銀行員からキャリアチェンジするには?転職先や市場価値について解説!
「現在銀行に勤務しているが、そろそろ違う仕事をしてみたい」
「銀行員のキャリアを活かしてステップアップしたいが、どのような転職先がある?」
このように、新しい職種や業務に挑戦してみたいと考えている銀行員の方は多いのではないでしょうか。
銀行員は金融に関するさまざまな知識やノウハウ、数字に対する強さ、営業力などあらゆるスキルを有していると言えます。
こうした点は転職市場でも高く評価されますが、持っている知識や能力を活かせる業界や職種を選ばなければ転職は成功させられません。
本記事では銀行員の市場価値からおすすめの転職先、転職時に活かせるスキルなどを解説していきます。
自分のキャリアを考え直したい、もっと自分のスキルを伸ばせる環境に身を置きたいと考えている方は必見です。
1.銀行経験者の転職市場の価値
銀行員は、数字に強い・顧客と信頼関係を築ける・営業力がある・精神的にタフであるなどの理由から、一般的に転職市場では高く評価されます。
特に法人営業で経営者を相手に仕事をしていた場合、高い視座を持って物事を捉えられるということも強みになります。
このようなスキルや経験を活かし、他の金融機関やコンサル業界、M&Aアドバイザリーなど幅広い職種への転職が可能でしょう。
ただし異職種に挑戦する場合は、20代〜30代前半の早いうちに転職活動をするのがおすすめです。
30代後半以降になるとポテンシャルを加味した採用の割合が減り、専門知識やマネジメントスキルを持った即戦力人材の募集が多くなります。
証券会社や保険会社、クレジットカード会社など金融関連の企業であれば可能性がありますが、それ以外の全く新しい業界となると年収などの条件で妥協しなければ転職は難しくなるでしょう。
2.銀行からのおすすめの7つの転職先
それでは銀行からのおすすめの転職先を7つ紹介します。
- 事業会社の管理部門
- 金融機関
- 投資銀行
- コンサルティングファーム
- M&Aアドバイザリー
- 士業
- ベンチャー・スタートアップ企業
それでは1つずつ説明していきます。
(1)事業会社の管理部門
メーカーや通信、商社など業界を問わずに事業会社には必ず管理部門が存在します。
そのなかでも銀行出身者の転職先として人気なものが事業会社の経理・財務部門です。
経理部門や財務部門では、株主に公開するための決算資料を作成したり企業の資金調達を行ったりと、会社の経営に不可欠なお金に関する業務を担います。
銀行員は日々数字と向き合い、信用のもとで細心の注意を払って物事を進める力が備わっているため、こうした業務でも能力を発揮できるでしょう。
会社が持つ商品やサービスの売り上げを上げて事業を成長させていく過程が見られるため、銀行とは違う面白さも感じられますよ。
(2)金融機関
銀行で培った経験をそのまま活かしたいと考えるならば、他の金融機関に転職することも選択肢の一つです。
証券会社や生命保険会社も無形の商品を扱うことに違いはありませんが、お金そのものよりも商品力の高いものを顧客に訴求できるというメリットがあります。
顧客とのコミュニケーションの取り方や信頼関係の築き方、ノルマを意識した仕事の仕方に変化はないため、違和感なく馴染める可能性が高いでしょう。
また証券会社や保険会社は歩合制であることも多いため、実力を発揮できれば銀行員時代よりも高い年収を目指すことも可能です。
(3)投資銀行
投資銀行は、企業が資金調達や企業買収のために有価証券を発行する過程をサポートするビジネスを行なっています。
どちらかと言えば証券会社と関連の深い業務内容ですが、銀行での経験を活かして投資銀行への転職を目指すことも可能です。
ただし投資銀行では地頭の良さなどに加えてM&Aや資金調達についての専門知識や経験、莫大な金額を動かすプレッシャーや責任に耐えうるタフさなど、高度なスキルが必要になります。
成果を上げた分は報酬に反映されるため、コンスタントに実力を発揮することができれば年収は格段に上がるでしょう。
(4)コンサルティングファーム
銀行で培った金融の知識や顧客との関係構築力を活かし、企業の経営戦略などのアドバイスを行うコンサルタントを目指す人も増えています。
特に法人営業で経営層と日頃からやり取りをしている経験や、経営者目線で物事を考えられる力があると武器になるでしょう。
総合系・戦略コンサルタントなどは20代〜30代前半であれば未経験者も積極的に採用しています。
現状経営や財務などに関する知識が薄い場合も、銀行で得た専門性と併せて営業で得た力や成果をアピールできれば問題ないでしょう。
(5)M&Aアドバイザリー
M&Aアドバイザリーは、売り手企業と買い手企業の間に立って会社や事業の売買をサポートする仕事です。
企業の価値を算定したり、法務・税務に関わるM&Aの手続きを専門家とともに滞りなく行うスキルが求められます。
ただし多くのM&Aアドバイザリーでは、経験がない場合も、法人営業などで経営者層と折衝した経験や突出した成果を上げている人材を積極的に採用する傾向にあります。
したがって銀行で中小企業のオーナーなどを相手に成果をあげている人材であれば、十分にチャレンジが可能な職種と言えるでしょう。
M&Aアドバイザリーは利益率の高いビジネスであり、かつアドバイザー個人の成果が会社全体の業績につながるという特性からアドバイザーに還元される報酬も高いため、実力次第では年収アップも期待できます。
(6)士業
銀行では在職中にさまざまな資格を取得する機会があります。
すでに取得した資格を活かしたり、業務内容に深く関連のある資格を独学で取得することで、独立したり関連事務所へ転職するという選択もできるでしょう。
例えば、銀行出身者には以下のような資格が人気です。
