世界的コンサルティング会社『A.T.カーニー』の事業内容や転職情報を紹介！

「A.T.カーニーとはどのような会社？」
「A.T.カーニーの会社概要や中途採用の情報について知りたい」

経営コンサルティングへの転職を考えた際、A.T.カーニーについて詳しく知りたいと思う人も多いでしょう。

A.T.カーニーとは高度な専門性や目に見える成果の実現、顧客企業との密接な協働作業を最大の強みとし、63の拠点を有して質の高いサービスを提供している、世界有数の経営コンサルティング会社です。

本記事では、経営コンサルティングに転職を考えている人に向けて、A.T.カーニーの企業概要や転職した際の待遇、中途採用情報について解説していきます。

世界でも日本においても経営コンサルティング業界をリードするA.T.カーニーへの転職をお考えの人は、ぜひご覧ください。

１．A.T.カーニー株式会社の概要

経営コンサルティングを事業とする企業の中でも、大手企業として名を連ねるA.T.カーニーは、1926年にアメリカのシカゴを拠点に設立されました。

アジア最初の拠点となる日本での開設は1972年で、現在では従業員を約200名抱えています。

A.T.カーニーの概要について、以下で詳しく見ていきましょう。

（１）A.T.カーニーの歴史

A.T. カーニーは1926年に世界三大コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーが分裂したことをきっかけに、シカゴオフィスを率いたアンドリュー・トム・カーニー氏が設立しました。

常に世界の経済・産業と歩みをともにしており、1930年代のUSスチールの近代化、統一後の旧東ドイツや東欧国営企業の民営化など、さまざまな支援を行ってきたことが特徴です。

また宅急便市場を開拓したフェデラル・エクスプレス（FedEx/フェデックス）のアドバイザーを務めたことから、オペレーション分野でフェデックスの成長に貢献してきました。

あらゆる主要産業分野の大手企業や政府系機関等を中心顧客とし、一貫した高品質のサービスを提供しており、日本でも1972年のオフィス開設以来、金融、通信、ハイテク、自動車、消費財・小売をはじめとする幅広い分野において、活発な活動を行っています。

（２）A.T.カーニーの強み

A.T.カーニーは「目に見える成果(Tangible Result)」に拘りをもっており、クライアントに対する戦略策定だけでなく、オペレーション支援の実行にこだわりを持ち、あくまで結果を追求していくという一貫したスタイルからくるブレないサービス提供を強みとしています。

クライアントの9割が日本企業で構成されていることも特徴で、クライアント企業との事業創造と変革、グローバル・日本の社会課題の解決を通じて、『日本を変える、世界が変わる』の実現に向けて、よりいっそう謙虚かつ大胆に取り組むことが目標です。

この結果を追求していくスタイルが認められ、オペレーションに強い会社として信頼されたことで、8割という驚異的なリピート率を誇っています。

働く環境を見直す社内プロジェクトが実施された結果、コンサルタントの定着率が徐々に高まってきており、多くの経験を積んだコンサルタントが在籍していることも、今後強みのひとつとなっていくことでしょう。

（３）A.T.カーニーの事業内容

A.T.カーニーは企業の悩みを解決し、専門的な視点から解決策を提案する経営コンサルティングがメイン事業です。

A.T.カーニーではプラクティスと呼ばれる業種・サービス別の専門グループを持ち、各グループのメンバーが知見や最新情報を共有することで、クライアントへの高い価値の提供に努めています。

例えば自動車・モビリティでは産業自体が進化を続けている自動車産業でクライアントが機敏に活躍できるよう支援を行い、化学では世界中の化学企業に対し、市場参入や事業戦略、サプライチェーンの最適化など広範な課題に取り組み、常に短期的な成果ならびに持続可能な結果を提供しています。

サービスプラクティスの調達では企業の調達パフォーマンスの改善やコスト削減策から長期的成長および価値創出など成果をもたらす支援を行ったり、M&Aでは戦略開発からデューデリジェンス、統合の実行など顧客の価値を最大に引き出せるよう支援を行ったりが仕事です。

