M&Aコンサルの業務内容とは？提供する会社や転職に役立つ情報を紹介
「現在公認会計士として勤務しているが、M&Aコンサルへの転職を検討している」
「M&Aコンサルへの転職に必要な知識を得たい」
M&Aコンサルは転職先として人気ですが、具体的にどんな業務を行っているのか知らない人も多いのではないでしょうか？
当記事ではM&Aコンサルの基礎から転職に役立つ情報をお届けします。
M&Aコンサルについて詳しく知って、ぜひM&Aコンサルへの転職を成功させてください！
１．M&Aコンサルとは？
M&AコンサルとはM&Aに関連する相談も含めてM&Aに関する全ての実務をサポートする役割を持つ仕事です。
M&Aをしようとする企業に代わって調査や交渉などをしたり、企業側からの相談を受けたりしながらM&Aを進めていきます。
企業がより良いM&Aを行うことができるように、専門的な知識やアドバイスを提供するのがM&Aコンサルの主な仕事です。
２．M&Aコンサルの業務内容
M&Aコンサルの業務内容は4つに分けられます。
1.M&A戦略を策定する
2.候補企業を選定する
3.協議・デューデリジェンスを行う
4.統合プロセスのサポートを行う
順にご紹介します。
（１）M&A戦略を策定する
M&Aコンサルの業務はM&A戦略の策定から始まります。
クライアントの希望に沿ったM&Aを遂行するには、最初に戦略を練ることが重要になります。
M&Aの戦略を練るためには、クライアントの分析やM&Aの目的を定めることが必要になります。
その後のクライアント市場の調査も重要な役割です。
クライアントの強みはもちろん弱みについても向き合ってしっかり分析をする必要があります。
業界・市場の分析を通して方向性を探り、目標をできる限り具体化・数値化し、現実的な戦略を策定していくことが求められる業務です。
（２）候補企業を選定する
M&Aの対象企業を探すのも、M＆Aコンサルの主な業務です。
策定したM&A戦略を基に、候補になりそうな企業をピックアップしていきます。
選定作業としては、まず、会社名が特定されない程度の概要を記載した匿名資料であるノンネームシートを用意して、一定の基準を満たした候補企業でロングリストの作成をします。
その後、そこから更に数社まで絞り込んでショートリストの作成し、段階を踏んでM&Aの対象企業を慎重に選定していきます。
（３）協議・デューデリジェンスを行う
クライアントに代わってM&Aの候補企業と協議・交渉を行ったり、対象企業の価値やリスクを調査（デューデリジェンス）することも、M&Aコンサルの業務です。
候補企業が定まるとその企業との間で買収価格や価格レンジについてなどの基本条件を協議します。
協議が合意に至れば買収金額を算出するためにデューデリジェンスを行います。
デューデリジェンスとは対象企業への調査手続きのことで、財務や法務、事業などの面から本当に相手企業としてふさわしいかどうかが判断されます。
（４）統合プロセスのサポート
M&Aよって合併する複数の企業間のギャップを埋めることも、M&Aコンサルの業務の1つです。
M&Aによって合併された複数の会社の社風や経営体質のギャップをなくして1つの会社にすることで、M&Aは初めて成功と言えるでしょう。
統合プロセスは経営体質が全く異なる企業をひとつにまとめる作業のため、難易度が非常に高いものです。
M&Aの成功を最後までサポートすることが、M&Aコンサルの大きな役割です。
また、M&A仲介やFASの業務内容のほか、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
３．M&Aコンサルを提供する３つの会社
M&Aコンサルを提供する会社を3つご紹介します。
1.M&Aアドバイザリー会社
2.銀行・証券会社
3.M&A仲介会社
順に詳細を見ていきましょう。
（１）M&Aアドバイザリー会社
M&Aアドバイザリー会社は、売手または買手から依頼を受け、依頼者の利益を最大化するために業務を行う会社です。
1.PwCアドバイザリー合同会社
2.KPMG FAS
3.デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)
4.EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)
