コンサルタントの年収とは?領域別平均年収と年収が高い企業トップ10
「コンサルタントってどのくらいの年収が期待できるの?」
「コンサルタントの年収って何が大きく影響するの?」
コンサルティングファームへの転職を検討している方の中には、コンサルタントになるとどのくらいの年収がもらえるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
実は、コンサルティングファームによって年収は大きく異なるので、もしコンサルタントとして少しでも多くの年収を稼ぎたいのであれば、年収が高い会社の特徴を押さえておくべきです。
本記事では、コンサルタントの平均年収をはじめ、コンサルタントの年収が決まる要因やコンサルタントに転職するメリット、コンサルタントに向いている人の特徴を紹介します。
最後に年収をアップさせるコツやコンサルティングファームへのおすすめの転職時期にも触れますので、コンサルタントになりたい方は参考にしてみてください。
1.コンサルタントの平均年収
コンサルタントの平均年収を紹介します。
働き方には、主に以下の2つのパターンがあって、企業に勤めているか個人で活動しているかで平均年収に差が生まれるのです。
ここでは、勤務コンサルタントと独立コンサルタントの平均年収を分けて説明していきます。
(1)勤務コンサルタント
勤務コンサルタントは、コンサルティング会社に就職してコンサルタントとして活動している人のことです。
平均年収は400~800万円程度といわれており、企業に所属しているので、大企業のサラリーマンと同じくらいの収入が安定して確保できます。
一般企業と同じように、評価によって年収が変動する仕組みを設けている会社が多いので、経験やスキルなど実力次第でさらに上の年収が狙える点が勤務コンサルタントの魅力です。
外資系のコンサルティング会社になれば、報酬が高い傾向があり、年収1,000万円も現実的といえます。
以下の表は、外資系コンサルティングファームの役職ごとの平均年収です。
役職 | 年齢 | コンサル経験 | 固定給与 | 業績賞与 |
---|---|---|---|---|
アナリスト | 22~28歳 | 0~3年 | 500~800万円 | 固定給の20% |
コンサルタント | 25~35歳 | 0~6年 | 900~1,300万円 | 固定給の20% |
マネージャー | 28~40歳 | 2~10年 | 1,400~2,000万円 | 固定給の30% |
プリンシパル | 32~45歳 | 5~15年 | 1,700~2,500万円 | 固定給の30% |
パートナー | 35歳以上 | 7年以上 | 2,500万円以上 | 業績次第 |
また、総合系/IT系コンサルティングファームの役職ごとの平均年収は以下の通りです。
役職 | 年齢 | コンサル経験 | 固定給与 | 業績賞与 |
---|---|---|---|---|
アナリスト | 22~28歳 | 0~3年 | 500~700万円 | 固定給の10~20% |
コンサルタント | 25~35歳 | 0~6年 | 700~900万円 | 固定給の10~20% |
マネージャー | 28~40歳 | 2~10年 | 900~1,400万円 | 固定給の10~20% |
プリンシパル | 32~45歳 | 5~15年 | 1,300~1,800万円 | 固定給の10~20% |
パートナー | 35歳以上 | 7年以上 | 2,000万円以上 | 業績次第 |
1,000万円を超える高額の年収を得たい方は、外資系のコンサルティングファームを視野に転職先を探しましょう。
(2)独立コンサルタント
独立コンサルタントとは、企業に所属せずに個人で活動しているコンサルタントのことをいいます。
勤務コンサルタントは決められた年収のもとで働くことになりますが、独立コンサルタントは報酬から必要経費を差し引いた金額がそのまま収入になります。
そのため、活動すればするほど年収は高くなるのが特徴です。
交通費や交際費などの経費が発生するので、勤務コンサルタントよりも3倍の年収を狙うのが一般的といわれています。
独立コンサルタントとして一つの指標が2,000万円で、年収が2,000万円を超えると独立コンサルタントとして成功したといえるでしょう。
独立コンサルタントとして活動する方は、年収2,000万円を目標にしてみてください。
2.コンサルタントの領域別平均年収
コンサルタントは、分野によって平均年収が異なります。
今回紹介するコンサルタントの領域は以下の3分野です。
それぞれのコンサルタントについて順に説明しているので、気になる分野をチェックしてみてください。
ちなみに、各分野の平均年収は以下の通りです。
職種 | 平均年収 |
---|---|
戦略・経営コンサルタント | 550~900万円 |
