コンサル業界から事業会社への転職は可能?転職事情やポイントを解説
「コンサルと事業会社はどう違うの?」
「コンサルから事業会社へ転職することは可能?」
コンサル経験者は市場での評価が高いことに加え、コンサルとしての知識やスキルは事業会社から期待されていることもあり、事業会社への転職は多くなっています。
コンサル経験があると事業会社への転職を有利に進められるケースが多いですが、コンサルと事業会社の違いを把握した上で、適性を見極めて転職を決めることが重要です。
本記事では、コンサルから事業会社へ転職するメリットや注意点、ポイントなどについて詳しく解説します。
本記事を読めば、コンサルから事業会社への転職事情が分かり、転職活動を有利に進められるでしょう。
1.コンサルから事業会社への転職は多い
コンサル業界経験者は転職市場での評価が高く、様々な転職先の選択肢がある中で今は事業会社への転職も増えている傾向にあります。
その理由はワークライフバランスを考えたものや会社側での裁量権に魅力を感じたものなど様々ですが、多くのポストコンサルが事業会社で活躍していると言われています。
また事業会社側でも、様々なスキルを高いレベルで有するコンサル経験者の採用ニーズが高まっており、コンサルで働いていた時よりも高いポジション・役職で採用されるケースもあるようです。
なお、コンサルから事業会社へ転職する際は、以下のようなコンサルと事業会社との違いを把握しておくことが重要です。
コンサル | 事業会社 | |
定義 | クライアントの経営成長サポートを行う | 営利目的で経営活動を行う |
業務スタイル | プロジェクトを組んでチームを結成し、業務を進めるケースが多い | 社員が各部署に分かれそれぞれの役割を担いながら、自社商品の製造や販売、サービス提供を行う |
コンサルと事業会社それぞれの特徴を把握した上で、自身の適性を見極めて転職先を決めることが転職成功につながります。
2.コンサルから事業会社に転職するメリット
コンサルは転職市場での需要や価値が高く、事業会社では今よりも高いポジション・役職で採用される可能性があります。
また、コンサルよりも事業会社の方が、プライベートとの両立がしやすい傾向にあります。
ここでは、コンサルから事業会社に転職するメリットを解説しますので、参考にしてください。
- ポストコンサルとして管理職候補で転職できる
- プライベートとの両立がしやすい
(1)ポストコンサルとして管理職候補で転職できる
コンサルから事業会社に転職する際、コンサル経験者として転職市場で高く評価されるので、管理職候補で転職できる可能性が高いです。
コンサル経験者はポストコンサルと呼ばれ、様々な業界のクライアントを対象に経営者視点で専門領域の問題を解決してきたプロとして転職市場で高く評価されています。
そのため、事業会社からは高い問題解決力をもつ経験者であると評価されることも多く、管理職候補で転職できる場合もあると言われています。
また、経営・企画のなど、企業の核となる部分に関わる高いポジションで転職することができるケースが多いので、主体的に事業を推進できます。
なお、コンサルはあくまでクライアントをサポートする企業ですが、事業会社は自社で経営や運営を実行できるというのが特徴です。
コンサルタントから事業会社へ転職する際は、会社の経営に関与するポジションにつきやすいので、将来を見据えて転職するのも手段です。
(2)プライベートとの両立がしやすい
コンサルから事業会社へ転職することで、プライベートとの両立がしやすくなるケースがあります。
働き方改革により改善が進んでいるとはいえ、コンサル業界は残業時間や深夜帯労働が多い傾向もあってプライベートの確保があまりできないという声もあります。
一方事業会社では就業時間や規則が決められているところが多く、コンサル業界に比べてプライベートの両立はしやすいと考えられます。
また、コンサルは、担当するクライアントやプロジェクトが増えると業務負担が大きくなりますが、事業会社は業務内容が自社の事情に依存するため比較的業務量のコントロールがしやすく、急な残業や即座対応はコンサル業界ほどはないと思われます。
コンサルとしてプライベートが犠牲になっている場合、プライベートの両立を目的とし、事業会社への転職を検討するのも手段です。
3.事業会社に転職する際の注意点
コンサルから事業会社への転職する際は、複数のメリットがありますが、注意点もあります。
事業会社ではコンサルよりも給与水準が下がったり、異動や転勤が発生するなど不都合が生じることがあります。
事業会社に転職する際の注意点について把握しておきましょう。
- 給与水準が下がる可能性がある
- 異動・転勤が生じることがある
(1)給与水準が下がる可能性がある
コンサルから事業会社に転職することで、給与水準が下がる可能性があります。
コンサル業界は他の業界と比較して年収が高くなっているため、コンサルから事業会社へ転職する場合、転職直後は給与が低くなるケースがあります。
またコンサル業界は実力主義が強い傾向にありますが、事業会社は年功序列の風潮もまだまだ残っており、評価や昇進がそれほど早くないことも多いと言われています。
コンサル業界では実績次第で若い内から年収1,000万円を超える方もいますが、事業会社では若手の内にで高収入を狙うのは難しく、コンサル業界と比較すると不満に感じることもあるでしょう。
しかし、現在では実力を評価して報酬や昇進などに反映される事業会社も増えていると言われています。
事業会社へ転職して将来的に納得できる給料を受け取りたいのであれば、「自身の適性を見極め、会社で成果を出せるか」「実績やスキルを正当に評価してくれる制度が整っているか」という視点が重要です。
(2)異動・転勤が生じることがある
事業会社へ転職すると、異動・転勤が生じることがあります。
コンサル業界は業務に専門性を追求する傾向があることに加えプロジェクトを組んで業務を遂行するケースが多く、異動・転勤は少なめですが、事業会社では長期間はたらく場合、部署や勤務先が変わるケースが多いです。
