営業職は転職しやすい?営業職の転職動向と転職時の5つのポイント

「営業職の転職は厳しいって本当?」
「営業の仕事で培ったスキルを活かすにはどの業種・職種がおすすめ?」

営業は、自社の商品やサービスの販売や、そのための環境・条件を整える仕事であり、会社の業績を大きく左右する重要な仕事です。

成果次第で高年収も得られ、各種ビジネススキルも身につく魅力的な仕事でもありますが、今後のキャリアなどの理由で営業職からの転職を考えているという人も少なくありません

そこでここでは、営業職からの転職について、転職動向や人気の転職先、転職時のポイントについて解説します。

営業職からの転職で失敗したくない、必ず成功させたいという方はぜひご覧ください。

1.営業職の転職動向

営業職経験者は基本的なビジネススキルを持つ人が多いため、転職市場で人気が高く求人数も多い職種です。

営業職から営業職へ転職する場合、特に経験や実績豊富な経験者は即戦力として人気が高いことから、同業種・異業種ともに良い条件で転職を実現できることが多いです。

また、転職先は同じ営業職に限らず、金融業界や製造業界など全く関係のない他業種・他職種へと転職する人も少なくありません

営業職は、様々な職種がある中でも、身についたスキルによって新しい業務での応用が利きやすいことから、他の職種に転職しても比較的早く新しい仕事になじみやすい傾向があります。

そのため、営業経験者は様々な業界の企業からも好意的に受け入れられやすく、転職市場でも特に需要の高い職種と言えます。

2.営業職の転職先として人気が高い4つの業界

次に、営業職の転職先として人気の業界を紹介します

営業職の転職先として人気が高い4つの業界

  1. 同業他社の営業
  2. 事業会社の各部門
  3. コンサルティングファーム
  4. M&A業界

営業経験者は営業の仕事を通じてビジネスパーソンに求められる様々なスキルを身につけていることから、基本的にどの企業・業界でも通用する力を持っています。

その結果、転職市場での評価も高くなり、転職の選択肢も多く、既に多くの人が転職を成功させて新しい舞台で活躍しています。

その中でも特に人気の高い4つの転職先を見ていきましょう。

(1)同業他社の営業

1つ目の人気の転職先は、同業他社の営業です。

数々の営業で培ったコミュニケーション能力やプロモーション能力などのスキルは様々な職種に活かせますが、中でもこれまでの人脈も活かせる同業他社の営業は一番堅実な選択肢といえるでしょう。

同業他社の営業に転職するメリットは、即戦力としてすぐに活躍できる上に、給与面でも満足できることが多いことです。

しかし、トラブルを防ぐために、同業他社の営業への転職の際は、就業規則などで現会社の競業避止義務規定を確認しておくことが重要となります。

(2)事業会社の各部門

2つ目の人気の転職先は、事業会社の各部門です。

営業職からの転職で人気の職種

  • 営業
  • 企画・マーケティング
  • 人事・採用・労務
  • 事務
  • サービス・販売
  • 管理職

営業職経験者は、情報の収集・分析をして必要とされる製品やサービスを考えるスキルや人と良い関係を築くスキルなど汎用的なスキルに特に優れています。

これらのスキルによって、営業経験者は事業会社の上記の職種にもフィットしやすく、転職後のキャッチアップもしやすいといえるでしょう。

前職と同じ営業の仕事の場合、他業種であっても即戦力として前職の経験を高く評価してもらえるので有利ですが、それ以外の職種であっても会社選びや業種・職種選びさえ間違えなければ満足のいく転職ができるケースがほとんどです。

営業のスキルを活かせる事業会社の職種は多数あります。

例えば、ヒアリング力や分析力に基づき顧客の課題やニーズを分析するスキルを活かせる企画・マーケティング職、高いコミュニケーション能力や交渉力を活かせる人事・採用・労務職や販売職・サービス職、資料作成スキルや顧客対応スキルが活かせる事務職など、様々な職種で手持ちのスキルを活用した働き方が可能です。

