メガバンクからの転職は35歳までがおすすめ!人気の転職先も紹介
「メガバンクからの転職先にはどんなところがあるの?」
「メガバンク出身者って転職市場でどこが評価されるの?」
日本でのエリートの代名詞といえばメガバンクに勤める銀行員です。
ノルマやストレスや競争などが厳しくハードワークである反面、高い安定性とやりがいのある仕事・高収入などメリットも多いメガバンクですが、今、働き方の見直し・キャリアアップ等の理由で転職を考える人が増えています。
そこでこの記事では、メガバンクからの転職先としてどのような仕事があり、どんなメガバンク出身者のスキル・経験が生きるのかや注意点について解説します。
メガバンクからの転職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
1.メガバンクからの転職先
まず、メガバンクからの主な転職先について解説していきます。
- コンサルティング業界
- M&A業界
- 金融業界
- 一般企業の営業
- ベンチャー
「有能」「エリート」「経験豊富」のイメージが強いメガバンク出身の銀行員に対する採用ニーズは非常に高く、転職した先で銀行勤務時以上に活躍している元銀行マンも多いです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)コンサルティング業界
1つ目のメガバンクからの転職先は、コンサルティング業界です。
全社経営戦略、M&A戦略、新興国進出戦略など企業が抱える課題について解決に向けてアドバイス・サポートを行います。
メガバンクからの転職者は、主に経営企画や業務企画、財務・会計関連の部門で即戦力として活躍する人が多いです。
(2)M&A業界
2つ目のメガバンクからの転職先は、M&A業界です。
企業の成長戦略の手段として近年日本でも活発に行われるようになったM&Aを専門に行うM&A仲介会社も、メガバンク出身者に人気の高い業界です。
特に日本では、大企業の大規模なM&Aだけでなく、後継者問題を抱える中小企業のM&Aが多く、メガバンクで法人営業や経営トップ層と折衝した経験があるメガバンク出身者を積極的に採用する企業も多くなっています。
(3)金融業界
3つ目のメガバンクからの転職先は、金融業界です。
メガバンクのほか、投資家から資金を集めて投資を行う投資ファンド、保険、証券などの金融業界は、そのままメガバンクでの経験・スキル・知識を活かせる安心感があります。
また、メガバンク出身者という信頼感によりクライアントとの信頼関係を築きやすい、無形商材の開発・販売に慣れているなどのメリットもあります。
(4)一般企業の営業
4つ目のメガバンクからの転職先は、一般企業の営業です。
販売の難易度が高いといわれる無形商材を経営者層や富裕層相手に販売してきた出身者の営業スキルは別格です。
また、営業でもメガバンク出身者という信頼感によってスムーズに進む場合や、メガバンク勤務時に得た人脈が役立つケースも少なくありません。
一般企業の営業は、これまで培った経験・スキル・人脈を生かしてのびのびと働ける仕事といえるでしょう。
(5)ベンチャー
5つ目のメガバンクからの転職先は、ベンチャーです。
ベンチャー企業・スタートアップ企業は、既存の企業と比較すると未知数であると同時に激務であることも少なくありません。
しかし、メガバンクで培ったスキルや経験を活かして自らの力で企業を発展させていくことに、これまで経験したことのないやりがいや面白さや手応えをしっかり感じられる企業でもあります。
新しい挑戦をしたい、自分を大きく成長させたいと銀行員からベンチャー・スタートアップ企業にチャレンジする人も多いです。
2.メガバンク出身者が評価されるスキル・経験
次に、メガバンク出身者が転職市場で高評価を受けるスキルや経験について解説していきます。
- 法人営業経験
- 財務分析経験
- 企画系業務経験
- ストレス耐性・継続力
- 折衝力・コミュニケーション能力
メガバンクで培った経験・スキルは転職市場でも高く評価されています。
