NTTデータグループの『クニエ』について会社概要や転職情報を紹介!
「コンサルティングファームへの転職を希望しているが、NTTデータグループのクニエはどんな会社?」
「クニエの業務内容や転職情報について知りたい」
NTTデータグループの株式会社クニエは、2009年に株式会社NTTデータビジネスコンサルティングとザカティーコンサルティング株式会社の合併によって設立されました。
日系コンサルの雰囲気ですが外資系コンサルの出身者も多く、平均年収は850万円を超えるといわれており、男女関係なく活躍できる職場環境により、転職先として人気の会社といえるでしょう。
本記事では、株式会社クニエとは何をしている会社なのかの概要、転職情報や入社したあとの待遇について紹介します。
コンサルティングファームへの転職を希望しておりクニエについて知りたいという人は、ぜひ読んでみてください。
1.株式会社クニエとは
以下の4つの観点から株式会社クニエとはどのような会社なのかを見ていきましょう。
- 会社概要
- 事業領域
- クニエの強み
- 近年の業績
順に紹介します。
(1)会社概要
会社名 | 株式会社クニエ |
設立 | 2009年7月1日 |
株主 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(100%) |
資本金 | 95百万円 |
従業員数 | 900人 |
代表者 | 土橋 謙 |
事業内容 | 経営戦略・企業変革を実現するためのコンサルティングサービスの提供 |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町2-3-2 大手町プレイスイーストタワー11F |
公式HP | https://www.qunie.com/ |
導入部分でも触れましたが、クニエは2009年に株式会社NTTデータビジネスコンサルティングとザカティーコンサルティング株式会社の合併によって設立された会社です。
熱意、専門性、貢献心をを大切にし、大型のITプロジェクト偏重や、戦略の提示のみに終始する従来のコンサルティングスタイルに陥らず、少数精鋭で専門性の高い人材がクライアントとともに改革の実現と定着まで真摯に確実に取り組むことを重視しています。
グローバルにクライアントの改革の実現をサポートすることを目指した日本発のコンサルティング会社です。
昨今のグローバルな経営環境においては、変化し続けるマーケットに対してボーダーレスで付加価値の高い戦略の創出が不可欠となっています。
クニエの目標は企業変革に挑戦されるクライアントへ「変革のパートナー」として先進的で高品質なコンサルティングサービスを提供することです。
(2)事業領域
クニエの事業領域はServiceとIndustryの2つに分かれます。
Serviceは、戦略から個別テーマまでバランスの取れたサービス領域を展開していることが特徴です。
- 戦略:16%
- CRM:17%
- 会計/人事:18%
- SCM/PLM:32%
- ITマネージメント/サービス:17%
Industry領域では製造業を中心として、さまざまな分野に対応しています。
- ハイテク
- 組み立て製造業
- 自動車・自動車部品
- プロセス
- ナチュラルリソース
- ヘルスケア・ライフサイエンス
- 食品
- 消費財
- 流通・小売
- 通信
- メディア
- 建設
- 公益
- 金融
多くの事業領域に対応しているため、クニエのプロジェクト案件は多く、安定した業績が期待できます。
(3)クニエの強み
クニエはNTTデータのグループ会社のため、必要に応じて他のグループ会社がITシステムの開発〜保守部分をカバーするなどの連携が取れている点が強みです。
NTTデータのグループ会社が力を貸してくれる体制が整えられているからこそ、クニエが戦略構築や定着化支援といったコンサルティングに専念できています。
グローバル展開に力を入れていることからグローバル案件比率が65%以上となっており、特に日本のコンサルティングを求めているアジア・新興国の発展支援に貢献している点も特徴的です。
成長著しい新興国や海外企業に対して、日本でのコンサルティング手法を昇華、発展させ、日本型コンサルティングのノウハウを提供し、海外企業におけるビジネスの発展と成長を支援しています。
一人ひとりのコンサルタントが現場できめ細かくフォローする姿勢は、グローバル案件でも変わりません。
拡張し続けるNTTデータグループのグローバルネットワーク(52か国・203都市・約151,600人 ※2022年3月31日現在)や世界のNTTデータグループのコンサルティング部門と連携することで、クライアントの海外展開、事業革新をより柔軟に幅広く支援しています。
(4)近年の業績
年度 | 純利益 |
2018年3月期 | 9億5,149万6,000円 |
2019年3月期 | 12億3,516万5,000円 |
2020年3月期 | 14億4,259万4,000円 |
2021年3月期 | 17億7,332万6,000円 |
2022年3月期 | 23億4,439万1,000円 |
クニエの業績は好調な国内事業および海外事業の規模拡大により、右肩上がりで推移しています。
