四大監査法人ランキング!監査法人に転職する3つのコツとキャリアプラン
「監査法人で人気の会社ってどこなの?」
「監査法人で大手企業はどんな特徴があるの?」
監査法人を中心に転職先を探している人の中には、どこの会社がよいのか検討がつかなくて困っている人も多いのではないでしょうか。
実は、監査法人には特に人気が高い四大監査法人があり、会社によってさまざまな特徴があるのです!
本記事では、四大監査法人のランキングや特徴、転職のコツについて紹介します。
この記事を読めば、監査法人にどのような会社が存在するのか理解し、自分に合った会社がどこなのか探すことができますよ!
1.四大監査法人の総合ランキング
四大監査法人の総合ランキングを紹介します。
四大監査法人は、有限責任あずさ監査法人、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、PwCあらた有限責任監査法人の4社です。
今回は以下の5つの項目に注目しました。
- 売上高
- 社員数
- クライアント数
- 平均年収
- 時価総額
表にまとめたので、四大監査法人の位置関係を確認してみましょう。
有限責任あずさ監査法人 | EY新日本有限責任監査法人 | 有限責任監査法人トーマツ | PwCあらた有限責任監査法人 | |
---|---|---|---|---|
売上高 | 2位(105,281百万円) | 3位(104,037百万円) | 1位(123,676百万円) | 4位(54,856百万円) |
社員数 | 2位(6,173人) | 3位(5,686人) | 1位(7,005人) | 4位(3,008人) |
クライアント数 | 2位(3,638社) | 1位(3,681社) | 3位(3,232社) | 4位(1,158社) |
平均年収 | 4位(763万円) | 3位(770万円) | 2位(806万円) | 1位(810万円) |
時価総額 | 2位(1,980,352億円) | 3位(1,400,162億円) | 1位(2,028,768億円) | 4位(807,182億円) |
売上高や社員数、時価総額で断トツなのが有限責任監査法人トーマツですが、平均年収が一番高いのは、他の項目では全て4位のPwCあらた有限責任監査法人でした。
PwCあらた有限責任監査法人は監査部門以外で、コンサルティングやアドバイザリー関係の業務にも力を入れており、非監査部門は報酬が高いため、給与水準は一番高くなるのです。
四大監査法人への転職を検討している人は、これらの数字を参考に転職先を探してみてください。
2.四大監査法人の特徴
四大監査法人の各社の特徴を紹介します。
紹介する会社は、以下の順です。
順に紹介するので、会社ごとの特徴を押さえて、自分とどこが一番マッチしているか考えてみましょう。
(1)有限責任あずさ監査法人
有限責任あずさ監査法人は、全国主要都市に約6,000名の人員を揃えており、監査や保証業務、IFRSアドバイザリー、アカウンティングアドバイザリー、金融関連アドバイザリー、IT関連アドバイザリー、企業成長支援アドバイザリーを提供しています。
1969年7月に朝日会計会社として設立された後、新和監査法人や井上斎藤英和監査法人と2度の合併を行い、2003年4月にKPMGのメンバーファームに正式加入し、2010年7月に有限責任監査法人になりました。
あずさ監査法人は、複雑な課題を有するクライアントや社会に対して価値ある監査・アドバイザリーサービスを提供し、グローバルな視点からクライアントをサポートする会社です。
高い信頼と品質の充実を重視しており、専門性の高いサービスを提供する体制を整えていることから、語学力など高いスキルを保有している人におすすめします。
四大監査法人の中でも安定した実績を保有しており、仕事の充実度が高いといえるでしょう。
(2)EY新日本有限責任監査法人
EY新日本有限責任監査法人は、監査および保証業務を中心に、アドバイザリーサービスなどを提供している会社です。
日本初の監査法人大田哲三事務所と昭和監査法人が合併してできた大田昭和監査法人を前身としており、多くの監査法人と合併を繰り返し、2001年に新日本監査法人に改称しました。
2008年には日本最初の有限責任監査法人となり、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッド(EY)のメンバーファームの一員として活動しています。
社会に貢献する監査法人を目指しており、法人運営の透明性の確保と監査品質の向上を重視しているのが特徴的です。
特に監査業務等のアシュアランスサービスやアドバイザリーサービスに力を入れています。
クライアント数が四大監査法人の中でもトップなので、さまざまな業務に携わりたい人におすすめです。
(3)有限責任監査法人トーマツ
有限責任監査法人トーマツは、デロイト トウシュ トーマツと提携しているデトロイトトーマツグループの会社です。
1968年に日本初の全国規模の監査法人として設立しました。
複数の監査法人会計事務所などが合同で設立し、1969年に等松・青木監査法人へと名称を変更し、2009年に有限責任監査法人となったのです。
監査法人として日本の資本市場の信頼性を確保し、その発展に貢献するという社会的使命を持っています。
また、日本経済と企業の発展に貢献するために、品質を重視する文化を堅持しつつ、最大の価値を提供することへの意識が強いのが特徴です。
売上高や社員数、時価総額が四大監査法人の中でトップなので、監査法人の中で最も規模が大きい企業で働きたい人は転職を検討してみてください。
(4)PwCあらた有限責任監査法人