ライフワークバランスを考えて自分に合った働き方ができる仕事も豊富なので、営業の時のようにノルマや残業に悩まされずに無理なく働きたいという人から人気です。

(3)コンサルティングファーム

コンサルタントに向いている人の3つの特徴

3つ目の人気の転職先は、コンサルティングファームです。

コンサルティングファームとは、企業の抱える経営課題等に対して解決案を提案し、課題解決をサポートする企業です。

営業とコンサルティングファームの仕事は似ているようで商材やアプローチの仕方など異なる点も多いです。

しかし、仕事を進める際にコミュニケーション能力や分析力、決断力などが求められる点では同じであり、活かせるスキルが多い仕事です。

また、コンサルティングニーズの高まりにより業界は常に人材不足傾向にあるため、未経験者を積極的に採用するコンサルティングファームが増えており、その際、現場経験や意志決定層と関わる経験が豊富な営業経験者は特に高く評価されています

営業職以上の実力主義・成果主義の世界ですが、自分のビジネスパーソンとしての幅を広げたい・キャリアを積みたいという人に人気です。

(4)M&A業界

4つ目の人気の転職先は、M&A業界です。

日本企業の殆どを占める中小企業は、後継者問題や海外展開など様々な問題を抱えています。

そんな企業と企業を結ぶM&Aは最近特に活発に行われており、M&A業界も拡大傾向にあります。

コンサル業界と同じく、M&A業界も人手不足から新しい人材の採用意欲が高く、様々なビジネススキルを持つ営業職経験者を積極的に採用する企業も少なくありません

M&A業界での仕事は、営業で身につけたスキルをさらに広げ高めることができるため、ビジネスパーソンとしてキャリアを積みたい人から人気です。

3.営業職で身につく6つの強み・スキル

営業職がなぜ転職市場で人気が高いのか、それは営業職経験者だからこその強みやスキルが大きく関係しています。

営業職で身につく6つの強み・スキル

  1. 清潔感・印象の良さ
  2. 状況判断の速さと的確さ・決断力
  3. コミュニケーション能力の高さ
  4. ストレス耐性の強さ
  5. 優れたセールス力
  6. スケジュール管理能力の高さ

営業職の人には、多種多様な案件や人に対して自社商材の販売の仕事をしてきたことで培われた、ビジネスパーソンとして求められる様々なスキルが備わっていることが多いです。

それは多くの企業でも高く評価されるものであり、転職の際には『営業経験』が大きな武器となって自分の市場価値を上げてくれることになります。

(1)清潔感・印象の良さ

1つ目の営業職の強みは、清潔感・印象の良さがあることです。

営業は、セールスのために顧客や担当者から「信頼できる」「感じが良い」「親しみやすい」など最初から良い印象を持ってもらうことが重要なポイントとなる仕事です。

「人は見た目が9割」といわれるように、より良い印象を与えるために自分の見た目を整えることが営業の第一歩といっても過言ではありません。

また、良好な人間関係を築くために、外見だけでなく、話し方や表情や声の調子など相手への影響を考えて工夫するのも営業職の人の当たり前のテクニックです。

基本的に対人の仕事である営業の人は、普段から自分の身だしなみや言動に気を配り、自分の印象を良くしようとする習慣がついているため、人との関係が重要となる業種・職種において営業職経験者が高く評価されるのは当然といえるでしょう。

(2)状況判断の速さと的確さ・決断力

2つ目の営業職の強みは、状況判断の速さや的確さ(分析力)・決断力です。

営業では、どんなシーンでも状況に合わせて臨機応変に対応する柔軟性が求められます。

自社の要求・条件ばかりを主張していては相手に拒否され、相手の要求・条件ばかりを飲んでいては自社に不利な契約となるため、時には交渉が難しい相手とも一致点や落としどころを見つけて、お互いが納得できる決着点を見つけなければならないこと少なくありません。

その際に必要となるのが、相手の表情や発言、現場の状況等に合わせて正しく状況を判断し、良い方向へともっていける状況判断の速さや的確さ(分析力)です。

また、営業の仕事ではビジネスチャンスを逃さないため、必要なタイミングで決断できる力も求められます。

優秀な営業ほど即座の判断力に優れており、さらに決断力も兼ね備えていることから、現場の担当者の能力がビジネス成功に重要なウエイトを占める業種・職種で人気となるのも当然といえます。

