサルティング業界に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。
コンサルティング業界と聞き、難しそうな分野に思える方もいるかもしれませんが、実は未経験者でもたくさんの方々が転職している分野なのです。
本記事では、コンサルティング業界の基礎知識や業界情報、転職事情や転職成功のポイントなど幅広く解説します。
コンサルティング業界の転職をはじめて目指す方にとっても有利になる情報を提供し、将来のキャリアチェンジに活かせるよう参考になれば幸いです。
1.コンサルティング業界について
ハイキャリアや収入アップなどの転職を目指す際に、はじめてコンサルティングという言葉を聞いた方もいるでしょう。
ここではそんな方にもわかりやすくコンサルティング業界について詳しく説明し、どんな仕事やビジネスライフがあるのかイメージしていただきたいです。
- コンサルティングとは
- コンサルティングファームの種類
- コンサルティング業界の役職
- コンサルティング業界の年収
(1)コンサルティングとは
コンサルティングというのは、クライアントとなる企業が抱えるさまざまな課題を明らかにし、課題解決のための戦略を立案から実行まで行う仕事のことを言います。
これにより企業の将来的な成長や業績改善をサポートし、社会発展に貢献することができます。
コンサルティング(consullting)は「専門的なアドバイス[助言]を与える、相談役の、顧問の」という意味があり、企業が抱える問題を解決するサポートを売るサービスのようなものと言えます。
この仕事を行う人々をコンサルタントと言い、コンサルタントはクライアントのほか、公認会計士や弁護士などの会計や財務知識に詳しい人をはじめ、さまざまな人材と関わりながら仕事を進めていきます。
(2)コンサルティングファームの種類
コンサルタントはコンサルティングファーム(コンサルティングを用いて企業の様々な問題を解決に導くサポートをメインビジネスとする企業のこと)に属し、一口にコンサルティングファームといっても幅広いジャンルのものがあります。
これは企業が抱える問題の内容によって専門的に対応できるファームが大別されて、以下のファームをここでは順に説明します。
- 戦略系コンサルティングファーム
- 総合系コンサルティングファーム
- 会計系コンサルティングファーム
- 人事系コンサルティングファーム
- 再生系コンサルティングファーム
- 医療系コンサルティングファーム
- IT系コンサルティングファーム
#1:戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームとは、クライアント企業の経営課題を解決するための戦略を提案・策定、実施するファームのことです。
具体的には、成長戦略やグローバル戦略、M&A戦略などの、戦略策定支援の他、新規事業参入や新商品開発、組織の再編など、経営者の視点を持ち、課題の解決に取り組んでいきます。
クライアント先は主に大企業や官公庁で、戦略系コンサルタントの報酬は1ヶ月あたり数百万~数千万と、高額になることが多いと言われています。
- マッキンゼーアンドカンパニー
- アクセンチュア
- A.T.カンパニー
#2:総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームとは、業務効率化からIT・システムの導入まで、業務の上流から下流まで対応するコンサルティングを提供するファームのことです。
対応する経営課題が多岐にわたるため、以下のように専門組織が編成されています。
- 金融系
- 製造系
- 通信系
- 公共・インフラ系
- 会計
- 人事
業界、機能ごとに専門職が設けられていて、幅広い分野を担当できる可能性があるのが魅力です。
配属された部署ごとに業務を覚えて、改善案を考えられる知識の吸収力が求められます。
- KPMGコンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- デロイトトーマツコンサルティング
- PwCコンサルティング合同会社
#3:財務系コンサルティングファーム
財務系コンサルティングファームとは、クライアント企業の、会計に関する改善策のアドバイスを提供するコンサルティングファームのことです。
クライアントの金銭面の調査・整備、投資戦略の提案やM&Aに関するアドバイスを主に行い、クライアントの企業・事業価値や資産状況を調査・分析して出てきた課題に対する改善策や戦略プランを提案します。
コンサルタントは中小企業診断士や公認会計士と言った財務系資格を保有し、その上経営方針にも携わるため、経営面に関する知識も求められます。
財務系ファームは、景気や社会情勢、海外の動向、法律の改正、都度更新される会計分野の変化に対応する必要がありますので、コンサルタントは常に勉強し続ける姿勢が重要となります。
最近では戦略系・総合系コンサルティングファーム内でも、財務系スキルをもつコンサルタントやスペシャリストが在籍していると言われています。
- 株式会社日本M&Aセンター
- PwCアドバイザリー合同会社
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
#4:人事系コンサルティングファーム
人事系コンサルティングファームとは、クライアント企業の従業員の評価制度や研修制度の提案、新規人材の開拓など、人事に関する課題の解決を主な業務とするコンサルティングファームのことです。
コンサルタントの具体的な業務は、人事における各種制度や福利厚生の設計、研修制度の設定、企業の海外進出やM&Aに伴う人事システムの刷新など、クライアント内部のリソースに関する制度を改善していくことです。
コミュニケーション能力の他に、人材を伸ばすマネジメント能力が求めら、外資系ファームに人事系コンサルタントが多いことより、語学力も必要と言われています。
- マーサージャパン
- グロービス
- トーマツイノベーション
#5:再生系コンサルティングファーム
再生系コンサルティングファームとは、資金難のクライアント企業に対し、金融債権者や株主との間に入って資金調達等を行い、事業の再生を図るコンサルティングファームのことです。
コンサルタントの具体的な業務には、金融機関との融資の交渉や一部債権の放棄の交渉、採算の取れない事業の整理や組織構造の改革があります。
事業の再生に関わる案件を担当するため、事業経営の知識や分析力のほかに、交渉力が求められます。
- 山田コンサルティング株式会社
- フロンティアマネジメント株式会社
- ロングブラックパートナーズ株式会社
#6:医療系コンサルティングファーム
