人事コンサル会社にはどのような種類がある?業務内容や転職事情を解説
「人事コンサル会社にはどのような種類がある?」
「人事コンサル会社の転職事情を知りたい」
人事コンサルは、クライアントの経営課題を人や組織改革の観点からサポートする業界です。
新型コロナウイルス感染症や働き方改革など、世界情勢の変化に伴い、人事コンサルの需要は高まっています。
人事コンサルと一口に言っても、人事制度系や人材育成型、外資系、戦略系、総合系など得意とする分野により様々な種類があります。
業務内容や求められるスキルも企業により異なるので、企業研究をして自身の適性を見極めて転職先を決めることが大切です。
本記事では、人事コンサルの種類や転職事情などについて詳しく解説します。
本記事を読めば、人事コンサルへ転職する際に有利になる情報を収集でき、理想の転職を実現できるでしょう。
1.人事コンサルの主な業務内容
人事コンサルは、クライアントの経営課題を人や組織改革の観点からサポートする役割があります。
たとえば、以下のような業務を行うケースが多いです。
- 人材の意識改革、風土改革
- 人材教育
- 人事制度構築
- 給与関連の見直し
- 人事戦略立案
- 採用関連の戦略
- グローバル人材の確保
人事コンサルは、企業の経営課題のなかでも人事関連の課題を分析して原因を明確にし、解決策を提案します。
企業によりアプローチ方法は異なりますが、制度の導入や戦略立案、IT関連技術の活用などを通し、経営成長をサポートします。
なお、人事に関する戦略を提案するだけではなく、実行や効果測定などのアフターフォローまで行う企業もあり、業務の範囲は多岐に渡るでしょう。
企業によっては、実際に現場で経営に関与するなど、深くクライアントと関わるケースもあります。
人事コンサルと一口に言っても種類は様々なので、それぞれの企業研究を行っておくことが大切です。
人事コンサルは、クライアントの経営者とやり取りし、人事改革や組織改革につなげる重要な役割を担っています。
2.人事コンサルティング会社の種類
人事コンサルティング会社には、得意とする分野やアプローチ方法などにより、様々な種類があります。
人事関連の経営サポートを行うという共通の目的はありますが、制度に着目するファームや教育制度の確立に特化しているファームなど、企業ごとに様々な特色があります。
ここでは、人事コンサルティングついて、以下の5つの種類を詳しく紹介します。
- 人事制度系コンサル会社
- 人材育成型コンサル会社
- 外資系コンサル会社
- 戦略系コンサル会社
- 総合系コンサル会社
人事コンサルティング会社へ転職する際は、それぞれの企業の業務内容や特徴を把握しておくことをおすすめします。
(1)人事制度系コンサル会社
人事制度系コンサル会社は、人事評価制度の見直しなどにより経営成長をサポートします。
たとえば、人事戦略立案や実行、組織改革、新たな制度の導入など、企業の方針の核となる部分に関与する重要な役割です。
以下のような企業が人事制度系コンサル会社の例として挙げられます。
- リクルートマネジメントソリューションズ
- パーソル総合研究所
- クレイア・コンサルティング
- リンクアンドモチベーション
企業の核となる部分に関与したいのであれば、人事制度系コンサル会社への転職を検討するのがおすすめです。
(2)人材育成型コンサル会社
人材育成型コンサル会社は、人材育成に焦点を当て、クライアントの経営成長をサポートします。
人材育成型コンサル会社は、従業員の教育体制の整備、能力を最大限発揮できるような意識改革などにはたらきかけます。
たとえば、以下のような企業が人材育成型コンサル会社の例として挙げられます。
- グロービス
- パーソル総合研究所
- コーチ・エイ
- チェンジ
- アチーブメント
- アバージェンス
人材育成型コンサル会社は、企業成長に欠かせない人材教育に関与する重要な役割です。
(3)外資系コンサルの人事部門
外資系コンサルの人事部門は、グローバル規模での人事課題の解決を目指します。
日本のみならず海外の人材の活用やグローバル進出する際の人事戦略、グローバルレベルでの組織改革などを行い、クライアントの経営成長をサポートするのが特徴です。
また、世界規模の大きなプロジェクトを組んだり、M&Aに関与するケースもあります。
たとえば、以下のような企業が外資系コンサル会社の例として挙げられます。
- ウイリス・タワーズワトソン
- マーサージャパン
- キンセントリック・ジャパン
- エーオン ヒューイット ジャパン
- コーン・フェリー・ジャパン
グローバルレベルでの大きなプロジェクトに関与したい場合は、外資系コンサルの人事部門がおすすめです。
(4)戦略系コンサルの人事部門
戦略系コンサルの人事部門は、人事関連の戦略立案により、クライアントの経営成長をサポートします。
クライアントの経営課題を調査し戦略を立てるので、人事領域はもちろん、経営に関わる幅広い業務に携わるケースが多いです。
たとえば、以下のような企業が戦略系コンサル会社の例として挙げられます。
- A.T.カーニー
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン・コンサルティング・グループ
- ベイン・アンド・カンパニー
戦略系コンサルの人事部門では、人事関連の戦略を通して企業の改革を行うやりがいのある業務に携わることが可能です。
(5)総合系コンサルの人事部門
総合系コンサルの人事部門では、人事関連の視点から様々な業界の経営サポートを行います。
総合系コンサルの人事部門は大規模なプロジェクトに関与するケースが多く、クライアントの業種や業務内容も幅広いので、様々な視点を持つことができます。
また、IT技術を活用した人事改革を行ったりグローバルレベルでの人事戦略を立てたりと、企業によって得意とするアプローチ方法は様々です。