クニエは現在、アジア地域に8拠点を有しており、今後は欧米への進出を検討していることから、今後も会社の規模を拡大していく見込みです。
また、各チームの上限を20人とする少数人数制を変える意識はなく、上限人数を超えるとアメーバ的に組織を分割していくことで高品質でピュアな戦略と業務改革のコンサルティングを実行できる体制を維持するとしていますので、業績アップの期待が高まるでしょう。
2.業務内容
クニエの業務内容は実に26もの領域でのサービスが存在しますが、その中から3つをピックアップして紹介します。
- ファイナンシャルマネジメント
- マーケティング戦略
- 組織戦略・管理制度
以下で見ていきましょう。
(1)ファイナンシャルマネジメント
ファイナンシャルマネジメントは日本語では財務経営や財務管理と訳され、企業環境の変化に伴う経営管理機能の強化や会計制度対応に代表されるように、常に必要不可欠なものとなっています。
クニエでは多数の会計領域の専門家が在籍し、高付加価値かつ効率的な会計業務・システムへの変革から、経営管理に資する戦略性の高い会計マネジメントの仕組み作りまで幅広く支援を行っています。
昨今のデジタル化の進展は、会計領域を根本的に変える力を秘めており、会計は業種・業態を問わず全ての企業で普遍的に行われる業務領域であるだけでなく、それによって得られる会計数値は経営管理の中心となるでしょう。
(2)マーケティング戦略
マーケティング戦略とは商品やサービスを誰にどれくらいの対価でどのように提供するかを相手のニーズや自社の状況をもとに検討し、策定し決定することをいいます。
クニエのマーケティング戦略は、企業経営における Sell Side の仕組みを支える総合的戦略と位置付け、ヒト・モノ・カネの最適配分と、ビジネス・プロセス最適化を実現するための革新的な事業戦略の策定手法として提供するものです。
施策体系の導入からマネジメントの最適化までを包括的に推進するプログラムを有しています。
(3)組織戦略・管理制度
組織戦略・管理制度は企業経営における経営戦略・事業戦略を合理的・効率的に実行するための、組織構成員の行動様式の仕組み・規定であり、変革を図る重要な手段です。
組織戦略の在り方は経営・事業戦略に既定されるとともに、同時に組織風土にも大きな影響を受けるため、その主要構成要素となる組織骨格、制度・ルール、人材配置の設計・構築に当たっては、改革を断行するという覚悟を持つことが大切でしょう。
クニエでは専門的な技術や洞察力・経験値を備えたメンバーにより、経営視点での最適な組織構造や経営管理制度の設計、グループ事業再編やM&Aの実行を支援しています。
3.クニエの転職情報
クニエの会社概要や業務内容について知って、クニエへの転職に興味が湧いたという人も多いことでしょう。
続いてはクニエの転職情報について紹介します。
- 中途採用事情
- 募集職種
- 未経験でも可能か?
- 求める人物像
以下で見ていきましょう。
(1)中途採用事情
クニエの中途採用比率は以下の通りです。
年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
中途採用比率 | 84% | 78% | 81% |
実際の採用人数は公開されていないものの、中途採用比率は3年間の数字を見てもあまり変動はなく、中途採用の比率80%ほどと高いと見られます。
キャリア採用の入社時平均年齢は31歳で、コンサルタントの前職は事業会社とコンサルティングファームを経験した人を合わせて8割を超えるようです。
また事業会社もコンサルティングファームも両方を経験した人が多数在籍しています。
- 事業会社:51%
- コンサルティングファーム:71%
- 事業会社+コンサルティングファーム:36%
(2)募集職種
クニエのサービスは多岐に渡るため、多数のコンサルタントが中途採用で募集されています。
- ソリューションコンサルタント
- セールス&マーケティングコンサルタント
- グローバル戦略コンサルタント
- ITマネジメントコンサルタント
- 消費財業界コンサルタント
- タレントマネジメント・HRシステムコンサルタント
- インフラテクノロジーコンサルタント
- 業務支援コンサルタント
- デジタルビジネスコンサルタント
- エンタープライズ・ソリューションコンサルタント
- HCMコンサルタント
- アナリティクスコンサルタント
- データマネジメントコンサルタント
挙げた職種はまだ一部であり、他にも多くのコンサルタントが募集中です。
例えばソリューションコンサルティングであればクラウドを利用したデジタル改革、ワークスタイル変革に関係する上流~定着化までの全フェーズに渡ったコンサルティングを行います。
セールス&マーケティングコンサルタントはクライアントのトップラインの増大を実現するため、デジタル戦略・CRM戦略・営業戦略の立案、業務プロセスの設計・定着化、デジタルマーケティング・デジタルコマースのPMO等、戦略立案から実行まで一貫した支援を手掛ける職種です。
前職で培ったスキルや経験を活かせる分野を見つけて、それに沿った職種に応募することがクニエへの転職を成功させるポイントといえるでしょう。
(3)未経験でも可能か?