次に1つずつ強みについて解説していきます。
(1)法人営業経験
1つ目のメガバンク出身者が転職市場で高評価を受けるスキル・経験は、法人営業経験です。
法人営業部は銀行の花形部署であり、法人営業部所属の銀行員はまさにエリート中のエリートです。
特に、大手企業の経営者と折衝する機会が多いメガバンクの法人営業に携わっていた経験が豊富なメガバンク出身者は転職市場でも高い評価を受けます。
もちろん個人事業主や小規模企業の経営者と関わるリテール営業の経験も評価されますが、規模の大きな企業の経営マネジメント層はやはり別格です。
若手である20代・30代で社長などの企業の重要な方針を決める経営マネジメント層と話す機会はそうそうあるものではないため、法人営業経験豊富なメガバンク出身者は大人気です。
転職時にはどんどん関わった大企業の実績を前面に出してアピールしましょう。
(2)財務分析経験
2つ目のメガバンク出身者が転職市場で高評価を受けるスキル・経験は、財務分析経験です。
基本的な財務分析経験はどんな業界であっても転職時にも有利です。
日商簿記2級や日商簿記1級などの資格を持ち、BS/PL/CF分析がある程度できれば、かなりの武器になります。
今急激に市場が拡大して人材不足気味のM&A・事業再生分野、金融業界の融資関係はもちろんのこと、一般企業の経理・経営部門や営業でも財務分析知識は大いに役立つため重宝されることでしょう。
(3)企画系業務経験
3つ目のメガバンク出身者が転職市場で高評価を受けるスキル・経験は、企画系業務経験です。
メガバンクで業務企画や事務企画、金融商品開発などに従事した経験も高く評価されるポイントです。
大きな金額を動かすメガバンクの業務企画や事務企画の考案実績、無形商材を販売すること以上に難易度の高い無形商材の開発実績は、転職の際にかなり好印象を与えます。
日本の経済の最前線・トップレベルで通用する高い提案力があると自身の有用性を強くアピールする武器となります。
(4)ストレス耐性・継続力
4つ目のメガバンク出身者が転職市場で高評価を受けるスキル・経験は、ストレス耐性・継続力です。
銀行、なかでも巨大なメガバンクはノルマ等が厳しく、年功序列によるストレスやパワハラも多い職場として知られています。
特にメガバンクの法人営業は多大なストレスを抱えながら仕事をしていることも多いため、「メガバンクの営業が耐えられるならどこに行ってもやっていける」と言われるほどです。
そんな中で生き残り、経験・実績を重ねたということは、それだけで心身ともにタフ・ストレス耐性が高いと評価されます。
また、間違いが決して許されず、細かく地道な仕事が多い銀行員の仕事を続けてきた堅実さ・正確さも高評価となります。
(5)折衝力・コミュニケーション能力
5つ目のメガバンク出身者が転職市場で高評価を受けるスキル・経験は、折衝力・コミュニケーション能力です。
メガバンクに限らず、銀行員が仕事を続けていく上で培われるのがコミュニケーション能力です。
対顧客はもちろんのこと、職場の上司や同僚との関係もストレスが多いとされる銀行で何年も努力してきたことは、それだけで折衝力・コミュニケーション能力が高いことの証になります。
メガバンク出身者は、この5つの高評価ポイントを積極的に活用すれば、より良い転職が可能となります。
3.メガバンクからの転職の5つの注意点
これまではメガバンク出身者の高評価ポイントを解説してきましたが、当然のことながらメガバンク出身者だからといって転職時・転職後は誰もがスムーズに進むわけではありません。
次に、メガバンクから転職の際に注意したい5つのポイントについて解説していきます。
- 『メガバンク出身』経歴は面接時に大きなアドバンテージにならない
- 年収ダウンも覚悟しておく
- 福利厚生も要チェック
- 人間関係・環境の変化が激しい
- 35歳までに決断する
転職の際に思わぬところで躓いたり、転職後に「こんなはずじゃなかった」とならないためにもしっかり理解しておきましょう。
次に注意点を1つずつ説明します。
(1)『メガバンク出身』経歴は面接時に大きなアドバンテージにならない
