コンサルタントが目指す最高位!『パートナー』の業務・年収を徹底解説
「コンサルティングファームのパートナーの業務について知りたい」
「パートナーになると年収は億越えというのは本当?」
転職市場でも人気の高いコンサルティングファームの最高職位である『パートナー』は全コンサルタントが目指す最終ポジションです。
けた違いの高年収が得られる一方で業務や責任は重くなりますが、その分、大舞台でコンサルタントとしての醍醐味を味わえる魅力的なポジションでもあります。
そこでここでは、コンサルティングファームの『パートナー』について、パートナーの役割や2つの業務、気になる平均年収と合わせて、パートナーに求められる3つの能力について解説します。
パートナーを目指している方は必見です。
1.コンサルタントのキャリアパスのゴール『パートナー』とは
コンサルティングファームの『パートナー』とは共同経営者に当たる役職であり、ファームの最上位に位置するポジションです。
ファームによっては『ディレクター』『マネージングディレクター』『マネージメントディレクター』『プリンシパル』『シニアプリンシパル』『アソシエイト・プリンシパル』『ヴァイスプレジデント』『シニア・エグゼクティブ』などの呼称で呼ばれています。
パートナーはファームの共同経営者としてファームの責任を共同で負うことになるというリスクを伴う役職ですが、報酬がファーム全体の利益に連動した体系となっており、ファームが利益を上げた際にはそれに応じた分配を得ることができるという高いリターンを得られる役職でもあります。
ちなみに、パートナーの下のポジションであるマネージャーとは、ともにファームのためにセールス業務を担うという点では同じですが、ファームの経営者として経営に携わり損害への責任を負うと同時に利益の分配権利を得られるという点で大きく立場が異なっています。
また、自分のコンサルティングファームやコンサル業界を率いて、日本を代表する企業の経営層のブレーンとして自身のスキルや知見を活かせること、日本の経済を動かすことができることはまさにコンサルタント業の神髄であり、他の職業や他の役職には得られないパートナーだからこそ味わえる醍醐味といえるでしょう。
パートナー経験者の多くが「パートナーにならないとコンサルティングの真の魅力はわからない」と言うのも、パートナーの仕事が高いやりがいを得られる仕事であることの証といえます。
コンサルタントのキャリアパスのゴールともいえるパートナーは、コンサルタントの仕事の携わる者であるならば誰もが目指すべきポジションであるのは間違いありません。
2.コンサルのパートナーが担う2つの業務
コンサルティングファームの『パートナー』の主な業務は2つ挙げられます。
- セールス業務
- 自ファームの経営
パートナーはコンサルティングファームの「顔」かつメインの営業担当者であり、経営者としてコンサルティングファームをよりよく導くという重大な2つの業務を担っています。
次に1つずつみていきましょう。
(1)セールス業務
コンサルティングファームのパートナーの1つ目の業務は、大口の新規クライアントの獲得や既存のクライアントの大型プロジェクトの受注などのセールス業務です。
具体的には、大手企業のブレーンとして現在の社会や経済状況に応じた経営モデル・提案書を作成してコンサルティングのニーズを掘り起こしたり、セミナーや書籍の出版やWebを通じて人脈を広げて新規クライアントを獲得するだけでなく、既存のクライアントに新たなプロジェクトを提案するなど様々なやり方で営業を行います。
ファームの顔であるパートナーのセールスは、とにかくやみくもに営業を行い売上を上げれば良いという単純なものではなく、ファームの方向性や方針を意識しつつ将来的にも売上を伸ばしていくためのブランド戦略的側面が求められるなど高い視座を持ったセールス力が求められます。
また、パートナーには厳しい売り上げ目標・ノルマが課されているファームも多く、コンサルタントやマネージャーと同じくパートナーも営業売上高が評価の指針の1つとされています。
パートナーのセールス力はコンサルティングファームの売上に大きく影響するだけでなく、出た利益がパートナー個人の報酬に連動しているため、新規クライアントの獲得・プロジェクト受注はファーム全体だけでなくパートナー個人にとっても最重要な業務といえるでしょう。
(2)自ファームの経営
コンサルティングファームのパートナーの2つ目の業務は、コンサルティングファームの経営者としてファームの中長期的な経営計画や成長戦略立案等を行う業務です。
ファームの方向性・ブランディングに加え、ファームの人材採用や人材育成・従業員の労働環境など「経営者」として重要な判断を下します。
特に最近では、クライアント企業だけでなく、コンサル業界・コンサルティングファーム内でもDXやAIの導入、コンサルタントの働き方改革など目まぐるしい変化が起きているため、ファームの方向性やカラーを決定するパートナーには、将来を見据えた高い洞察力に基づく事業計画や組織・人材戦略が求められます。
また、世界各地に拠点を置く外資系コンサルティングファームのパートナーになると、様々な国のローカルオフィスの利益代表者としてのグローバルオフィスとの交渉も重要な業務の1つとなっています。
