PwCネットワークを活かして活躍する老舗戦略コンサル『Strategy&』の転職について紹介
「Strategy&ってどんなコンサルなの?」
「転職難易度の高いStrategy&への転職成功には何が必要?」
数ある戦略コンサルティングファームの中でも屈指の歴史と実績、そして規模を誇るファームといえば、PwCグループ『Strategy&』です。
転職難易度が非常に高い反面、採用されればハイレベルな環境で腕を磨き豊富な経験を積めるStrategy&は戦略コンサルとして大きな成長を得たい人にぴったりのファームです。
そこでここでは戦略コンサルティングファームの老舗中の老舗『Strategy&』について概要とともに待遇や転職動向、転職成功に役立つ能力等について徹底解説していきます。
戦略コンサルとしてワンランク上を目指す人は必見です。
1.Strategy&の概要
まず、PwCネットワークの戦略コンサルティング部門Strategy&についてどんな歴史や特徴を持っているのかについて解説します。
- Strategy&の歴史
- Strategy&の特長
- Strategy&の事業内容・実績
その歴史や実績をみれば、Strategy&が転職市場で人気が高い理由もわかることでしょう。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)Strategy&の歴史
世界的な経営戦略コンサルティング会社として知られるStrategy&のルーツは、1914年に『経営コンサルティング』という専門職を初めて提唱したエドウィン・ブース氏により設立された『ブース・アレン・ハミルトン』です。
その後、2008年の『ブース・アレン・ハミルトン』の米国政府向け部門との分離により、民間企業や米国以外の政府公共機関に対してコンサルティング業務を行う『ブーズ・アンド・カンパニー』となり、2014年にグローバルに展開するPwCネットワークに加わってその名称を『Strategy&』としています。
設立以来、ずっとクライアント企業との実践的な取り組みを通じて「本質的な競争優位」の創出を支援することをミッションとし、民間セクターだけでなく公共セクターにも最上級のサービスを提供しています。
「人的資源のコンセプト」、「プロダクト・ライフサイクル」、「サプライチェーン・マネジメント」、「スマート・カスタマイゼーション」、そして近年では「組織DNA」などの先進的コンセプトを開発していることでも有名です。
現在、Strategy&は世界157か国にオフィスがあり、世界トップ100企業のうち70社、米国トップ500企業のうち400社がクライアントという巨大かつ強力なプレゼンスを誇る戦略コンサルティングファームです。
日本オフィスは1983年に開設された『ブース・アレン・ハミルトン』東京事務所がスタートですが、2003年にはジェミニ・コンサルティング・ジャパンとの経営統合、さらに2008年米国政府向け部門分離に伴って日本法人も『ブーズ・アンド・カンパニー株式会社』に変更、さらにPwCとのグローバルな統合により2014年4月に『プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー株式会社』ブランド名を『Strategy&』としています。
ちなみに、Strategy&の前身である『ブーズ・アレン・ハミルトン』は、日産自動車の国内販売改革(日産リバイバルプラン)の戦略策定及びターンアラウンド実行に関与し、日産がプロジェクト支援の内容を公表することを許可した唯一の戦略系ファームとして有名です。
現在は、PwCグローバルネットワークのストラテジーコンサルティングを担うチームとして実践的な戦略立案という伝統を基盤に様々な案件に携わっています。
企業名 | PwCコンサルティング合同会社 ストラテジーコンサルティング (Strategy&) |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi Oneタワー |
代表者 | 代表取締役 今井 俊哉 |
設立 | 2014年(日本オフィスの設立 1983年) |
従業員数 | 100名超 |
ホームページ | https://www.strategyand.pwc.com/jp/ja |
沿革 | 1914年 『ブース・アレン・ハミルトン』設立 1983年 日本法人設立 2003年 『ジェミニ・コンサルティング・ジャパン』との経営統合 2008年 米国政府向部門『ブーズ・アレン・ハミルトン』との分離に伴い「『ブーズ・アンド・カンパニー』に 2014年 PwCと『ブーズ・アンド・カンパニー』が統合、名称を『Pwcコンサルティング合同会社 PwC Strategy& (Japan) Inc.』に変更 |
(2)Strategy&の特長・事業内容
