【高学歴は必要?】BIG4コンサルへの転職時の学歴を徹底解説
「BIG4コンサルは高学歴エリートしか入れない?」
「BIG4コンサルの転職に学歴はどれくらい重要?」
コンサル業界のトップファームといえば、全コンサルタントの憧れともいえるBIG4コンサルです。
世界規模のコンサルティングファームとして絶大なブランド力と人気を誇るBIG4はどこもハイレベルであることで知られていますが、転職の際に学歴が気になる方も多いでしょう。
そこでここでは、転職時の『学歴』の重要度を中心に、BIG4コンサル転職成功者の学歴やBIG4コンサルへの転職で有利になる7つのアピールポイントを解説します。
ご自身の『学歴』がネックとなってBIG4コンサルへのチャレンジを迷っている方はぜひ参考にしてください。
1.BIG4コンサルへの転職に学歴は求められるか
コンサル業界のトップファームであるBIG4の中途採用の条件に学歴が求められているかを実際のキャリア採用情報や現状を見てみましょう。
- BIG4コンサルの中途採用の条件
- BIG4コンサル転職成功者の学歴
コンサル業界の最高峰といわれるBIG4へ転職できるのは高学歴の人だけであろうというイメージが強いのですが、実はそうでもありません。
まずはBIG4コンサルが転職者に求める学歴の条件や実際に成功している転職者の学歴を解説します。
(1)BIG4コンサルの中途採用の条件
BIG4コンサルの中途採用の条件に『学歴』が求められているかを実際の採用情報を見てみましょう。
会社名 | 応募条件・応募資格 | 公式採用サイト |
デロイト トーマツ コンサルティング | 学歴の記載なし | https://dtccareers.tohmatsu.co.jp/ |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 学歴の記載なし | https://www.eysc.jp/recruit/career/ |
KPMGコンサルティング | 学歴の記載なし | https://recruit.kpmg-consulting.jp/job/mid_career_recruit/ |
PwCコンサルティング合同会社 | 学歴の記載なし | https://www.pwc.com/jp/ja/careers/mid-career-c.html |
上記の通り、BIG4での中途採用条件には『学歴』に関する条件は明記されていないようです。
(2)BIG4コンサル転職成功者の学歴
BIG4コンサルが発表している募集要項には『学歴』条項はありませんでしたが、実際にBIG4コンサルへ転職した人の学歴を見てみると、一定以上の学歴のある人が多いことがわかります。
学歴 | 割合 |
海外大卒 | 5~15% |
国立超難関大学(東大・京大・一橋・東工大・旧帝大など) | 10~20% |
私立難関大学(早稲田・慶応・上智・ICUなど) | 40~50% |
MARCH(明治・青山・立教・中央・法政など) | 10~20% |
MARCH未満 | 5%以下 |
どのBIG4コンサルも採用条件に『高学歴であること』は入っていませんが、上記の数字を見るとBIG4コンサルへの転職に際してはある程度の学歴フィルターは存在するかのようにみえます。
その背景として、高収入を得られることで有名なコンサル業界には優秀な人材が集まりやすく、特に転職者の人気が集中するBIG4コンサルでは多くの応募者を書類選考時点でふるいにかける必要があることが考えられます。
コンサルタントとしての優秀さや成長性はもちろん『学歴』のみで判断できるものではありませんが、論理的思考や数値処理の能力、専門知識、対人感性力等の様々な能力が求められるコンサルタントの業務をこなすために、地頭の良さや集中力、目標をクリアするための努力ができる力があることは不可欠です。
その結果、採用基準の1つとして”優秀な人材かどうか”を客観的に判断しやすい学歴をみていることが考えられます。
このような背景からBIG4コンサルへの転職に『有名大卒』などの高学歴の肩書が書類選考時点で有利に働く面があるのは否めません。
しかし、BIG4コンサルへの転職に高学歴が絶対に必要なのかというと、そのような訳でもなく、『学歴』が意味を成すのは書類選考時点だけのことであり、しかも『学歴』よりももっと重視される履歴書のポイントは他にあるので、学歴が低いというだけでBIG4コンサルへのチャレンジを諦める必要は全くありません。
2.BIG4コンサルへの転職者に高学歴が多いのは事実だがそれが全てではない
