Trusted Investorを目指す国内独立系PEファンド『インテグラル』転職動向
「日本型PEファンドのインテグラルへの転職は難しい?」
「インテグラルの年収や社風はどんな感じ?」
インテグラルは、数あるPEファンドの中でも日本企業・日本の産業を支える投資を積極的に行っている独立系日本型PEファンドです。
経営・財務の面から投資先企業をサポートして企業価値を高めるだけでなく、EXIT後も支援するという独自の姿勢が多くの投資家や企業から信頼されている稀有なPEファンドでもあります。
そこでここでは、『Trusted Investor』を目指す国内独立系PEファンド『インテグラル』について、企業の概要や待遇、転職動向について解説していきます。
「企業を良くするだけでなく日本の産業を変革していきたい」という熱い思いを持つ方は、インテグラルに強い興味を持つことでしょう。
1.『Trusted Investor』を目指すインテグラルの概要
日本型投資モデルを確立した独立系PEファンド『インテグラル』とは一体どんなPEファンドなのでしょうか。
- インテグラルの歴史
- インテグラルの特長
- インテグラルの事業内容と実績
インテグラルが創立当初から持ち続けている理念やこれまでの実績を見れば、インテグラルが他のPEファンドとは一線を画すユニークなPEファンドであることがわかることでしょう。
(1)インテグラルの歴史
インテグラルは、プライベート・エクイティ投資とそれに付随する経営・財務のコンサルティング・支援を行う2007年9月に設立された日系独立系PEファンドです。
創業メンバーは、投資ファンド・M&Aアドバイザリー分野でのレジェンド佐山展生氏・山本礼二郎氏、企業再生の第一人者かつ東ハトの再生を社長として手掛けた企業再生のレジェンド辺見芳弘氏の3人です。
財務・経営における国内トップクラスの実力者の元に事業会社・商社・銀行・弁護士などM&Aなどに携わったスキル・経験豊富な各業界の専門家が集結したプロフェッショナル集団としても知られています。
インテグラル(積分・積み重ね)という社名が表すように、単にEXITありきの投資ではなく、ステークホルダーとの『ハートのある信頼関係』を積み重ねた上で投資先企業にとって真にプラスとなる投資・長期支援を行うことをモットーとしています。
インテグラルの投資姿勢は多くの投資家等から高く評価され、その証拠に設立後わずか3年の2010年には1号ファンド(112億円)、次の2014年には2号ファンド(442億円)、2017年には3号ファンド(730億円)と3年ごとに規模を大きく拡大してファンドを組んでいます。
最近では2020年の4号ファンドで総額1,238億円もの大きなファンドを設定完了しており、インテグラルのファンドレイズ総額は2,500億円超となっています。
会社名 | インテグラル株式会社(Integral Corporation) |
種別 | PEファンド(国内独立系) |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー10F |
代表者 | 代表取締役パートナー 山本 礼二郎 |
設立 | 2007年9月1日 |
資本金 | 不明 |
売上 | 26億3700万円(2021年12月31日時点) |
純資産 | 138億2400万円(2021年12月31日時点) |
従業員 | 58人 |
事業内容 |
|
ホームページ | https://www.integralkk.com/ |
沿革 | 2007年創業 2010年1号ファンドを112億円で設定完了 2014年2号ファンドを442.億円で設定完了 2017年3号ファンドを730億円で設定完了 2020年4号ファンドを1,238億円で設定完了 |
グローバル資本主義が進化し、グローバル競争の激化や人口構造の変化、後継者不足、社会貢献の必要性など日本企業の経営を取り巻く環境がよりハードかつチャレンジングになる中、インテグラルはどこにも属さない独立系PEファンドとして『Trusted Investor(信頼できる投資家)』を目指して、投資活動を行っています。
(2)インテグラルの特長
インテグラルは、海外の親会社や特定の金融系列に属さない日本の独立系の投資会社であり、メンバーは全員日本で活動するプロフェッショナルが集う国内PEファンドです。
