転職市場でも大人気?上場しているコンサル企業や上場のメリットについて解説
「上場していて人気のコンサルティングファームを知りたい」
「コンサルティングファームが上場するメリットは?」
近年、国内で上場を目指す日系コンサルティングファームが増えており、既に東京だけでも500社を超えるコンサルティングファームが上場を果たしています。
「上場」という社会的信用度の高いコンサルティングファームは働く側にとってもメリットの多いコンサルティングファームなので転職市場でも人気が高いです。
そこでここでは日本の上場コンサルティングファームの中でも特に注目度の高い人気上場コンサルティングファーム3選と合わせて、上場するメリットや上場コンサルティングファームへの転職について解説します。
「一流の上場企業で働きたい」と思っている人はぜひご覧ください。
1.日本の上場コンサルティングファーム一覧
コンサルティングの浸透によりコンサル業界では大きな収益を上げて規模を拡大するコンサルティングファームが増え、特に日系を中心に上場をするコンサルティングファームが増えています。
例えば、東証プライムに上場しているコンサルティングファームは288件、東証スタンダードに上場しているコンサルティングファームは210社となっており、多くのコンサルティングファームが上場しています。
中でも国内でも有名な上場コンサルティングファーム3社をピックアップして紹介します。
- 株式会社ドリームインキュベータ
- 株式会社ベイカレント・コンサルティング
- 株式会社シグマクシス
どの上場会社も、上場後も着実に業績・規模を拡大している勢いのあるコンサルティングファームです。
次に1つずつみていきましょう。
(1)株式会社ドリームインキュベータ
1つ目の上場コンサルは、株式会社ドリームインキュベータです。
2000年に元BCG日本代表の堀紘一氏をはじめとするメンバーらにより、事業戦略策定と実行支援を中核としたインキュベーション事業を目的に立ち上げられた日本発のグローバル戦略コンサルティングファームであり、設立2年後の2002年に東京証券取引所マザーズに上場し、2005年9月には東京証券取引所市場第一部(現在は東京プライム)に上場しています。
在籍する戦略コンサルタントは「ビジネスプロデューサー」と呼ばれ、競争力の強化をメインとした従来型の戦略コンサルティングサービスを超え、事業の創造及び成長を支援する「ビジネスプロデュース」という視点・アプローチで、社会に大きなインパクトを与えるような事業創造に全力で取り組んでいるのが大きな特長です。
「次世代のソニー・ホンダ社を100社創る」を企業理念として掲げ、現在は「技術」×「戦略」×「政策」の融合によるグローバルな新産業の創出・育成を行う「産業プロデュース」活動を加速させています。
また、日本国内だけでなく、中国・シンガポール・ベトナムなどアジアに現地法人を展開し、日本とアジアの産業の懸け橋となるべく幅広いサービスを展開しており、ますますの発展が予想されます。
社会をつくる「ビジネスプロデューサー」として日本の未来を支えたい人の転職先として転職市場でも大人気の上場コンサルティングファームです。
社名 | 株式会社 ドリームインキュベータ (Dream Incubator Inc.) |
設立 | 2000年6月1日 |
上場 | 2002年 東京証券取引所マザーズに上場 2005年 東京証券取引所プライムに上場 |
代表 | 代表取締役CEO 原田 哲郎 |
所在地 | 東京都千代田区霞が関3-2-6 東京倶楽部ビルディング4F |
資本金 | 49億9800万円 |
売上 | 277億7600万円 |
社員数 | 835名(連結役職員数) ※2021年9月末時点 |
公式サイト | http://www.dreamincubator.co.jp/ |
(2)株式会社ベイカレント・コンサルティング
2つ目の上場コンサルは、株式会社ベイカレント・コンサルティングです。
ベイカレント・コンサルティングは、2016年9月の東証プライムに上場しており、株価が27倍になるなど今や国内株式市場を代表するテンバガー(10倍株)として知られています。
様々な業界に対する戦略から業務・ITに至るまでの豊富なコンサルティング経験で培った知見・ネットワークを活かし、あらゆる側面から総合的にクライアント企業の変革をサポートするサービスが高い評価を得ています。
特に以前からデジタル関連案件に注力して売上を急激に伸ばしており、直近の2023年2月期売上高は前期比32%増、5期前(2018年2月期)と比べるとなんと3.7倍と驚くほどの勢いで業績をアップさせるなど、コンサル業界でも急激に存在感を高めている注目の総合系コンサルティングファームです。
その背景にあるのが、コンサルティングニーズの増加と優秀な人材の確保です。
ベイカレント・コンサルティングの社員は2015年2月期末には919人と1,000人に満たなかったのですが、年々採用ペースを加速し、2023年2月末には2,961人、同年4月には3,692人までコンサルタント数を増やしています。
また、業績アップと比例して平均年収は1,107万円と国内でもトップクラスの高水準であり、転職市場での人気もうなぎのぼりです。
社名 | 株式会社ベイカレント・コンサルティング BayCurrent Consulting , Inc. |
設立 | 1998年3月25日 |
上場 | 2016年9月 東証プライム市場に上場 |
代表 | 代表取締役社長 阿部 義之 |
所在地 | 東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階 |
資本金 | 2億8,200万円 |
売上 | 761億円(2023年2月期) |
社員数 | 3,692名(2023年4月時点) |
公式サイト | https://www.baycurrent.co.jp/ |
(3)株式会社シグマクシス
3つ目の上場コンサルは、株式会社シグマクシスです。
2008年に設立され、企業の「3つの変革(DX・SX・MX)」実現を目指し幅広い分野にわたるコンサルティングサービスを提供しているビジネスコンサルティングファームです。
2013年に東証マザーズに上場後、2017年に東証第一部(現在のプライム)に上場しており、産業(インダストリー)とスキル(サービス)のマトリックス組織で構成され、専門性の高いコンサルタントがクライアント企業の経営課題解決を全力でサポートしています。