Strategy&は、1世紀以上に及ぶコンサルタンティングファームとしての豊富な実績や知見、そしてPwCのネットワークを活かしつつ、様々な業界に精通したプロフェッショナルによるサービス提供力の高さに定評のあるコンサルティングファームです。
- 自動車
- 産業機械/製造業
- 小売
- 消費財
- エネルギー/化学/ユーティリティ
- 金融サービス
- ヘルスケア
- エンタテイメント&メディア
- 公共
- 情報通信
- 物流/運輸
- 商社
- テクノロジー
- 航空/防衛
多様な業界に対応しているだけでなく、個々のクライアント企業が抱える問題に対するソリューションも豊富であり、柔軟かつチャレンジングにクライアント企業が求める競争優位を実現するための経験と知識を提供しています。
- 全社戦略・事業戦略
- カスタマー戦略
- オペレーション戦略
- 人材・組織戦略
- イノベーション戦略
- デジタル戦略
- 海外市場参入戦略
- サステナビリティ戦略
Strategy&は老舗・大手の戦略コンサルティングファームでありますが、守りを固めるのではなく、イノベーション戦略・デジタル戦略・サステナビリティ戦略などの新しい分野のコンサルティングも積極的に行っています。
クライアントに合わせて多角的な支援を行い、激化・複雑化する環境で勝ち残りを成功させるための手段を戦略立案から実行までを高いレベルで一気通貫で提案することができるのがStrategy&の最大の特長といえるでしょう。
2.Strategy&の待遇
次に、気になるStrategy&の待遇について解説します。
- Strategy&の平均年収
- Strategy&の社風・社内環境・福利厚生
Strategy&への入社後、どれくらいの年収が得られ、どんな待遇を受けられるかを解説します。
(1)Strategy&の平均年収
戦略コンサルティングファームStrategy&の平均年収は900万円~最大で2,000万円と言われています。
Strategy& は戦略コンサルティングファームらしく実力主義の年俸制となっています。
strategy&の役職 | 年収(目安) |
アソシエイト | 550~700万円 |
シニアアソシエイト | 650~900万円 |
マネージャー | 1,100~1,300万円 |
シニアマネージャー | 1,300~1,700万円 |
ディレクター | 1,500~2,000万円 |
パートナー | 2,000万円~ |
実際の金額は個人の実力によって異なるので同じランクでも給与に差がある場合がありますし、前職の年収・転職後の職位によっても年収も変わってきますが、Strategy&の年収はスタート地点であるアソシエイトの時点でもかなり高水準といえます。
また、Strategy&の平均年収を競合となる外資系コンサルティングファームの平均年収(推定) と比較してみると以下のようになります。
企業名 | 平均年収 |
Strategy& | 900~2,000万円 |
モニター・デトロイト | 1,400~1,600万円 |
マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,500〜2,000万円 |
ボストン・コンサルティング・グループ | 1400~1,600万円 |
ベイン・アンド・カンパニー | 1,500〜2,000万円 |
A.T.カーニー | 1,300〜1,600万円 |
Strategy&では少数精鋭の優秀な社員と切磋琢磨をしながら成長できる環境とPwCの歴史や実績・名声・ネットワークによって多くのプロジェクトに関わることができるため、コンサルタントとして成長機会が得られる環境が整っています。
「世界的な外資系コンサルでしか得られない仕事をしたい」「キャリアを積みたい」「クライアントの成長が嬉しい」と思う人に向いているといえるでしょう。
(2)Strategy&の社風・社内環境・福利厚生
Strategy&は、風通しが良く、個の多様性を重んじる考え方を大事する社風です。
多様なバックグラウンドを有するプロフェッショナルが自分の強みと個性を活かしてクライアント企業の本質的な競争優位を追求しています。
また、先進的・チャレンジングなテーマのプロジェクトも積極的に手掛けるなど、柔軟さと自由度を有するプロフェッショナルファームであるため、従来の枠や概念に捕らわれない新しい発想でコンサルティングを行っていきたい人には最適なファームといえるでしょう。
ワークライフバランスについては、働き方改革やコロナウィルスの影響で現在ではフレックス制度や在宅勤務を強く推奨するなどリモートワークが進められているようです。
福利厚生について、出産・育児休暇や介護休暇などライフステージに合わせた制度が用意されています。