投資先の経営陣と良好な『ハートのある信頼関係』を築き、短期的な収益獲得の視点で投資を行うのではなく、投資先の経営陣と共に事業の長期的な成長や持続可能性を第一に考えた投資活動及び経営支援活動を行うのが特長です。
投資活動のベースとなっているのは全てのステークホルダーから信頼される投資家『Trusted Investor』を目指すという経営理念です。
創業以来ずっとインテグラルは投資先企業と友好的・長期的な投資を行う日本型の投資を行い、日本経済に長期的にポジティブなインパクトを及ぼすことを目標に掲げて活動を続けています。
インテグラルの姿勢がよく表れているのがインテグラル独自の投資モデル『ハイブリッド投資』と『i–Engine』です。
『プリンシパル投資』には高い収益が見込める半面、資金に対する責任も自己に帰属するためリスクが高いといわれています。
インテグラルはあえて『プリンシパル投資』も組み合わせることで投資家のみならず投資先企業への責任を負う姿勢を前面に出しています。
しかも、『プリンシパル投資』による保有持分についてはEXITを前提とせず、投資先企業が希望しない限り売却していません。
これは、インテグラルが投資先企業の株式を長期的に保有することによって投資先の経営者と同じ目線・時間軸で長期的な事業の成長を第一に考えた経営補助を行い、EXIT後も当該企業のサポートを行う、ひいては責任を負うということです。
そんなインテグラル側にリスクが高い『ハイブリッド投資』を可能としているのが、財務的要素について日本の市場を切り開いてきた佐山氏・山本氏やプロ経営者として企業経営の現場を自らリードしてきた辺見芳弘氏などをはじめとした経験豊富なメンバーによるハンズオン型経営支援『i–Engine』です。
『i–Engine』とは「イノベーションを起こすエンジン」の略で、必要に応じてメンバーが投資先企業に常駐して経営を支援を行いますが、投資先企業から「ずっといてほしい」といわれるメンバーもいるほど評価が高い手法です。
『財務』と『経営』という企業にとって重要な2つの構成要素から投資先の長期的な企業価値向上の支援~投資・資金調達等トランザクションの実行までを一丸となって行っています。
- 既存事業の拡大と生産性向上、多角化、グローバリゼーション等の成長戦略構築と実行支援
- M&A・事業提携のプラン構築、オリジネーション、エグゼキューション
- 上場(再上場)及びレバレッジドファイナンス・メザニンの活用による資金調達
評価・報酬体系の整備、人材の補強
もう一つ、インテグラルの特長として挙げられるのが『ESG理念(E:環境・S:社会・G:ガバナンス)』の遵守です。
2016年には、国際連合が公表した世界共通のガイドラインであるPRI(責任投資原則)に署名し、社内においてESG規程を策定しています。
投資前にはESGチェックリストによるネガティブスクリーニングを実施、ESG課題の当該課題の解消・克服に向けた施策を検討、投資後にはESGの要件を充足するように導くESG投資活動を行うなど投資活動を通じて投資先企業にE・S・Gの理念を浸透させていくことも使命の1つとしています。
(3)インテグラルの事業内容と実績
インテグラルの事業内容と実績をみてみましょう。
インテグラルは、普通株に加えて転換権付優先株、転換社債、新株予約権等エクイティ性のある非上場・上場企業を主な投資対象としていますが、対象業界についての制約はなく、ハードルレートで8%、投資の判断材料になるIRR(内部収益率)で30%を基準としています。
これまでのインテグラルの実績の一例をみてみましょう。
投資先企業 | ファンド | 投資時期 |
株式会社ビー・ピー・エス | 1号ファンド プリンシパル投資 | 2009年1月 |
株式会社ヨウジヤマモト | 1号ファンド プリンシパル投資 | 2009年12月 |
APAMAN株式会社 | 1号ファンド | 2011年3月 |
スカイマーク株式会社 | 2号ファンド | 2015年2月 |
株式会社アデランス | 2号ファンド | 2016年11月 |
株式会社 豆蔵ホールディングス | 3号ファンド プリンシパル投資 | 2020年3月 |
プリモ・ジャパン株式会社 | 3号ファンド プリンシパル投資 | 2021年1月 |
株式会社トッパンフォトマスク | 4号ファンド プリンシパル投資 | 2022年4月 |