1つ目の注意点は、『メガバンク出身』経歴は面接時に大きなアドバンテージにならないことです。
誰もが知っている有名なメガバンク出身であることは、転職の書類選考時に有利に働く面は確かにあります。
しかし、有名だからこそ逆に本人の能力に対するハードル(期待値)が上がってしまうことも少なくありません。
具体的には、肩書で強い印象を与えることはできたものの、その後の面接でがっかりされて採用に至らない、いわゆる『出オチ』のようになってしまうケースもあります。
転職は肩書・経歴ではなく、その人のスキルや経験・人間性・伸びしろが最重視されるため、書類選考後からは肩書はそれほど大きなアドバンテージにはなりません。
金融・会計・財務・経営に関する幅広い知見や経験や資格に加え、ITスキル等が備わっていれば問題ありませんが、なんとなく年功序列に乗って役職を得ていたという人は実力主義の企業の面接時に弾かれてしまう可能性が高いので注意しましょう。
(2)年収ダウンも覚悟しておく
2つ目の注意点は、年収ダウンも覚悟しておくことです。
メガバンクからの転職では、実のところ多くの場合最初の年収が下がる傾向にあります。
銀行員の平均年収は606万円と、日本全体の平均年収約433万円よりもかなり高水準です(国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」)。
なかでもメガバンクは平均年収が高く、平均で800万円前後となっています。
日本でも有名なメガバンクの平均年収を見てみましょう。
銀行名 | 三井住友銀行 | 三菱UFJ銀行 | みずほ銀行 |
平均年収 | 842万円 | 773万円 | 729万円 |
平均年齢 | 38.0歳 | 38.3歳 | 38.1歳 |
従業員数 | 28,104人 | 30,554人 | 27,659人 |
ただ、この数字には一般職や契約職員も含まれているため低くなっていますが、エリートと呼ばれる総合職だけを見ると1,000万円の大台を超える社員はメガバンクに数多くいます。
もちろん、転職時にはメガバンクでの年収が考慮されて急激に年収が下がるということはありません。
しかし、年収の高いメガバンク総合職からの転職ならば、「転職すれば以前よりも必ず年収が上がる」という思い込みは捨てておいたほうが無難です。
特に、転職者を積極的に受け入れている企業は実力主義・成果主義を採用しているところが多いため、転職後に結果を出さなければ年収が下がったままとなってしまうことになるので注意が必要です。
(3)福利厚生も要チェック
3つ目の注意点は、福利厚生もチェックしておくことです。
メガバンクからの転職で見落としがちなのが福利厚生です。
メガバンクはハードワークである反面、社員に対する福利厚生が充実しているところがほとんどですが、転職先によっては必ずそれらが用意されているとは限りません。
例えば、メガバンクでは当たり前の手当であった住宅手当や家族手当などの福利厚生が転職先になかった場合、手当や補助が出ない部分は当然自分の給料でカバーしなければならないのでその分負担が増え家計の必要経費が増えます。
特に外資系の場合、給与が高い分、手当が薄いシステムの企業も多いため、転職前に必ずチェックしておきましょう。
(4)人間関係・環境の変化が激しい
4つ目の注意点は、人間関係・環境の変化が激しいことです。
メガバンクでの仕事は激務ではあるものの、ある程度決まったルーティンや流れの中で行われることも多く、新卒採用時のハードルも高いため結果的に真面目・堅物など似たようなタイプの社員が多い環境であることが多いです。
しかし、一般企業の場合、仕事内容はもちろん勤めている人間も働き方もバラエティ豊かです。
私服OK、飲み会や上司の接待なし、経歴・学歴も様々なのでメガバンクでは出会ったことのないような個性の強い社員も多いことでしょう。
また、実力や成果で判断されるため、年功序列が当たり前だったメガバンクと同じ仕事の取り組み方・人間関係の構築方法ではうまくいかないことも少なくありません。