- 公認会計士
- 税理士
- 中小企業診断士
- 司法書士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
- ファイナンシャル・プランニング技能士
働きながら学習するにはかなりの根気が必要な国家資格も多いですが、資格を得られれば業務の幅も広がるでしょう。
例えば公認会計士や税理士の資格を取った場合、監査法人やFAS、税理士事務所といった選択肢があります。
- 有限責任監査法人トーマツ(監査法人)
- PwCアドバイザリー合同会社(FAS)
- アクタス税理士法人(税理士事務所)
(7)ベンチャー・スタートアップ企業
最後に銀行からの転職先として紹介するのは、ベンチャー・スタートアップ企業です。
成長途中のフェーズにあるため、基本的に年収水準は落ちると考えた方がよいでしょう。
ただし大きな裁量を持って仕事に取り組めたり、日々会社の成長を肌で感じられたりと、銀行では得られない楽しさややりがいがあります。
また銀行員時代のスキルをフルに活用して、CFO(最高財務責任者)として資金調達を含む財務戦略の立案や実行に携わることも可能でしょう。
3.銀行員が活かせる経験・スキル
ここまで銀行からおすすめの転職先を紹介してきましたが、続いて銀行で培う転職時に活かせる経験やスキルについて解説していきます。
- 顧客との折衝経験
- 財務・経理の知識
- 体力・精神力
それでは1つずつ説明していきます。
(1)顧客との折衝経験
銀行での営業において、相手が法人・個人に関わらずリスクを覚悟で自らの大切な資産を託してもらうためには、強固な信頼関係を築かなくてはなりません。
顧客とコミュニケーションを図る際には、相手の状況や性格、思いなどを理解したうえで寄り添う必要があります。
法人相手であれば、業界や企業の状況やトレンド、経済情報も頭に入れておかなければなりません。
時に責められたりと困難な局面に陥ってもうまく工夫して切り抜けた経験があれば、コンサルティング・M&Aアドバイザリー・投資銀行といったハイクラスの転職を目指す際にも活かせるでしょう。
(2)財務・会計の知識
最近の銀行のビジネス領域は単に融資を進めるだけではなく、金融商品の販売や企業へのコンサルティングをなど幅広く、銀行員は実務の中で財務や会計の知識に触れている場合が多いでしょう。
財務や会計の知識は、ビジネスを高い視野で捉えるために役立つ知識です。
特に経営・戦略コンサルタントやM&Aアドバイザリーなどを目指す場合は、こうした専門知識が欠かせません。
もし十分な専門的知見が十分でないと感じる場合は、今のうちから簿記などの知識を深めておきましょう。
(3)体力・精神力
銀行の営業担当には毎期必ず数値目標(ノルマ)が課されます。
達成すればさらに高い目標が与えられ、できなければ達成できるまで努力が求められる厳しい環境ですが、その中で自分なりに工夫をしたりもがいたりして成果を出した経験は非常に貴重と言えます。
キャリアアップや年収アップを目的とした転職を目指す場合、これまで以上にプレッシャーを抱えたり責任を課されたりする可能性が高く、困難な状況においても投げ出さず踏ん張る体力と精神力が必要となります。
転職活動時には知識やスキルがあることに加えて、いかなる状況でも仕事をやり切る力があることもアピールできるとよいでしょう。
4.銀行からの転職を成功させるために
最後に、銀行からの転職を成功させるためにやるべきことを2つ紹介します。
- 自分の経験やスキルを洗い出す
- プロの転職エージェントを活用して情報を集める
それでは1つずつ説明していきます。
(1)自分の経験やスキルを洗い出す
本記事で銀行からのおすすめの転職先をいくつか紹介しましたが、転職先を決める前にまず自分の経験やスキルを洗い出してみるとよいでしょう。
なぜなら、中には希望しても経歴次第では選考突破が難しい業界や職種が存在するからです。
例えば投資銀行や外資系コンサルといった企業では、少なくとも銀行で法人営業などに携わり、突出した成績を収めていなければ選考突破は難しいでしょう。
中途採用においては前職の実績を見て採用可否を判断されることが多いですが、企業によっては学歴や資格の有無も判断基準に取り入れている場合もあります。
それぞれの企業で基準は異なるため、プロの転職エージェントに一度相談してみるとよいでしょう。
(2)プロの転職エージェントを活用して情報を集める
自身の経歴にも自信があり、事前準備もしっかりと行える優秀な人材であっても、転職活動時にはエージェントを利用するのがおすすめです。
なぜなら転職エージェントは一般に公開されていない情報を有していたり、過去の実績を分析して傾向を掴んでいたりと、転職者が独力では知り得ないノウハウを教えてくれるためです。
さらに自分の希望する業界に精通しているエージェントであれば、業界特有の情報や選考突破のコツなども心得ています。
エージェントの利用料には一切料金はかからないため、情報収集をかねて一度相談してみるのがおすすめです。
まとめ
今回は、銀行から転職する場合におすすめの転職先や活かせるスキルなどについて解説しました。
銀行員は財務・会計の知識や顧客との折衝スキル、目標を達成し切る力などさまざまなビジネススキルを有していると言えます。
20代〜30代の転職であれば、これらの銀行で得たスキルだけではなくポテンシャルも加味した採用が行われるので、異業界や異業種にチャレンジすることも可能です。
自分にはどんな可能性があるのか?気になる企業へ転職するためにはどうすればよいか?など、まずは疑問に思うことを転職エージェントに相談してみるとよいでしょう。
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