【年収1,000万円超へ】事業譲渡M&Aの業務内容や転職情報を紹介
「最近増えているという事業譲渡とはどんなものなのだろう」
「事業譲渡・M&Aに関わる仕事に転職したいが業界の動向はどうなっているのだろう」
長引くコロナ禍や中小企業の後継者不足、国際社会での競争力低下など日本企業を取り巻く環境は年々厳しくなっています。
そんな中、企業の生き残り策・起死回生の逆転策として事業譲渡を選択する企業が増え、それを取り扱うM&A業界にも注目が集まっています。
そこでここでは事業譲渡とM&Aの概要と合わせて、事業譲渡の業界の転職事情やおすすめの転職先を解説します。
問題を抱える企業が活路を見出すために選択される事業譲渡やそれに携わるM&A業界への転職に興味がある人は必見です。
1.事業譲渡とM&A
事業譲渡とM&Aについて解説します。
- 中小企業で多く用いられるM&A『事業譲渡』
- 『事業譲渡』は事業の選択と集中や企業再生に有効なM&A手法
事業譲渡はM&Aの手法のうちの1つ。
これを読めば事業譲渡についてよく理解できることでしょう。
(1)中小企業で多く用いられるM&A『事業譲渡』
事業譲渡は、会社が保有している事業の全部または一部を、第三者に有償で譲渡する行為のことです。
事業譲渡は、企業の経営戦略として用いられるM&Aの6つの手法のうちの1つであり、株式譲渡に次いで多く用いられています。
- 事業譲渡
- 株式譲渡
- 会社分割
- 株式交換・移転
- 合併
- 第三者割当増資
事業譲渡には2つあります。
- 全部譲渡:会社が持つ事業すべてを譲渡の対象とする
- 一部譲渡:会社が持つ事業の一部を切り離して譲渡の対象とする
事業譲渡は、簡単にいえば事業を対象とする企業間の単純な売買です。
一部譲渡の場合、譲渡範囲を明確に区切ることができるので、M&Aの中でも比較的自由度の高いM&Aといえます。
その反面、従業員との雇用契約や取引先との契約は、全て個別に締結し直す個別承継となるので手続が煩雑になるというネックがあるため、大規模M&Aで事業譲渡が使われることはあまりなく、従業員や取引先などがそれほど多くない中小企業で活用されることが多いです。
実際、中小企業のM&Aでは株式譲渡に次いで事業譲渡が多く採用されています。
(2)『事業譲渡』は事業の選択と集中や企業再生に有効なM&A手法
事業譲渡は、譲渡対象となる資産を当事者間で協議のうえで細かく決めることができるのが最大のメリットです。
多くの場合、譲渡企業(売り手)は不採算部門など自社の経営の足を引っ張る事業を切り離し、その事業を必要とする他の企業に売り渡すことで経営の健全化を図ります。
また、事業譲渡の対価は現金のみである点も大きなメリットです。
会社の経営権を保有したまま経営者の手元には譲渡しなかった事業に回せる資金が入り、それをもとに企業再生に力を注ぐことができるからです。
つまり、譲渡側(売り手)からすると、経営戦略として「事業の選択と集中」を進めたい場合や、事業の売却を通じて企業再生をしたい場合などに有効なM&A手法といえます。
一方、その事業を引き受ける譲受企業(買い手)にとっても事業譲渡は得るものが多いM&Aです。
新たな事業を一から築くには莫大な時間・手間・コスト等がかかりますが、事業譲渡であればノウハウも含めてそっくり譲り受けてそのまま引き継ぐことができます。
しかも、事業譲渡ではその事業に関する譲渡企業が持っていた簿外債務や不要資産を引き継ぐリスクも抑えられるため、双方に益があるM&A手法なのです。
ちなみに、事業譲渡の対象は、固定資産などの有形財産だけでなく特許などの知的財産権・顧客リスト・契約・職人などの無形財産も含まれます。
事業譲渡後のトラブル・混乱を防ぐためにも、事前に譲渡企業は手元に残しておきたい有形・無形財産とそうでない有形・無形財産を明確に分類しておくことが必要です。
2.事業譲渡の業界の転職事情
コロナ禍や中小企業の多くが抱える後継者問題により、国内の事業譲渡を含めたM&A件数は年々増加し、2022年は過去最高に達するとの予測です。
M&A業界は平均年収がかなり高水準であることもあり、転職市場でもM&A業界は人気が高く、他業種・他業界からM&Aアドバイザー・M&Aコンサルタントに転職する人が増えています。
- M&A業界の将来性
- M&A業界における中途採用の傾向は?
