BIG4系FAS『DTFA』の採用事情を解説!転職に必要な3つのスキルは?
「BIG4系FASとして知られるDTFAの転職難易度は高いのか知りたい」
「DTFAの業績や採用スケジュールについて知りたい」
20代後半の方の平均年収をはるかに上回るM&A仲介業界の中でも、DTFA(デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社)はBIG4系FASの一角として注目を集めている企業です。
M&A仲介業界への転職を考えたとき、有名企業であるDTFAへの転職を検討する方も多いと思いますが、その採用事情を詳しく知らない方もまた多いのではないでしょうか?
本記事では、DTFAの採用事情を中心に、企業情報や中途採用のスケジュール、転職に必要なスキルについて解説します。
この記事を読んで、DTFAへ転職するための知識を深めてください。
本記事を読む前に、FASの基本情報を詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.DTFAの採用事情
DTFAの採用事情について見ていきましょう。
- DTFAの採用難易度
- 募集職種
DTFAへの採用を検討している方にとって、採用難易度は非常に気になるところですよね。
募集要項についても詳しく確認してください。
(1)DTFAの採用難易度は非常に高い
DTFAは多様なフィールドで活躍をする方の採用を積極的に行っていますが、採用サイトに推奨応募資格として以下を記載していることから、採用難易度は非常に高いと言えるでしょう。
- 投資銀行、金融機関、M&Aブティック、PEファンド、コンサルティングファーム、その他プロフェッショナルファームで、M&A業務の経験をお持ちの方
- 事業会社や金融機関の経営企画部門、財務部門でM&A関連業務に携わっていた方
- 監査法人、税理士法人などで監査業務、財務分析、コンサルティング業務に携わっていた方
- 戦略コンサルティングファーム経験者
- 株式調査、財務分析、法人向けカバレッジ業務の経験をお持ちの方で、特定のインダストリーにおける知見やリレーションを有する方
このように、既にM&Aの業務に関する経験や知識を持っている人材を求めているため、中途採用の難易度は非常に高いと言えます。
これらの条件は必須ではなくあくまで推奨の応募資格ではありますが、基本的に即戦力としての働きが求められるということは理解しておきましょう。
(2)募集職種
DTFAでは、7つの職種にてエントリーを受け付けています。
- M&A領域(サービスライン、セクター採用)
- M&A領域(個別採用)
- クライシスマネジメント領域
- イノベーション領域
- エリア採用
- ミドルバック
- 公認会計士採用
前項でDTFAへの採用で求められることについて記載しましたが、他にも職種により、様々な必須条件が存在します。
DTFAでは7つの職種の中でも募集ポジションが複数存在するため、自身の強みを活かせるポジションはどこなのかを考える必要があるでしょう。
それぞれの職種について詳しくは、DTFAの公式サイトにある職種一覧をご覧ください。
2.DTFAの企業情報
そもそもDTFAとはどのような会社なのでしょうか?
企業情報を4つの項目に分けて見ていきましょう。
- 会社概要
- 平均年収
- DTFAの業績
- DTFAの強み
以下でご説明します。
(1)会社概要
会社名 | デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社 |
設立年月 | 2001年6月 |
資本金 | 300百万円 |
人員数 | 1,394名 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング |
公式HP | https://www2.deloitte.com/jp/ja.html |
DTFAは、アメリカに本社を構える世界最大の会計事務所、デロイト・トウシュ・トーマツのグループ企業です。
日本支社は2001年6月に東京で設立、現在では群馬、大阪、愛知、広島、福岡の5ヶ所に支社を構えています。
DTFAは日本におけるファイナンシャルアドバイザリーサービスを担い、収益構造を変革するためのM&Aや企業再編・不正調査など、企業が直面する重要な課題の解決支援が業務です。
社員1人1人が個人事業主のような独立した意識を持ちながら、全体で会社を盛り上げていこうという社風を持っています。
(2)平均年収
DTFAの平均年収は、1,059万円と言われています。
この金額は、他のBIG4系FASと比較すると平均的かそれ以上の水準であり、他業界を含めた20代後半の平均年収369万円に比べると、約3倍の数字です。
ただしこの数字はあくまで平均であり、就いているポジションにより、年収は変わります。
転職してすぐのポジションであるジュニアアナリストの場合は平均年収は500万円、アナリスト、シニアアナリストを経たヴァイスプレジデントになって始めて、1,000万円の大台に乗るようです。
(3)DTFAの業績
近年のDTFAの業績推移を見てみましょう。
年度 | 業務収入 |
