FASとコンサルは何が違う?迷った時にチェックすべき3項目を紹介
「転職を考えているがFASとコンサルの違いは何?」
「FASとコンサルの具体的な違いや転職先にはどっちが良いか知りたい」
転職をするにあたり、FASとコンサルの違いについて悩む人もいると思います。
正しい違いを理解しておくことで、いざ入社してから思っていたのと違うというギャップを感じることが少なくなるでしょう。
当記事ではFASとコンサルの3つの違いについて解説するとともに、転職先を選択するための判断材料について言及します。
この記事で2つの違いについて知り、どちらを志すか転職活動を具体的にしていきましょう。
本記事の前に、FASとは何か、基本情報についてより詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.FASとコンサルの3つの違い
FASとコンサルには、大きく分けて3つの違いがあります。
1.業務内容
2.年収
3.求められるスキル
以下で説明します。
(1)業務内容
FASとコンサルの違いの1つ目は、業務内容です。
FASは財務に特化した専門性の高いサービス、コンサルは専門を問わない幅広いサービスを提供しています。
#1:FASの業務内容
FASは、主にM&A支援とコーポレート・ファイナンスに関するサービスをクライアントに提供する業務を行っています。
具体的な業務内容はM&A実行のための助言、企業価値評価、再生支援、企業内における不正会計の予防や調査などです。
近年ではBIG4系のFASを中心に、M&Aの前段階である事業戦略の立案や検討の段階からクライアントの支援に取り組めるよう、FASでのコンサルタント採用が増えている傾向があります。
財務に特化していたFASでの業務内容は、これからもっと幅広くなる可能性も否定できません。
#2:コンサルの業務内容
コンサルの業務内容は、企業をクライアントとして問題解決に向けた様々なサービスを提供するものです。
クライアントへの経営戦略の1つとしてM&Aを提案することもありますが、M&Aに固執せず、人材の能力開発や給与制度の改革など幅広い範囲のサービスに関わっています。
企業内の人が会社を改革しようと取り組んでも、感情が入って結果的に上手くいかないということもあるでしょう。
第3者の目線による客観的な視野での問題解決が、コンサルの提供するサービスです。
(2)年収
FASとコンサルの年収の違いについてです。
どちらも30歳前後の平均年収と比べると高めと言えます。
それぞれに求められる業務を確実にこなすことで、年収アップが見込めるでしょう。
#1:FASの年収
FASの年収は、30歳前後の人で700万~900万が平均的です。
金額はBIG4系FASと独立系FASでは多少の差が生じ、BIG4系FASの方が高い傾向があります。
年齢が上がるにつれてアソシエイトからコンサルタントやマネージャーに役職が上がっていくと、更に大きな収入になることもあるでしょう。
FASの業務は高い専門性が必要となり企業の根幹に関わる仕事が多いため、大きな責任やプレッシャーが伴い激務である点が年収に反映されているようです。
#2:コンサルの年収
コンサルの年収は、500万〜1,000万が平均的です。
FASに比べるとスタート時の年収は低いものの、年数を重ねることで同程度に上がっていきます。
コンサルはFASと同じくクライアントの経営課題を解決するという、非常に高いスキルを求められる仕事です。
一度コンサルになったとしてもクライアントの要望に答えられなければ続けることはできないため、常にスキルアップが求められます。
その姿勢や実際の成果に対して高い給料が支払われている仕事と言えるでしょう。
(3)求められるスキル
FASとコンサル、それぞれに求められるスキルについて見ていきましょう。
それぞれ似ているようで、求められるスキルは少し違います。
どちらのスキルを持っているか、または今後身につけられるかの視点で転職先を絞り込むのも手法の1つです。
#1:FASで求められるスキル
FASでは、「知識の量」と「財務・会計分析能力」が求められます。
FASで必要な専門性は膨大な知識の裏付けのもと身につくものです。
ファイナンス知識はもちろん、M&A関連知識や会社法についての知識も広く深く見識を深めることが求められます。
財務に特化したファームであることから、財務・会計分析能力は必須です。
転職時には主にこの2点のスキルを持った人を即戦力として採用する傾向があります。
#2:コンサルで求められるスキル
コンサルで求められるスキルは、「論理的思考力」と「プレゼンテーション能力」です。
