M&A業界の業務内容を解説!業界に転職するメリット・デメリット
「M&A業界に転職したいが、業務内容が把握しきれていない」
「やりがいを感じられる仕事をしたい!M&A業界は自分に合っているかな?」
M&Aは会社の売買のことだとぼんやり分かっていても、実際M&A業界でどんな業務が行われているかはイメージがつきづらいですよね。
また、転職後の年収や労働環境も気になると思います。
今回はM&A業界の概要や求められる人材、転職するメリット・デメリットを解説します。
この記事を最後まで読めば、自分が選ぶべきM&A業界や適正、転職のモチベーションが見つけられるでしょう!
1.M&A業界の概要
M&A業界とは、会社の買収・売却に関連する仕事ですが、具体的に3つのジャンルに分類できます。
- M&A仲介
- FAS
- M&Aアドバイザリー
それぞれの具体的な業務内容やスキルについて解説していきます。
(1)M&A仲介
M&A仲介とは、M&Aの際に、買収・売却先の企業の仲介を担当します。
有名なM&A仲介会社は、以下のような企業があります。
- 日本M&Aセンター
- M&Aキャピタルパートナーズ
- ストライク
M&A仲介は買収対象の企業の発掘からクロージングまで一貫して扱います。
双方の条件にすり合わせを行い、双方の利益を最大化する役割であり、中立的・客観的な目線が求められる仕事です。
経営者との交渉が必要なので、交渉力も必要でしょう。
M&A仲介について、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
(2)FAS
FAS(ファイナルシャルアドバイザリーサービス)は、買い手に代わって買収先の企業の調査やM&A後の統合支援を行う仕事です。
有名なFASを取り扱う企業は、以下のような会社があります。
- PwCアドバイザリー
- KPMGFAS
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)
具体的には買い手企業の最終工程であるDD(買収監査)や、企業価値の算定のための株価算定業務、M&A後の統合支援(PMI)を行います。
DD(デュー・ディリジェンス)とは、買収対象の事業にリスクが無いか事前に調査する業務のことです。
DDは様々な観点で行われており、公認会計士・税理士が財務内容が正確かチェックする財務DD・税務DDのほか、弁護士が契約書や過去の取引から訴訟リスクを算定する法務DDなど、多岐にわたります。
買い手に代わり、買収の最終判断のための調査を行うのが役目です。
FASの業務内容やキャリアプランなどについて、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
(3)M&Aアドバイザリー
M&Aアドバイザリーとは、M&Aを検討している会社にアドバイスを行う仕事です。
有名なファームとしては、以下のような物があります。
- GCA
- フロンティアマネジメント
- マクサス・コーポレートアドバイザリー
- モルガン・スタンレー
- デロイトトウシュトーマツ
業務内容は多岐に渡り、M&A戦略の立案から、DD、交渉、最終的なPMI(M&A後の経営統合)まで担当します。
売却・買収希望企業のどちらからも依頼を受けることがあり、専門的なノウハウを用いて、経営陣にアドバイスを行う役割です。
案件は大型案件や、海外企業との取引を行うクロスボーダー案件がメインになります。
海外取引も多いため、語学力を必須条件としている企業もあります。
2.M&A業界の採用動向
M&A業界は需要の高まりから人手不足となっており、即戦力となる人材を求めている傾向にあります。
M&A業界の採用動向を解説しますので、参考にしてください。
- M&A業界への中途採用の動向
- M&A業界への転職者に多い職歴
(1)M&A業界への中途採用の動向
経営者の高齢化などで後継者問題に悩む企業が増えていることを受けてM&Aは需要が高まっており、その分M&A業界は人手不足の傾向にあります。
そのため、即戦力となる人材を求め中途採用数が増えている傾向にあり、数年前よりも転職の難易度は下がっていると言われています。
ただし、M&A業界にて即戦力として活躍するには、専門知識やスキル、経験が必要であり、依然として求められるレベルは高いと言えるでしょう。
業界未経験であってもポテンシャル採用を行う企業もありますが、中途採用に求めるスキルや経験を見極めた上で応募する必要があると言えます。
(2)M&A業界への転職者に多い職歴
M&A業界にて人手不足となっている企業は即戦力となる人材を求めているため、中途採用では、スキルや経験、実績に着目するケースが多いです。
とくに、M&A業界での勤務経験がありスキルや実績を兼ね備えている方は、採用担当の目にとまり有利になります。