医療系コンサルティングファームとは、大学病院や診療所など医療機関がクライアント対象で、経営の支援を行うコンサルティングファームのことです。
コンサルタントの主な業務は、医療機関の経営をサポートし、戦略の提案・策定、クリニックの建て替え支援や開業支援、行政手続きの支援があります。
医療系特化型コンサルティングファームは少数ですが、大手コンサルティングファームのインダストリーに医療部門が含まれていることが最近では多いです。
規模が小さいファームである一方で、医療業界に特化されたコンサルティングを提供するので、協調性や医療分野に対しての知識を吸収する素養が求められます。
- CDIメディカル
- IQVIAソリューションズ ジャパン
- KPMGヘルスケアジャパン
#7:IT系コンサルティングファーム
IT系コンサルティングファームとは、クライアント企業のIT戦略や、システム管理・新システム導入の提案を主とするコンサルティングファームのことです。
コンサルタントの主な業務は、経営戦略に沿ったIT戦略を提案し、システム開発の提案やシステムの最適化を通じて、クライアント企業の経営を助けることなどがあります。
システムエンジニアと混同されがちですが、経営課題を解決に導くために必要なシステム導入の決定権をもつのがコンサルタントの役目です。
クライアントの課題を明確にする情報収集能力や論理的な思考能力などコンサルタントとして必要なスキルのほか、ITやシステムに関する知見も求められます。
- ベイカレントコンサルティング
- シグマクシス
- ヒューチャーアーキテクト
(3)コンサルティング業界の役職
コンサルティング業界では、経験年数や役割に応じて、主に以下のような4つの役職に分かれます。
- アナリスト
- コンサルタント
- マネージャー
- パートナー
コンサルティングファームによって、それぞれの役職名が違うこともあります。
それぞれの仕事内容を基に、具体的に説明します。
#1:アナリスト
アナリストとは、入社~3年目までのスタートポジションで、上司の指示により、クライアントの業界や競合他社の調査・分析を行い、資料作成が主な仕事となります。
具体的な業務は、ミーティングの議事録作成、上司に同伴してクライアントへのインタビュー、IT系コンサルティングファームやインダストリー部門では、プログラミングのコーディングが必要となる場合もあります。
アナリストは、コンサルタントとして働く上での基礎能力を身につけることが出来るので、業界未経験の方はコンサルティング業界へ転職すれば、アナリストからスタートすることが多いと言われています。
#2:コンサルタント
アナリストで実力やスキルが身についてくると、コンサルタントという役職につきます。
新卒入社後の平均4年目~6年目、中途採用の場合は社会人経験平均5年程度の人が、コンサルタントのポジションに当たると言われ、プロジェクトの大半を管理・運営し、アナリストからの情報を基に、課題の発見や戦略の提案などが主な業務内容となります。
クライアント企業の課題の分析・調査のためにどのような資料を集めるのかをアナリストに指示したり、クライアントの経営者や専門家との交渉をしたりなど、作業責任者としてプロジェクトにおけるほぼ全ての作業を担当します。
シニアコンサルタントとなると、業務を遂行しつつ、後輩やアナリストの育成にも携わる立場にもなってきます。
#3:マネージャー
マネジャーは、プロジェクト全体を取りまとめ、クライアント企業に提案をするポジションで、クライアントと直接やり取りしたり、プロジェクトの総括、予算等の管理が、主な業務内容となる役職です。
プロジェクトが完了するまで、現場に関わることは全てマネジャーに一任されますので、プロジェクトが成功するか失敗するかは、マネジャーの力量次第であるとも言われています。
責任ある立場で仕事を行うマネジャーは、全体を把握する力、チームを率いる力、発言の説得力、クライアントとのコミュニケーション能力など、様々な能力が、高いレベルで求められます。
年に1回はあるコンサルタントの評価会議で、最初に評価担当者となるのがマネージャークラスであることが多いです。
#4:パートナー
パートナーはコンサルティングファームの最上位のポジションで、ファーム自体の運営を行う共同責任者で、新規のクライアント企業へ営業し、プロジェクトを獲得することが主な業務内容です。
ファームによっては、プリンシパルやディレクターと別の役職名で呼ばれることもあります。
コンサルティングファームは、2人以上のパートナーが金銭を出資して、事業を営む組織形態を持っており、パートナーは、コンサルティングファームの収益に対して責任を負い、利益も損失も、パートナー同士で分け合います。
これにより、パートナーにはファームの運営者として、中長期的な経営計画や成長戦略立案など将来的な経営力と洞察力が求められます。
また、パートナーは、コンサルティングの導入を希望するクライアントからの信頼を得て、案件を受注するという、大切な役割を持っています。
そのため、ファーム全体として売上を伸ばしていくため戦略が求められ、高い立場での営業能力も求められます。
(4)コンサルティング業界の年収
コンサルティング業界の年収は、主に以下の3つの要因によってその金額は異なります。
- 大手から中堅・中小、ベンチャーまでのファームの規模
- 役職や勤続年数
- 担当したプロジェクトの実績
一般的な勤務コンサルタント(コンサルティングファームに就職してコンサルタントとして活動している人)の場合、平均年収500~800万円程度と言われており、企業に所属しているので、大企業のサラリーマンと同じくらいの収入が安定して確保できると言われています。
一方で独立コンサルタント(企業に所属せずに個人で活動しているコンサルタント)というものもいて、こちらは報酬から必要経費を差し引いた金額がそのまま収入になり、年収が2,000万円を超えると独立コンサルタントとして成功したと言われています。
以下の役職別の平均年収事例を紹介しますので、キャリアビジョンのイメージに参考ください。
ただし、ファームによって金額が異なることがありますので、目安として活用ください。
- アナリスト:500万円前後~
- コンサルタント:600~900万円前後
- マネージャー:1000万円前後~
- パートナー:2000万円前後~
2.コンサルティング業界の転職事情
コンサルティング業界の基礎知識を踏まえ、ここでは現在の業界事情を交えて、転職市場や転職者の傾向について説明します。
結論から言うと、以下の3つのポイントが挙げられます。
- コンサルティング業界の転職希望者と採用人数は年々上昇していること。