自分の可能性を試したい・やりがいのある仕事をしたいと転職したのは良いものの、新しい職場での社風・人間関係になじめずメンタルダウンや体調に不調を来して辞めてしまう人もいます。
そのため、一般企業に転職する際は、新しい環境にこれまでのメガバンクでの常識・やり方は通用しないと割り切り、柔軟に対応するようにしましょう。
(5)35歳までに決断する
5つ目の注意点は、35歳までに決断することです。
一般的に20代の銀行員の転職先の選択肢は多いです。
30代以降となると徐々に減ってくる上に、銀行での経歴が長くなるとそれなりの役職について年収も高くなり、同等の待遇で転職するのは難しくなります。
転職を考えているなら早めに行動したほうがよいでしょう。
4.メガバンクからの転職を成功させる3つのポイント
最後に、メガバンク出身者が転職を成功させるためのポイントを解説していきます。
- 自分の強みを明確にしておく
- 条件にこだわりすぎない
- 銀行員の転職に強い転職エージェントを利用する
自分の思い描く転職をスムーズに成功させるために重要なポイントです。
次に1つずつ解説していきます。
(1)自分の強みを明確にしておく
メガバンクからの転職を成功させる1つ目のポイントは、自分の強みを明確にしておくことです。
メガバンク出身というのは一種のステータスではありますが、経歴だけを鼻にかけていては転職成功は難しいです。
自分を「経歴だけでなく中身も将来性も魅力のある有益な人材」と転職先に強く印象付けるために、転職活動を始める前にメガバンクでの実績をまとめて能力・強みを整理しておきましょう。
メガバンクでの銀行員としての経験から得た強み・得意分野を明確にしておくと、採用者の心に刺さって転職を成功しやすくなります。
(2)条件にこだわり過ぎない
メガバンクからの転職を成功させる2つ目のポイントは、条件にこだわり過ぎないことです。
転職市場で大人気・高評価のメガバンク出身者だからといって、希望の条件すべてをクリアできる理想的な転職先に必ず採用されるわけではありません。
自分を安売りしたり必要以上に妥協する必要はありませんが、現実的な選択肢の中から一番自分に合う転職先を選ぶことが大事です。
そのため、自分が転職で重視する点・譲れない点の優先順位を付けておくと正しい判断ができ、後悔のない転職を実現できることでしょう。
(3)銀行員の転職に強い転職エージェントを利用する
メガバンクからの転職を成功させる3つ目のポイントは、銀行員の転職に強い転職エージェントを利用することです。
メガバンクでの忙しい業務と並行して転職活動を行うことは想像以上に困難です。
しかし、転職エージェントを利用すれば、一人ひとりに専任のキャリアコンサルタントがつき、自分の市場価値の客観的な評価や履歴書のチェック・面接対策などサポートも充実しているので転職成功率を格段に上げることができます。
また、キャリアに対する相談に乗ってくれる上に、銀行員の転職に強い転職エージェントならば転職サイトには出てこない非公開求人の紹介なども受けることができます。
満足度の高い転職を実現するために、転職エージェントはメガバンク出身者の強い相棒となることでしょう。
まとめ
高収入・安定性など魅力やメリットも多いメガバンクですが、古い体質・人間関係や厳しいノルマが原因で転職したいと考える人や、更なるキャリアアップやワークライフバランスを考えて転職を考える人が年々増えています。
エリートといわれるメガバンクから転職することに不安を覚える人も少なくありませんが、自分の人生や働き方、QOLを考えると今その決断が結果的に最適解となるケースも多いですよ。
事実、メガバンクでの経験・スキルを高く評価する企業も多く、知名度の高いメガバンク出身だからこそ進めるワンランク上の舞台も数多く用意されています。
メガバンクで培った経験やスキル、資格を活かせる転職先・高く評価してくれる転職先を見つけ、やりがい・高収入を得られる新たなステージへと進みましょう。
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