社会に貢献する少数精鋭の独立系国内PEファンド『アスパラントグループ』の転職事情
「アスパラントグループへの転職って難しいって本当?」
「高年収のアスパラントグループってどんなPEファンド?」
2000年から台頭し2016年以降は成長軌道となっている日本のPE市場において最も有名なPEファンドの1つといえば『アスパラントグループ』です。
創立10年と歴史は浅いながらも、投資先企業との信頼関係を重視し次々にファンドを組成、著しい成長スピードで拡大している注目の独立系投資ファンドです。
そこでここでは『アスパラントグループ』について歴史や特長と合わせて、平均年収や転職事情について解説していきます。
この記事を読めば、”社会に貢献するファンド”として独自の路線で展開する『アスパラントグループ』への興味が一層増すことでしょう。
1.アスパラントグループの概要
まず、アスパラントグループ株式会社の概要について解説します。
- アスパラントグループの歴史
- バイアウトPEファンド『アスパラントグループ』の特長
- アスパラントグループの投資実績
アスパラントグループは、JALの再生支援など投資業界でも有名な中村彰利氏が設立した国内屈指のPEファンドです。
どんな歴史や特長があるのか次に解説していきます。
(1)アスパラントグループの歴史
「まず何よりも投資先企業への支援が先にあって、その後でリターンを得るという順序で活動する社会に貢献するファンドを作りたい」。
その思いを実現するために企業再生支援機構にて代表取締役専務を歴任した中村彰利氏が2012年に投資ファンドの運営会社を設立したのがアスパラントグループ株式会社の始まりです。
非上場企業の株式(プライベートエクイティ:PE)に投資するバイアウトPEファンドとして2013年4月に1号ファンドを組成したのを皮切りに、次々にファンドを組成し、規模を着実に拡大しながら現在までに4ファンドを組成しています。
- 1号ファンド:83億円
- 2号ファンド:272億円
- 2号bファンド:55億円
- 3号ファンド:500億円
金額累計910億円、資産運用総額約689億円
(2)バイアウトPEファンド『アスパラントグループ』の特長
アスパラントグループは成熟した企業が次なる成長軌道に入るための経営の更なる進化をサポートするため、「株主」として参画するバイアウトPEファンドであるのが最大の特長です。
投資対象となるのは、①潜在的な競争力があり、②何らかの理由でその競争力を十分発揮できておらず、③これらを解決することで中長期的な成長軌道に乗せることができる企業であり、規模の目安としては売上高が概ね数十億円以上の企業としています。
企業の変革が求められるタイミングで過半数の株式を保有して経営権を確保し、株主としての意見を一本化して経営に参画しながら投資先企業の役職員とともにスピード感をもって変革を支援、企業価値を向上させるのが基本的な運営スタイルです。
強引に推し進めるのではなく、投資先企業の理念・文化・経営方針を理解し尊重するスタンスで投資先企業の役職員と共同して企業の発展をサポートするのも特長です。
企業名 | アスパラントグループ株式会社 |
本社所在地 | 東京都港区赤坂2-23-1 アークヒルズ フロントタワー RoP 1001 |
代表者 | 代表取締役社長 中村 彰利 |
設立 | 2012年 10月 |
事業内容 | PEファンド |
沿革 | 2012年 設立 2013年 1号ファンドレイズ クロージング完了 2016年 2号ファンドレイズ クロージング完了 2019年 3号ファンドレイズ クロージング完了 |
ホームページ | https://www.aspirantgroup.jp |
(3)アスパラントグループの投資実績
アスパラントグループはこれまでにも多くの投資を行い成功させています。
中小~中堅企業のカーブアウト・事業承継・再生関連に注力しており、合計24件の投資実績のうち、事業承継は13件・カーブアウト(事業部門や子会社のグループから独立を支援)は9件・企業再生は2件となっています。
また、産業別でみると、製造業が10件、ビジネスサービスが7件、ITが2件、ヘルスケアが1件、消費者サービス(小売り・飲食等)が4件となっており、特定の業種にこだわらず多岐にわたっているのもアスパラントグループの特色です。
投資先 | 投資時期 | ファンド | ステータス |
ジョンマスターオーガニックグループ | 2022年07月 | AG3号シリーズ | 投資中 |
興人フィルム&ケミカルズ | 2021年08月 | AG3号シリーズ | 投資中 |
NJT銅管株式会社 | 2019年09月 | AG2号/AG2号b | 投資中 |
株式会社インフォマティクス | 2017年06月 譲渡 2020年12月 | AG2号 | Exit済 |
ユメックス株式会社(現商号: 株式会社ツナグ・マッチングサクセス) | 2018年08月 譲渡 2019年06月 | AG2号 | Exit済 |
株式会社さが美 | 2016年10月 譲渡 2018年06月 | AG2号 | Exit済 |
株式会社駐車場総合研究所(現商号:三菱地所パークス株式会社) | 2016年01月 譲渡 2018年06月 | AG1号 | Exit済 |
りんかい日産建設株式会社 | 2015年03月 譲渡 2016年09月 | AG1号 | Exit済 |
