外資系コンサルは激務になりやすい?業務事情や近年の傾向を解説
「外資系コンサルが激務となる理由は?」
「外資系コンサルの労働環境を知りたい」
外資系コンサルは高収入を実現できるという魅力があるものの、激務というイメージがあり、転職に不安を感じている方もいるでしょう。
外資系コンサルの業務がハードになりやすいことに関しては理由があるので、理解を深めるには、外資系コンサルの業務事情について把握することが大切です。
また、外資系コンサルが激務となる要素はプロジェクト内容やプロジェクトの段階などがあり、波があるので、激務の時期のみならず比較的余裕がある時期もあるでしょう。
さらに、働き方改革の影響もあり、外資系コンサルの労働環境は改善傾向にあります。
本記事では、外資系コンサルが激務となる理由や近年の傾向などについて詳しく解説します。
本記事を読めば、外資系コンサルの業務事情が分かり、転職すべきか判断する際に有用な情報を把握できるでしょう。
1.外資系コンサルが激務となる理由
外資系コンサルが激務になることに関しては、大型案件を取り扱う外資系コンサルならではの理由があります。
業務内容がハードとなるのはもちろん、クライアントとの信頼関係の構築、必要なスキルや知識の習得にも時間がかかります。
外資系コンサルが激務となる理由について解説しますので、気になる方は参考にしてください。
- 資料作成やミーティングにかかる時間が長い
- クライアントに予定を合わせなければならないケースが多い
- 高いスキルや知識を習得するのに時間がかかる
(1)資料作成やミーティングにかかる時間が長い
外資系コンサルが激務になる理由として、資料作成やミーティングにかかる時間が長いことが挙げられます。
コンサル業界ではクライアントとの打ち合わせやプロジェクトを遂行するための企画書、プレゼンテーション用の資料など、資料作成に莫大な時間がかかります。
コンサルタントが作成する資料は、クライアントに提示するものが多く、クオリティの高いものを作成することが重要です。
資料作成後も、上司による添削、複数回の修正が必要になるなど負担がかかり、就業時間を超えることもあります。
締め切りが迫っている場合は、プロジェクトメンバーがフル稼働して時間外で資料作成やミーティングの準備を進めることもあります。
また、コンサルでは、クライアントの経営に携わるという大型プロジェクトを遂行するので、戦略立案や提案、企画書作成、施策の実施に関する報告、効果判定などのミーティングが必要であり、ハードな業務の一つとなります。
クライアントとのミーティングでは、クライアントに納得してもらえるようなプレゼンテーションが必要であり、事前に入念な準備を行わなければなりません。
状況に応じて追加のミーティングが開かれることもあり、激務となる要因になるでしょう。
資料作成などにかかる困難を乗り越えるには、パソコンスキルを磨くなどし、可能な限り業務負担を減らす工夫が重要です。
(2)クライアントに予定を合わせなければならないケースが多い
外資系コンサルでは、クライアントに予定を合わせなければならないケースが多く、時間外の業務が発生することがあります。
コンサル業界でプロジェクトを遂行するには、クライアントとの関係性構築が必須であり、クライアントへ配慮し、好感を持ってもらう必要があるのです。
また、クライアントの経営層とやり取りする機会が多いので、相手のスケジュールも詰まっており、打ち合わせが時間外になることも少なくありません。
さらに、クライアントとの信頼関係構築には、スムーズなやり取りや理解を得ることが必要であり、こまめに現場まで足を運ぶことを求められます。
日系企業と比較しても、グローバル案件に携わるケースが多く、不規則な勤務になりがちです。
外資系コンサルでは、自身のペースで業務を進められないこともありますが、円滑にプロジェクトを遂行できるようスケジュール管理能力を求められます。
(3)高いスキルや知識を習得するのに時間がかかる
外資系コンサルでは、高いスキルや知識を習得するのに時間がかかり、激務と感じるケースがあります。
外資系コンサルはクライアントの経営に関与するので、経営や財務に関する知識やスキル、論理的思考力などを高める必要があります。
日系コンサルと比較しても、外資系コンサルはグローバル案件や大型案件に携わるケースが多いので、業務の難易度が高いことが多いです。
また、プロジェクトを組んで業務を遂行する仕組みとなっている企業が多く、プロジェクトが完了したら、別のプロジェクトにアサインすることになります。
外資系コンサルが取り扱う業界の種類は幅広く、プロジェクトが変わると、一から必要な業界知識を習得しなければなりません。
業界関連の文献や書籍を読んだり、新たな業務スキルを習得したりするなど、膨大な時間がかかります。
業界知識や必要なスキルのない状態ではクライアントと対等に会話できないことに加え、信頼関係を築くこともできないでしょう。
必要な知識やスキルを習得するのに膨大な時間がかかり、プライベートの時間が犠牲になることもあります。
外資系コンサルでは高いレベルを求められていることを意識し、継続力や粘り強さを持つことが大切です。
2.外資系コンサルの忙しさに関与する要素
外資系コンサルの忙しさには、プロジェクトの内容やプロジェクトの段階が関連し、1年中ハードスケジュールとなっているわけではありません。
外資系コンサルの忙しさに関連する要素について詳しく解説します。
- プロジェクト内容
- プロジェクトの段階
- 立場・ポジション
(1)プロジェクト内容
プロジェクト内容は、外資系コンサルの忙しさに関連する要素の一つです。
プロジェクトによって難易度や規模は異なり、難易度が高いプロジェクトや大型案件の場合は激務になる傾向にあります。
たとえば、以下のような案件はクライアントにとっても大きなイベントなので、クライアントとのやり取りや企画書作成などで難渋することが多いと言われています。
- M&A案件
- 企業の経営の肝となる戦略立案