PwCあらた有限責任監査法人は、卓越したプロフェッショナルサービスとしての監査を提供することをミッションにしている会社です。
2006年6月にPWC(プライスウォーターハウスクーパース)のメンバーファームとして設立した後、2015年7月にPWCあらた監査法人に法人名称を変更し、翌年の2016年7月に有限責任監査法人に変わりました。
世界最大級の会計事務所であるPwCの手法と実務を日本の市場環境に適した形で提供しているのが特徴で、従業員全員が品質向上のために常に当事者意識を心がけています。
四大監査法人の中では売上や従業員数などの規模は最も低いですが、給与水準は最も高いので、収入面を第一に考えたい人は、PwCあらた有限責任監査法人への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
3.監査法人に転職する3つのコツ
監査法人に転職するコツを紹介します。
特に押さえておくべきコツは以下の3つです。
順に紹介するので、四大監査法人に転職したい人は参考にしてみてください。
(1)若い内から転職する
大手の監査法人に転職したいのであれば、なるべく早い時期から転職活動に移ることをおすすめします。
公認会計士の資格を取得した人や監査法人で3~4年実務経験を積んだ人は、監査法人への転職を決めたときから転職活動に移行しましょう。
監査法人はキャリアを早くスタートさせた分だけ、早く年収アップが期待できる業界です。
実際に、20代後半が最も会計士の転職が多い傾向があります。
監査法人は、若い内から年収アップが狙えるので、特に四大監査法人に転職を希望している人は、遅くても30代前半までには転職することが重要です。
(2)閑散期を狙う
転職活動は閑散期に行うことをおすすめします。
12月の年末や新年度の4~5月は繁忙期に入り、この時期になると監査法人は採用活動に消極的になりがちです。
繁忙期に就職しても忙しい中キャリアをスタートさせることになるので、歓迎ムードをあまり感じられず、窮屈さを感じるかもしれません。
閑散期は監査法人の業務も落ち着いており、職場内の歓迎ムードが高まり、引継ぎや教育に時間が割かれるため、精神的にも働きやすくなるでしょう。
特に6~11月がおすすめの時期で、次の繁忙期に備えて監査法人の採用活動が活発になります。
今すぐに転職しなければならない人は転職活動時期を選べないかもしれませんが、転職活動に余裕がある人は、6~11月に合わせて転職活動をスタートさせるとよいでしょう。
なお、監査法人によっては、新年度や修了考査合格発表に合わせて採用活動を行う企業もあります。
公認会計士の資格を取得してすぐに監査法人で働きたい人は、4月に採用活動を行っている監査法人を探してみましょう。
(3)キャリアプランを考えておく
面接の合格率を高めるために、キャリアプランを考えておきましょう。
キャリアプランは、将来自分がどんな段階を踏んで働きたいかを計画することです。
面接を通過するためには、面接官に採用したいと思わせることが重要で、そのためには会社にとって自分を採用することでどのような働きが期待できるのかを示す必要があります。
将来を見据えたキャリアプランを提示することで、自分が未来を見据えた働き方ができることをアピールすることが可能です。
将来を見据えた明確な目標を持つことで、面接の応答の説得力が増すので、面接官に対して強く印象付けることができるでしょう。
なお、キャリアプランは具体的なものであれば何でもよく、30代の内にマネージャーに昇格し年収1,000万円を目指すなどでもかまいません。
面接では自分が未来を見据えて行動できることをアピールできればOKです。
4.監査法人のその後のキャリアパス
監査法人に転職した後のキャリアパスについて紹介します。
大手監査法人の場合は、4年ごとに役職が用意されるのが一般的です。
最初はスタッフからキャリアをスタートさせ、次にシニアスタッフ、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーの順に昇格していきます。
スタッフとシニアスタッフは現場の実務がメインで、しっかりキャリアを積むことでマネージャーに昇進することが可能です。
ただし、マネージャーから上の役職になると昇格のハードルが高くなります。
マネージャー以降は、組織をまとめ上げるマネジメント力が求められ、関わる人数が多くなるためコミュニケーション力が求められるのです。
会計士としてのスキルはもちろんのこと、対人スキルも必要になるので、シニアマネージャー以降の昇格を目指したい人は、コミュニケーション力の向上が求められるでしょう。
なお、以下の表に役職ごとの平均年収と昇格までの期間の目安をまとめているので、あわせてご覧ください。
役職 | 平均年収 | 昇格スピード(目安) |
---|---|---|
スタッフ | 450~650万円 | 1~4年目 |
シニアスタッフ | 600~850万円 | 5~8年目 |
マネージャー | 1,000万円程度 | 9~12年目 |
シニアマネージャー | 1,000~1,300万円 | 13~16年目 |
パートナー | 1,500万円~ | 17年目~ |
まとめ
監査法人にはさまざまな会社がありますが、特に四大監査法人は規模が大きく、高収入が期待できます。
企業ごとに特徴は異なるため、自分に合った監査法人を選ぶことが重要です。
今回紹介したランキングや特徴、転職のコツを参考にして、自分に一番マッチする監査法人を探し、転職活動に取り組みましょう。
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