上記は、アスパラントグループの投資実績の一例で、現在はEXIT済は11件、投資中は13件となっています。
2.アスパラントグループの平均年収
アスパラントグループの年収情報は公開されている情報は残念ながらありません。
PEファンドでは基本的には非公開求人であり、各々の実績を鑑みて年収がオファーされる形になります。
あくまで目安になりますが、若手層での採用の場合、年収はベース750万円~1,500万円にキャリーが加わる形で提示されるケースが多いようです。
PEファンドの報酬体系は、ベース(年俸)+キャリー(成功報酬)となっており、案件次第で計り知れない報酬を得ることができます。
イグジットボーナスにより、規模・報酬額によっては億単位の報酬を得ることも夢ではないでしょう。
既にいくつもの投資がEXIT済であるアスパラントグループでも、大きなイグジットボーナスがあったと考えられます。
もともとPEファンド業界は全体を通してベースの部分でもかなりの高年収ではありますが、成果によってはイグジットボーナスによってさらなる高額な収入を得られるのがPEファンドの金額面での仕事の魅力といえるでしょう。
3.アスパラントグループの転職動向
次に、アスパラントグループへの転職事情についてみていきましょう。
- アスパラントグループへの転職状況
- アスパラントグループの転職情報
- 業界未経験からでも転職可能か
転職市場でも人気の高いアスパラントグループへの転職を考えている人は必見です。
(1)アスパラントグループへの転職状況
アスパラントグループに関わらずPEファンドへの転職難易度は押しなべて高く、アスパラントグループの転職もかなり狭き門となっています。
非常に高いレベルで金融やコンサルに関する知識やスキルを求められるためハードルが高いことには変わりません。
PEファンドは巨額のお金が動き、成功すれば多大な利益が得られますが、投資回収に失敗して大きな損失を被ることもある=ハイリスクハイリターンであるため、投資先が抱える幅広い経営課題を解決し企業価値を確実に高められる優秀な人材が必要だからです。
具体的には、戦略コンサルティングファームや外資系銀行、投資銀行などでの豊富な実践経験・スキルをもつ経験者が優遇される傾向にあり、実際、アスパラントグループメンバーの経歴を見ても、日系コンサル・他PEファンド・Big4 FAS・監査法人・弁護士・銀行や損保などの金融業界など他企業の第一線で活躍してきたメンバーが多いです。
特に、アスパラントグループは少数精鋭の独立系国内PEファンドであるため、転職難易度はさらに高くなっています。
ただし、近年では業界全体の傾向として公認会計士・税理士・監査役・類似業界の転職者を採用するケースも増えているため、上記の資格や経験を持っている方はチャレンジしてみる価値があります。
(2)アスパラントグループの転職情報
現在、アスパラントグループでは、事業支援部門で投資先企業の改善業務を行う事業支援VP・事業支援アソシエイトを、投資部門で投資実行までにおける一連の業務を行う投資担当VP・投資担当アソシエイトの中途採用を行っています。
事業支援部門 | |
事業支援VP |
|
事業支援アソシエイト | 同上 |
投資部門 | |
投資担当VP |
|
投資担当アソシエイト | 同上 |
ただし、上述のように採用基準が非常に高いため、実際に求人を出していても採用レベルに至らなければ採用者なしというケースもあります。
(3)業界未経験からでも転職可能か
アスパラントグループへの転職は難易度が高く決して簡単ではありませんが、能力があればもちろん可能です。
アスパラントグループは、国内外の運用会社・金融機関・政府機関・国際機関等で長年経験を積んだプロフェッショナルメンバーで構成されている国内屈指のPEファンドです。
投資回収に大きなリスクを負うPEファンドの特性として優秀な人材でなければ採用しないのはアスパラントグループでも同様ですが、業界未経験だからといってそれだけで門前払いされることはありません。
特に、継続的に投資先の会社を良くしていくためには様々なノウハウを持った優秀な人材が必要であるため、アスパラントグループも経歴に関わらず多才で有能な人材を募集しています。
努力創意・誠実信頼・利他共助・果敢実践・反省ある毎日というアスパラントグループの行動規範にマッチし、求められる経験やスキルがあれば業界未経験であっても採用の可能性は十分にあるのでぜひ臆さずチャレンジしてみましょう。
まとめ
産業再生機構・企業再生機構出身のメンバーにより2012年10月に設立されたアスパラントグループは、創業から8年で500億円規模の3号ファンドをクローズするなど多くの投資を成功させている人気の高い独立系PEファンドです。
「日本でのファンド運営にはWin-Winの姿勢が不可欠」というスタンスの元、投資先企業の社員とともに企業価値を高め、信頼されるPEファンドとして確固とした地位を築いています。
そんなアスパラントグループへの転職難易度が非常に高いのは事実です。
しかし、転職を成功させることができれば、一般企業では得られないほどの報酬を得られるイグジットボーナスや、企業のバリューアップに貢献できるというやりがいなどアスパラントグループでしか得られないものを手に入れられることでしょう。
PEファンドを通じて行う社会貢献に興味があるならぜひアスパラントグループへの転職にチャレンジしてみてください。
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