BIG4コンサルへの転職成功者の学歴を見ると高学歴が必須条件のように見えますが、実はそうではありません。
BIG4コンサル転職成功者の出身大学を見てみると東大・京大をはじめとした超難関大学出身者が確かに多いのですが、最近はコンサル業界の変化により中途採用者の学歴についても変化が起こっているようです。
コロナ禍や事業継承問題などの影響によるコンサルタント業務の急激な増加を受けて、BIG4コンサルでも現場のコンサルタントの人手不足が問題視され、各社揃って即戦力となる中途採用を積極的に行っています。
同時に、クライアント企業から現場理解度の高いコンサルタントによるコンサルティングがより求められるようになり、規模や業界を問わず様々な実務経験者の採用ニーズも高まっています。
それらを背景に、誰もが知る超有名大卒の人材だけでなく、中堅私立大学や地方国立大学クラスでも学歴が不利に働くことはなくなりつつあり、採用される人の出身大学の幅も広がっているようです。
また、必ずしも『高学歴=優秀なコンサルタント』とは言えないという認識がコンサル業界で高まっており、実際に「超一流大学卒業」の肩書があっても採用されず苦戦するケースもあるようです。
高学歴でも不採用になる人がいる一方で、学歴に自信がなくても魅力的なスキルやキャリアや人間性・入念な対策等によってBIG4の厳しい選考突破できる可能性も十分にあります。
新卒学生の採用とは異なり、転職者が書類面接でチェックされるのは『学歴』だけではなく、どちらかといえば『学歴』よりも「これまで何をしてきたか」「どんな実績を残してきたか」「入社したらどんな貢献をしてくれそうか」などのその人独自の経歴や資格やスキルに比重が置かれることが多いようです。
このように『学歴』はあくまで転職の際の武器の1つではありますが絶対的な条件ではなく、あくまでも本人の能力・魅力次第といえるでしょう。
ただ、エリート層の応募が多いBIG4コンサルへの転職を有利に進めるために、『学歴』以外にできるだけ多くの武器(アピールポイント)を備えておくことが重要です。
3.BIG4コンサルへの転職で有利になる7つのアピールポイント
ここからは、BIG4コンサルへの転職の際に高く評価される7つのアピールポイントを解説していきます。
- コンサル・法人営業などの経験
- コミュニケーション能力
- 高い語学力
- 情報収集能力・アップデート力
- 精神的・肉体的タフさ
- 熱意
- 資格と実務経験
BIG4コンサルへの転職に際し『学歴』は1つの目安であり、それだけで採用が決まるわけではありません。
過去には高学歴の応募者ばかりがが採用される時期もありましたが、現在はコンサルタントの現場の人材不足やコンサル業務の多角化や複雑化により、学歴よりもその人の素質や経験、ポテンシャルを見込んで採用を行う傾向にあります。
学歴への不安がある人は、コンサルティング業界で評価される以下の経験・スキル等を身につけて自分の付加価値・市場価値を上げ、『学歴』以上に強いアピール力を身につけて採用の確率を上げていきましょう。
(1)コンサル・法人営業などの経験
1つ目の有利になるアピールポイントは、コンサル・法人営業などの経験です。
現在、コロナ禍を経た日本では新規事業の開拓や事業承継問題、海外進出など様々な問題を抱える企業の増加によってコンサル現場での人手不足が慢性化しており、即戦力となる中途採用を積極的に行っています。
BIG4コンサルも同様で、必須の採用条件としてコンサルティング経験や事業会社での法人営業の経験を挙げているところもあり、実際に経験したコンサルティングや法人営業のエピソードは面接時の強いアピールポイントとなります。
現在、BIG4コンサルが求める職歴や経験が無い方はいきなりBIG4コンサルを目指すのではなく、まずは別のコンサルティングファームや金融機関・一般企業などの事業会社で経験を積んで力を蓄えるのもひとつの手段です。
最終的にはBIG4コンサルへの転職を目指すとして、まずはコンサルティング経験・法人の営業経験を積むことを優先させ、着実なキャリアアップを図るのが有効です。
(2)コミュニケーション能力
2つ目の有利になるアピールポイントは、コミュニケーション能力です。
クライアント企業をサポートするコンサルティングファームの業務において、財務・経営などのコンサルに関する専門知識やクライアントの業界に関する専門知識と同じく高いレベルで必要となるのがコミュニケーション能力です。
企業の経営戦略等のコンサルティング業務において、いくら有益な提案を行ってもクライアントに信用・信頼されていなければ受け入れられる可能性は大きく下がり、適切なコンサルティングを行うことはできません。