「幅広い業務にチャレンジしたい」「転勤に柔軟に対応できる」などの状況であれば、事業会社へ転職して異動・転勤が発生したとしてもストレスになりにくいですが、そうでない場合は勤務継続が困難になるケースもあります。
ただし、全ての事業会社で異動・転勤が生じるわけではないので、異動や転勤に対応するのが難しい場合は、あらかじめ情報収集しておくことをおすすめします。
4.コンサルから事業会社へ転職する際のポイント
コンサルから事業会社へは有利に転職活動を進められる傾向にありますが、希望の企業への転職を実現するには、選考対策などのポイントを把握しておくことが大切です。
コンサルと事業会社の共通点や違いを把握した上で、事業会社へ転職する理由や活かせるスキルなどをアピールすることが転職成功のポイントとなります。
コンサルから事業会社への転職する際のポイントについて詳しく解説します。
- 志望動機を明確にしておく
- 事業会社で活かせるコンサル経験やスキルを整理する
- 企業研究をしておく
- 転職エージェントを活用する
(1)志望動機を明確にしておく
コンサルから事業会社へ転職する際は、志望動機を明確にしておくことが大切です。
コンサルはクライアントの経営を客観的に分析し、戦略立案・提案を行うのが業務である一方、事業会社で経営に関与する場合は、自社で主体的に経営に携わることになります。
経営課題を抽出し、経営戦略を立てて経営成長を目的とするという業務内容に一定の共通点があるものの、事業会社では、当事者として実行するのが特徴です。
そのため、事業会社では、自身の会社の経営理念への理解やモチベーションがあるかという点を重視されます。
事業会社へ転職する際は、「企業が力を入れている業務」「企業の業界や市場での立ち位置」などを把握した上で、入社後どのように活躍したいかという点をアピールすることが大切です。
(2)事業会社で活かせるコンサル経験やスキルを整理する
コンサルから事業会社へ転職する際は、活かせるコンサル経験やスキルを整理しておくことをおすすめします。
コンサル経験者の転職市場での評価は高く、事業会社はコンサル経験のある方に対して高いレベルで経営や業務に関与してくれることを求めています。
実績をしっかりとアピールできるように、例えば「プロジェクトリーダーとして大規模部プロジェクトを成功させた経験がある」「業務効率をアップさせるためのIT関連のスキルに強みを持っている」など、活かせる経験やスキルを整理しておきましょう。
また、コンサル経験者に対しては、企業経営を支える上で必須となる以下のようなスキルが求められています。
- 情報収集・分析力
- 問題解決能力・論理的思考力
- コミュニケーション力・プレゼンテーション力
自身の強みを最大限アピールして有利に転職活動を進めるには、スキルや経験を整理しておくことが重要です。
事業会社で求められるスキルや経験と関連づけ、効果的に自己アピールできるよう準備しておきましょう。
(3)企業研究をしておく
コンサルから事業会社へ転職する場合、社風や業務スタイルへの相性の確認が必要なので、企業研究をしておくことをおすすめします。
事業会社と一口に言っても色々な企業があり、転職先を選ぶ際には企業ごとに以下のようなポイントを確認しておくことをおすすめします。
- 大手企業・中小企業などの会社の規模
- 企業の経営方針
- 業種
- 社風や風土
コンサルはプロジェクトを組んで業務を行うスタイルとなっているケースが多いので、関与するプロジェクト完了後は解散して新たなプロジェクトを立ち上げるなど、プロジェクトによって業務内容が異なるでしょう。
一方、事業会社で経営に携わる場合は、企業の方針・目標に沿って、戦略立案や実行までを手掛けることになるので、自身の得意とする業界の経験・スキルを活かせる企業へ転職することが、将来のキャリアアップにつながります。
あらかじめ企業研究をし、自身の適性を見極めることが転職成功のポイントです。
(4)転職エージェントを活用する
コンサルから事業会社へ転職する際は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
コンサルと事業会社は、経営に関与するという点では共通点がありますが、業務スタイルや方法は異なります。
コンサルは、客観的な立場で経営課題の抽出や戦略立案を行いますが、事業会社は主体的に経営に携わることになります。
情報が不十分な状態でコンサルから事業会社へ転職すると、「予想していた業務と違った」「企業の社風との相性が悪かった」などの失敗につながります。
転職活動時には現職で働く時間もあり、自身では十分な情報を収集できないケースもあるので、転職エージェントに依頼して情報収集するのが有効です。
また、コンサルから事業会社への転職事例についても把握しているケースがあり、有用な情報を得られます。
さらに、転職エージェントを利用すれば、選考対策や情報収集をサポートしてもらえるため、有利に転職活動を進められます。
転職活動に慣れていない方は、情報収集や選考対策などにおいて、転職エージェントにサポートを依頼するのがおすすめです。
まとめ
コンサルはクライアントの経営課題の抽出や分析を行い、経営戦略を立てて経営成長をサポートするのが主な役割ですが、事業会社は自社商品の製造や販売、サービス提供を行うという点が大きく異なります。
コンサルとしての知識や経験は事業会社で活かせるので高く評価され、有利に転職活動を進められる可能性が高く、実際にコンサル経験者の事業会社への転職は多くなっています。
ただし、コンサルから事業会社へ転職する際は、業務スタイルや社風、給与などを情報収集した上で、自分に合っているかを見極めることが大切です。
なお、コンサルから事業会社への転職を有利に進めるには、コンサルとして培ったスキルや経験を整理した上で、最大限自己アピールする必要があります。
コンサルから事業会社への転職事情やそれぞれの特徴、転職のメリット・注意点を把握した上で、理想の転職を実現しましょう。
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