今後もますます重要性が高まるDX・SX・MXに興味のある人材から人気が高い上場コンサルティングファームです。
社名 | 株式会社シグマクシス SIGMAXYZ Inc. |
設立 | 2021年10月1日 |
上場 | 2013年12月 東京証券取引所マザーズ市場に上場 2017年11月 東京証券取引所プライム市場に上場 |
代表 | 代表取締役共同代表 太田 寛 代表取締役共同代表 早坂 保彦 |
所在地 | 東京都港区虎ノ門 4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス9F |
資本金 | 2億円(2021年10月1日時点) |
売上 | 156億5400万円(連結ベース) |
社員数 | 604名(グループ全体) |
公式サイト | https://www.sigmaxyz.com/sx/ |
2.社会的な信用・信頼の証。コンサル会社が上場するメリット
近年、日系コンサルティングファームのIPOが相次いでおり、現在は東証プライムや東証スタンダードや東証グロース、東証に次ぐ全国2番手の名古屋証券取引所の名証プレミアや名証メインや名証ネクスト、その他福岡・札幌などに上場する日系コンサルティングファームが増えています。
それは、コンサルティングファームが上場をすることで得られるメリットが魅力的だからです。
- 社会的信用が高まる
- 知名度が上がる
- 集客力が上がる
- 資金調達がやりやすくなる
- 優秀な人材が集まりやすくなる
- ストック・オプションを通じた社員のモチベーション向上 など
一般的に事業会社が上場することの最大のメリットとして資金調達が容易になることが挙げられますが、人材が商材となり、信用が第一であるコンサルティングファームでは資金調達よりも知名度・社会的信用が上がることを重視し上場するコンサルティングファームが多いと考えられます。
クライアントの企業からすれば、自社の今後を大きく左右し命運をゆだねるコンサルティングファームが実績も社会的信用もない会社だと、依頼するのに戸惑ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、「上場をしているコンサルティングファーム」であれば、上場が承認されるための2つの承認基準(形式基準と実質基準)をクリアしている企業であることが保証されているということであり、それだけで大きな信用を置ける・安心して依頼できるという企業も少なくありません。
特に実質基準は厳しいものであるため、一企業が上場すること・上場し続けることがどれだけ厳しいのかがわかることでしょう。
- 企業の継続性および収益性
- 企業経営の健全性
- 企業のコーポレートガバナンスおよび内部管理体制の有効性
- 企業内容などの開示の適正性
- その他公益または投資者保護の観点から東証が必要と認める事項
また、企業の収益性の基準がクリアされているということは、当該コンサルティングファームにコンサルティングを継続的に依頼する企業が多い=コンサルティングの信頼性が高いということの証明となるため、「自分の会社の相談にも乗ってほしい」と考える企業が増えるなど、上場することによって知名度アップ・集客力アップにも役立ちます。
また、上場を目指す企業に対しても、コンサルティングファームが自身が上場していることが何よりも強い説得力や安心感を与えることにもなります。
他にも、上場によって証券取引所から継続性・収益性が認められ、良い福利厚生や労働環境の下で安心して働くことができる企業ということを保証されていると考えられるため、優秀な人材を集める面でも有利になることが多いと考えられます。
BIG4コンサルやMBB(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン・アンド・カンパニー)のような既に世界的にも有名でブランド力のある外資系コンサルティングファームとは異なり、日系コンサルティングファームが上場をすることで得られるメリットは数多いです。
「中堅・ベンチャー向けコンサルティング」という領域を切り開き、この分野のリーディングカンパニーとしての地位を確立している株式会社リブ・コンサルティングが上場に向けて動いているように、今後も日系のコンサルティングファームが上場を目指す傾向は続くとみられます。
3.上場コンサルに転職するには
上場しているコンサルティングファームは転職難易度が高い会社が多いため、転職は簡単ではありません。
活況が続くコンサル業界では即戦力となる中途採用に積極的である一方、一度上場した会社は法律(有価証券上場規程第501条)に定められた基準に適合した状態を継続的に維持しなければならないため、売上を大きく左右する重要な商材(人材)にレベルの高さ・質の高さを求めるのは当然のことです。
上場コンサルティングファームが求めるスキル・能力は以下のものです。
- 論理的思考能力
- コミュニケーション能力
- 専門知識・専門スキル
- コンサル・法人営業の経験
- ビジネスレベルの英語力
- 精神的・肉体的タフさ など
上記のスキル・能力を磨き、転職エージェント等のサポートを受けながら十分な対策をして臨めば、転職難易度が高いといわれる上場コンサルティングファームへの転職の成功率をぐっと上げることが可能です。
ぜひしっかり準備を整えて挑戦し、転職を成功させて上場コンサルのコンサルタントとして活躍しましょう。
まとめ
現在、日本で上場している大手コンサルティングファームや上場で得られるメリット、上場しているコンサルへの転職を成功させる方法を解説しました。
歴史が古く知名度が高くグローバル展開するBIG4など上場をしない大手外資系コンサルも多いのですが、比較的新しい日系コンサルティングファームが日本国内でビジネスを展開する上で『上場コンサルティングファーム』のネームバリューは営業面でも人材確保の点でも大きな武器になるため、今後も上場を目指すコンサルティングファームが増えることでしょう。
『上場コンサルティングファーム』は対外的だけでなく社員にもプラスの施策・制度を実施している会社も多いので、転職先選びの目安の1つにもなります。
『上場コンサルティングファーム』の転職難易度は必然的に高くなりますが、社会的にも信頼され良い環境で働きたいという人はぜひ自身のスキル・能力を磨いてチャレンジしましょう。
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