- コンサルティング業界への転職希望者は「コンサルタントとして充分成果を生み出せるスキル」をもつ方が多いこと。
- また、コンサルティング業界へ転職する人は、ビジネススキルやキャリアの向上を求める方が多いこと。
以下の詳細内容を読み、コンサルティング業界を目指す意欲が高まると良いでしょう。
(1)コンサルティング業界の転職市場
企業ならびに事業の経営問題に限らず、以下のような例の通り、テクノロジーの急速な進歩と社会情勢、世界規模の経済背景が絡み、企業が抱える課題はさらに多様化し、複雑なものになっています。
- 脱炭素やSDGsのような社会貢献に関わる事業開発や企業的活動の問題
- 少子高齢化による事業承継・譲渡問題
- 海外進出に向けた新規事業開発問題
- コロナや原油高騰などによる財政問題
- 企業内での組織・人材開発問題
- デジタル分析を活用したIT技術の導入問題
この不安定な情況に対して、企業によるコンサルティングの導入ニーズは高まってきています。
需要の高いコンサルティング業界は、業界・サービスの専門性の細分化や社内の組織体制の整備が進んでいます。
それに伴い、より優秀な人員確保を積極的に行い、アソシエイトからマネジャークラスまで幅広い層の求人があり、第二新卒採用も強化し始めています。
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)やデータ分析の推進を背景としたIT人材の採用ニーズが上昇しているようです。
ファームの規模や種類にもよりますが、最近では経験を問わず、幅広い業界知識や資格、財務系やIT系の知見など「コンサルティング業務で充分成果を生み出せるスキルをもつ人材を採用する」というコンサルティングファームが国内で増えています。
※コンサルタントに必要なスキルについては、後の「4.コンサルティング業界の転職に必要なスキル」にて解説します。
(2)コンサルティング業界へ転職する人の傾向
上記では採用側の視点でコンサルティング業界の転職情況を解説しましたが、さらに転職する側の視点からも解説します。
特に以下のような前職をもつ人材が、コンサルティング業界への転職を目指す傾向があると言われています。
①業界
- コンサルティングファーム
- メーカー
- 広告代理店
- 保険代理店
- 金融機関
- 事業会社
- ITやソフトウェア開発企業
②職種
- 法人向けの営業
- 経営企画や事業開発
- コンサルタント
- 人事や経理など管理部門
- IT系技術職
ファームTOファームの転職者もいる一方で、最近では業界未経験の転職者数が著しく見られます。
コンサルタントは年収アップのほか、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、洞察力など、社会人にとってさまざまなビジネススキルを身に付けることができると言われています。
コンサルティング業界へ転職する人は若手からミドル層まで、ビジネススキルの習得やキャリアアップを求める傾向があるようです。
3.業界未経験でもコンサルティングへの転職は可能なのか?
ここでは以下3つのポイントを基に、コンサルティング業界未経験の転職についてさらに詳しく解説します。
- コンサルティング業界は未経験者の転職が約8割
- 未経験のコンサルティング転職者が多い理由
- 未経験での採用は20~30代が中心
(1)コンサルティング業界は未経験者の転職が約8割
前章で述べた通り、業界未経験のコンサルティングファームへの転職が多く見られ、業界全体でいうと転職者の約8割が未経験と言われています。(ただし、ファームによって採用動向は異なるケースがあります。)
多様化するクライアント企業の問題解決に向け、コンサルティングのニーズが上昇すると同時に、コンサルティング業界が人手不足という厳しい状況にあることも、採用に積極的である理由の一つでしょう。
各社が未経験者の採用にも積極的に乗り出しており、未経験でコンサルティング業界を目指したいという方にとっては挑戦するチャンスがあります。
(2)コンサルティング業界未経験の転職者が多い理由
コンサルティング業界未経験の転職者が多い理由は、経験者に絞っていては人材が確保できないという理由だけではありません。
コンサルティングの最終目的は「クライアントの抱える複雑な問題を解決し、利益に貢献すること」です。
問題解決能力や論理的思考力などは共通して必要ですが、それぞれの業界における深い知識や経験なども重要になります。
ファームにより戦略やITなど得意な分野は異なりますが、取引をするクライアントの業界はさまざまです。
特定の業界について精通していると、類似したクライアントへのコンサルティングにも大いに役立つでしょう。
こうした理由から、各社は「コンサルティング」経験はなくても、各業界の「スペシャリスト」である人材を採用したいと考えているのです。
(3)未経験での採用は20~30代が中心
コンサルティングは未経験でも採用の可能性が十分あるとお伝えしましたが、その多くは20~30代です。
未経験で採用する際は、今まで培ってきた経験やスキルのほかに今後の成長のポテンシャルがあるかどうかも加味されます。
一方で、40代以降など社会人経験が折り返し地点に到達したような年齢になると、「専門知識・スキル」や「即戦力」といった点を重視した採用が行われます。
特別な事情がなければ、40代以降のミドル層で完全未経験からのコンサル転職は非常に狭き門だと言えるでしょう。
4.コンサルティング業界の転職メリット
コンサルティング業界への転職を目指している方で、「コンサルティング業界へ転職したらどんなメリットがあるのか?」という疑問をもつ方もいるでしょう。
ここではそんな方に向けて、以下の2つのポイントを基に転職メリットについて解説します。
- 幅広いスキルが身につく
- 年収アップ
(1)幅広いスキルが身につく
コンサルタントはクライアント企業の課題解決に向け、経営に深く関われることができる立場です。
一例ではありますが、以下のようなスキルが業務を通じて身につけることが可能と言われています。
- プロジェクトマネジメントなどのビジネススキル
- 業界知見、業務知見
- 語学力
- セルフマネジメント力
各業務を通じて、論理的思考能力や分析調査能力、経営者へのプレゼン力や交渉力など、幅広いビジネススキルが身につけることができます。
特に、企業価値評価やデューデリジェンスなど財務に関する業務においては、会計の知識を習得することも可能です。
最近では、ファーム内での組織体制の細分化が進み、業界別チームごとにコンサルタントが配属されるケースが増えています。
それにより、担当プロジェクトに応じて業界知識を深めるチャンスもあると言われています。