なお、総合系コンサルの人事部門では、戦略立案から実行まで一貫してサポートするケースが多いです。
たとえば、以下のような企業が総合系コンサル会社の例として挙げられます。
- KPMGコンサルティング
- アビームコンサルティング
- PwCコンサルテイング
- アクセンチュア
3.人事コンサル会社の転職事情
人事コンサルに関しては、新型コロナウイルス感染症の流行や働き方改革など様々な状況により、人や組織の改革の必要性を迫られているケースが多く、需要が高まっています。
そのため、採用活動に力をいれている企業が多い業界であり、中途採用も増えている傾向にあります。
人事コンサル会社の転職事情について解説しますので、参考にしてください。
- 中途採用動向
- コンサル業界未経験でも転職できるか
(1)中途採用動向
人事コンサルは人手不足の傾向にあり、積極的に中途採用を行っています。
新型コロナウイルス感染症の影響で働き方が変化したことや働き方改革の影響で人事改革が必須となる企業が多く、自社内で解決できずに、人事コンサルに依頼するケースが増えています。
また、経営課題があり、業務プロセスの改善やコスト削減などを含む人事戦略を立てる必要性に迫られている企業は多いです。
人事コンサルへの中途採用では、企業の人事部門での業務経験のある方が積極的に採用されている傾向にあります。
なお、人事コンサルは需要が高まっていることから、通年募集を行っているケースが多いです。
様々な社会背景から、人事改革が必要な状況となっている企業の多い業界なので、興味のある場合は積極的に転職を検討することをおすすめします。
(2)コンサル業界未経験でも転職できるか
人事コンサルへは、コンサル業界未経験でも転職できる可能性が十分あります。
人事コンサルへ転職する際、企業の人事部門出身など前職の経験を考慮されるケースもありますが、コンサルとしての素質やポテンシャルなどが重要になります。
人事コンサルでは、研修制度が充実している企業が多く、転職後にコンサルとして必要なスキルを身に着けられるケースが多いです。
人事コンサルは人手不足となっており未経験採用も積極的に行っているので、コンサル業界未経験の人がアプローチするのに適した業界と言えるでしょう。
4.人事コンサルへの転職で求められるスキル
人事コンサルは、クライアントの問題解決や経営層とのやり取りなど責任ある業務に携わるケースが多く、コミュニケーションスキルや論理的思考力など、コンサルとしての素質を求められます。
また、人と組織の改革は難易度が高いので、精神的な強さも必要です。
人事コンサルへの転職で求められるスキルについて詳しく解説します。
- コミュニケーションスキル
- 論理的思考力
- 精神面の強さ
(1)コミュニケーションスキル
人事コンサルへの転職では、コミュニケーションスキルが重要です。
人事コンサルは、クライアントの業務体系や経営事情などを把握し、最適な人事戦略を立てる必要があります。
クライアントの調査で情報を引き出す際や解決策を提示するプレゼンテーションなど、様々な場面でコミュニケーションスキルを求められます。
コンサルとしての素質を判断する際、コミュニケーション力は非常に重要な要素になるので、面接などの選考での着眼点となるでしょう。
コミュニケーションスキルに関しては、「プロジェクトリーダーとしてメンバーをまとめた経験がある」など、自身の体験をもとにアピールすると説得力があります。
人事コンサルでは人との関わりが多く、コミュニケーション力が必須となることを把握しておきましょう。
(2)論理的思考力
人事コンサルは、クライアントの経営状況を調査し、論理的思考力をもとに問題点の抽出や戦略立案を行う必要があります。
また、クライアントの経営者とやり取りする機会が多く、戦略や計画を提示する際など、論理的思考力をもとに説得することを求められます。
面接でも論理的思考力は重要や評価項目となっており、面接官から提示された課題に対して解決策の提示をその場で行うケース面接が行われることが多いです。
ケース面接では、論理的な思考をもとに解決策を提示し、プレゼンテーションできているかという点を評価されます。
ケース面接は論理的思考力をアピールする重要な機会ですが、慣れていないと自身の考えをまとめるのは難しいので、ケース面接対策問題集などを利用し、対策しておくことが大切です。
人事コンサルで活躍するには、論理的思考力が必須であることを把握しておきましょう。
(3)精神面の強さ
人事コンサルは、人や組織を構造改革するという大きな業務を行うので、精神面の強さを求められます。
クライアントの人事面の改革を行うに当たり、資料作成やクライアントとのやり取りに膨大な手間がかかります。
また、人や組織改革は企業の将来に関わるので、企業からの要望が多かったりスムーズに納得してもらえないケースもあるでしょう。
クライアントに合わせる必要があるので、状況によっては、自身の計画通りにプロジェクトが進まないこともあります。
企業の組織改革は、一筋縄ではいかない難易度の高い業務なので、やり遂げるには精神力が必要であることを把握しておきましょう。
まとめ
人事コンサルは、人や組織の改革を通して、クライアントの経営成長をサポートする役割があります。
人事コンサルには、人事制度系や人材育成型、外資系、戦略系、総合系など得意とする分野により様々な種類があるので、あらかじめ企業研究をしておくことをおすすめします。
また、人事コンサルはクライアント経営課題の抽出や戦略立案、人や組織改革に伴うクライアントの経営者とのやり取りなど難易度の高い業務に携わるので、求められるスキルも高くなります。
求められるスキルを把握した上で、自身の経験やスキルをアピールすることが大切です。
人事コンサルに関する情報収集を行い、理想の転職を実現しましょう。
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