A.T.カーニーでは実際に業界別プラクティスとサービスプラクティスが連携を取りながらプロジェクトの成果が最大になるよう取り組んでいます。

２．A.T.カーニーの待遇

A.T.カーニーの概要について理解したところで、実際に入社したあとの待遇について見ていきましょう。

A.T.カーニーはダイヤモンドとOpenworkが共同調査した「社員からの評価が高い企業ランキング」にて、総合評価ランキング1位に輝いています。

（引用：DIAMOND online「社員からの評価が高い企業ランキング2020【全50位・完全版】」）

今から紹介する待遇面においても社員の評価を得る部分がたくさんありますので、ぜひチェックしてみてください。

（１）A.T.カーニーの平均年収

外資系就職活動メディアの調査によると、A.T. カーニー の平均年収は1,660万円といわれています。

上記は他の代表的なコンサルティングファームの平均年収を比較したものです。

表を見るとA.T.カーニーの平均年収は外資系コンサルの中でも平均かそれ以上を誇っています。

ただしA.T.カーニーをはじめとする外資系コンサルティングファームでは「Up or Out（＝昇進できなければ退職する）」を採用しており、同一のファームに10年以上残れる人は稀なようです。

目先の年収だけではなく様々な観点から転職活動を進めていくのがおすすめです。

（２）福利厚生

外資系コンサルティングファームには福利厚生が少ないこともありますが、A.T.カーニーはさまざまな福利厚生が用意されています。

育児休暇や産休の福利厚生があることは、女性のコンサルタントにとっても嬉しいものでしょう。

日本で経験を積んだあとは海外支社で活躍したいと野心を持つ人にもトランスファー制度を利用できるようになっています。

（３）キャリアパス

A.T.カーニーでは5つの職位を設定し明確なキャリアパスを提供しており、前職の経験やキャリアによって、始めのポジションが決定され、能力の向上に合わせて昇進していく仕組みを持っています。

それぞれの役割について順に見ていきましょう。

＃１：ビジネスアナリスト/シニア・ビジネスアナリスト

新卒や第二新卒の場合は、ビジネスアナリスト/シニア・ビジネスアナリストとしてスタートします。

ビジネスアナリスト/シニア・ビジネスアナリストの仕事内容は「他社事例の調査」「アンケート等の分析」「インタビューの実施」「スライド単位での資料作成」などです。

年収はビジネスアナリストで600万〜800万、シニア・ビジネスアナリストで800万〜1,000万と高額ですが、その分感動品質・世界水準の仕事に求められる本物の基礎能力の高さの理解と習得に向けた「自発的な行動」が求められます。

多種多様なインプット、定性・定量分析のプロセス、アウトプットの「圧倒的なスピードと正確性の両立」を実現し、クライアント企業にとっての付加価値の提供及 び、付加価値の提供方法を多様化していくことが期待される職位です。

＃２：アソシエイト

A.T.カーニーでビジネスアナリスト/シニア・ビジネスアナリストを4〜6年ほど経験すると、アソシエイトに昇格します。

アソシエイトとはマネージャーの指揮下でプロジェクトを遂行する役割を持ち、自らの判断に基づき必要な情報収集や分析、提言を行う職位です。

平均年収は1,300万〜1,700万ほどとなっており、日本の年収の中央値437万円を大きく超えていることがわかります。（引用：厚生労働省「2020年家計調査」）

現状・問題の把握、本質的な課題の設定、課題解決策の特定、解決策の実行に関わる本物の基礎能力を有する高度なプロフェッショナルが求められます。

＃３：マネージャー

アソシエイトを2〜3年経験したあとは、プロジェクトマネジメントの責任者であるマネージャーに昇格します。

マネージャーは顧客開拓やリレーションマネジメントに貢献し、知財開発、人材の採用・教育等、内部管理における活動も期待される職位です。

プロジェクト達成のため重大な責任を伴いますが、その分得られる報酬は多く、平均年収は1,700万〜2,000万ほどとなっています。

入社時にビジネスアナリストとしてキャリアをスタートさせた場合、順調にいけばマネージャーになるまでに6〜9年ほどですが、マネージャーという職位はコンサルタントを志す人にとって最初の目標となるタイトルです。