また、グローバル規模のプロジェクトに関わることがあれば、語学力など海外の人と一緒に仕事をするに必要なスキルも身につけられるでしょう。
コンサルタントの仕事は短期間で多くのタスクをこなす環境が多いです。
きちんとしたスケジュールによるタスク管理や、自分自身でプロジェクトの課題を考え、解決策をチームやクライアントを巻き込んで解決していくコミットメント力の向上など、仕事に対する自己管理能力が身についていきます。
(2)年収アップ
コンサルタントは他業種と比べて高収入が期待できると言われています。
上述したように、コンサルタントの平均年収は約400~800万円と言われており、日本の平均年収よりも高い傾向があります。
年収が高い主な理由は、クライアント企業に請求するサービス価格が高額であることと、大きな設備投資が不要であり、社員の人件費に多くを投資できることの2つがよく言われています。
また、コンサルティング業界は日本従来の「年功序列」ではなく、「実力主義」の考え方が強い業界です。
実力をアピールできれば先輩後輩関係なく案件の獲得ができるため、30代で平均年収1,000万を超えることができるなど、高収入が期待できます。
4.コンサルティング業界の転職に必要なスキル
ここでは、本格的にコンサルティング業界への転職活動をはじめる上で重要な、「転職者に必要なスキル」についてを解説します。
応募先のファームによって求める条件は異なりますが、コンサルタントという仕事をする上での必須スキルと、応募時に採用側から優遇されるスキルについて紹介します。
こちらを参考に、自身がコンサルタントの仕事で成果を生み出す能力はあるか、またそれは前職でどのように活かしていたかなど、選考でアピールできる内容をまとめるとよいでしょう。
(1)コンサルタントで求められる必須スキル
コンサルタントの仕事で求められる必須スキルは、主に以下の8点となります。
- 論理的思考力
- コミュニケーション能力
- リサーチ・分析能力
- 資料作成能力
- プレゼンテーション能力
- 体力
- ビジネス理解力
- コミットメント力
順を追って各自説明していきますが、いずれも社会人として活躍できるビジネススキルであり、長いキャリアや経験を通して得るスキルがほとんどのようです。
コンサルタントの仕事は、クライアントの課題に適切に対応できるよう、幅広く、様々なスキルを求められます。
応募先の求める条件にもよりますが、上記のようなビジネススキルをもった即戦力のある人材が採用の可能性が高いと言われています。
#1:論理的思考力
論理的思考力とは、コンサルタントに最も重要な能力で、クライアント企業の課題をしっかりと把握・理解し、解決へと導く合理的な思考能力のことです。
クライアント先の経営者から課題をヒアリングすることから始まり、ヒアリングした内容を客観的・論理的に整理すること、課題の原因を突き止め最適な解決策を考案することまで、コンサルタントは思考力を活かして行動し、クライアントに説得力のある説明をしなければなりません。
#2:コミュニケーション能力
コンサルタントはクライアントの希望をしっかり理解するコミュニケーション能力が求められます。
クライアントは何を自社の課題だと思っているのか、またどのような成長を希望しているかなどは、会話の中から見つかることが少なくありません。
そのため、悩みを伝えやすい関係性を築いたり、会話をしながらクライアントの要望をしっかりと汲み取って悩みを把握することが必要となります。
また、コンサルタントとして求められるコミュニケーション能力には、報連相を確実に行える力や整然とした話し方など、社会人として基礎となる力も含まれます。
#3:リサーチ・分析能力
クライアントの課題解決をするために、コンサルタントはビジネスに関する情報をリサーチ・分析する能力も必要です。
貸借対照表や財務諸表など、信用性の高いデータや情報をリサーチ・分析することから仮説検証し、クライアントの現状や業界情況、問題となっている部分はどこにあるのか、そのために必要な解決策は何がよいかを発見します。
#4:資料作成能力
コンサルタントには、読んだ人が理解しやすい資料を作成する能力が必要です。
必要な情報や伝えたいことを簡潔にまとめた分かりやすい資料を作成し、クライアントが納得できる内容を伝えられるようにならなければなりません。
そのため、エクセルやパワーポイント等の資料作成の基礎となるようなスキルは身につけておいた方が良いでしょう。
また、資料作成にあたって、根拠となる情報が信用できるリソースのものであるかを判断するリテラシーも必要となります。
#5:プレゼンテーション能力
コンサルタントには、クライアントの課題解決策を有効に提言するプレゼンテーション能力が必要です。
折角クライアントの課題を把握して合理的な解決方法を導き出したとしても、その解説策を提案し、採用してもらえなければコンサルタントの仕事として十分ではありません。
自身が課題解決のために提言する案を、説得力を持ってプレゼンできる能力が大切です。
#6:体力
コンサルタントの仕事はときにハードワークになることもあり、それを超えられる体力も求められます。
ハードワークになる要因として、以下のような事例が見られます。
- クライアントのスケジュールに合わせた柔軟な対応
- 常に勉強が必要である
- 分析や資料作成、ミーティング等に時間がかかる
これらの業務を高いレベルでこなし、プロジェクトを成功するためには、体力が重要となってくるでしょう。
#7:ビジネス理解・学習力
コンサルタントは常にビジネスシーンにおいて、場の空気を読んだり、少ない情報から話の全体像を推し量る理解力が必要となることも多いです。
コンサルティングプロジェクトは担当ごとに異なることが多く、クライアントを取り巻く市場動向や業界情報を理解していくことがコンサルタントに課せられます。
パターン認識の意識や報連相の徹底など、状況を理解して適切な対応ができることもコンサルタントの仕事で重視されます。
#8:コミットメント力
各プロジェクトの期間は基本的に定まっており、且つクライアント側から高い報酬額の支払いがあるため、コンサルタントは必ずプロジェクトをコミットするという力が求められます。
上記の体力について解説したときのように、クライアント先の問題解決に向け、困難や複雑な状況にあたることもあるため、そのような状況にも立ち向かえるポジティブなメンタルが必要と言われています。
(2)コンサルタント転職で優遇されるスキル
ここからはコンサルティング転職の成功対策において、採用側が優遇するスキルについて以下3点のポイントを基に解説します。
- 業界・業務専門の知識や資格
- 法人に対する営業経験
- ビジネスレベルの語学力