3.コンサルティングファームの『パートナー』の平均年収と平均年齢
次に、コンサルティングファームのパートナーの気になる平均年収と平均年齢を見ていきましょう。
- コンサルのパートナーの平均年収
- コンサルのパートナーの平均年齢
コンサルタントのキャリアのゴールであるパートナーの年収はけた違いです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)コンサルのパートナーの平均年収
パートナーは完全に実力主義であり、年齢に関係なく年収3,000~5,000万円、人によっては1億円以上にもなるといわれています。
ファームのパートナーの年収は専門分野によっても異なりますが、業績賞与を除いた最低ラインとなる固定給与の平均額だけをみてもかなりの高水準です。
専門分野 | 最低固定給与(推定) |
戦略系コンサル | 3,000万円~ |
総合系コンサル | 2,000万円~ |
IT系コンサル | 2,000万円~ |
組織コンサル | 1,600万円~ |
人事コンサル | 1,600万円~ |
さらにここにファームの業績と連動した賞与が加わるため、業績の良いファームのパートナーであればその年収が1億円を超えることも珍しくなく、その個人の報酬は青天井となっています。
実力主義・成果主義のコンサル業界はどのポジションであっても成果次第で高年収を得ることができると言われていますが、パートナーの報酬にはよりその特色が強く出ているといえるでしょう。
このように、多くのコンサルタントの中でほんの一握りの人しか到達することができないパートナーは年収面でもコンサルタント憧れの最終目標といえます。
(2)コンサルのパートナーの平均年齢
コンサルティングファームのパートナーの平均年齢は約35歳以上と言われています。
パートナーになるには、コンサルティングファームで順調に昇進し、厳しい基準をクリアすることが求められますが、コンサル業界は実力主義ですので十分な成果を上げていればもっと若い年齢でパートナーに昇進することも可能です。
実際、BIG4の一つであるEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社のパートナーに26歳で駆け上ったケースや、世界最高峰と呼ばれる戦略系コンサルティングファームのマッキンゼーで29歳でパートナーとなったケースなど、20代後半~30台前半でパートナーに上り詰める人もいます。
多くのコンサルタントの中でも一握りの人しか到達できないパートナーは非常に狭き門ではありますが、コンサルタントとしてのやりがい・対価も一際大きい魅力的なポジションであるので着実に実績を積み重ねてパートナーを目指しましょう。
4.コンサルの『パートナー』になるには
コンサルの『パートナー』に昇進するためには、次の2つの点を下のポジションである『マネージャー』の時点で評価されることが重要です。
- 売上(セールス力)
- 高いコミュニケーション能力
マネージャーに主に求められる業務(プロジェクトの運営能力・プロジェクトのマネジメント力)と、パートナーに求められる業務(プロジェクトの販売や新規顧客の獲得・ファームの運営)とは異なるため、優秀なマネージャーが必ずしもパートナーに向いているとは言えません。
優秀なマネージャーで終わらず上のパートナーを目指しているなら、他のマネージャーと評価で差をつけるためにまずは売上(セールス力)を高めていくようにしましょう。
マネージャーになるとそれまでのポジションでは求められなかった営業の業務も担うことになりますが、現時点ではパートナーほど大口の案件の獲得は求められないものの、通常のマネジメントやデリバリー等の業務と並行してどれだけ案件を引っ張ってきて売上を上げられるかが、パートナーにふさわしい人材かどうかを判断する上で大きな要素となります。
また、案件の獲得には大企業の経営者層と円滑な関係を築くだけでなく、新たに人脈を築いていける高いコミュニケーション能力があるかどうかも重要なスキルと考えられています。
コンサルタントが目指すべき最初の目標はマネージャーですが、その中からパートナーにまで昇進できる方はほんの一握りです。
コンサルティングファームでコンサルタントとしてトップレベルである証のパートナーを目指すなら、プロジェクトの現場責任者であるマネージャーになった時点からパートナーのポジションを念頭に置いて、この2つの能力を意識して磨いてパートナーから高い評価を獲得しておきましょう。
5.コンサルの『パートナー』に求められるスキル
コンサルティングファームの最高職位である『パートナー』に求められるスキルを解説します。
- 高いセールス力
- 広い人脈
- 高い情報収集能力
次に1つずつみていきましょう。
(1)高いセールス力
パートナーに求められる1つ目のスキルは、高いセールス力です。
パートナーのセールス方法は、既存クライアントから新たなプロジェクトを受ける方法、既存クライアントの既存プロジェクトの継続を受ける方法の他に、既存クライアントから新たな企業の紹介をうける方法、専門性を活かした講演会やセミナーを主宰して企業とつながる方法、コールドコールで新たなクライアント企業を獲得する方法など様々ですが、どの方法であっても受注は一筋縄ではいかないといわれています。