- 未経験からでも可能か?
伸びしろ十分・高収入が期待できるM&A業界に興味がある人は必見です!
(1)M&A業界の将来性
M&A業界は、現在の日本の全ての業種の中でも群を抜いて将来性があります。
その背景として、日本のM&Aは海外に比べると歴史が浅いもの、昨今のコロナ禍や後継者問題を抱える中小企業でM&Aニーズが高まっていることが挙げられます。
特に深刻なのが中小企業の高齢者問題です。
2025年までに70歳を超える中小・零細企業の経営者は約245万人、うち半数以上の約127万人が後継者未定と予測されており、黒字廃業の問題も含めて深刻な社会問題となりつつあります。
そこで国が「中小M&A推進計画」「事業引継ぎガイドライン」等を打ち出して支援を行う一方、民間でもM&AアドバイザリーやM&A仲介会社も年々増えていますが、増加するM&A案件数に対応するスタッフ数が追い付かず常に人手不足の状態です。
そのため、M&A業界では新規採用・中途採用を問わず採用人数も年々増えています。
気になるのが年収ですが、M&A業界はかなり年収水準が高い業界となっています。
企業名 | 平均年収 | 平均年齢 |
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 | 2,269万円 | 31.4歳 |
GCA株式会社 | 2,063万円 | 37.9歳 |
株式会社ストライク | 1,357万円 | 35.5歳 |
株式会社日本M&Aセンター | 1,243万円 | 34.3歳 |
M&A業界では日本の平均年収433万円(令和2年度)の何倍もの年収を得られる会社も多く、さらに努力次第でインセンティブにより更なる報酬を得ることも可能です。
(2)M&A業界における中途採用数の傾向は?
M&A業界の中途採用数は年々増加しています。
中小企業庁がM&A支援機関の登録制度を設けていますが、2021年10月時点で登録された業者は2253件(法人・個人事業主含む)、それ以外も含めれば数千件のM&A専門会社が存在し、今も増えています。
日本のM&Aは歴史は浅いのですが、M&Aニーズの急上昇・業界の急成長に伴い常に人員不足となり、即戦力となる中途採用を積極的に行う会社も多いです。
事実、高収入である点も呼び水となり、銀行・証券会社などの金融機関やメーカー・商社などの一般企業の営業、公認会計士や税理士などの有資格者など、さまざまな業界の方々がM&A業界に転職しています。
(3)未経験からでも可能か?
M&A業界への転職は、未経験からでも十分可能です。
M&A業界への転職で最も重視されるのは次の3つのポイントです。
- 会計・財務に関連するスキル・資格
- 営業に関するスキル・経験
- 高いコミュニケーションスキル・人間性
事業譲渡をはじめとしたM&Aには財務・会計に関するスキルや資格や経験が欠かせません。
M&A未経験であっても、会計に関しては一般的に簿記2級以上のスキルや資格が必要とされており、財務では法人担当の経験があると高く評価されます。
また、それと同レベルで重視されるのがコミュニケーションスキル・人間性です。
事業譲渡をはじめとしたM&Aを行う際、交渉する相手は企業の経営者等、会社のトップ層の人間です。
特に中小企業の場合、自分で育てた会社や代々継いできた会社の一部または全部を譲渡しなければならない中小企業の経営者の想いに寄り添える人間性が欠かせません。
M&A業界の中途採用では、財務・会計・営業だけでなく人間性・コミュニケーションスキルも重視されるので、未経験での転職をお考えならその点も磨くようにしましょう。
ここまでの内容を読み、M&A業界へ転職する人の傾向や、未経験者の転職成功のポイントなど、さらに詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
3.事業譲渡M&Aにおすすめの転職先
M&Aの手法の一つが事業譲渡であるため、事業譲渡をメインに取り扱っているM&A会社は厳密に言うとありません。
しかし、事業譲渡は近年増えているM&A手法の1つであるため、M&Aに関わるM&A業界への転職を考えているなら知っておきたいワードの1つであるのは間違いありません。
次に、事業譲渡も取り扱っている人気のM&A会社の中途採用情報を4つ紹介します。
M&A業界は高年収が期待できるだけでなく、年功序列ではなく成果主義・実力主義である点も大きな特長です。
また、待遇・福利厚生が充実している会社が多い点も見逃せません。
クライアント企業の命運を左右するM&Aアドバイザー・M&Aコンサルタントの仕事内容はハードで重責を担う大変なものです。
しかし、激務に見合った報酬や待遇を得られる上に、M&Aを成功させた暁にはクライアントに感謝され他の仕事では得られないやりがいや達成感を味わえるのは間違いありません。
興味がある方はぜひM&A業界の扉をたたいてみませんか?