(3)コミュニケーション能力の高さ

3つ目の営業職の強みは、コミュニケーション能力の高さです。

営業の仕事で相手をするのは基本的に人間です。

どんな性格や考えの人とも話を合わせて良好な人間関係を築き、心を開いてもらうことが営業の仕事の第一関門と言っても過言ではありません。

最初は相手の話を丁寧に聞き、親近感や信頼感を抱いてもらえるよう、まずは良好な関係を構築いた上で、相手の要望だけでなく本人も気づいていなかった問題も見つけ、それに沿った提案をすることで契約を取りやすくなります。

つまり、営業で優秀な成績を残している人は、もれなく「聞く力」が高く、高いコミュニケーション能力を持っているといえます。

また、営業の仕事では、相手の話を聞きとるだけでなく、自分の条件を相手に正しくわかりやすく伝えられる高い情報伝達スキルも必要となります。

営業職の人が、同じ営業の仕事だけでなく、人を相手にする人事や労務などでも引く手あまたなのは、全般的な対人能力が優れているためだといえるでしょう。

(4)ストレス耐性の高さ

4つ目の営業職の強みは、ストレス耐性の高さです。

営業の業務の中には、既存客に新たな商品やサービスを販売・プロモーションするルート営業や深耕営業だけでなく、新規顧客を獲得する新規営業などがありますが、中でも大変といわれているのが新規営業です。

もともと基盤や土壌のある中で契約を維持したり、範囲を広げて契約を取ってくることももちろん大変な仕事です。

しかし、全くのゼロの状態から新たな契約を取ってくるのは難易度がさらに高く、「門前払いされて担当者に会ってももらえない」など様々な苦労や問題を乗り越えなければならないことがほとんどです。

また、営業は相手からの要求やクレームを企業の最前線で受け取る仕事でもあるため、既存顧客からの理不尽な対応や要求でストレスを感じることも少なくありません。

良い意味での鈍感力や強いポジティブさがなければ務まらない仕事である営業職は、必然的にストレス耐性も身につく仕事です。

様々な人間関係のトラブルが多い現代、忍耐力があり、ストレス耐性の高い営業職の人が重宝されるのも必然といえるでしょう。

(5)優れたセールス能力

5つ目の営業職の強みは、優れたセールス能力です。

セールストークがうまければ、誰でも優秀な営業マンになれるわけではありません。

自社の商品・サービスを相手に知ってもらうためには、まず自社の商材への深い理解が欠かせません。

それに加えて、相手のニーズを汲み取って的確にアピールするスキル、市場のリサーチ、トレンド・最新情報の把握、差異化をはかるために競合の情報収集も不可欠です。

セールス能力は、トークスキルだけではなく、受注するためにお客様の見えない部分で様々なことに取り組む地道な努力のもとに身につき、高められるものです。

”受注という目的達成のために必要な努力をする”ということも含めたセールス能力が備わった人材が転職市場で人気なのも当然といえます。

(6)スケジュール管理能力の高さ

6つ目の営業職の強みは、スケジュール管理能力の高さです。

営業の仕事は基本的に相手の都合に合わせて行うものです。

また、実際にお客様と会う仕事の他に地道な仕事も多数抱えている中で、時間を有効に使うスケジュール管理能力も磨かれることが多いです。

裁量の幅が広く、自分で自分の仕事の管理をすることが求められるコンサルなどの業界で、営業職経験者の人のニーズが高くなっているのも理にかなっているのです。

4.営業職が転職する際の5つのポイント

営業職が転職する際は、次の5つのポイントをチェックしましょう

営業職が転職する際の5つのポイント

  1. 営業のスキルを活かせる仕事を選ぶ
  2. 『年収』を企業選びの最重要条件としない
  3. 転職先企業の福利厚生も重視する
  4. 業界の成長性・将来性もチェックする
  5. できるだけ早く行動する

転職後に後悔しないために、上記5つを必ず確認するようにしましょう。

(1)営業のスキルを活かせる仕事を選ぶ

1つ目のポイントは、営業のスキルを活かせる仕事を選ぶことです。

営業のスキルは様々な業界・業種でも活かせるものばかりです。

しかし、全くの畑違いのIT技術者や弁護士・会計士など高度な専門知識が求められる専門職は完全な未経験となり、転職時の待遇・条件等でも不利になったり、転職後に仕事になじむのに時間が掛かってしまうことになりやすいのは否めません。

