メーカー営業経験者は未経験業界にも転職の可能性あり!強みや注意点を紹介
「現在メーカー営業をしているが、違う仕事をしてみたい」
「メーカー営業からの転職にはどんな業界が合っているのか知りたい」
このように思うメーカー営業の人も多いのではないでしょうか?
自社で作った製品を販売するために営業を行うメーカー営業は、基本的に顧客が法人であるB to B営業の中で、他業界でも活かせるたくさんの強みを持った、転職市場でも価値の高い職種と言えます。
価値が高いと言っても、メーカー営業からの転職がどんな業界に向いているのか分からないまま転職活動を行ってしまうと、自身の持つ強みが活かせず、また転職を行わなければならないことにもなりかねません。
本記事ではメーカー営業からの転職におすすめの業界、メーカー営業者の強み、さらには転職の際の注意点について解説します。
メーカー営業から転職を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
1.メーカー営業からの転職におすすめの業界
はじめにメーカー営業からの転職におすすめの業界を4つ紹介します。
- M&Aアドバイザリー
- コンサルティングファーム
- ベンチャー企業
- 異業種の営業職
1つずつ見ていきましょう。
(1)M&Aアドバイザリー
M&Aアドバイザリーは、企業や事業の譲渡を検討する経営者や、買収を検討する企業のどちらかから依頼を受け、クライアントの利益を最大化するために、M&Aを実行・サポートする仕事です。
M&Aを行う上で、クライアントの経営戦略・事業継承に関する方針や社内のチーム体制に基づいた戦略を立てる必要があるため、経営実務・経営戦略・会計や税務についての専門的な知識が欠かせません。
ここまで読むと自分には知識もないし難しそうと思う人もいると思いますが、M&Aアドバイザリー未経験の場合でも、メーカー営業のB to B営業で培った経営者層と交渉した経験や、実際に営業の成果を挙げている人を積極的に採用する傾向があります。
M&Aアドバイザリーへの転職が叶えば、平均年収は、アソシエイトで500万円以上、シニアアソシエイトで700万円以上、マネージャーになれば1,000万円以上と、メーカー営業の平均年収500万円を超える可能性があるため、やりがいを求めている人にピッタリの業種と言えるでしょう。
(2)コンサルティングファーム
各業界・企業の経営戦略や過大への解決策の提案を仕事にしているコンサルティングファームへの転職を目指す人も増えています。
コンサルティングファームのクライアントにはメーカーが多く、これまでメーカー営業として仕事をしてきた経験が、ダイレクトに役に立つでしょう。
コンサルティングファームへの転職は、コンサルタントとしての経験の有無を問われることはあまりなく、基本的には34歳までであれば、応募が可能です。
自身の転職したいコンサルティングファームの年齢条件を良く確かめた上で、メーカー営業で得た力や成果をアピールすれば、未経験者であっても転職できる可能性は十分にあると言えます。
(3)ベンチャー企業
大企業が行っていないような、独自の技術やサービスを提供するベンチャー企業と呼ばれる新興企業も、メーカー営業からの転職におすすめです。
社員数が少なく、しかも若い人しかいないようなイメージのあるベンチャー企業は、営業でさまざまな企業と接し、大手企業のルールや顧客のニーズを理解しているメーカー営業出身者を重宝する傾向があります。
ベンチャー企業は成長途中の会社であることが多いため、転職してすぐの段階でも、大きな裁量権が持てたり、成長を肌で感じられたりと、日々の楽しさややりがいが大きい業界です。
年収が下がる可能性もあることを考慮した上で、自身の興味のある技術やサービスを提供している会社に転職先を絞り込むと良いでしょう。
(4)異業種の営業職
さいごに紹介するのは、異業種の営業職です。
転職と言うといままでと全く違う職種にチャレンジするイメージが持たれることもありますが、そうとは限りません。
同じ営業職から営業職へキャリアチェンジを行う人も多くいます。
メーカーではないものの、同じ営業職という点から、コミュニケーション能力や商品のプレゼン能力など、営業の経験者として、営業の本質的なスキルをそのまま生かせる可能性が高く、即戦力と見られて採用の確率も上がるでしょう。
2.メーカー営業出身者の強み
メーカー営業出身者におすすめの業界を4つ紹介しましたが、続いてメーカー営業の経験を通して培う、転職時に活かせる強みについて解説していきます。
- 顧客目線で話ができる
- 法人との商談経験を積んでいる
- 全体を把握しながら業務ができる
以下で見ていきましょう。
(1)顧客目線で話ができる