特にコンサルタントが対面するのは人を見極める力が高い経営者層であり、その人達と円滑な関係を築き信頼を得るには、誠実な人間性はもちろんのこと、論理的に話す能力や時と場に合った適切な会話力など高いコミュニケーション能力が必要となります。
また、大きなプロジェクトに携わることの多いBIG4コンサルではその都度チームを組成して取り組むことになりますが、その際に同じチームのメンバーとのスムーズなコミュニケーションをとることもプロジェクトの成功のためには欠かせません。
仕事に関連する多くの人たちと良い関係を築く力が低ければ、いくら優れたスキルや経験があってもクライアントのために活かすことはできず、有益な提案も「絵に描いた餅」で終わってしまいます。
そのため、企業のトップクラスやメンバー等コンサルの仕事に関連する人たちに信頼され良い関係を築ける高いコミュニケーション能力や人間的な魅力のある人材はBIG4コンサルでも高く評価されます。
コミュニケーション能力は聞く力と話す力、そして共感力が不可欠であり、これらは日常的に意識しながらトレーニングすることで高めることが可能です。
まずは面接官に好印象をもってもらえるような高いコミュニケーション能力を鍛えて備えるようにしましょう。
(3)高い語学力
3つ目の有利になるアピールポイントは、高い語学力です。
世界中に展開しているBIG4コンサルで取り扱うのは海外案件などの大規模な案件も多く、クライアントが海外企業であることも多くなっています。
グローバルプロジェクトでは当然のことながら業務は英語でのやりとりになりますし、国内メンバーだけでなくクライアント企業の国・エリアにあるグループ拠点・オフィスのメンバーと協同して業務に当たる際も、コミュニケーションは日本語とは限りません。
また、近年は国内企業の海外進出を取り扱う案件も増えているため、「挨拶」「電話」「メール」「書類作成」「会議」「交渉」「プレゼンテーション」の場でビジネスレベルの英会話力は必須条件となっています。
実際、BIG4コンサルではTOEIC860点以上の語学力の高い人材は高評価されますし、中途採用の採用条件に語学力を設けているところもあります。
語学力は日常レベルでも可というファームもありますが、グローバルプロジェクトに携わることの多いBIG4では語学力が高いに越したことはありません。
ぜひ少しでも語学力を鍛えて転職時に有効なアピールポイントを増やしましょう。
(4)情報収集能力・アップデート力
4つ目の有利になるアピールポイントは、情報収集能力・アップデート力です。
コロナ禍を経て、日本だけでなく世界中のあらゆる業界で旧来のビジネスモデルが変容・崩壊しつつある今、コンサル業務にも大きな変化が表れています。
例えば、IT・DX分野でのコンサルティングの増加、環境問題(SDGs)や企業の社会的責任(CSR)に関するコンサルティングの増加など新たな分野でのコンサルティング依頼が増えており、従来のコンサルティング業界で当たり前であった価値観や情報や手法ではクライアント企業が「今」抱えている課題の解決を適切にサポートすることはできなくなってきています。
特に大手企業や海外企業をクライアントに抱えるBIG4コンサルは変革の最前線にいるといっても過言ではなく、現状を把握しつつも国内外・業界の最新の情報やテクノロジーを取り入れた先を読んだ高品質なサービスを求められることになります。
そのため、既存の価値観や先入観を取り払い、常に好奇心や向上心を持って新しい仕組みやテクノロジー等の最先端の情報を積極的に取り入れる強い知的好奇心や情報収集能力、それらを吸収して成長するアップデート力を持つ人材は高く評価されます。
BIG4コンサルは入社するのも難しいのですが、レベルが高いため入社後に活躍し続けるのも難しいといわれています。
BIG4コンサル入社後も自己研鑽を欠かさず、アンテナを広げて常に努力を続けることができることも大きなアピールポイントとなります。
(5)精神的・肉体的タフさ
5つ目の有利になるアピールポイントは、精神的・肉体的なタフさです。
BIG4コンサルは実力主義の傾向が強く、「昇進するか、さもなくば退職するか」という「Up or Out」の文化も根強いため、仕事では常にバリューを出すことを求められます。
また、周囲には優秀な人材が多いためコンサルタントとしての成長機会が多い反面、その中で成果を出し続けるには精神的なタフさが必要です。
最近はBIG4コンサルも残業や休日出勤を減らすなど勤務時間の短縮や労働環境の改善に力を入れていますが、やはりプロジェクトが忙しい時や複数抱えている時には激務になることもあることから肉体的なタフさも求められます。