また、多種多様な経歴を持つスタッフが働いているStrategy&ではすべてのスタッフの個別のニーズに応えるためにグローバル・分野別トレーニングやMy training(いつでも自分の自由な時間にアクセスできるオンライントレーニング)など、充実したトレーニング・プログラムも準備されています。
さらに、英語力は業務に必要なだけではなく各スタッフの社内での「可能性」を広げる重要なツールになるため希望するスタッフには英語の研修費用を補助するなど個人の英語力向上のためのサポートとして語学研修費用補助制度を設けるなど社員教育・スキルアップには積極的です。
3.Strategy&の転職動向
次に、気になるStrategy&の転職動向について解説します。
- Strategy&の転職状況
- Strategy&の転職情報
- 業界未経験からでも可能か
Strategy&は転職市場でも人気が高く難易度は高めですが、チャレンジしてみる価値のあるファームです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)Strategy&の転職状況
戦略ファームとして豊富な実績と高いプレゼンスを持っているStrategy&の転職市場での人気は高く、転職難易度はかなり高いです。
Strategy&のメンバーはほとんどが中途採用であり、実効性の高い戦略立案を武器としていた前身の『ブーズ・アンド・カンパニー』の社風を受け継ぐStrategy&のメンバーも外資系戦略コンサルティングファーム出身者が多くなっています。
それ以外には、外資系投資銀行、大手電機メーカー、大手IT企業、大手通信キャリアなど多彩なバックグラウンドを持つメンバーが揃っていることからも戦略コンサルタントとして腕を磨きたい各業界のエリートが集っているファームということがわかります。
また、Up or Outが定着しており人の入れ替わりが激しいファームとして広く知られているStrategy&で活躍しているメンバーは、もれなく知的・体力的・精神的タフネスさにおいても秀でていることが推測されます。
現在、Strategy&は通年で募集していますが基本的に採用人数が少なく、そこに優秀でタフなエリートがこぞって応募するため、必然的にstrategy&の転職難易度は非常に高くなっています。
Strategy&では高い論理的思考力やコミュニケーション力を持ち、戦略コンサルティングの経験や経営企画など企業経営に関わる業務での経験などを持つ人材を高評価する傾向がありますが、近年は急激に案件が増えている技術・イノベーションに関する知見を持つ人材も積極的に採用しているため、IT関連の高い専門的なスキル・経歴をお持ちの方には今が狙い目です。
Strategy&の門戸は狭く非常に難しいですが、入社すればハイレベルな環境でのチャレンジを希望する人材にとってStrategy&は居心地の良い職場であるのは間違いありません。
コンサルティング業界において短期間で成長し、実力を伸ばしたい人はぜひチャレンジしてみましょう。
(2)Strategy&転職情報
現在、Strategy&自体が少数精鋭のため採用人数は決して多くはありませんが、有能な人材であれば常に積極的に採用を行っています。
現在募集しているのは、ストラテジーコンサルティングの戦略コンサルタントです。
職種 | 仕事内容 |
戦略コンサルタント |
|
応募資格として、国内または海外の大学・大学院を卒業、2~7年程度の実務経験を積まれた人(直近2年以内にStrategy&中途採用選考に受検された方は除く)となっています。
より詳しい情報は、中途採用:公式サイトをご覧ください。
(3)業界未経験からでも可能か
戦略コンサルティングファームとして多くのクライアントに最上級のコンサルティングサービスを提供しているStrategy&への転職はコンサルティング業界未経験でも可能です。
ただし、Strategy&では一定の実務経験を積んだ人材(第二新卒を含む)の採用を通年で積極的に行っていますが、求められるレベルは非常に高いため、未経験であることをカバーする強みが必要です。
具体的には、Strategy&が対応しているインダストリー出身者、IT・DXなどの新しい分野に知見がある人材など専門分野に強みを持っている人は業界未経験でも高評価を得られます。
また、グローバルに展開するグループに属するStrategy&では英語などの外国語を使える人材も積極的に採用しているため、TOEICで870点以上などネイティブ以上の語学力を備えておくと転職を有利に展開していけることでしょう。
上記に加え、Strategy&の戦略コンサルティングはクライアントに対してエッジの効いた提案やクライアント企業の長期的かつ本質的な成功につながる提案などが求められる場面が多いため、広い視野や新しい観点で考えられる柔軟な思考力なども磨いておくとよいでしょう。
4.Strategy&への転職に有利になる能力
次に、Strategy&への転職時に高評価され、転職を有利に進められる3つの能力を解説します。