なお、M&A業界での業務経験がない場合も、金融機関での業務経験や高い営業実績のある方、財務、法務、金融関連に特化している方は、積極的に採用されています。
また、資格取得も客観的な指標として重要であり、税理士や公認会計士など活かせる資格がある方は積極的に採用されているようです。
M&A業界へ転職する際は、入社後の活躍をアピールすることが大切です。
3.M&A業界への転職成功のポイント
M&A業界への転職は難易度が高いため、転職する際はポイントを押さえた上で入念な対策が必要です。
転職先の情報収集や自己分析を行い、適性を見極め最大限自己アピールし、ライバルと差をつけることが大切です。
M&A業界への転職成功のポイントをご紹介します。
- 転職目的を明確にする
- 転職先の情報収集を入念に行う
- 自己分析をしっかり行う
- 転職エージェントを利用する
(1)転職目的を明確にする
M&A業界へ転職する際は、転職目的を明確にすることが大切です。
M&A業界は、非常に大きいプロジェクトに関わる特殊な業界であり、高度な知識やスキルを求められます。
結果を出すことを求められるので入社後も自己研鑽し続ける必要があり、モチベーションの高さがなければ長続きしません。
ただ単に高収入が欲しいというだけではなく、「M&A業界でなければならない」理由や信念を持った人が、転職活動や入社後にも活躍できると言えるでしょう。
M&A業界へ転職する際は、将来を見据え、目的を明確にした上で転職活動を行いましょう。
(2)転職先の情報収集を入念に行う
満足の転職を実現するには、転職先の情報収集が必須です。
M&A業界への転職は難易度が高いので、採用担当の目にとまるにはモチベーションの高さや適性をアピールする必要があります。
転職先の情報収集をし企業側が求める条件を把握した上で転職活動を行うことで、入社後の活躍をアピールできます。
また、労働環境や教育制度など入社後の業務に関する内容を確認しておくと、転職先のミスマッチを防げます。
企業の情報収集をし、業務内容などの情報を把握した上で転職活動を行うことが大切です。
(3)自己分析をしっかり行う
M&A業界へ転職する際は、自己分析を行うことが大切です。
M&A業界は業務内容がハードであり、年収が高めということもあり優秀な人材がライバルになるので、自己アピールが重要です。
自己分析を行うことが、採用担当の目にとまる自己アピールにつながります。
また、M&A業界と一口に言っても企業により業務内容は異なるので、適性を見極めた上で転職する必要があります。
企業の目に留まるような自己アピールができるよう、自己分析をしっかりと行ってスキルや経験を棚卸しておきましょう。
(4)転職エージェントを利用する
M&A業界への転職を成功させるには、転職エージェントを利用するのが効果的です。
M&A業界は転職難易度が高く業務内容もハードになるので、企業研究や自己分析を行った上で適性を見極めて転職活動を進める必要がありますが、自力では難しい方も多いです。
転職エージェントを利用すれば、情報収集や書類作成、面接対策などのサポートを受けられるので、負担を減らすことができます。
また、M&A業界に特化したハイクラス専門の転職エージェントを利用すると、好条件の求人に出会いやすくなります。
M&A業界の求人は年収が高いなど好条件のものもあり、M&A業界に精通した転職エージェントは優良案件を独占して所有していることがあります。
転職エージェントによって所有している求人やサポート内容が異なるので、可能であれば複数利用するのがおすすめです。
4.M&A業界へ転職するメリットとデメリット
M&A業界へ転職するメリットとデメリットを紹介します。
- メリット
- デメリット
転職にあたり、転職後の生活のイメージを作ることは非常に大切です。
いざ転職後にイメージと違う、という事態が起きないように、事前に業界研究をしておきましょう。
それぞれ説明していきます。
(1)メリット
M&A業界に転職するメリットは3つあります。
- 年収が高い
- キャリアアップになる
- 実力主義で努力次第で昇進できる
まずはM&A業界のメリットを解説します。
#1:年収が高い
M&A業界に転職する1つ目のメリットは、年収が高いことです。
有価証券報告書を元に分析すると、大手のM&A仲介会社であるキャピタルパートナーズの平均年収は、2,269万円でした。
またFASの有名企業であるKPMGFASの平均年収は1,242万円、M&Aアドバイザリー企業のGCAの平均年収は2,062万円です。
日本全体の平均年収は、国税庁の民間給与実態統計調査によると436万円、つまり3〜5倍程度の年収が目指せることが分かります。
M&A業界は給与水準が高く、高年収を目指せるのがメリットです。