コンサルティングファームの離職率は約20%程度といわれていますが、採用コストを考えれば、業務をする中でプレッシャーやストレスを感じてすぐに辞めてしまいそうな人よりも「厳しい環境だからこそ逆にやる気とモチベーションが上がる」などのように長く勤められそうな人材が求められると考えられます。
上記のような理由もあり、「タフ」であることはコンサルタントとして好印象を与える要素の1つです。
学生時代や前職の経験などを踏まえてタフさをアピールすることで、BIG4コンサルにとって魅力的な人材であることを伝えましょう。
(6)熱意
6つ目の有利になるアピールポイントは、熱意です。
知的でエリート、高ステータスで高年収のイメージがあるコンサルは転職市場でも人気がありますが、中でも業界トップのBIG4コンサルはひときわ人気が高く、優秀な人材がこぞって応募しています。
そんな中でより自分を強くアピールするのに欠かせないのが、コンサルタントの仕事への熱意と言われています。
熱意というと漠然としているように思いますが、実は面接通過率を飛躍的に上げる大事な要素の1つと言われています。
熱意のある人材は職場のモチベーションや雰囲気を高めてくれたり、率先して業務を引き受けてくれるなど”ファームに貢献してくれる人材”として面接官に映り、高い評価を得ることができます。
また、コンサルタントの仕事は結局は「人と人」であるため、クライアント企業のトップ層の心を最終的に動かすのは理論や理想ではなく、「この会社を良くしたい」「問題を解決したい」というコンサルタントの熱意であることも少なくありません。
このように、仕事に対して熱意のある人材はファーム側にもクライアント側にも大きな財産となります。
コンサルの仕事はクライアント企業の今・未来を大きく左右する仕事であるため、責任が重大である反面、強い熱意を持って取り組むことで大きな成果を得られる仕事です。
そのため、仕事にかける熱意を強くアピールすることも転職の成功には欠かせないといえるでしょう。
(7)資格と実務経験
7つ目の有利になるアピールポイントは、資格と、その資格に関する実務経験です。
保有する資格は『学歴』と同様に書類選考段階でチェックされ有力なアピールポイントとなるため、『学歴』が霞んでしまうくらいのハイレベルな資格を取得しておくのも効果的です。
- 公認会計士
- 税理士
- 中小企業診断士
- 弁護士
- MBA(経営学修士)
- PMP(Project Management Professional) など
最近の大手コンサルでは、一人のコンサルタントが案件を一気通貫で行うのではなく、フェーズや領域や業種ごとに分業して業務効率化を計るファームが増えており、より専門的な知識を持つ有資格者を採用の条件としている求人も多いです。
会計・財務・法律などコンサルに関連する業務に必要な資格は保有しているだけでも有効なアピールポイントとなりますが、現場では「知識がある」だけでは役に立たないこともあります。
そのため、保有する資格をさらに強いアピールポイントにするには、その資格を活かした実務経験が必要です。
実践力・実行力を伴った資格保有者はBIG4でも高く評価されるので、資格を持っている人はそれを活かした業務経験をアピールするとよいでしょう。
まとめ
コンサル業界の最高峰であるBIG4コンサルへの転職に『学歴』は必要なのか、『学歴』以外で転職の際に有効となるアピールポイントは何かについて解説しました。
BIG4コンサルは以前は明らかに高学歴といえるような応募者ばかりが採用される傾向にありましたが、採用拡大や業界の変革や現場でのニーズが変化している今、転職成功者の出身大学の幅が以前よりも広がり多様化しているのが現状です。
そのため、転職に際して自分をアピールするための一つのカードとなりうる『学歴』というカードを持っていない人でも、それを上回る能力や経験、熱意やポテンシャルを示すことができればBIG4コンサルでの採用も難しくありません。
大事なことは、BIG4コンサル側が「この人と働きたい」「この人なら会社に貢献してくれそう」と思うような強いアピール力を持つカードを増やすことです。
『学歴』は今から変えることは簡単ではありませんが、経験やスキルは今からでも十分に高めていくことはできます。
ぜひ、今自分ができることを行って手持ちのカードを増やし、全コンサルタントの憧れBIG4コンサルにチャレンジしましょう。
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