上記のスキルや経験をもつ方は、さらにコンサルタントへの転職に一歩近づくことができ、実践でも即戦力になる人材と言えるでしょう。
#1:業界・業務専門の知識や資格
クライアント企業の課題が多様化・複雑化なものに変化してくる中、コンサルタントはそれに対し、専門領域のスキルプラスが業務で求められる傾向があります。
採用側もこの点について選考で重視しており、転職者がどのように専門領域スキルを活かして、クライアントとその業界や業務について綿密に理解できるか、あるいはクライアントへの営業活動で説得力のある提案ができるかなどを見極め、採用するか決めているようです。
例えば戦略系・総合系ファームでは、インダストリー別のチームに大別している組織体制が増えており、チームの業界・業種によって必要な採用条件を提示しているケースが見られます。
M&Aなどの財務系の業務に関わるコンサルタントやファームでは、公認会計士や中小企業診断士などの財務に関する資格、または前職で経理や総務などで会計の業務経験があると良いでしょう。
最近ではデータ分析・DX化推進の社会が広まり、IT関連の知識や経験もあるという方の採用需要が高いと言われています。
業界未経験者でも、前職で得た業界知識やノウハウ、業務の実践経験がコンサルタントの業務で活かせるチャンスがあり、転職成功のワンステップになります。
#2:営業力
コンサルタントの仕事はクライアント企業がもつ課題をヒアリングし、解決策の提案や折衝交渉を行うことで、プロジェクト成功のために必要です。
実際クライアントへ営業し、新規プロジェクトを獲得するのはパートナーの仕事であり、業界経験者でハイキャリアポジションを目指す方は、採用条件で必須のスキルとして提示されることが見られます。
前職で法人向けの営業経験があるなど、クライアントとの円滑なコミュニケーションや折衝交渉ができる点などで採用側に好印象を与えることができるでしょう。
#3:ビジネスレベルの語学力
コンサルティング業界への転職で、ビジネスレベルの英語力を採用条件にするファームも見られます。
海外拠点展開やグローバルビジネスなどのクロスボーダー案件も担当することがあり、コンサルタントは語学を要すると言われています。
またコンサルティングファームには外資系の企業も多く存在し、海外のクライアント企業を相手にする際、ビジネスレベルの英語を求められることが多いです。
選考に入る前に応募先の必要語学レベルの確認や、TOEICやTOEFLなど試験を受けておくと良いでしょう。
また、外資系コンサルティングファームをはじめ、選考内容に英語面接が含まれているファームもあるため、事前に語学の対策もしておくことも勧めます。
6.コンサルティング業界に向いている人の特徴
ここでは実際コンサルティング業界で働く人たちを基にした、「コンサルティング業界に向いている人の特徴」を解説します。
結論からポイントをまとめると、以下の6点の特徴が挙げられます。
- 論理的思考が得意
- 向上心や成長意欲が強い
- 粘り強い
- 好奇心が旺盛
- クライアント第一で考えられる
- 相手との関係性作りが得意
上記のような特徴がありますが、最終的に重要なことは「採用側が求める人物像とマッチングしていること」です。
転職したいファームの募集要項によっては内容が異なることもあるので、企業研究を通じてどんな企業で他社との違いはなにか、またなぜそういった人物を求めるのかをしっかり理解し、自身の働く姿や条件に適しているか判断しましょう。
(1)論理的思考が得意
上述した通り、コンサルタントの仕事で最も重要なスキルは論理的思考力です。
コンサルティング業界未経験の方でも、前職の仕事で、クライアント企業や自社の現状と課題を客観的に分析し、論理的に解決策を導き成果を出してきたという方は論理的思考力が優れていると言えるでしょう。
また、コンサルタントの仕事は、クライアントに対し説得力のある提案やプレゼンスキル、コミュニケーションなどの場面でも論理的思考力が重要ですので、そういった業務も得意という方は、よりコンサルティング業界に向いていると思われます。
(2)向上心や成長意欲が強い
コンサルタントの仕事はハードワークな状況になったり、結果がうまく出ずプレッシャーがかかる状況になった時も、それらを糧に成長意欲や学習意欲を活かしていかなければ、継続していくことが難しいこともあります。
コンサルタントは、クライアントのためにより良い結果を出すことが求められるため、現状に満足せず、向上心の高い人が多いと言われています。
(3)粘り強くこだわる
コンサルタントは粘り強く結果にこだわる人や、一つ一つの業務の細部にまでこだわる人が多いとも言われています。
「どのようにすればクライアントが望む結果につながるか」と成果にこだわれる人は、業務においても慎重に行動でき、「課題に向けて何が最善な解決策か」「どんなリスクが予想されるか、また回避できるか」など、高い思考力が活かすことができるでしょう。
また、コンサルタントの仕事は膨大な資料作成やデータ分析など、地道な業務が多いため、一つ一つの仕事を手を抜かずにこなせる人材は、周囲からの信頼を得てより大きな仕事に挑戦していけるでしょう。
(4)好奇心をもって業務に取り組む
コンサルタントは、最新の情報や業界の情報を常に取り入れ、クライアントの課題解決に最適な解決策を導くことも必要です。
そのために、新聞などのメディアや書籍を通じて、最新の情報や業界市場などさまざまなことを積極的に情報収集し、業務に活かせる方がコンサルタントに向いていると言えるでしょう。
常に最新の情報やデータをインプットし、正しく分析してクライアントに対しアウトプットする姿勢も求められています。
(5)クライアント第一で考えられる
ここまで何度も上述した通り、コンサルタントは常に「クライアントが求める結果を提供する」「クライアントが第一優先であること」を認識する必要があります。
この思考が担当プロジェクトでの各業務の最終目標であり、論理的思考力や向上心などのセルフマネジメントにも影響されます。
「クライアントのためにできることはどんどん追求したい」とクライアントファーストで考えて行動できる人は、コンサルタントの仕事でやりがいを強く感じることができるでしょう。
また、PwCコンサルティング合同会社の公式グループサイト「PwC JAPAN」によると、最近の「クライアントファースト」のクライアントは、「目の前のクライアント」だけではなく「将来、お付き合いする(可能性のある)クライアント」も含めた範囲に変化しつつあるという意見が見られます。
これはコンサルティング業界全体でも影響があり、各ファームで社内外のネットワーク拡大がさらに推進されているようです。