代表的な企業には、世界的に展開する4つの大規模な会計事務所のグループ会社である4つの企業が挙げられます。
M&Aアドバイザリー会社へ転職後の年収は、資格や経験、手がけた案件ごとのインセンティブよって相当幅があり、600万～1,500万円ほどです。
会計事務所系ではM&Aの経験者採用が一般的で、即戦力が求められています。
プロジェクトごとに忙しさが変わりますので、自分自身でワークライフバランスを管理していくと良いでしょう。
（２）銀行・証券会社
銀行や証券会社には、社内でM&A部門があり、M&Aを検討する顧客のサポートを行なっています。
銀行や証券会社でのM&Aアドバイザリー業務に携わる人の年収イメージは、1,400万円程度と言われています。
M&A業務の経験や基礎的なスキル、TOEIC800点以上を目安とした語学力が求められるため未経験での転職は厳しく、ハードルも高いと言えるでしょう。
一人ではなく数名で構成されたチームで動くため、チーム内でコミュニケーションを取りながら動いていく必要があります。
周りへの相談も可能ですので、視野が広がり、スキルアップしやすい環境です。
（３）M&A仲介会社
M&A仲介会社は、売手と買手の間に同一のコンサルタントが立ち、双方の利益を最大化するために業務を行っています。
M&A仲介では事業継承によるM&Aやベンチャー・スタートアップ企業のM&Aが増えており、市場は拡大傾向です。
この背景に伴いこれまで経験者のみ採用であった企業も、M&A業務未経験者でも積極的に採用する傾向が見られています。
平均年齢30代前後と若いながら、他の会社と同じく専門的な職種のため、平均年収2,000万円前後と高いです。
案件が多くあるにも関わらず人材が不足しているため入社してすぐM&A仲介業務に携われますが、反面多忙が予想されます。
M&A仲介の業務内容や転職事情、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
４．M&Aコンサルへの転職に役立つもの
M&Aコンサルへの転職には、以下のものが役立ちます。
1.財務・経理の経験
2.法人営業の経験
3.身体的・精神的な強さ
順にご説明します。
（１）財務・経理の経験
M&Aコンサルでは、財務・税務の専門的な知識があると良いでしょう。
特にM&Aコンサルでの財務・経理の経験は、企業価値評価を行うデューデリジェンスで株価の理論値あるいは目安を試算するのに役立ちます。
また、財務情報等の情報が記載された企業概要書を見て、M&Aを進めるか否かの判断材料にするのです。
（２）法人営業の経験
M&Aコンサルは法人同士の統合目を指す業務を行うため、前職での法人営業の経験が役立ちます。
特に、金融業界やコンサルティング業界での営業経験が有利です。
必ずしも法人営業だけでなく個人営業でトップの成績であった場合などは転職活動に有利に働く可能性もあります。
しかし法人営業には、個人を対象に営業活動を行う個人営業とは異なったスキルなどが求められるため、スケールの大きいM&Aにおいては、個人営業の経験よりも役立つスキルと言えるでしょう。
（３）身体的・精神的な強さ
M&Aコンサルでは、身体的・精神的な強さも求められます。
近年のM&A案件の増加を背景として、M&Aコンサル業界は多忙を極めているのが実状です。
そのため、激務に耐えられる身体的強さや、時間をかけて根気強く情報収集や交渉を行う精神的な強さが必要となります。
特に目に見えない精神的なストレスに対しては、定期的に息抜きをする方法などを対策として身につけておくと良いでしょう。
まとめ
M&Aコンサル業界は、平均年収も高く、公認会計士の転職先として人気です。
一口にM&Aコンサルと言っても、提供する会社は3つに分かれ、行う業務も違います。
M&Aコンサルの業務内容や転職するにあたっての背景、転職に役立つものは何かを知って、具体的な転職先を絞り込みましょう。
この記事で読んだことを、ぜひM&Aコンサルへの転職に活かしてください。
また、M&A仲介やFASへの転職成功に向け、より転職事情について詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
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