#2:キャリアアップになる
M&A業界に転職する2つ目のメリットは、キャリアアップになることです。
会社の買収・売却に携わる仕事のため、税務・会計知識や、会社法への知識、交渉能力が養われます。
特に大手のM&A企業での勤務経験は、能力が高いことの証明となりますし、独立後の信用獲得にもつながるでしょう。
難易度が高い業務な分、その後の独立や転職の際にアピールしやすく、キャリアパスとしても有効です。
#3:実力主義で努力次第で昇進できる
M&A業界に転職する3つ目のメリットは、実力主義で努力次第で昇進できることです。
年功序列ではなく仕事の結果で判断される側面が強い業界であり、頑張り次第では若くしてマネージャーなどの管理職への昇進も目指せます。
一般企業では勤続年数がまだまだ重視される風潮が強い日本ですが、若くして高いポストが視野に入れられるのはやりがいの面でもメリットと言えるでしょう。
(2)デメリット
M&A業界に転職するデメリットは3つあります。
- 激務である
- 求められる条件が高い
- 常に成果を求められる
メリット自体は多いですが、業務の難易度が高いため、人材の流出も多い職場です。
デメリットを1つずつ説明します。
#1:激務である
M&A業界に転職する1つ目のデメリットは、激務であることです。
特にM&Aアドバイザリーは担当業務の幅が広く、チームで担当することが多いとはいえ、業務量はかなり多いでしょう。
また、業務に付随する知識の習得を同時に行うため、プライベートの時間を削って勉強も必要です。
ライフワークバランスは崩れやすく、体力が求められます。
しかし、その分やりがいはとても高いと言えるため、仕事にやりがいや刺激を求める方にはおすすめと言えるでしょう。
#2:求められる条件が高い
M&A業界に転職する2つ目のデメリットは、求められる条件が高いことです。
仲介・FAS・M&Aアドバイザリー、どの分野でも、即戦力を求める傾向にあります。
銀行・証券・コンサルティングファーム、ファンドなどでの経験を求められることが多く、一般事業会社等全く未経験業務からの転職は依然として難しい業界です。
転職難易度が非常に高いため、転職エージェントなどを使って対策を行うべきでしょう。
#3:常に成果を求められる
M&A業界に転職する3つ目のデメリットは、常に成果を求められることです。
実力主義で若くして昇進を目指せますが、反面、実力のない人材は切り捨てる風潮があります。
特に外資系のFASなどは非常に成果に厳しく、結果が出ないと退職を勧められることも珍しくありません。
常に結果を求められるのでストレスフルであり、精神的なタフさが必要です。
しかし、成果を上げれば年齢に関係なくしっかりと評価されるため、実力主義の現場で力を発揮したいという方にはおすすめできる業界です。
5.M&A業界に向いている人
M&A業界はハードな業務をこなす必要があり、適性があるので、転職する際は向いているか見極める必要があります。
M&A業界に向いている人の特徴をご紹介します。
- モチベーションが高い
- 責任感がある
- 社会問題に興味がある
- 大規模な業務に関わりたい
- 年収アップ・キャリアアップしたい
(1)モチベーションが高い
M&A業界への転職では、モチベーションが高い方が向いています。
M&Aは企業の将来に関わる大きなイベントであり経営者も慎重になるので、M&A成立には多大なエネルギーが必要になります。
経営や財務など幅広い専門知識が必要ですし、結果を出すには常に学び続ける姿勢が重要です。
そのため、成長意欲が高い方や自分の実力やスキルを発揮したい方など、モチベーションの高さが必要になるといえるでしょう。
転職後も業務に意欲的に取り組み、成長し続ける姿勢を持つ方が、M&A業界に向いていると言えます。
(2)責任感がある
M&A業界では企業の経営に直結するプロジェクトを遂行するので、責任感を求められる業務が発生します。
M&A関連業務としては、買い手企業や売り手企業の選定、交渉、契約実行など様々な業務が発生しますが、いずれも自力で成し遂げるという積極性と責任感が重要です。
また、M&Aは成立するのが目的ではなく、その後の企業や従業員の将来にも関わる重要なプロジェクトです。
自身の言動や行動、判断が大きく影響するという自覚を持ち、責任感を持って業務を遂行する必要があります。
(3)社会問題に興味がある
M&A業界は、社会問題に興味のある方が向いています。
M&A業界の需要が高まっている要因の一つとして中小企業の後継者問題があげられ、また社会問題の一つである雇用問題にも密接に関わります。
社会問題や現在の経済状況を考慮した上でM&Aを含めた経営戦略をサポートする必要がありますし、M&A成立後も企業の成長をサポートすることを求められるので、社会問題へ関心を持ち常にアンテナを張っておくことは必須と言えるでしょう。