＃４：プリンシパル

マネージャーの次は、プリンシパルに昇格します。

プリンシパルはプロジェクト全体のディレクションを担当し、納品物の向上やチームメンバーを教育することを役割としている職位です。

業界軸やテーマ軸などでのビジネス領域の高い専門性を土台に、テクノロジーやクリエイティブ領域の専門性も蓄積しているため、多くの知識と経験を積んだ人が昇格の対象となるでしょう。

A.T.カーニーの利益に直結する仕事であることから非常に重い責任を負う職種で、年収も3,000万円以上にのぼるといわれています。

＃５：パートナー

パートナーはプロジェクトの最終責任者として大きな責任を持つ職位です。

クライアント企業や社会の未来を形作るリーダーの方々にとっての「The most admired firm」(最も評価され、信頼される コンサルティング会社)を築くことが期待されています。

平均年収は5,000万円以上といわれており、活躍次第では年収1億円も十分可能です。

３．A.T.カーニーへの転職は業界未経験でも可能？

ここまでA.T.カーニーの概要について読んできて転職へ前向きになった人の中では、コンサルティング業界未経験者はA.T.カーニーへの中途採用の応募資格が無いのではないかと心配になる人もいるのではないでしょうか。

実はA.T.カーニーへの転職は業界未経験者でも可能です。

A.T.カーニーへの転職はコンサルティングファームでの経験の有無ではなく、これまでのキャリアの中で直面した仕事や会社、業界のさまざまな問題に対して、どのように考え、どのようにその問題を解決してきたか、何を発見できたのかが重要視されます。

業界経験を問われないため、A.T.カーニーで働く人の前職は上記のように多岐に渡ります。

A.T.カーニーへの転職に興味を持った人は、ぜひ中途採用情報についてもチェックしてみてください。

４．A.T.カーニーの中途採用情報

A.T.カーニーへの転職に興味が出てきた人に向けて、中途採用事情を紹介します。

以下で見ていきましょう。

（１）転職事情

A.T.カーニーは年に5〜10人ほど新規採用を行っていますが短期間で退職してしまう人もいるため、通年中途採用を行っています。

しかし一度の採用数が少ない上に転職希望者には実力者も多く、競争率は高いといえるでしょう。

自分の力をアピールして転職を成功させるためにはほかの転職希望者に差をつけられるスキルや経験を身に着け、A.T.カーニーの内部の人に直接相対する面接の場でアピールできるかどうかが重要です。

（２）募集職種

現在A.T.カーニーで募集しているのは経営戦略コンサルタントとしての以下3つの職種です。

どの職位でスタートするかは、実務経験やキャリア等で決まるようです。

新卒や第二新卒で入社した場合はアナリストからのスタートが多いですが、新人でも課題解決のためのアイデアや意見を積極的に出していくことが求められます。

言われたことをやるだけではA.T.カーニーの中で昇格していくことは難しいと考えられるため、与えられた職位で自身の能力を発揮し、さらなる成長をしていく気概を持って応募を行いましょう。

（３）応募資格

A.T.カーニーの中途採用への応募資格は以下の通りです。

さきほどA.T.カーニーへの応募は未経験でも可能と記載しながら実務経験が1年以上必要とは矛盾していると思われるかもしれませんが、ここでいう実務経験とは業界を問わずフルタイムで社会人として働いた経験を指します。