これからコンサルタントを目指す方は、クライアントとそのまわりのビジネスリレーションまで幅広い視点をもつことが求められるでしょう。
(6)相手と円満な関係を築くことが得意
コンサルタントの仕事はクライアントとはもちろん、プロジェクトチームとの友好な関係を築くことでスムーズに進行することができるものでもあります。
クライアントがもつ課題に対し、客観的にものごとを捉え解決策を導くためにも、相手とのコミュニケーションやチームとの報連相などが重要となります。
信頼関係を築くことが得意な方は、仕事で成果を出すことができ、コンサルティング業界に向いているでしょう。
7.コンサルティング業界へ転職成功のためのポイント
未経験者でも採用側が求める条件にさえ当てはまれば、コンサルティング業界への転職は可能ということはすでにお伝えしてきました。
ここでは未経験者にとっても抑えておきたい、「コンサルティング業界への転職を成功させるためのポイント」を、以下の5つでご紹介します。
- できること・やりたいことを整理する
- 足りないスキルを補う
- 足りないスキルを実務の中でどう補うか面接時にアピールする
- 実務の内容や仕事の進め方を理解しておく
- 自分に合う会社を探す
転職成功へのポイントをここで習得し、自身の活動に活かしていきましょう。
(1)できること・やりたいことを整理する
未経験者のコンサルティングファーム採用においては、「すでに有しているスキルや経験」と「ポテンシャル」の2点が重視されます。
そのため、今の自分ができること(専門知識・スキル・経験値)、これから身につけていきたい・実現したいこと(ポテンシャル)の両方を理解しておく必要があります。
自身のキャリアや資格を実務の中でどのように活かして成果を生むか、また入社後に自信の目標やキャリアチェンジなどをどのように実現していくかを、面接官にしっかり伝えると良いでしょう。
- 前職の業務内容とその実績
- 入社後にやりたい事業や業務
- コンサルタントで必要とされるビジネススキル
- 語学力
- 金融・会計・ITなど業界業務の知識や資格
(2)足りないスキルを補う
上記であげた面接でアピールする内容について、特に語学力や業界業務の知識と資格は今後の努力でカバーできる部分が大きいでしょう。
その他のスキルに関しても最初から完璧である必要性はありませんが、採用側がコンサルタントとして求めるスキルが明らかに欠けている場合は「コンサルタントに向いていない」と判断される場合があります。
そのため、圧倒的に足りていないと感じるスキルがあるならば、コンサルティングへの転職活動を始める前に補っておくと安心です。
例えば、論理的思考力が不足している場合は、書籍や外部の講座などを参考にして訓練する、または余裕があれば大学院などを検討してもよいでしょう。
体力が十分でないと感じる場合、食生活を整えてジムに定期的に通うなど明日からできる取り組みを実践してみましょう。
(3)足りないスキルを実務の中でどう補うか面接時にアピールする
知識や経験が現段階では十分でないという未経験者に対し、採用側はポテンシャルを計るために「現時点で足りないスキルを実務でどう補うか」を問うことがよく見られます。
以下の例を参考にするなど、足りないスキルをどう補うかを面接でアピールできるよう事前に練習しておくと安心でしょう。
現職でも○○や△△の業務や役員へのプレゼンの機会があり、フレームワークなどを使ってロジカルに考える習慣がある。
しかし、一社の経営戦略という規模の大きなプロジェクトは経験したことがない。
そのため、現職で培った思考力をベースとしながらも会社全体を見るための高い視野や業界の内部事情などを実務を通して体得し、問題解決力に磨きをかけていきたい。
自身がすでに有しているスキル・これから身に付けるスキルをきちんと整理し、どうカバーしていくかのビジョンをしっかり面接官に伝え、今後の成長をイメージさせることが重要です。
(4)コンサルティング業界ならではの選考対策をしておく
コンサルティング業界の選考は他業界と異なるものもあり、本番前に事前対策をしておく必要があります。
応募先のコンサルティングファームにもよりますが、以下の2つの選考がよく見られます。
- ケース面接
- 英語面接
#1:ケース面接
ケース面接とは、面接官が出題するテーマや課題について、制限時間内に解決策を回答する面接のことをいいます。
ケース面接の目的は、採用する人材が実際現場で働くとき、顧客が抱えるあらゆる課題に対してどれだけのスキルを活かし、解決へ導くことができるかを見極めることです。
出題する内容は、主に実際のコンサルティング業務で行うビジネス経営課題や、リアルタイムの時事に関する問題などがあり、実践業務に近い形で行われます。
事前対策の例として、ケース面接に特化した専門書籍を読んだり、模擬問題で事前練習すること、コンサルティングファームに勤めるまたは詳しい人に練習相手になってもらうことが挙げられます。
ケース面接のさらに詳しい事前対策や制限時間などについてを知りたいという方は、こちらをご覧ください。
#2:英語面接
外資系コンサルティングファームや、海外とのクライアント企業をもつファームには英語面接が行われることがあります。
英語面接の目的は、クライアントとの英語でのコミュニケーションや資料作成、ファーム内のグローバルネットワークなど、業務に支障がないビジネスレベル以上の語学力があるかを見るためと言われています。
主な質問内容は自己紹介や前職の業務内容など、一般的な面接でされる事項のものもあり、英語のみでプレゼンやケース面接を行うというハイレベルな内容もあります。
対策としては、ケース面接のものと同様、語学を交えた模擬問題による練習や、語学力がある人に練習相手になってもらうことが勧められます。
(5)実務の内容や仕事の進め方を理解しておく
コンサルティングは、クライアント企業の経営方針を策定したり事業を立て直したりと、華々しく規模の大きいイメージがあります。
実際には1文字の大きさやフォントまでこだわった細かい資料作成や、データのリサーチや分析を粘り強くする作業など、地道にコツコツとした業務もあります。
転職前にコンサルタントの具体的な業務が何かを事前に理解しておき、困難な状況にあっても向上心をもって実務に取り組めるかが重要です。
また、コンサルティング業界においてはプロジェクト単位で仕事が進められることが一般的です。
プロジェクトの内容に応じ、必要なメンバーが都度招集され、約3か月~1年という期間で業務を進めていく形式になります。
ルーティンワークに捉われず、常にスケジュール管理の徹底やセルフマネジメントが求められます。
応募先の業務内容と働き方によっても異なりますが、いずれにしても入社してから後悔することのないよう、可能な限り具体的な業務内容を事前に理解しておきましょう。