株式会社シノケングループ | 4号ファンド プリンシパル投資 | 2022年10月 |
インテグラルは誰もが知る有名企業に積極的に投資を行っていますが、それを実現可能にしているのはインテグラルが持つ潤沢なファンド資金です。
インテグラルがファンドを組むごとに規模を拡大させることができているのは、『ハイブリッド投資』『i–Engine』『EGS理念』を実践するインテグラルに対する投資家から信頼が高いことに他なりません。
創業からわずか15年と歴史は浅いながらも、既に日本で確固たる地盤を築いているインテグラルは今後も国内屈指の日本型PEファンドとして成長していくことでしょう。
2.インテグラルの待遇
インテグラルに入社するとどんな待遇を受けられるのでしょうか。
- インテグラルの平均年収
- インテグラルの社風・社内環境・福利厚生
メンバーが快適に仕事に取り組めるよう、インテグラルは入社後も安心して働ける環境が整っています。
次に1つずつ解説していきます。
(1)インテグラルの平均年収
インテグラルの平均年収は公開されている情報は残念ながらありません。
PEファンドでは基本的には非公開求人であり、各々の実績を鑑みて年収がオファーされる形になります。
あくまで目安になりますが、若手層での採用の場合、年収はベース1,000万円~2,000万円にキャリーが加わる形で提示されるケースが多いようです。
PEファンドの報酬体系は、ベース(年俸)+キャリー(成功報酬)となっており、案件次第で計り知れない報酬を得ることができます。
PEファンドは日系のものでも基本給(ベース)は概して高いといわれていますが、それらと比べてもインテグラルは高水準といえます。
また、インテグラルは投資規模も大きく、これまでに多くの投資を行っているため、他のPEファンドと比べるとキャリーを得るチャンスも多いと考えられます。
キャリーがプラスされることにより、インテグラルで上記の数字を大きく上回る高年収を得ることも決して夢ではありません。
(2)インテグラルの社風・社内環境・福利厚生
インテグラルは「上下関係がうるさくなく、風通しが良くて居心地の良い職場」という口コミが多く上がっています。
社内の結束力・一体感を高めるために、四半期ごとに全員で会う機会が設けられているだけでなく、代表取締役パートナーの山本氏や取締役パートナーの佐山氏などのトップクラスの役員も個室を持たずに全員が同じフロアで働き、しかも席替えもあるなどアットホームな雰囲気となっています。
また、屋内全面禁煙となっており社内環境も快適、在宅勤務・リモートワークも相談可となっています。
インテグラルは福利厚生も充実しています。
勤務・休日・休暇 | フレックスタイム制 コアタイム:11:00~14:00 休憩時間:60分 時間外労働有無:有 完全週休2日制(休日は土日祝日) 年間有給休暇15日~25日(下限日数は入社半年経過後の付与日数) 年間休日日数125日 年末年始休暇、慶弔休暇、その他 |
福利厚生 | 通勤手当あり 社会保険完備(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険) 教育制度・資格補助(各種トレーニング・語学研修制度・MBA留学支援制度等) |
社員に対する教育制度や資格補助にも力を入れているので、入社後も投資プロフェッショナルとしての経験を積めるだけでなく資格取得など更なる成長を続けることができます。
3.インテグラルの転職動向
インテグラルの転職動向についてみていきましょう。
- インテグラルの転職状況
- インテグラルの転職情報
- 業界未経験からでも可能か
インテグラルは投資規模の大きさや年収の高さから、転職市場でもハイレベルな人材からの人気が高いPEファンドです。
インテグラルへの転職をお考えの方は具体的な活動を始める前にぜひご覧ください。
(1)インテグラルの転職状況
インテグラルのメンバーはほぼ中途採用です。
メンバーの経歴を見ても、投資銀行やメガバンク、コンサルティング会社、証券会社、大学教授、大手一般企業、法律事務所、監査法人など実に多彩でハイレベルなバックグラウンドを持つスペシャリストが集結しています。
インテグラルの採用条件として大学か大学院(国内外問わない)卒業という条件があるため、メンバーは皆基本的に高学歴であり、MBA・LLM・理科系修士号などを持ち、弁護士・公認会計士・税理士などの高度な専門資格を保有している人も多いです。