ITコンサルタント | 450~900万円 |
総合コンサルタント | 500~900万円 |
また、日本の事業企業の平均年収は以下のようにいわれています。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
---|---|---|---|
200万円台後半~300万円台後半 | 400万円台前半 | 400万円代後半~500万円台前半 | 500万円~600万円 |
一般企業では40代になってやっとコンサルタントの平均年収の最低値に追いつくので、それだけ世間から比べるとコンサルタントは分野に限らず平均年収が高いといえるでしょう。
(1)戦略・経営コンサルタント
戦略・経営コンサルタントは、企業の経営状況を把握して、実践的な戦略策定をサポートする仕事です。
たとえば、企業の成長戦略に合わせて事業計画を作ったり、事業再生のための解決案を提案したりします。
他にも、企業が持つ課題を解決するためにM&A戦略などをサポートすることもあり、企業の司令塔として活動するのがメインです。
クライアントの事業を成功させるために何が必要で、何をしなければならないのか考える力が求められるので、高度な論理的思考力が必要になります。
コンサルタントの中でも特に人気が高く、企業数も多い分野です。
(2)ITコンサルタント
ITコンサルタントは、IT技術に特化したコンサルタントで、ITを活用した戦略を提供して、企業の業績アップをサポートする仕事です。
企業の運営情況を分析したのち、クライアントが抱える課題を早期に発見し、問題を改善するためのシステムを提案して解決に導きます。
企業価値を最大化するために最適なITシステムを構築したり、生産性をアップさせるための効率的なツールを作成したりするなど、IT技術を用いてクライアントをサポートするのがメイン事業です。
ITコンサルタントはITの専門家としてクライアントと接する仕事なので、プログラマーなどのIT現場での労働経験やITスキルが必要とされます。
(3)総合コンサルタント
総合コンサルタントは、事業における幅広い領域のコンサルティングを行う仕事です。
経営戦略に加えてIT、人事、財務など多岐に渡ってサポートするので、さまざまな分野の知識が求められます。
総合コンサルタントは一つのクライアントに対して請け負う業務が多いため、企業に所属する従業員数は多く、企業規模は大きいのが一般的です。
つまり、総合コンサルタントになるのであれば、大手のコンサルティングファームに就職することになるでしょう。
非常に幅広い領域を担当することになるので、豊富な業務経験を積むことができ、キャリアアップに必要なスキルを身につけられます。
企業の課題解決に対して上流から下流まで幅広く携わりたい方は、総合コンサルタントを目指してみましょう。
3.経営コンサルタントの企業別平均年収ランキング
ここでは、コンサルタントの分野の中でも、特に人気の高い経営コンサルタントをメイン事業にしている会社の平均年収ランキングを紹介します。
今回は平均年収が上位トップ10のコンサルティングファームを以下の表にまとめました。
順位 | 会社名 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | ベイン・アンド・カンパニー | 1,920万円 |
2位 | ボストン コンサルティング | 1,860万円 |
3位 | マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,800万円 |
4位 | GCAサヴィアン | 1,486万円 |
5位 | 野村総合研究所 | 1,225万円 |
5位 | ドリームインキュベーター | 1,225万円 |
7位 | ベイカレント・コンサルティング | 1,101万円 |
8位 | シグマクシス | 991万円 |
9位 | 三菱総合研究所 | 965万円 |
10位 | アクセンチュア | 850万円 |
最も高い年収が期待できる会社は、アメリカ合衆国のボストンを本拠地にしているコンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーです。
平均年収が約2,000万円なので、高いポジションに就くことができれば、かなり高額の年収が期待できるでしょう。
ちなみに、日本企業のコンサルティング会社では、株式会社野村総合研究所が一番平均年収が高いといわれています。
日本企業に絞って転職を検討している方は、野村総合研究所を中心に情報を比較してみましょう。
4.コンサルタントの年収が決まる主な要因
コンサルタントの年収が決まる要因を紹介します。
主な要因は以下の3つです。
順に紹介するので、高い年収を目指したい方は、企業選びの参考にしてください。
(1)会社の規模
会社の規模は年収に大きく影響します。