(1)M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社は、日本の中堅・中小企業を対象とした独立系M&A仲介サービスの専門会社です。
M&A案件について着手金や月額報酬無料・専任担当制を採っており、これまでにも多くのM&Aを成約させています。
2021年度の平均年収(給与)が2,269万円、過去5年間の平均年収は2,551万円と年収が高いことで注目を集めており、転職市場でも人気の高いM&A仲介会社です。
即戦力となる中途採用に力を入れており、M&A業界への転職を考えている人に人気が高くなっています。
(2)フロンティアマネジメント株式会社
フロンティアマネジメント株式会社は、「経営コンサルティング」「M&A」「事業再生」の3つのサービスを提供する総合ソリューション型のコンサルティングファームとして次々に案件を手掛け、着実に実績を増やしているアドバイザリー企業です。
従業員数256人(2021年度)と人数は少ないながらも法律・金融・会計・税務各分野の専門家が数多く在籍し、少数精鋭のプロフェッショナル集団として知られています。
しかし、わずか5年で1.8倍に従業員数を増やすなど積極的に規模を拡大しており、現在も即戦力となる中途採用に力を入れています。
2021年の平均年収(賞与含む)は1,233万円(平均年齢38.7歳)、過去5期分の平均年収は1,272万円と年収ランキングでも上位に入っており、転職市場でも人気が高い企業です。
(3)株式会社日本M&Aセンター
株式会社日本M&Aセンターは、全国の地方銀行・信用金庫・会計事務所と連携した日本最大級のM&A情報ネットワークを活用した友好的M&A支援で実績No.1のM&A仲介会社です。
M&A仲介会社の中で最も歴史があり、中堅中小企業を対象としたM&A案件を数多く手がけて成約実績も日本トップクラスです。
平均年収は1,243万円、過去5年の平均年収は1,349万円と高水準となっており、転職市場でも安定した人気を誇っています。
本記事で挙げた3社のほか、事業譲渡M&Aの代表企業について、さらに詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
(4)ユニヴィスグループ
ユニヴィスグループは「M&A」「事業投資」「コンサルティング」3つのサービスを一体として提供しており、譲渡企業の売上規模一億〜数十億と広い範囲で対応しております。
こちらの会社の事業譲渡案件は、完全成功報酬制でM&AによるExitを用いて、着手金や中間金・月額報酬なしで行っており、これまで多くの成約を結んでいます。
また、グループ内には公認会計士や税理士、弁護士なども所属しており、法務面の観点からも手厚いサービスを提供することができます。
少数精鋭なので若手のうちから活躍でき、会社の成長とともに自身のスキルも急成長を見据えることができます。
M&A業界での経験の有無は問わないので、M&Aの業務に興味のある方は公式採用サイトよりエントリーしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
事業譲渡は、主に中小企業で企業再生のために自社にとって不要な事業(不採算事業)の切り離しなどを目的として行われることが多いM&A手法の1つであり、それをサポートするのがM&A仲介会社やM&Aアドバイザリーです。
つまり、事業譲渡のM&Aに携わるということは、ピンチの状態に陥っている中小企業を事業譲渡によって救い、立て直しをサポートする正義の味方になるといえます。
M&A業界は、急成長するM&A市場に対応が間に合わず常に人材不足であるため、即戦力となる中途採用を積極的に募集している会社が多いです。
これまでM&A経験がなくても保有するスキルや経験や資格によっては採用されることも多いので今が狙い目です!
今、日本の企業をM&Aで支える社会的意義も高いM&A業界に興味がある方はぜひ積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。
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