また英語力についてはTOEICの点数基準があるわけではなく、海外留学経験が必要ということもありません。

ただしA.T.カーニーに入社したあとは実務やトレーニングの中で英語を使用する機会は多く、元々の英語力が高ければ、コンサルタントとしての幅が広がることでしょう。

さらにA.T.カーニーの教育研修補助制度を使って英語力に磨きをかけているコンサルタントも存在しています。

企業から得点の目安や最低点はありませんが、「ビジネスレベル以上」と言われる点数の目安は700点以上が目安といわれていますので、それだけの英語力が必要です。

（４）選考フロー

A.T.カーニーでは中途採用対象者向けに休日選考会も開かれており、現在仕事をしながら転職活動を行っている人にとっても応募しやすい会社といえます。

A.T.カーニーの選考フローを見ていきましょう。

A.T.カーニーではコンサルティングファーム特有の「ケース面接」を取り入れています。

ケース面接とは実際にコンサルティングの現場で向き合うような課題の解決力を図るもので、面接官から与えられた課題に対して解答を作成し、その解答をもとに面接官とディスカッションを行うというものです。

ケース面接を行うことで転職希望者の課題を導き出す論理的思考能力とコミュニケーションスキル、プレッシャー耐性などを評価することができます。

A.T.カーニーのケース面接は面接官と1対1で行われ、2種類を45分ずつ実施するようです。

５．A.T.カーニーへの転職のポイント

A.T.カーニーへの応募資格や選考フローについてわかったところで、最後にA.T.カーニーへの転職のポイントを見ていきましょう。

以下で説明します。

（１）求める人物像

A.T.カーニーは常に顧客と従業員に対して短期的な効果と長期的な利益の両方を提供できる人物を求めています。

またチームの一員として誠心誠意働くことができる「協調性」や、一人一人が違うという事実を根ざす「多様性」、正直な意見でサービスを提供できる「誠実性」の3つを持っている人材がA.T.カーニーの社風ともマッチするでしょう。

さらに若手であっても裁量のある仕事を任されることが多いため、成長意欲や責任感の強さが必要です。

また仕事の性質上、「論理的思考能力」「プロとしての意識」「泥臭いこともできる忍耐力」は選考段階で厳しくジャッジされる傾向にあります。

クライアントに対してより高いバリューを提供し続けることを目指しているため、そのようなポテンシャルを見せられると内定に近づくでしょう。

（２）面接でのアピールが大切

A.T.カーニーでは書類選考やWebテストが実施されるためそれらの対策も必要ですが、選考の中でも最も大切なのが面接でのアピールです。

たとえ転職希望者が未経験者であってもコンサル業界の動向や魅力についてきちんと理解したうえで、自分の強みをアピールできる志望動機を作成することで、転職成功の道は開けます。

またA.T.カーニーの面接でよく聞かれる質問の中に、「なぜA.T.カーニーへの転職を希望しているのか」を問われるものがあるようです。

自身のスキルや経験をA.T.カーニーの中で活かしたいことを伝えるためには他社との違いを明らかにし、比較考量しておくと良いでしょう。

まとめ

世界的なコンサルティング会社であるA.T.カーニーは、日本の転職市場においても志望する人が多いコンサルティングファームですが、採用人数が少なく前職で実力をつけた転職希望者が多いため、狭き門といわざるをえないでしょう。

しかしコンサルティング業界やA.T.カーニーの会社自体への理解を深め、自身のやりたいことと照らし合わせて明確な答えを持って転職活動を行えば、必ずしも無理ではありません。

A.T.カーニーへの転職はフルタイムで勤務した経験が1年以上あることなどを応募条件にしているものの前職でのコンサルタント経験が求められないため、未経験者でも募集条件を満たすことで応募可能です。

常に顧客と従業員に対して短期的な効果と長期的な利益の両方を提供できるなど求める人物像が固まっているため、今から転職活動の準備を行っても十分に間に合うでしょう。

A.T.カーニーへの転職を前向きに考えたいと思う人はぜひ本記事を参考に、転職準備を進めていってください。

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