(6)採用側が求める人物像に自身が合うファームを探す
コンサル業界にはさまざまな領域や企業が存在し、ファームによってカルチャーや働き方が違うことも多くあります。
そのため、コンサルであればどこでもいい!と考えるのではなく、自分に合った会社を探すことが転職において最も重要です。
しかしコンサルのファームは多数存在し、自力ですべてを調べ上げて選考を突破していくことは困難といえるでしょう。
特に未経験の場合は、どのようなファームが未経験を歓迎しているのか、また現時点での自分の能力やスキルが十分に活かせるファームはどこかなどを自己判断するのはリスクが伴います。
コンサルへの転職を目指したいと思った段階から、プロの転職エージェントに相談することが転職成功の近道です。
一般には非公開の求人や、業界・会社の内部事情にも詳しいアドバイザーが無料で相談に乗ってくれるのでぜひ活用してみましょう。
8.コンサルティング業界の人気転職先
上述したように、コンサルティング業界はファームによって事業内容や方針が異なるので、特徴を把握し、自身に適した企業を見つけることが転職成功するために重要です。
ここでは、コンサルティング業界への転職を目指す方に向けて、おすすめの転職先7社を紹介します。
それぞれのファームの特徴なども合わせて紹介するので、ぜひ転職先選びの参考にしてください。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン・コンサルティング・グループ
- ベイン・アンド・カンパニー
- KPMGコンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- デロイトトーマツコンサルティング
- PwCコンサルティング合同会社
各社の概要を読み、より詳細を知りたい方は公式サイトをご覧ください。
(1)マッキンゼー・アンド・カンパニー ジャパン
企業名 | マッキンゼー・アンド・カンパニー ジャパン |
設立年 | 1971年 |
代表者 | 岩谷 直幸 |
従業員数 | 約600名以上(グループ:約30,000名以上) |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木1丁目9番10号 アークヒルズ仙石山森タワー |
公式サイト | https://www.mckinsey.com/jp/overview |
採用サイト | https://www.mckinsey.com/jp/careers/careers-in-japan |
マッキンゼー・アンド・カンパニー ジャパンはアメリカに本社を置き、戦略コンサルタントをメインとしたサービスを提供する、世界65ヶ国に130拠点を有するグローバルファームです。
「One Firm Policy」をコンセプトとし、国籍問わずグローバル規模の案件を展開しているのが特徴です。
マッキンゼーのコンサルタントは、業界別のグループに分かれて様々な業界での専門性を高め、課題解決をサポートします。
業務を遂行する際には英語力が必須となるので、選考では外人との面接を取り入れるなど、英語力重視の方針となっています。
グローバルに活躍したい方は、チャンスをつかむことができるでしょう。
(2)ボストン・コンサルティング・グループ
企業名 | ボストン・コンサルティング・グループジャパン |
設立年 | 1966年 |
代表者(日本共同代表) | 秋地玲子、内田有希昌 |
従業員数 | 約600名(グループ:約25,000名) |
所在地 | 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町3丁目2番1号 日本橋室町三井タワー |
公式サイト | https://www.bcg.com/ja-jp/ |
採用サイト | https://careers.bcg.com/locations/japan |
ボストン・コンサルティング・グループは、世界50ヶ国以上に約100拠点に展開しているグローバル規模の経営戦略コンサルティングファームです。
世界中に進出して長期的に根付けるよう、地域面からグローバル関係性の構築を大切にしています。
実際に、進出先で公式認可を取得するなど成果を上げていると言われています。。
また、クライアントへ最高品質のサービス提供にこだわり、コンサルタントは様々な強みを持つチームに分かれて徹底的なディスカッションを行いながら業務を進めるようです。
そのため、個人の強みやチームワークを重視する傾向にあり、選考においてもディスカッションが取り入れられることが多いようです。
徹底したクライアントファースト精神とプロフェッショナリズム意識が高い環境であるため、向上心や成長意欲が高い人に適しているでしょう。
(3)ベイン・アンド・カンパニー
企業名 | ベイン・アンド・カンパニージャパン |
設立年 | 1981年 |
代表者 | Dave Michels(デイヴ マイケルズ) |
従業員数 | 約250名以上(グループ:約14,000名) |
所在地 | 〒107-6208 東京都港区赤坂9丁目7番1号 ミッドタウン・タワー8階 |
公式サイト(採用ページ含) | https://www.bain.com/ja/ |
ベイン・アンド・カンパニーは、世界39か国に64拠点を持ち、グローバル規模で業務展開を行う経営戦略コンサルティングファームです。
結果主義にこだわる傾向にあり、様々な戦略をカスタマイズし、クライアントの問題解決に徹底的に取り組む姿勢が特徴と言われています。
その姿勢の背景にある、海外オフィスとの連携によるグローバル規模のチームワーク力が強みであるようです。
業務を行う際は可能な限り上下関係をなくし、積極的なコミュニケーションを重視しています。
チームの中で主体的に活躍できるよう、オンライントレーニングなども実施されており、コンサルタントとして成長できる環境が整っています。
(4)KPMGコンサルティング
企業名 | KPMGコンサルティング |
設立年 | 2014年 |
代表者 | 宮原 正弘 |
従業員数 | 約1,420名(KPMGジャパン:約9,000名) |
所在地 | 〒100-0004 東京都千代田区大手町1丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティ サウスタワー |
公式サイト | https://kpmg.com/jp/ja/home.html |
採用サイト | https://recruit.kpmg-consulting.jp/index.html |