DXや海外展開、働き方改革など新たな課題の解決のためにコンサルティングを望む企業が増えているとはいえ、コンサルティングファームの商材は「人のスキル・知識・ノウハウ」という無形商品である上にコンサルティング料も高額なため、いくら腕利きのパートナーであっても受注するのは簡単ではありません。
過去に取引実績のある既存クライアント企業の場合は過去の実績・成果が大きなアピールポイントになりますが、取引実績のない企業から新規の依頼を獲得するにはパートナーのセールス力が大きな決め手となります。
大きな企業であればあるほどプロジェクトの規模は大きくなるため、新規の大企業に自ファームのサービスを売り上げるのは至難の業ですが、そこを「このパートナーのコンサルティングファームに任せれば大丈夫だろう」「会社をより良くしてくれるだろう」と信頼して任せてもらえるように提案するのがパートナーの腕の見せ所です。
セールス業務の中でもとんでもなく難しいといわれている新規クライアントの新規プロジェクトを次々に受注してくるパートナーはファーム内からも業界内からも尊敬され高い評価を受けるのも当然といえるでしょう。
(2)広い人脈
パートナーの営業では人脈が大いに役立つといわれています。
広い人脈があればコンサルティングを必要としている企業の経営者から声をかけてもらいやすくなるだけでなく、知人を起点に新たな人脈を多方面に築くことができ、新規クライアント・新規プロジェクトの獲得にも大いに役立つためです。
少しでも案件獲得のチャンスを逃さないために、コンサルティングファームのパートナーになると自分がこれまでに築いた人脈を駆使して企業の経営層や政府・公的機関の要職の人物と会って普段から良好な関係を保っておくことも欠かせません。
しかし、セールス業務に役立つ人脈は一朝一夕に作れるものではなく、それまでのコンサルタント・マネージャー時代にどれだけ多くの案件・大規模な案件に関わりクライアント企業の経営層と強い信頼関係を結ぶことができたかが大きく影響してきます。
そのため、コンサルティングファームのパートナーになるような人は前のポジションですでに人脈づくりを開始している人がほとんどであり、多くのパートナーが、パートナーになる前にすでにビッグクライアント(ファームの重要顧客)やその予備軍を持っているといわれています。
(3)高い情報収集能力
パートナーに求められる3つ目のスキルは、高い情報収集能力です。
様々な業界の企業の経営者層から信頼されて依頼を受けるには、パートナー自身に高い情報収集能力があることが不可欠です。
既存のクライアントであれば新たな問題の解決のために自分のファームを利用してもらえるように、新規のクライアントであれば自分のファームが問題解決に役立つことをアピールできるように、相手が求めていそうな提案や解決策を普段からすぐに提示できるようにしておかなければなりません。
企業にマッチした提案をするには、個々の企業の課題だけでなく、最新の社会動向・経済状況・マーケット全体の動き・政治の動き・国際経済の流れや最新のツールなど様々な最新情報を常にキャッチし、経営者層を上回る情報・知見を数多く仕入れて精通しておく必要があります。
逆をいえば、最新の情報を常に自分が持っていれば、自分が築いている人脈の中からコンサルティングを必要としていそうな企業やその抱えている課題もわかり、ピンポイントで適切な提案をすることで契約も得やすくなるといえるでしょう。
また、パートナーにはセールス業務の他にも『自分のコンサルの運営』がありますが、こちらの業務でもファームを成長させるために最新情報に基づいた大きな視点と幅広い知識が必要となります。
特にコンサルティングファームの最大の商材である「人」を確保することが重要です。
好況が続くコンサル業界だけでなく事業会社などでも優秀な人材は引く手あまたであり、より良い条件の職場があれば移ってしまう可能性があります。
そのため、パートナーは自ファームの従業員の労働環境や労働条件は常に良いものに保ち優秀な人材の流出を防ぐ必要があり、他ファームの情報なども収集しておくことが欠かせません。
このように優秀なパートナーであり続けるためには、ファームだけでなく業界やビジネス界をリードするほどの情報量が必要であり、常に先を見越した洞察力と情報収集能力が欠かせません。
まとめ
業界成長率が高く、転職市場でも絶大な人気を誇っているコンサルティングファームの最高位であるパートナーについて業務内容や平均年収、パートナーに昇進するために重要なポイントと求められるスキルについて解説しました。
コンサルティングファームの役職の中でトップであるパートナーの魅力は、年収数千万円、人によっては億超えも珍しくないなど高い報酬を得られるということだけではありません。
大企業の経営層のブレーンとして企業や社会に影響を与えていくというコンサルタントとしての醍醐味を味わえるのはコンサルティングファームのポジションの中でもパートナーだけの特権です。
様々な魅力・メリットのあるパートナーになることを憧れのまま終わらせないためにも、今から実績や経験をどんどん増やしつつ、パートナーに求められるスキルを磨いてコンサルタントとしてトップレベルである証であるパートナーを目指しましょう。
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