M&Aという大規模プロジェクトを介して社会問題解決に貢献したい方は、M&A業界に向いていると言えます。
(4)大規模な業務に関わりたい
M&Aは企業の将来に関わる大きな問題であり、ほとんどが大規模プロジェクトになるので、期間が長く、動く金額も大きくなります。
通常、M&Aを手がけてから契約成立するまで半年以上かかると言われており、数十億円もの金額が動くケースも多いです。
M&A業界と一口に言っても業務内容は企業によって異なりますが、多くの人に影響を与えるのは大きなやりがいがあると言えるでしょう。
また、M&A成立までには買い手企業や売り手企業の選定、経済状況の分析、交渉など様々な難易度の高い業務が発生するため、チームでプロジェクトを組んで業務を遂行するのが一般的です。
チームで行動しながら大規模プロジェクトを遂行したいという方は、M&A業界への転職を検討してみると良いでしょう。
(5)年収アップ・キャリアアップしたい
M&A業界は、年収アップ・キャリアアップしたい方にもおすすめです。
M&A業界は全体で成果主義となっている傾向が強く、個人の成績がそのまま収入につながることが多いです。
そのため、成果を出せば若手であっても高収入を実現できますし、入社後早い時期でもキャリアアップをすることもできます。
なお、企業のM&Aに関与すると経営や財務、金融、法務関連など幅広い知識を習得できるので、M&A業界出身の方はその後の転職市場でも需要が高くなっています。
将来を見据えて転職したい場合は、M&A業界への転職を検討してみましょう。
6.M&A業界への転職でどのジャンルを選ぶべきか?
M&A業界は3つのジャンルに分けられると上述しました。
ここでは、M&A業界のうちどのジャンルを選ぶべきかということを、それぞれが求める人材を見ながら解説します。
- M&A仲介に求められる人材
- FASに求められる人材
- M&Aアドバイザリーに求められる人材
それぞれの業種によって、求められるスキルや素養が違うので、業務内容と合わせて自分の適正をチェックしてみましょう。
1つずつ説明していきます。
(1)M&A仲介に求められる人材
M&A仲介に求められる人材は、以下の2つのスキル・経験を持つ人です。
- 営業・銀行や証券会社経験者
- 会計知識・資格
自身のキャリアの棚卸しをしながら読んでいきましょう。
また、M&A仲介の転職事情や転職成功方法などについて、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
#1:営業・銀行や証券会社経験者
M&A仲介に求められる人材は、営業・銀行が証券会社経験者です。
特に経営者層との渉外経験がある人は、アピールポイントになります。
M&A仲介は、売り手と買い手の間に入り、双方の利益を最大化するのが仕事です。
交渉を取りまとめる役割も担うので、交渉力は必須になります。
金融業界での勤務経験がある方、また営業として経営陣クラスと交渉経験がある方は、需要が高いでしょう。
#2:会計知識・資格
M&A仲介に求められる人材は、会計知識・資格保持者です。
案件発掘からM&Aを担当するにあたり、企業の財務情報を理解・整理する必要があるため、会計資格がある人材は需要が高いでしょう。
また、過去のコンサルティングファームを経験しているなど、経営者目線を持っていることもアピールしやすいです。
会計に関する知識や資格は、積極的にアピールしましょう。
(2)FASに求められる人材
FASに求められる人材は以下の通りです。
- 会計・税務の知識
- 語学力
- コンサルティング能力
保有していると有利な資格やスキル、経験について解説します。
FASの転職事情や転職成功の方法などについて、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
#1:会計・税務の知識
FASに求められる人材は、会計・税務の知識を持っている人です。
上記で説明したデューデリジェンスには、財務や法務など複数の種類がありますが、中でも財務・税務DDの際には会計・税務の知識が求められます。
損益計算書や貸借対照表を読んだり、簿外債務のリスク等を判定するには、会計・税務領域の専門性が求められるでしょう。
会計士や税理士資格を持っている場合は、この知識があることが証明しやすく、転職に有利に働きます。
#2:語学力
FASでは語学力も求められます。
クロスボーダー案件を取り扱う企業などでは、有利に働きます。
特に未経験からM&A業界へ転職したい場合、20代で職務経験自体が浅い場合も、語学力は強みになるでしょう。
例えばBIG4税理士法人では、TOEIC800点以上の英語力が求められます。