KPMGは、Big4(世界4大会計事務所)の一つで、143か国と地域でサービスを提供しており、世界中に26万5,000人のスタッフを擁し、監査・税務・アドバイザリーの3つの分野でサービスを提供する独立したプロフェッショナルファームです。
KPMGジャパンは日本を拠点とするKPMGのメンバーファームで、監査・税務・アドバイザリーの3つの分野における8つのプロフェッショナルファームの集大成で、KPMGコンサルティングがその一つです。
全社戦略領域、業務変革領域、IT/インフラ領域において、「中立性」「リスク観点」「グループ力」「デジタル」の4つの強みを掛け合わせることで、クライアントに寄り添ったサービスを提供しています。
コンサルティング業界未経験でも第一線で活躍しているコンサルタントが多数在籍していると言われ、それぞれの業界で培った深い知見やスキル・ご経験があれば、応募が可能のファームですので、未経験者の方はより詳しい情報を公式サイトで確認すると良いでしょう。
(5)EYストラテジー・アンド・コンサルティング
企業名 | EYストラテジー・アンド・コンサルティング |
設立年 | 2020年 |
代表者 | 近藤聡 |
従業員数 | 約3,534名(EY Japan:約10,000名) |
所在地 | 〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目1番2号 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー |
公式サイト | https://www.ey.com/ja_jp/people/ey-strategy-and-consulting |
採用サイト | https://www.eysc.jp/recruit/index.html |
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、経営コンサルティングサービスと、M&Aなどのトランザクションを支援するストラテジーアンドトランザクションサービスを提供する「EY Japan」のメンバーファームです。
EY Japanは、2017年に日本拠点とする「EY」(Big4の一つ。世界150か国以上の国と地域に約36万人以上のメンバーを擁する総合プロフェッショナルコンサルティングファーム)グループのメンバーです。
最新のテクノロジーやグローバルネットワークを駆使し、業界・業種別の専門チーム体制の組織であり、特に各業界にフォーカスしたキャリア・テクノロジー部門のキャリアや専門性を高めたいという方が多いと言われています。
(6)デロイトトーマツコンサルティング
企業名 | デロイトトーマツコンサルティング |
設立年 | 1993年 |
代表者 | 佐瀬 真人 |
従業員数 | 約4,290名(グループ:約17,000名) |
所在地 | 〒100-8361東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 丸の内二重橋ビルディング |
公式サイト | https://www2.deloitte.com/jp/ja.html |
採用サイト | https://dtccareers.tohmatsu.co.jp/ |
デロイトトーマツコンサルティングは、国内約30都市に約1万7,000名の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントする日本最大級の経営コンサルティングファームです。
Big4の1つであるデロイトトーマツグループのメンバーファームで、監査・税務・法務・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリーなどさまざまな領域のプロフェッショナルが在籍しており、その総合力と国際力が強みとなります。
その強みを活かして、あらゆる組織や機能に対応したサービスと、幅広い業界・業務に対応したサービスで、提言と戦略立案から実行まで一貫して支援します。
経験者の採用募集が多く見られますが、ポテンシャル・意欲重視傾向が強く、異業種からの転職者も多いようです。
(7)PwCコンサルティング合同会社
企業名 | PwCコンサルティング合同会社 |
設立年 | 1983年 |
代表者 | 大竹 伸明 |
従業員数 | 約2,660名(PwC Japan:約9,000名) |
所在地 | 〒100-0004 東京都千代田区大手町1丁目2番1号 Otemachi Oneタワー |
公式サイト(採用ページ含) | https://www.pwc.com/jp/ja.html |
PwC Japanとは、Big4の1つとして知られる「PwCグループ」(世界に約150カ国以上の国と28万人以上のスタッフを擁する総合コンサルティングファームファーム)の内、日本を拠点とするメンバーファームです。
PwCコンサルティング合同会社はPwC Japanの傘下にあり、経営戦略・ビジネスなどのコンサルティング各部門と、PwCグループの監査およびアシュアランス、ディールアドバイザリーなどのプロフェッショナルが結集してクライアントの課題解決にあたる総合力が強みとなっています。
(8)ユニヴィスグループ
企業名 | ユニヴィスグループ |
設立年 | 2014年 |
公式サイト | https://univis.co.jp |
採用サイト | https://univis.co.jp/recruit-site/job-description/ |
ユニヴィスグループはニューヨークにも支社を置いており、東京を拠点とする企業です。
グループ内には公認会計士や税理士、弁護士なども所属しており、法務面の観点からも手厚いサービスを提供することができます。
ユニヴィスグループでは、M&A、事業投資支援、コンサルティングの3つを一体となってクライアントに提供しているので、高い専門性を持つことができ、さらなるキャリアアップが期待できるでしょう。
まとめ
コンサルティング業界での仕事は、求められる能力やスキルも高い一方で、高い年収ややりがいを強く感じられる魅力的な職業です。
業界未経験での転職の挑戦は困難ではないかと躊躇してしまう人も多いでしょう。
しかし上述したとおり、コンサルティング業界に関する基礎知識や業界事情のほか、転職における条件やポイントをしっかり押さえて選考に臨めば、成功する可能性は大いにあります。
ぜひコンサルティング業界を目指すために今からすべきことを整理して、新しい未来へ一歩踏みだしてみてください。
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