事業承継・M&Aエキスパートは転職に有利な資格?取得のメリットや有利になる企業を紹介!
「事業承継やM&Aに関する業務に携わるのに、資格は必要だろうか?」
「M&A業界やFASに転職したいと考えているが、事業承継・M&Aエキスパートの資格は有利になるのか」
このように、事業承継やM&Aに興味を持ちかつ資格取得を検討している方も多いのではないでしょうか。
事業承継やM&Aに関わる有名な資格の一つに「事業承継・M&Aエキスパート」というものがあります。
今回は事業承継・M&Aエキスパート試験について紹介するとともに、有しているとどのような場合に有利となるのかなどについて解説します。
転職活動をするにあたって、資格を取得すべきかどうか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
1.事業承継・M&Aエキスパート試験とは
「事業承継・M&Aエキスパート」は、M&A支援を行う上で必要な知識を得られる認定制度の一つです。
一般社団法人金融財政事情研究会と日本M&Aセンターによって共同運営されています。
ここでは、事業承継・M&Aエキスパート試験についての基本情報を解説します。
- 目的
- 資格の種類
それでは1つずつ説明していきます。
(1)目的
現在日本の中小企業の約6割が後継者問題を抱えており、技術や事業を継承していくための1つの有効な解決策としてM&Aによる事業承継は今注目を浴びています。
しかしM&Aのプロセスは複雑で、財務・税務・法務といったあらゆる分野の専門知識が必要となるため、中小企業のオーナーが自らそのプロセスを担うことは非常に困難です。
そのような中でM&Aエキスパートの認定制度は、主に後継者問題に悩む中小企業に対し、M&Aを通して経営の安定や成長をサポートできる人材を育成するために設けられました。
M&Aが経営者にとってより身近で現実的な選択肢となることで、日本経済の発展や成長にもつながると言えるでしょう。
(2)資格の種類
M&Aエキスパート認定制度には以下3つの種類の資格に分けられています。
- 事業承継・M&Aエキスパート
- 事業承継シニアエキスパート
- M&Aシニアエキスパート
#1:事業承継・M&Aエキスパート
事業承継・M&Aエキスパートは、事業承継および中小企業M&Aに関する基本的な知識を確認するための最も基礎的な資格です。
当資格はスタンダードレベルで受験資格なども特にないため、難易度はそれほど高くないと言えるでしょう。
事業承継関連税制・法制等やM&A基礎知識・関連会計、M&A関連法制等が四答一択式で計40問出題されます。
#2:事業承継シニアエキスパート
事業承継・M&Aエキスパートの認定を受けたら、M&Aシニアエキスパート養成スクールの受講へステップアップが可能となり、事業承継実務におけるプロフェッショナル資格である事業承継シニアエキスパート試験の受講資格を得られます。
したがって事業承継・M&Aエキスパート試験よりも難易度は上がりますが、3日間の認定講座である養成スクールでの内容をしっかりと理解し修了すれば、問題なく認定を受けられるでしょう。
認定試験では、養成スクールで学ぶ事業承継についての内容の中から四答択一式・記述式にて計50題出題されます。
#3:M&Aシニアエキスパート
M&Aシニアエキスパートは中小企業M&A実務に関する難関資格で、日本M&Aセンターの豊富な成約実績に基づいたケーススタディにより、実務ノウハウを習得できる内容となっています。
事業承継シニアエキスパートと同様、認定講座である「M&Aシニアエキスパート養成スクール」の修了が必要となり、その中で学ぶ内容をしっかりと理解できていれば問題なく合格できるでしょう。
M&A実務や企業評価実務、M&Aの法務・会計・税務などについて、四答択一式・記述式にて計50題が出題されます。
2.事業承継・M&Aエキスパート資格を取得するメリット
事業承継やM&Aに関わる仕事をするにあたって、資格の保有は必須ではありません。
しかし、資格を保有しておくことで得られるメリットもあるため、自分自身の状況や理想像と照らし合わせたうえで必要かどうかを検討してみましょう。