英語で交渉ができ、なおかつ専門的な用語の読み書きができる程度の単語力・スピーキングスキルが必要です。
#3:コンサルティング能力
FASではコンサルティング能力も求められます。
買収の最終判断には、経営者目線で買い手にとって有効な取引かを判断する必要があります。
コンサルティングファームでの職務経歴がある場合は、買い手の利益を総合的に判断できる素養としてアピールできるでしょう。
(3)M&Aアドバイザリーに求められる人材
M&Aアドバイザリーに求められる人材を説明します。
- 財務・税務・会社法などの企業に関する知識
- 課題解決能力
- コミュニケーション能力
企業買収に関わる総合的な業務に携わる仕事のため、多様なスキルが求められます。
1つずつ説明していきます。
#1:財務・税務・会社法などの企業に関する知識
M&Aアドバイザリーに求められる人材は、財務・税務・会社法などの企業に関する知識です。
会計士・税理士はもちろん、M&Aのスキーム・スケジュールを立てるためには会社法知識が不可欠です。
これらのうち、全てを兼ね備えていない場合でも、何か一つでも専門的な知識があれば転職は有利に働くでしょう。
20代などで上記に当たる資格・経験がない場合は、どれか一つでも勉強しておくと、ほかの候補者より一歩リードすることができます。
#2:課題解決能力
M&Aアドバイザリーに求められる人材は、課題解決能力がある人です。
M&Aアドバイザリーは売り手・買い手双方のクライアントから相談を受ける仕事であり、M&Aが正しい方法なのかを考えた上で策略を決め、必要に応じてPMIまでを請け負います。
そのためには、現状の課題を見定めて、解決するための方法を導き出す思考力が必要です。
コンサルティングファーム経験者は、この素養があるとみなされやすいためアピールポイントになるでしょう。
#3:営業能力
M&Aアドバイザリーに求められる人材は、営業能力です。
求人情報では、2年以上の営業経験を必須にしている企業もあります。
業界未経験であっても、営業経験がある場合は積極的にアピールすると良いでしょう。
また、コンサルティングファームや投資銀行等で、経営陣との交渉を経験している人材も需要が高いです。
7.M&A業界に未経験で転職する場合の注意点
M&A業界へは未経験から転職できるケースもありますが、転職先の企業が求めているスキルや経験を見極める必要があります。
教育に力を入れる余裕がなかったり、即戦力となる人材を求めていたりする場合、未経験では採用されないこともあります。
M&A業界に未経験で転職する場合の注意点について解説します。
- 専門知識を求められることがある
- 未経験の場合は若手が有利になりやすい
(1)専門知識を求められることがある
M&A業界は業界未経験から挑戦したい場合も、一定の専門知識を求められることがあります。
M&A成立に関与するには非常に難易度が高く、営業力や交渉力はもちろん、財務・金融・法務などの専門知識が必要であり、入社後に一から習得するとなると即戦力となるまで時間がかかります。
中途採用では即戦力の人材が求められることが多く、転職活動時には必要最低限の専門知識を持っておく必要があるでしょう。
未経験で転職する場合は、日商簿記2級を取得するなど、入社後活かせる資格を取得して補うなどの対策が必要です。
また、M&A業界では経営者と信頼関係を築く必要があるので、ビジネスマナーやコミュニケーション力なども求められます。
M&A業界への転職では、未経験であってもある程度の知識が求められることを知っておきましょう。
(2)若手が有利になりやすい
M&A業界へ未経験で転職する場合は、若手が有利になりやすいと言われています。
中途採用にて即戦力を期待して採用する場合は高い実績のある経験者が有利になることがありますが、ポテンシャルを期待する未経験採用では、若手を積極的に採用する傾向にあります。
若手の方が将来長く勤務できるなどの強みもあるので、若手の人材は未経験であっても採用される可能性が高いと言えるでしょう。
近年はとくにM&Aの需要が高まっており、若手の育成も積極的に行われています。
まとめ
今回は、M&A業界への転職について、職種や概要を解説しました。
M&A業界には3つのジャンルがあり、仕事の内容や求められるスキルが違います。
全体を通して難易度の高い職場ですが、金融関係・コンサルティングファームでの経験がある方、会計士・税理士の資格がある方は、即戦力として需要が高いです。
M&Aは激務ながら年収も高く、キャリアアップが目指せる業界です。
難易度自体はかなり高いので、まずは転職エージェントに相談し、キャリアの棚卸しと対策をしてM&A業界への転職に挑みましょう!
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