そもそも給料は、会社の売上げを報酬として従業員に還元したものなので、会社の売上げが高くなるほど給料に還元される金額も高くなるのが一般的です。
コンサルティング業界は、案件数が多く単価が高いほど会社の売上げは高くなるので、相対的に企業規模が大きいほど会社の売上げは高くなりやすくなります。
クライアントの立場からすると、事業戦略を外部に委任する以上、実績が豊富で信頼できる会社に頼るのが当然なので、企業規模の大きい会社ほど単価が高い案件が集まりがちです。
したがって、大手や有名コンサルティングファームは高年収が期待できる一方で、中小規模のコンサルティングファームは、一般の事業企業よりは年収は高い傾向がありますが、1,000万円を超えるほどの高年収を得ることは難しいでしょう。
(2)勤続年数
日系企業は勤続年数が多くなるほど給料が上がる傾向があります。
勤続年数が高くなるほど、経験やスキルが自然と向上するため、ある程度の年収はアップするのです。
ただし、プリンシパル以上の役職となると、高いスキルに加えて実績や管理能力も求められるので、長く仕事を続けたからといって必ずしも上のポジションに就けるわけではありません。
なお、外資系企業は実力主義の風潮が強いので、勤続年数は日系企業ほど大きく影響を及ぼさないでしょう。
(3)営業実績
営業実績も評価基準に含まれるので、会社にとってプラスとなる成績を収めた人は、年収が上がりやすくなります。
コンサルティングファームは年齢や勤続年数で大部分の年収が決まりますが、企業によってはインセンティブ制度を設けている場合があるのです。
営業で新規のクライアントを獲得したり、クライアントの契約延長を勝ち取ったりするなど、売上げアップに貢献すればするほど会社から評価されます。
コンサルタントとして必要なスキルに自身がある方は、営業実績による年収アップも狙ってみるとよいでしょう。
5.コンサルタントに転職する4つのメリット
コンサルタントに転職するメリットを紹介します。
特に期待できるメリットは以下の4つです。
順に紹介するので、コンサルタントに転職するか判断に困っている方は、これらのメリットを魅力に感じるかチェックしてみてください。
(1)高収入が期待できる
コンサルタントは、一般企業よりも高収入が期待できる点は大きな魅力です。
就職する企業によって年収に差は生まれますが、上手くいけば20代で年収1,000万円も夢ではありません。
コンサルタントはクライアントとの関係作りや結果が求められる仕事なので大変ですが、それに応じた報酬を得られるでしょう。
(2)独立する際に知識が役立つ
コンサルタントとしてキャリアを積めば、独立する際に経験や知識が役に立ちます。
司法書士や税理士など士業資格を活かして独立開業する場合、コンサルタントとして事業の成長をサポートしてきた経験をもとに、自分の事業の成功率を高めることが可能です。
万が一事業で失敗したとしても、コンサルタントの経験があれば、コンサルティングファームに戻って安定した収入を得られるので、低リスクで独立することができるでしょう。
(3)キャリアの選択肢が広がる
コンサルタントの経験を積めば、キャリアの選択肢も広がるでしょう。
実務経験によりコンサルタントとしての高いスキルを身につければ、大手のコンサルティングファームに転職したり、独立してフリーランスとしてコンサルティングを行ったりできます。
大手企業に転職しキャリアアップを狙ったり、独立して自分のペースで仕事をしたりすることができるなど、働き方に幅が生まれるので、将来の選択肢が広がる点がメリットの1つです。
(4)クライアントが成長すると達成感がある
自分が担当したクライアントが成長することで、達成感を得られ、やりがいを感じることができます。
やりがいを感じるようになると仕事へのモチベーションがアップするので、充実した生活を送ることが可能です。
また、担当したクライアントの事業成績や売上げがアップすれば、信頼を得られるようになり、クライアントに対して影響力のある発言ができるようになります。
コンサルタントになれば、影響力のある仕事ができるようになるでしょう。
6.コンサルタントに向いている人の3つの特徴
コンサルタントに向いている人にはいくつかの特徴があります。
主な特徴は以下の3つです。
順に紹介するので、コンサルタントが適しているか分からない方は、これらの項目に該当するか確認してみましょう。
(1)お客様と良好な関係を保てる人
お客様と良好な関係を保てる人はコンサルタントに向いています。
コンサルタントはクライアントとコミュニケーションを取ることになるため、担当企業の経営者や従業員と小まめに顔を合わせることになるでしょう。
コンサルタントはあくまで事業の成長をサポートする立場なので、クライアントから信頼を得られなければ、自分の意見を聞いてもらえず、いくら良い案を提示しても成果につながりにくくなります。