事業承継・M&Aエキスパート試験を取得する具体的なメリットとしては以下の3つです。
- M&Aの実務に関する知識・スキルを習得できる
- 現場で使える実践的なノウハウを会得できる
- 転職先や顧客からの信頼を得やすくなる
それでは1つずつ説明していきます。
(1)M&Aの実務に関する知識・スキルを習得できる
M&Aの実務に関する知識やスキルは一般的に、M&AアドバイザリーやFAS、事業会社の財務部門など特定の業界や部署でしか培うことができません。
しかし中にはM&A業務未経験の状態からM&A関連の業界や職種に転職したい、という方も多いでしょう。
そのような場合、M&Aの実務に関する専門的な知識やノウハウを効率的に学ぶ機会として事業承継・M&Aエキスパート試験が役立つのです。
M&A業務未経験者の採用を行っている企業もありますが、そのうちの多くは「ファイナンスに関する何らかの知識やスキル」を求めています。
前職での経験と併せて資格をアピールすることで、他の転職希望者との差別化を図ることができるでしょう。
(2)現場で使える実践的なノウハウを会得できる
M&Aに関する知識であれば、書籍やセミナーなどでインプットできるのではと考える方もいるかもしれません。
しかし、実際に現場で使える最新のM&Aの知識やノウハウなどを、一方通行の学習形式で習得することは困難でしょう。
事業承継・M&Aエキスパート認定制度はM&A実績国内No.1を誇る「日本M&Aセンター」が運営を手掛けていること、また上位資格については認定講座の受講が必須であることなどから、実践的な知識を得られると言えます。
(3)顧客からの信頼を得やすくなる
M&Aはかつてよりも日本企業に浸透しつつありますが、いまだ抵抗感を持っている中小企業のオーナーは多くいます。
そして、自社のM&Aを行うにあたって少しでも信頼のおけるアドバイザーにサポートを依頼したいと思うことは必然です。
そのような中で、コンサルタントが資格を保有していれば、顧客にとって安心材料となったり信頼してもらいやすくなったりする可能性が高まるでしょう。
M&A業界での経験が浅い場合や所属している企業の認知度がまだ低い場合などは、資格が特に活きるはずです。
3.転職が有利になる企業
事業承継・M&Aエキスパートの資格は、中小企業のM&A支援を主として担う企業への転職に有利になると考えられます。
ここでは、中小企業向けM&Aサポートを行っている代表的な企業を4つご紹介します。
- 山田コンサルティンググループ株式会社
- 名南M&A
- 株式会社M&Aベストパートナーズ
- ユニヴィスグループ
それでは1つずつ説明していきます。
(1)山田コンサルティンググループ株式会社
会社名 | 山田コンサルティンググループ株式会社 |
設立 | 1989年7月10日 |
資本金 | 15億9,953万円 |
本社住所 | 東京都千代田区丸の内1丁目8番1号 丸の内トラストタワーN館10階(受付9階) |
従業員数 | 945名(臨時従業員含む。2022年4月1日現在) |
公式HP | https://www.yamada-cg.co.jp/ |
山田コンサルティンググループ株式会社は、中堅・中小企業を中心としてさまざまなコンサルティングサービスを提供する会社です。
他分野における専門家が在籍し顧客に対して総合的なアドバイザリーサービスを提供できることが強みで、国内・海外に複数の拠点を持ちグローバルに事業を展開しています。
事業承継や資本政策に関するコンサルティングにおいては、年間2,000件を超える豊富な支援実績を背景として顧客にオーダーメイドのサービスを提供しています。
M&A業務未経験者の採用も行っているため、前職で得た知識やスキルと併せてM&A関連の資格保有をアピールすることで、基礎知識があることを証明できるでしょう。
(2)名南M&A株式会社
会社名 | 名南M&A株式会社 |
設立 | 2014年10月2日 |
資本金 | 310百万円 |
本社住所 | 名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 JPタワー名古屋34階 |
従業員数 | 31名 |
公式HP | https://www.meinan-ma.com/ |