2019年 | 221,365百万円 |
2020年 | 237,802百万円 |
2021年 | 273,893百万円 |
ここ3年ほどのデータを見ると、DTFAの業績は順調に増加の傾向を辿っているのが分かります。
デロイトグループ全体の業績は、デロイトの戦略および複数専門サービスを総合的に提供するビジネスモデルがグローバル規模で成功を牽引していることを受けて、10年連続で業績拡大となっており、今後も成長が期待される企業と言えるでしょう。
(4)DTFAの強み
DTFAは国内だけではなく、全世界150ヶ国以上、約200,000人のプロフェッショナルを有しており、その豊富なネットワークや、各業界の豊富な知識を活用できる点が強みと言えます。
新しいビジネスを開拓するチャレンジ精神を持っているだけでなく、クライアントのニーズを満たすための専門性と総合力を併せもつファームです。
DTFAの中には、海外でグローバルな経験を積みたいと強い意思を持って入社して、実際に駐在員として派遣され、プロジェクトメンバーとして業務を遂行している方も多くいます。
部門を超えた交流も多く、チーム間のナレッジも蓄積される仕組みを持つDTFAだからこそ、各プロフェッショナルが得た体験を知識に変えて、さらなる飛躍に役立てていけると言えるでしょう。
また、FASの同業他社についての情報など、詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
3.DTFAの中途採用スケジュール
ここまで読んで、DTFAへ転職する気持ちが固まった方も多いのではないでしょうか。
具体的に転職の際の中途採用スケジュールについて説明します。
- 書類選考
- 一次面接:現場社員クラス
- 二次面接:役員クラス
DTFAの中途採用は、履歴書・職務経歴書を用いて書類選考が行われた後、書類選考通過者のみ、面接に進めます。
面接は1対1を基本として約30分、以下のようなことが多く聞かれると言われています。
- 自己紹介
- なぜDTFAに入りたいか
- 自身の長所と短所
- 今までの一番の挫折と対処方法
面接で聞かれる内容は上記をベースとして様々のようですが、なぜDTFAに入りたいかと、チームワークを大切にしている社風への理解が重要のようです。
エントリーから採用までにどれくらいの期間がかかるかの情報は記載が無いため不明ですが、他企業を含めて2週間以内が一般的と言われているため、面接を重ねても1ヶ月程度見ておけば十分と考えられます。
4.DTFAへの転職に必要なスキル
DTFAへの中途採用には即戦力となれる能力が必要であることに不安を感じる方も多いと思います。
実際に、どのようなスキルが必要なのかを見ていきましょう。
- M&A関連知識と経験
- コミュニケーション能力・交渉力
- 語学力
順にご説明します。
(1)M&A関連知識と経験
まずは、M&A関連知識と経験です。
DTFAでは即戦力となる人物を求めていますので、転職するにおいて、財務に関する専門知識や企業分析・企業評価のスキルは必須となります。
M&A未経験でどうしてもDTFAに転職したい方は、他の会社に入社して、数年かけて知識を得て経験を積んでからのチャレンジがおすすめです。
(2)コミュニケーション能力・交渉力
M&Aを行うのにあたり、タフな交渉が必要になる場面もあるため、コミュニケーション能力や交渉力は必須です。
M&Aを円滑に行うためには、クライアント企業の経営者の話に耳を傾けながら、弁護士や会計士からの要望や意見を聞き取り、合意事項をまとめていかねばなりません。
正しい道を冷静に伝えるだけではなく、特に売却を行う企業がクライアントの場合、会社を手放す経営者の心情を理解しながら、的確なアドバイスを行う能力が求められるのです。
日常会話の中でも、相手の発言の意図を汲み取りながら、話を良い方向へ持っていく話術を鍛えていくと良いでしょう。
(3)語学力
DTFAへ転職するにあたり、語学力も身につけておいた方が良いでしょう。
前述した通り、DTFAを含むトーマツグループは全世界にグループファームを持っており、相互協力のもと国境を超えて案件に取り組む姿勢が強い会社です。
日本にいながらでも海外の企業とM&Aを行うクロスボーダー案件を手掛ける機会も多くなるため、ビジネスレベルの英語を身に着けておくようにしてください。
目安としてはTOEIC800点以上のスコアが必要だと言われています。
まとめ
DTFAでは推奨応募資格が設定されており、内容もM&A業務の経験やコンサルティング業務の経験が問われるため、採用難易度としては高いと言わざるを得ません。
DTFAへの転職を希望している方は、必要なスキルを確認の上、採用試験に望みましょう。
中途採用では書類選考があるものの、1対1の面接が選考のメインとなりますので、なぜDTFAなのかといった理由を明確に掲げ、転職活動に臨んでください。
DTFAへの転職に向け、FASの転職事情や転職成功のコツなど、詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
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