コンサルタントとしてクニエに転職したい人もいると思いますが、クニエの中途採用の応募には実務経験が必要なため、今までコンサルティング業務に携わったことがない人の転職は厳しいといえるでしょう。
- 大卒以上
- コンサル業界での実務経験が2-3年以上ある方
ほかにもコンサルタントごとに必要なスキルが指定されているため、事前のチェックが必要です。
例えばセールス&デジタルビジネスコンサルタントには、論理的なドキュメンテーションができる能力やコミュニケーション能力が必須とされています。
さらにビジネスコンサルティング、シンクタンクでのプロジェクト経験、経営企画、新規事業企画、マーケティング企画・マーケティング実務、営業企画・営業実務などの職歴や経験を持つことが望ましいようです。
(4)求める人物像
クニエで働くコンサルタントには、プロフェッショナルとしての「専門性」「コンサルティングスキル」「リーダーシップ」、そしてともに働く仲間やチームの成長、お客様の成功にも働きかけられる「社会的人間性」が求められます。
さらに今伸びているコンサルティングファームのほとんどは、ITで伸びている会社ですが、ITのプロジェクトマネジメントではなく、本当の戦略や業務のコンサルティングを学びたい、自分の手に武器を持ちたいと思っている人はクニエに参画することで成長していけると思われます。
またクニエとは「Quality(品質)」と「Enthusiasms(熱意)」という2つの意味が込められた言葉です。
品質は徹底的な学習と経験の積み重ねで得られるものですが、熱意は顧客を思い仕事に打ち込むマインドを指し、それを持った人材がクニエに合っているといえるでしょう。
共に働く仲間やチーム、会社と社会に貢献したいと考えている人材が集まることで、切磋琢磨するライバル同士の健全な競争が促進されて、組織の成長にも繋がります。
(5)クニエの選考フロー
クニエの選考フローは以下の流れで開催されます。
- 書類選考
- 2〜3回の面接
- 適性検査
- 最終面接
面接は原則マネージャー以上が勤めており、面接の回数は適正や内容によって変動するようです。
コンサルティングファームの面接といえばフェルミ推定やケース面接が予想されますが、クニエにはそれらの面接はないとされています。
これまでの職務経験と実績、その中で自分が取った行動や今まで最も苦労したことと対応方法、なぜクニエへの転職を希望するのかなどが聞かれるようです。
クニエの求める人物像や望ましいスキルについても自分なりに調べつつ、転職エージェントとともに事前に対策を練っておくのが良いでしょう。
4.クニエの待遇
クニエへの転職事情についてわかったところで、クニエへ転職を果たした際に受けられる待遇について見ていきましょう。
- 年収
- 福利厚生
- 充実した研修制度
特にクニエは充実した研修制度を持っていることが特徴となっています。
順に見ていきましょう。
(1)年収
株式会社クニエの年収範囲は550〜1,440万円で、平均年収は851万円といわれています。
職位 | 年収 |
アソシエイト | 430万円〜 |
コンサルタント | 450万円〜 |
シニアコンサルタント | 600万〜900万円 |
マネジャー | 900万〜1,200万円 |
シニアマネジャー | 1,200万〜1,800万円 |
ディレクター | 1,500万円〜 |
マネージングディレクター | 2,000万円〜 |
シニアコンサルタント以下は残業40時間込みの月給となっており、賞与は定性評価ではなく個人、所属チームの定量データを基に決まるようです。
職位ごとの年収は上記が目安となりますが、転職時に年俸交渉も可能なため、即戦力としてクニエに貢献できる経験やスキルを持つ人は上記よりも高い年収を得ることも可能です。
(2)福利厚生
クニエはNTTデータグループの子会社のため、充実した福利厚生が用意されています。
- 社会保険完備
- 完全週休2日制(土・日)
- 祝祭日休み
- リフレッシュ休暇
- 各種有給休暇
- 年末年始休暇
- 創立記念日等
上記で挙げた以外にも昇進などの際にご褒美の研修旅行があったり、定期的に社内で宿泊イベントや懇親会などが開かれたりとイベント事に力を入れている姿勢が見られます。
こうした福利厚生も後押ししてかクニエの離職率は10%未満にとどまっており、育休・産休復帰率は100%であるなど、男女ともに働きやすい会社であることがわかるでしょう。