名南M&Aは名古屋が本社で、東海・近畿エリアを中心に主に中小企業へのM&A支援を行っている会社です。
2014年の設立以来、行ったM&Aの件数は約350件を超えており東海地区でトップクラスの実績を誇っています。
事業承継問題についても、まずはクライアントの経営課題を可視化したうえで立ち位置(仲介方式・FA方式)とサービス形態(フルサービス&スポット対応)などを細やかに話し合い、顧客が本当に必要とするサポートを提供しています。
M&AアドバイザーについてはM&A業務の実務経験が必須ではなく優遇条件とされているため、未経験でも資格保有していることをアピールできればプラス評価の材料となるでしょう。
(3)株式会社M&Aベストパートナーズ
会社名 | 株式会社M&Aベストパートナーズ |
資本金 | 非公開 |
設立 | 2018年8月 |
本社住所 | 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー22階 |
従業員数 | 50人 |
公式HP | https://mabp.co.jp/ |
株式会社M&Aベストパートナーズは2018年に設立された、製造業・建設業・不動産業・ヘルスケア業に強みを持ち、中小企業を主な顧客としているM&A仲介会社です。
事業承継を目的としたM&A案件については譲渡関心企業の63%が前年比で増収を達成し95%が黒字企業であるなど、業績が好調な企業オーナーからさらなる成長を目指して相談されるケースが多く、日本の中小企業の成長に寄与したいという方にはぴったりの環境でしょう。
また業界では異例のジョブ型組織を実現し、メール対応などの雑務にも専門の担当者をあててコンサルタントに自身の業務に専念させることで、コンサルタント一人当たりの案件数は業界トップクラスを誇っています。
まだ設立されて間もない企業のため、一人のコンサルタントとして信頼を得やすくする意味でも資格の保有が活きると言えるでしょう。
(4)ユニヴィスグループ
会社名 | ユニヴィスグループ |
資本金 | 非公開 |
設立 | 2014年 |
本社住所 | 東京都港区虎ノ門3-8-8 NTT虎ノ門ビル6階 |
従業員数 | 98名 |
公式HP | https://univis.co.jp/ |
ユニヴィスグループは2014年に設立し、「M&A」「事業投資」「コンサルティング」3つのサービスを一体として提供しています。
事業承継に関するコンサルティングについては、大手M&A会社で案件をリードされたりBIG4監査法人出身の方も在籍しており、経験豊富な方たちが多数の案件を成約しています。
また、グループ内には公認会計士や税理士、弁護士なども所属しており、法務面の観点からも手厚いサービスを提供することができます。
ユニヴィスグループはM&Aの業務の経験の有無に関わらず応募できるので、興味のある方は公式採用サイトよりエントリーしてみてはいかがでしょうか。
少数精鋭の組織のため、若いうちから活躍することができるので、事業承継・M&Aエキスパートの知識を持っているとすぐに活躍することができます。
また、M&A仲介の代表企業のほか、転職事情や業務内容について、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
まとめ
今回は事業承継・M&Aエキスパート試験について、その内容や取得におけるメリットなどを解説してきました。
M&Aに関する業務に従事するにあたって資格の保有は必須ではありませんが、転職時の選考でプラスの印象を与えたり、顧客からの信頼を得やすくなったりとさまざまなメリットがあります。
もし転職を考える中で、自分の希望している企業が資格をどのくらい評価してくれるのか等を知りたい場合は、M&A業界に強い転職エージェントに相談してみるとよいでしょう。
基本的にはすべて無料で転職に関するアドバイスやサポートを行ってくれるうえ、エージェントしか知り得ない非公開の情報なども提供してくれます。
資格のことや転職のことで悩んでいる方は、ぜひ一度相談してみてくださいね。
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