自社の実情を見て時には感情的になりがちな経営者層の要望を聞き、課題抽出・現状分析と、結論を導き出すために論理的思考能力が求められます。
また、せっかく練った戦略も、クライアントに伝わらなければ採用されません。
希望する未来のために有効な策を、どのような言葉でどのような資料を用いて伝えるのが有効か、コンサルには高いプレゼンテーション能力が必須となります。
2.FASとコンサルどっちへ転職するのが良いか迷ったら
ここまでFASとコンサルの違いについて3つに分けてご紹介してきましたが、結局FASとコンサルどっちに転職するのか迷ってしまう人も多いことでしょう。
転職後にどうなりたいかを軸に、どちらに転職しようか選ぶのも1つの方法です。
(1)M&Aの経験を積みたいならFAS
FASは財務に特化したコンサルティングファームながらM&A案件が非常に多いため、M&Aの経験を積みたい人はFASへの転職をおすすめします。
M&Aに関して蓄えた知識が、実際にM&Aを経験することでより強固に深堀できていきます。
先にも述べた通りコンサルでもクライアント企業のサポートの一貫としてM&Aが提案されることはありますが、それがすべてではないためM&Aを中心に考えるのであればFASがおすすめです。
FASの転職事情など、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
(2)前職の知識を活かしたい・戦略やITに強くなりたいならコンサル
一方、前職で得た知識を活かしたり、戦略やITに強くなりたいならコンサルへ転職するとよいでしょう。
「クライアントの課題を解決する」という目的は同じですが、切り口がそれぞれの得意分野から行われます。
コンサルのクライアントは業界問わず様々であり、時には前職と同じ業界の企業がクライアントになることもあるでしょう。
そんな時、前職で得た知識を活かすことで、他のコンサルタントよりも大きくクライアントにコミットすることができます。
また、コンサルには様々な種類があり、その中でも事業の総合戦略に関わりながら問題解決を目指す戦略コンサルや、情報処理システムの構築も含めたIT関連からの切り口を持つITコンサルが人気です。
得意分野の知識を活かしたい、または戦略やITを得意分野に持ちたい場合にはコンサルへの転職を検討しましょう。
3.ネクストキャリアも転職先選択のための判断材料
FASとコンサル、それぞれに転職した場合その先の将来はどうなるのでしょうか。
ネクストキャリアも転職先選択のための判断材料になりえます。
FASとコンサルではどのようなネクストキャリアが描かれるのか、見ていきましょう。
(1)FASのネクストキャリア
コンサル
大手事業会社/総合商社の財務部
M&A部門
投資銀行
PEファンド
スタートアップなど
FASで働くことで得られる会計・財務の知識を活かして、事業会社の財務部や企業のM&A部門、投資銀行など財務を軸としたネクストキャリアが描かれます。
より幅広い提案を行うため、コンサルへの転職者も多いようです。
FASは専門性の高い業務内容をこなしてきたため、FASでの在籍期間が長い人ほど次の転職先は財務系に絞る傾向があります。
FASの代表企業などについて、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
(2)コンサルのネクストキャリア
大手外資系企業
総合商社
事業会社の経営幹部
PEファンドベンチャー企業など
コンサルは戦略コンサルなのかITコンサルなのかなど、どのような種類のコンサルにいたかでネクストキャリアが大きく変わります。
いくつもの企業の経営者層と直接顔を合わせて企業の課題解決を担ってきた経験は、大手の外資系企業や総合商社に活かされます。
転職後いきなり経営幹部としても迎え入れられることも珍しくありません。
経験やスキルによってPEファンドやベンチャー企業でも受け入れられることが多いため、比較的自身の希望に沿ったネクストキャリアが歩めます。
まとめ
FASとコンサルは似ているようで少し違います。
転職を検討している人はそれぞれについて理解した上で、どちらが良いか業界を絞り込んで対策を持って転職活動を行いましょう。
「いま何がしたいか」だけではなく、ネクストキャリアについてどのような業界があるのか知っておくことも大切です。
FASとコンサルの違いについて知って、転職活動の参考にしてください。
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