戦略コンサルと総合コンサルはどう違う?特徴や相違点を解説
「コンサルへの転職はどちらがおすすめ?」
戦略コンサルもしくは総合コンサルに転職したい方は、それぞれの違いを把握できておらず、迷うケースがあるでしょう。
戦略コンサルと総合コンサルは、企業再建に向けたアプローチの方法やサービス範囲が異なるので、将来のキャリアプランに応じて転職先を決めることが大切です。
また、戦略コンサルは総合コンサルよりも採用人数が少ないので、転職難易度は高い傾向にあります。
転職活動を行う際は、それぞれの特徴を把握した上で、適性を見極めましょう。
本記事では、戦略コンサルと総合コンサルの違いについて詳しく解説します。
1.戦略コンサル・総合コンサルの概要
戦略コンサル・総合コンサルは、業務内容はもちろん、採用時の人数や年収なども異なります。
あらかじめ情報収集しておき、相性の良い方を見極めることが大切です。
2つの違いを比較する前に、まずはそれぞれの概要を見ていきましょう。
- 戦略コンサルの特徴
- 総合コンサルの特徴
(1)戦略コンサルの特徴
戦略コンサルは、クライアントが経営難に陥っている場合や、企業価値を高めたい場合に、経営戦略を立てて提案するのがメインの仕事です。
戦略コンサルの主な業務は以下のようになっています。
- 経営戦略の立案
- 企業の買収サポート
- オペレーション改善による効率アップ
- 新規事業へ参入
戦略コンサルは、企業の経営戦略を立てるとともに、買収サポートや新規事業への参入サポートなど、将来に関わる重要なところに携わることになります。
また、IT化に伴い、企業のビジネス環境は変化しており、最新情報をもとに新しい環境へ適用できる戦略を求められるでしょう。
なお、以前戦略コンサルは、戦略立案までのサポートという企業が多かったですが、戦略立案後のサポートまで関与する企業が増えています。
戦略コンサルは、戦略立案という非常に重要な役割なので、企業の経営者などトップ層と関わる機会が多く、自身の成長になるでしょう。
また、日本のみならず、グローバル規模で業務展開する戦略コンサルも多いです。
収入面では、戦略コンサルの平均年収は1000万円以上とも言われており、実績しだいではこの倍以上の収入も期待できるでしょう。
ただし、採用人数が少なく転職難易度が高いため、入念な選考対策が必要です。
(2)総合コンサルの特徴
総合コンサルは、戦略立案から実行までを幅広くサポートします。
総合コンサルは、幅広い領域の案件を取り扱う上、サービス範囲も広いので、チームを形成してプロジェクトを遂行するケースが多いです。
業種別のチームに分かれる、戦略立案、会計など機能別に分かれるなど企業によって様々ですが、それぞれの専門家が集結してプロジェクトを遂行します。
実行までをサポートするのがスタンスなので、必要に応じてクライアント先へ常駐するなど、幅広い業務が発生するでしょう。
サービス内容は以下のように様々です。
- 人事戦略の立案
- M&Aのサポート
- ITなどのシステム導入サポート
- オペレーションの改善…など
戦略コンサルが得意とする戦略立案の部分も手がけていますし、業務改善やIT化など効率アップに向けたサポートにも関与しています。
総合コンサルタントは、一部分にフォーカスするのではなく、企業を一貫してサポートするのがポイントです。
総合コンサルは戦略コンサルと比較すると年収が低めとは言われていますが、一般企業よりも高く、業績次第では1,000万円を超える例もあります。
総合コンサルは、企業再建を全体を通してサポートしたい方におすすめです。
2.戦略コンサルと総合コンサルの違い
戦略コンサルと総合コンサルとでは、企業再建に向けたアプローチ方法やサービス範囲が異なります。
入職後の業務内容にも関わるので、あらかじめ確認しておきましょう。
戦略コンサルと総合コンサルの違いについて解説します。
- 企業再建に向けたアプローチの方法が異なる
- やり取りを行うクライアントの役職が異なる
- プロジェクトに関わる人数が異なる
(1)企業再建に向けたアプローチの方法が異なる
戦略コンサルと総合コンサルでは、企業再建に向けたアプローチの方法が異なります。
戦略コンサルは、「何が問題なのかわからない」というゼロベースの状態にアプローチし、戦略立案を行うことが多いです。
ゼロベースでの戦略立案は企業の将来に関わる重要な役割であり、「問題点を抽出できる能力」「論理的思考力」を求められます。
一方、総合コンサルは、「この部分の問題を解決したい」など、ある程度の方向性があったうえで、経営戦略の立案、提案を行い、実行までをサポートするのが一般的でしょう。
方向性が定まっている場合は、より深い業界知識を求められるので、テーマに応じたチームを形成し、プロジェクトを遂行します。
戦略コンサルはクライアントにより課題や求めるサービスは異なり、特徴に応じ、戦略コンサルと総合コンサルいずれが得意とするかが異なります。
(2)やり取りを行うクライアントの役職が異なる
戦略コンサル、総合コンサルいずれもクライアントとのやり取りが発生しますが、やり取りを行うクライアントの役職が異なる傾向にあります。
戦略コンサルは、企業再建の上流である戦略立案をメインで行うので、クライアントの経営層に対して提案ややり取りを行うのが特徴です。
場合によっては、大手企業の社長など、通常関わる機会がほとんどない人へプレゼンテーションを行うケースもあるでしょう。
一方、総合コンサルは、企業再建一連をサポートするので、やり取りを行うクライアントの役職は幅広くなっています。
戦略コンサルと総合コンサルでは、やり取りを行うクライアントの役職は異なりますが、いずれも一般社員の部門担当者から経営者まで関わる機会があるので、様々な人に関わるコミュニケーション能力が必要です。
(3)プロジェクトに関わる人数が異なる
戦略コンサルと総合コンサルでは、プロジェクトに関わる人数が異なります。
戦略コンサルは、少数精鋭となっているケースが多く、戦略立案に焦点を絞りプロジェクトを手がけるケースが多いです。
一方、総合コンサルは企業規模が比較的大きく、幅広い分野の専門家が集結し、チームを形成してプロジェクトを遂行します。
採用人数に関しても、戦略コンサルは少なく、総合コンサルは比較的多いのが特徴です。
戦略コンサルは戦略を考えるのがメインであり、その他のサービスを手掛けるケースが少ないので、優秀な人材を厳選して採用したいという意図があります。
総合コンサルは、戦略のみならず業務プロセスの改善など実行までサポートするので、人手が必要な業務が多く、採用人数も多くなるのです。
戦略コンサルと総合コンサルは企業規模が異なり、戦略コンサルは総合コンサルよりもプロジェクトに関わる人数が少ないことを把握しておきましょう。
まとめ
戦略コンサルと総合コンサルは、企業再建に向けたアプローチ方法やサービス範囲が異なります。
戦略コンサルは上流の戦略立案をメインで行うのに対し、総合コンサルは一連の企業サポートを行うのが特徴です。
また、戦略コンサルは総合コンサルよりも採用人数が少なく、年収は高めの傾向にあります。
それぞれの特徴を把握して適性を見極め、理想の転職を実現しましょう。
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