(3)充実した研修制度
クニエではコンサルタントとしての実務知識やノウハウを獲得する場が用意されているだけでなく、キャリアアップに伴い必要とされるマインドを獲得するための情報共有・トレーニング制度などの充実した研修制度が設けられています。
新卒入社の社員に対しては社会人の基礎になる研修を1ヶ月程度行う会社は数あれど、中途採用の社員に対してもトレーニングを行う会社は珍しいといえるでしょう。
研修カリキュラムにはマネージャー昇格時にメンバーや組織を牽引するリーダーシップを発揮してもらうためのNew Managerトレーニングや自身のクニエ入社前の実務経験をプロジェクトで存分に発揮できる土台を構築するためのトレーニング、さらにはクニエでキャリアを重ねていく中で各ステージごとに必要とされるコンピテンシーを段階的に習得し、常にさらなるステップアップを目指すタイトル別トレーニングなどが行われています。
(4)労働環境
クニエの平均残業時間は月45時間程度といわれており、一般的なコンサルティングファームと比べると平均的またはやや少なめの傾向があります。
そのためワークライフバランスが取りながら仕事をしている人も多いようです。
企業名 | 月間平均労働時間 |
クニエ | 45時間 |
デロイトトーマツコンサルティング | 73時間 |
アクセンチュア | 45時間 |
日本IBM | 42時間 |
フューチャーアーキテクト | 80時間 |
ベイカレント・コンサルティング | 36.7時間 |
ただし従事するプロジェクトによって残業時間が前後する可能性は十分にあり、進行状況によっては長時間残業や休日出勤が発生します。
プロジェクトが終わったあとには長期休みを取れる場合もありますが、プロジェクトの大詰めの場面では体力勝負を強いられることもあるようです。
5.クニエのキャリアパス
クニエではコンサルタントからマネージングディレクターまで求められる人材像が明確に定義され、個人の能力とパフォーマンスによってステップアップすることが可能です。
採用時に多くの人が就くコンサルタントを含めて、クニエには6つの職位が用意されています。
- コンサルタント:限定された領域におけるプロジェクトオペレーション
- シニアコンサルタント:専門領域におけるプロジェクトオペレーション
- マネージャー:プロジェクトオペレーションコントロールと成果物品質管理責任
- シニアマネージャー:案件獲得責任・プロジェクト成功責任
- ディレクター:組織運営補佐、案件獲得責任・プロジジェクと成功責任
- マネージングディレクター:顧客との関係構築、組織運営、業績責任、案件獲得責任・プロジェクト成功責任
コンサルタントとして入社してキャリアを積んでいく中の第一段階としてまずはマネージャーを目指すと良いでしょう。
年収の説明の中でも触れましたが、クニエの中で実績を積んでステップアップしていくことで、年収も大幅に上がっていきます。
外資系コンサルティングファームでは昇進できなければ対象をする文化である「Up or Out」が根付いていますが、クニエはこの考えに対極的な価値観を持っているようです。
ただしその分採用の際かなりの時間をかけて検討を行うため、いかに転職活動時に自身をアピールできるかが鍵になるでしょう。
まとめ
NTTデータグループの一員であるクニエは、日本発のコンサルティングファームながらグローバル案件の比率が65%を超えており、特に新興国の成長に貢献している特徴を持つ会社です。
近年の業績は右肩上がりで、今後優秀な人員を獲得し、少人数制のチームを増やしていく構想をしていることから、さらに安定した企業になることが予想されます。
クニエは多くの領域で活躍しているため、募集している職種もさまざまです。
自身のスキルや経験を棚卸しして、力を発揮できるポジションへの申込みするのが良いでしょう。
クニエの待遇は外資系コンサルティングファームに比べると年収自体は平均的なものの、充実した福利厚生や研修制度を持っているため、長く勤めながら己の力を磨いていきたいと思う人にピッタリな会社です。
本記事でクニエが気になった人は、ぜひ本記事の内容を踏まえながら、転職活動を行ってみてください。
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