- 問題解決能力やチームワークなどのソフトスキル
- 知的・体力的・精神的タフネス
- ビジネスレベルの英語力
Strategy&の中途採用は狭き門ですが、Strategy&が求める能力を有している人材であればきっと突破できることでしょう。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)ソフトスキル
Strategy&への転職で求められる1つ目の能力は、問題解決能力やチームワークなどのソフトスキルです。
多彩な民間企業や公共機関など多様なクライアントを抱えるStrategy&では、多様化・複雑化する経営課題に関して戦略策定から実行まで多様な専門性をもったコンサルタントが最高のチームで問題解決に取り組むファームです。
そのため、コンサルタント個人のハードスキルは当然のことながら、クライアントと強固な信頼関係を築ける誠実な人間性や様々な問題に柔軟に対応できる適応力・問題解決能力、さらにメンバーと協力して問題解決に取り組めるチームワークなどソフトスキルが重要視されます。
ハイレベルで立派な経歴・ハードスキルを持った人材が集中するStrategy&で他の応募者と最終的に差をつけるにはソフトスキルが重要になります。
面接時に面接官をも魅了する高いコミュニケーション能力や共感力・応用力などのソフトスキルの高さをアピールすれば、転職も有利に運べることでしょう。
(2)知的・体力的・精神的タフネス
Strategy&への転職で求められる2つ目の能力は、知的・体力的・精神的タフネスです。
Strategy&は多くの企業から信頼されニーズも高い戦略系コンサルティングファームですが、設立以来少数精鋭を貫いているため一人のコンサルタントが抱える業務は必然的に多くなります。
しかも、徹底した成果主義であるのでハードワークの中で常に結果を出すことも求められます。
コンサルティング業務の多様化・量の多さ・結果を出さねばならないプレッシャー、そしてUp or Outの根付いた環境でコンサルタントとして活躍するには様々な面でのタフさが欠かせません。
そのため、Strategy&ではハードスキル・ソフトスキルに加えてタフさを持つ人材を高く評価しています。
タフネスに自信がある方はその点もアピールすると好印象を与えられることでしょう。
(3)ビジネスレベルの高い英語力
Strategy&への転職で求められる3つ目の能力は、ビジネスレベルの高い英語力です。
転職後にメンバー向けの英語のスキルアップ研修やトレーニング等は用意されていますが、即戦力を期待して採用する中途採用の場合、元からビジネスレベルの英語力を持つ人材が好まれるのは当然です。
特に世界中にグループネットワークを網羅しているPwCの戦略部門であるStrategy&では海外とのやりとり・交渉を行う機会も多いため、転職活動と合わせて英語力をビジネスレベル(TOEIC870点以上)まで引き上げておくと高く評価されて転職を有利に進められることでしょう。
5.Strategy&からのキャリアパス
最後にStrategy&からのキャリアパスを見てみましょう。
世界屈指の戦略系コンサルティングファームであるStrategy&で磨いた戦略コンサルタントとしてのスキル・知見は様々な業界・業種で求められ、活かすことができます。
- 他コンサルティングファーム
- 事業会社
- ベンチャー企業
- 投資銀行・VCファンド・PE
更なる年収アップやタイトルアップを考えStrategy&から他のファームへスライドする人、ワークライフバランスや長期的な雇用の安定化を重視して激務であるStrategy&から事業会社へ転職し培った経験をクライアント側で活かす人が多いです。
また、スピード感のあるベンチャー、スケールの大きな投資を行う投資銀行やファンド系などStrategy&で得た経営スキルを活かして活躍する人も少なくありません。
様々な経験を得られるStrategy&で得たキャリアは、その後の人生の選択肢を大幅に広げてくれるのは間違いないようです。
まとめ
数ある戦略コンサルティングファームの中でもとびぬけて歴史と実績と信頼のあるStrategy&は、ハードな環境の中で戦略系コンサルタントとしての能力を伸ばせる理想的なファームです。
少数精鋭のプロフェッショナル集団であるため求められる条件は基本的に高く、転職難易度も非常に高くはありますが、そこで認められ入社すれば優秀でタフなメンバーと切磋琢磨をしながら様々なプロジェクトを通して短期間で成長できるのは間違いありません。
ぜひ「短期的な年収ではなくコンサルスキルを身に着けたい」「ハードでも成長できる環境で己を磨きたい」と思ったら、Strategy&にチャレンジしてみましょう。
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