インテグラルの中途採用で高評価となるのが次の経歴を持つ人材です。
- プライベートエクイティ投資
- 投資銀行における業務(M&A、エクイティ・デット・ファイナンスなど)
- 会計、税務(監査、デューディリジェンスなど)
- 経営コンサルティングまたは起業
- 企業再生や経営企画に関する業務
- 海外ビジネスなどの実務経験
上記の実績に準ずる経験や能力(英語や他言語がネイティブレベルである、これまで社会人として深く取り組んできた事柄があるなど)を持っていればポテンシャル採用の可能性もあります。
(2)インテグラル転職情報
インテグラルでは現在2つの職種で中途採用を行っています。
職種 | 職務内容 |
シニアアソシエイト・アソシエイト (投資プロフェッショナル職) | プライベートエクイティ投資の検討、実行、バリューアップに関する一連の業務 |
コントローラー室プロフェッショナル (公認会計士) | CPAとして、決算業務、監査対応、税務、ファンド管理、レポーティング等の投資家対応や投資先経営支援(財務関連整備、IPOサポート、内部統制アドバイザリーなど) |
投資プロフェッショナル職の条件として、PE投資等の投資業務や投資銀行業務(M&A、エクイティ・デット・ファイナンス等)、会計・税務(デューディリジェンス、監査等)、経営コンサルティング、起業、企業再生、経営企画業務、海外ビジネス等の実務経験が挙げられているため、上記のキャリアがある方は今がチャンスです。
インテグラルの経営理念に共感し、『ハートのある信頼関係』を構築できるメンバーを募集しているので、「経営者と同じ目線で投資して企業を成長させ、ひいては日本の産業を変革したい」という熱い思いを持っている方はぜひチャレンジしてみましょう。
また、インテグラルではインターンも募集しています。
2024年海外MBA卒業見込(インターン期間にMBA在学中の方)・就業経験3年以上・私費留学の3点を全て満たしている方はぜひご応募してみてはいかがでしょうか。
詳しい応募資格や条件についてはインテグラル『採用情報』をご覧ください。
(3)業界未経験からでも可能か
インテグラルは優秀な人材を通年募集しており、ポテンシャル採用もあるため業界未経験であっても採用される可能性はあります。
しかし、インテグラルは経営陣との信頼関係を礎にし長期的視野に立った投資を行う国内独立系のPEファンドであるため、そのメンバーに加わるにはかなり厳しい条件をクリアしていることが欠かせません。
具体的には、経営陣とスムーズに信頼関係を構築する知識やスキル、資格、人を引き付ける人間性やコミュニケーション能力等を保有していることが欠かせないため、現実的には全くの業界未経験者がインテグラルに採用されるのはかなり厳しいといえます。
実際、少数精鋭のプロフェッショナル集団のインテグラルに在籍しているのは華々しい経歴・スキルを持った第一線で活躍するプロばかりです。
しかも採用人数もそれほど多くなく、インテグラルの少ない募集にハイレベルな人材が集中しているのが実情であるため、中途半端な経歴・スキルでは門前払いされる可能性が高いでしょう。
そのため、インテグラルへの転職を成功させるなら、まず投資銀行などの金融系・M&Aコンサルティングなどのコンサル系の企業で実績と経験を積み、高いスキルと経歴を付けておくことが現実的な方法です。
また、インテグラルでは語学力も重視されています。
英語のほかに他言語ネイティブレベル又はそれに近いレべルであれば高く評価されるため、語学力を磨くことにも力を入れると良いでしょう。
インテグラルのメンバーの経歴・実績を見て、それと遜色のないスキルを身につけてからチャレンジすることをおすすめします。
まとめ
インテグラルは「信頼できる投資家」として投資先企業と「ハート」のある信頼関係を築く日本型PEファンドの代名詞と言える人気の会社です。
ファンドを組む度に規模を拡大し、有名企業をはじめ様々な企業を支援してきたインテグラルなら、他のPEファンドでは得られない経験と自己成長、そしてやりがいを得られるのは間違いありません。
投資先企業と一体となって日本社会を盛り上げていきたいという熱いハートを持つ人にとって理想的なPEファンドのインテグラルに興味がある方はぜひチャレンジしてみましょう。
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