- グローバル進出
- 新規事業への参入
特に、上流の案件や高額な投資が必要などリスクの高い内容の案件は、情報収集量や必要な資料、クライアントとのやり取りが多いので、忙しくなる傾向にあります。
一方、業務改革やシステム導入などの案件で、プロジェクトスパンが長いものに関しては、比較的落ち着いているケースが多いです。
コンサル業界に関しては、所属するプロジェクトにより、業務の難易度が異なるのが特徴と言えます。
(2)プロジェクトの段階
外資系コンサルの業務の忙しさは、プロジェクトの段階によっても異なります。
以下のような時期は、激務となるケースが多いと言われています。
プロジェクトを開始する時期
クライアントへ中間報告を行う時期
クライアントへ最終報告を行う時期
プロジェクトを開始する時期は、業界情報や企業情報の収集、クライアントとの打ち合わせなど様々な業務が発生するので、多忙になることがあります。
また、プロジェクトを開始するに当たっては、クライアントからの合意を得る必要があり、戦略立案や提案、プレゼンテーションなどに膨大なエネルギーが必要です。
そして、プロジェクト遂行においては、適宜データ分析などをもとにした中間報告が必要であり、資料作成やミーティングなどに時間がかかってしまうこともあります。
データ分析の信憑性、資料のクオリティを検証するなど、業務量が多く、時間外業務が発生することも少なくありません。
さらに、最終報告の段階では、データ分析や効果判定はもちろん、クライアントとミーティングを行い、その後の施策実行についてもプランを作成しなければなりません。
最終報告においても、必要な資料の数が多いことに加え高いクオリティを求められるので、準備に膨大な時間がかかってしまうでしょう。
なお、コンサル企業によっては、プロジェクトの最終報告完了後、実行までサポートするケースも多く、さらなる業務が発生することもあります。
一方、それ以外の時期であれば比較的落ち着いており、プライベートの時間を確保できる状況となることもあるでしょう。
外資系コンサルは、プロジェクトの段階によって業務の忙しさが異なるので、うまくプライベートの時間をコントロールする必要があります。
(3)立場・ポジション
外資系コンサルの忙しさは、立場・ポジションによって異なります。
外資系コンサルは日系コンサルよりも実力主義の風潮が強く、実力次第でキャリアアップし、それに伴い年収も高くなります。
立場・ポジションによる年収差が大きい分、求められる役割や業務内容、業務量が多くなり、高いポジションにつくと忙しくなると言われています。
たとえば、上層のポジションになると、プロジェクトの管理や部下の資料確認・レビュー、スタッフの評価や教育など、責任ある業務を任せられます。
場合によっては、複数のプロジェクトへの関与を任せられるケースもあるでしょう。
外資系コンサルでは、立場・ポジションによる忙しさの差が大きいことを把握しておく必要があります。
3.外資系コンサルの激務は改善傾向にある
外資系コンサルは激務というイメージがありますが、労働環境は改善傾向にあります。
長時間残業が不安という方が多いですが、残業時間を短縮し、プライベートの時間を確保するための取り組みが進められているので、今後に期待できるでしょう。
外資系コンサルの労働環境の変化について解説します。
- 残業の制限
- フレックスタイム制の導入
- スマートワークの導入
- AIの活用
(1)残業の制限
外資系コンサルの激務は、残業の制限により改善傾向です。
たとえば、ミーティングの開始時間を制限するなど、時間外業務を減らす取り組みを行っている企業が増えてきており、残業時間の短縮になっています。
また、働き方改革の影響もあり、労働基準法に違反しないよう、厳格に勤務管理を行う動きも高まっています。
残業時間が長くなると、プロジェクト遂行における収益が残業代により減るので、企業側としてもメリットがありません。
外資系コンサルでは、それぞれの企業で残業時間を減らす取り組みを行っている動きがあることを把握しておきましょう。
(2)フレックスタイム制の導入
外資系コンサルではフレックスタイム制を導入し、業務負担軽減を行う動きがあります。
フレックスタイム制とは、規定の範囲で業務の開始時間と終了時間を決められる制度であり、プライベートに合わせて柔軟な働き方ができます。
従業員がプライベートの時間を確保でき、満足度が高まるので、業務効率アップを期待できるでしょう。
(3)スマートワークの導入
外資系コンサルでは、スマートワークの導入による業務負担軽減への取り組みも行われています。
スマートワークは、会社に出社するという形のみではなく、働く場所の幅を広げるシステムです。
たとえば、リモートワークや在宅ワークが挙げられます。
働く場所を限定しないことで、従業員は移動時間などを短縮でき、効率的にプライベートの時間を確保できるようになります。
(4)AIの活用
外資系コンサルでは、AIの活用による業務負担軽減も目指されています。
外資系コンサルが激務になる一因は業務内容が膨大であることであり、AIにより業務効率化を実現できれば、従業員の負担は軽減されるでしょう。
たとえば、データの抽出や分析にかかる時間をAIにより短縮するなどが例としてあります。
今後は、AI技術の進歩により、残業時間の短縮など労働環境の改善につながることが期待されます。
まとめ
外資系コンサルはグローバル案件や大型案件を取り扱うケースが多く、業務内容がハードであり高いレベルを求められるので激務というイメージがありますが、労働環境は改善傾向にあります。
また、プロジェクト内容やプロジェクトの段階などにより、忙しさには波があるので、多忙な時期のみならず比較的落ち着いている時期もあります。
外資系コンサルの労働環境や業務事情を把握することが、転職先を決める際に重要です。
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