メーカー営業は、B to B営業を基本として、企業が置かれている状況や価値観を丁寧にヒアリングした上で、意向に沿った自社の商品を購入してもらう必要があります。
「売りたい、売りたい」と自分の売上だけを考えてしまえば、担当者は敏感にそれを感じ取り、商品の購入を止めてしまうこともあるでしょう。
売りたい気持ちを押さえ、顧客目線の営業活動ができるメーカー営業出身者は、他の多くの業界で活躍できる逸材と言えます。
M&Aアドバイザリーやコンサルティングファームでは特に、企業の悩みに寄り添った提案が求められるため、顧客目線で話ができる力は大きな強みになるでしょう。
(2)法人との商談経験を積んでいる
メーカー営業は基本的に法人を相手に商談を行うB to B営業のため、法人との商談経験を積んでいる点を重宝する企業が多いでしょう。
法人営業は相手先企業に勤める複数の担当者を窓口とし、時には企業のマネジメントや、担当者よりも上の経営層に提案を行うこともある仕事です。
企業に自社の商品やサービスを活用してもらうことで、顧客の事業を成長させたり、業務を効率化したり、組織の生産性を高めたりと、相手のビジネスに大きく貢献できるため、法人との商談経験を積んでいる人を採用したい業界は重宝されると言われています。
(3)全体を把握しながら業務ができる
メーカー営業は自社の商品を販売すれば良いだけでなく、設計・開発や工場の生産ラインなど、顧客に商品を提供するまでの間にさまざまな工程があるため、全体を把握しながら業務を行う力が育まれます。
この強みは、優先順位をつけ、計画的に仕事に取り組める力のアピールに繋がるでしょう。
どこの業界においても、与えられた自分の仕事だけを行っていては、顧客に迷惑をかけかねません。
全体を把握する力は、メーカー営業出身者の立派な強みと言えます。
3.メーカー営業から転職する際の注意点
さいごに、メーカー営業から転職する際の注意点を3つ紹介します。
- 収入が下がる可能性がある
- 転職には時間がかかる可能性がある
- 労働環境が変わる
以下で見ていきましょう。
(1)収入が下がる可能性がある
中途採用では、企業にとって即戦力となる人材が理想です。
そのため、未経験者と経験者では収入や待遇が変わるのが一般的であり、未経験の業界に転職した場合、収入が下がる可能性があることを考慮しておきましょう。
メーカー営業で得ていた収入が不満で、高収入の業界に転職したい場合は、この点はデメリットとなりかねません。
高い専門性を求められる職種や、経営に近い役職へのハイクラス転職ならば収入が上がることもあるため、事前に希望する業界へ転職後は年収がいくらほどになるのかをチェックの上、転職を行うようにしてください。
(2)転職には時間がかかる可能性がある
自身が希望する転職先が、現在のメーカー営業とは異業種であったり、転職難易度が高い業界であったりする場合、転職に時間がかかる可能性も考えておきましょう。
一般的には書類選考が通ったあと面接が複数回行われた上で採用か不採用かの判断が下されるため、転職活動期間の目安は3ヶ月から6ヶ月と言われています。
現在の仕事を続けながら、仕事後や休日に転職活動を行い、採用を得た段階で退職を決める方法が一番スムーズと言えますが、採用面接は平日の昼間に設定されることも多く、効率的に選考を受けられないことから転職活動に時間がかかる例もあるようです。
転職しようと思ってもすぐにできない場合が多いことを考えて、現在の貯蓄や出費の有無を検討しつつ、退職の時期を具体的に考えながら、転職活動を行うと良いでしょう。
(3)労働環境が変わる
3つめの注意点は、労働環境が変わることです。
メーカー営業はM&Aアドバイザリーやコンサルティングファームなどほかの業種に比べて残業が少ないため、転職先が残業当たり前の業界であった場合、仕事量の多さは大きな負担になりかねません。
残業をしてでも希望の年収を得ていきたいのか、年収が低くてもワークライフバランスの取れた業界で働きたいのか、この点だけでも志望する業界は変わってくるでしょう。
現在の労働環境に対して不満を持っている人は、どのように変わるとより良い仕事を行えるかを考えた上で、転職先候補を絞り込んでいくようにしてください。
まとめ
メーカー営業出身者が転職する場合に、おすすめの転職先や活かせる強み、注意点について解説しました。
メーカー営業は対法人相手に自社の商品を販売する仕事で、経営者目線に立った提案や、全体を把握しながら進める能力に長けていると言えます。
20代半ば〜30代前半の転職であれば、上記の強みだけではなく、これからのポテンシャルを加味した採用が行われるため、未経験者でも採用する業界も多くあるようです。
この記事を参考に、ぜひ自分に合った転職先を絞り込んでください。
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