クライアントの事業成績を上げることが求められる業界であることから、クライアントと信頼関係を築けない人は、コンサルタントとして活動することは難しいでしょう。
逆に、目上の人や初対面の人に対して上手く馴染める人は、クライアントから好かれる可能性が高いため、コンサルタントとして評価される可能性が高いです。
(2)課題解決に向けて論理的に考えられる人
課題解決に向けて論理的な思考ができる人は、コンサルティング会社と相性が良いです。
クライアントの事業内容を分析し、何が問題でどう対応すれば改善できるのかを考えなければなりません。
クライアントの立場でものごとを考えるためには、客観的な姿勢が重要なので、家族や友人からの相談に対して第三者としての意見を述べられる人はコンサルタントに向いています。
(3)成長意欲がありひたむきに努力できる人
成長意欲があって、地道な努力ができる人は、コンサルティング会社が求める人材の一人です。
クライアントの事業成績を上げるために、自分に何が求められて何をすべきなのか考えて実行するためには、仕事に対して積極的でなければなりません。
仕事に対して前向きな姿勢は自身のスキル向上につながるだけでなく、クライアントの事業成績のアップにもつながり、会社への貢献度が高くなります。
一方ネガティブに仕事をしている人は、任された仕事以上のパフォーマンスを発揮することは難しく、会社への貢献度は低くなりがちです。
結果が求められる世界で生き残るためには、自身の成長意欲が求められるので、仕事に対して向上心がある人はコンサルタントを目指してみてください。
7.コンサルタントの年収をアップするための方法
コンサルタントの年収をアップさせるためのいくつかの方法があります。
今回紹介する方法は以下の2つです。
現状に満足せずに年収をアップさせたい方は、仕事へのモチベーションアップにつなげてみましょう。
(1)昇進して役職をアップする
コンサルタントの年収はポジションによって変動するので、昇進して高い役職に就く必要があります。
クライアントと信頼関係を築き、コンサルタントとして結果を残せば、マネージャーに昇格して、年収をアップさせることが可能です。
さらに、会社や従業員からの評価を高めることで、プリンシパルやパートナーなど、より高いポジションに昇れば、大幅な年収アップが期待できます。
アナリストやコンサルタントとして働いている人や働き始める人は、まずはマネージャーを目指して業務に取り組みましょう。
(2)結果を残してインセンティブをもらう
一部の会社を除いて、コンサルタントは結果を残せば、インセンティブをもらうことができます。
特に顧客満足度向上につながる活躍をすることで、インセンティブが発生することが多いです。
たとえば、クライアントの事業成績がアップするのはもちろん、契約延長や新規顧客の獲得などクライアントから評価を得られれば、クライアントとして結果を残したといえます。
クライアントの満足度向上は、会社の業績アップに直接反映されるため、会社に対して大きな貢献をしたことになるのです。
プロジェクトが終了するたびに報酬が発生したり、賞与として還元されたりと会社によって異なるので、インセンティブ制度が設けられている場合は、報酬の仕組みを把握しておきましょう。
8.コンサルティング会社に転職するのに適したタイミング
コンサルティング会社に転職するのに適したタイミングはいくつか存在します。
新卒採用をしているコンサルティングファームもありますが、中途採用が一般的です。
コンサルタントは経験を積むことによってキャリアを進めることになるので、未経験からコンサルタントになる場合は、第2新卒から30代半ばが最も適したタイミングといえます。
40代から50代になると人材育成などキャリアを活かした業務内容になるため、コンサルタントの経験がない人は、転職のハードルが高くなるのです。
企業規模が大きくなるほど年間を通して採用活動を行っていますので、気になっている企業があれば常に採用情報をチェックしておきましょう。
なお、すでにコンサルタントとして働いている場合は、40代や50代でも転職によってキャリアアップを狙うことが可能です。
40代から50代で転職を考えている方は、より規模の大きい企業への転職を検討してみましょう。
まとめ
コンサルタントの平均年収は一般企業よりも高く、企業規模やスキルによっては20代でも1,000万円を狙うことは可能です。
ただし、企業によってコンサルタントの分野が異なるため、転職先を探すときは自分がやりたいことができる企業なのか確認しておく必要があります。
コンサルタントになるメリットに魅力を感じる方や、コンサルタントに向いている方は、大幅な年収アップを狙ってコンサルティング会社に転職してみてはいかがでしょうか。
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