自分の可能性や選択肢を広げて更なるキャリアや多彩な経験を積みたい場合や、将来的に専門家として独立を考えている場合は、新しい業界・業種への転職も有効です。

しかし、そうでない場合は、自分に備わっている営業スキルを最大限活かせる仕事への転職が堅実といえるでしょう。

(2)『年収』を企業選びの最重要条件としない

コンサルティング業界で避けるべき3つの志望動機の特徴

2つ目のポイントは、『年収』を最重要条件としないことです。

営業職は、基本給に加えて営業成績によるインセンティブが加わる企業がほとんどです。

営業成績と年収が比例している営業の仕事から転職する際、年収=自分の評価と考えたり、生活水準を下げたくないからと年収面を何よりも重視してしまう人もいますが、できればそれは避けるべきです。

確かに転職先を決める上で年収は重要なポイントではありますが、『高年収』をうたう企業はその分ノルマや求められる水準が高いところも多く、転職後に多大なストレスを感じて辞めてしまう人も珍しくないからです。

また、『高年収』に惹かれて興味のあまり感じられない業界に転職しても、年収以外の楽しみややりがいを仕事に感じられずに、モチベーションが低下して挫折してしまうケースも少なくありません。

このように、年収は転職時の重要なポイントの1つではありますが、それを営業職の転職時の最上位の条件にすると転職後に後悔することも多いので気を付けましょう。

(3)転職先企業の福利厚生も重視する

勤続年数

3つ目のポイントは、転職先企業の福利厚生も重視することです。

営業力に自信のある人は、実力・成果次第で高いインセンティブを得られる企業を選びがちですが、転職先選びの際は福利厚生面も必ず確認しましょう。

福利厚生が手厚い企業で働いていると、住宅手当や家族手当など目に見えない部分で得られているベネフィットを当たり前に感じて、転勤先の企業の福利厚生を気にしない人という人もいます。

しかし、年収が高く設定されている分、福利厚生が不十分な企業に転職すると、可処分所得からの支出が目に見えて増えることになり、経済的にも心理的にも大きな負担となることが少なくありません。

そのため、福利厚生に何が含まれているのか、何がないのかを転職前に事前に確認しておくことが不可欠です。

また、更なるキャリアを考えているなら、専門資格取得や語学習得などのサポート制度の有無も重要なポイントとなりますし、社会や家庭の変化により、男性であっても育児休暇や介護休暇が必要となるケースも増えていることからライフステージに合わせて取得できる制度の充実度もしっかりチェックしたほうが良いでしょう。

ちなみに、企業の雰囲気や社員に対する対応が良いホワイト企業かそうでないブラック企業かどうかなど、年収や福利厚生などの募集条項からだけではわからないを判断するには、離職率や社員の在籍年数を見ることをおすすめします。

(4)業界の成長性・将来性もチェックする

4つ目のポイントは、業界の成長性と将来性をチェックすることです。

せっかくの高い営業スキルがあっても、斜陽産業・業界での仕事であれば活躍の場は年々自然と狭められていきますし、仕事での成果を上げるのも難しくなります。

反対に、今後の成長が見込まれる業界の仕事であれば、取り扱う仕事の量も多く、ビジネスチャンスも増え、モチベーションも高く働くことができます

特に、今後の日本社会は、市場規模の縮小、人手不足、高齢化など様々な問題に直面する可能性が高いため、転職する業界の先の展望を見極めることは非常に重要なポイントとなりつつあります。

転職先企業の業界の成長性や将来性も含めて考えることで、将来的な不安を取り除くことができるので、情報を集めて判断するようにしましょう。

(5)できるだけ早く行動する

5つ目のポイントは、転職を思い立ったらできるだけ早く行動することです。

転職市場では、35歳を超えるととたんに求人募集数が減る傾向にあります。

その業種・職種のスペシャリストであれば管理職など上のポジションでの引き合いもありますが、そうでない場合は若ければ若いほどポテンシャルを見込んで採用を行う企業が多いです。

営業の仕事に就いていた人は、数々のビジネススキルが備わった優秀な人材が多いという評価がされ、転職市場でも企業側からの人気が高い職種ですが、未経験の業種・職種となればやはり20代・30代前半の人材が人気です。

そのため、選択肢の幅を広く持ち、より良い条件で転職するために、営業の人が転職をしようと思ったらすぐに行動を始めるようにしましょう。

忙しい業務の合間に並行して転職活動を行うのは難しいため、よりよい転職を行うために転職エージェントや転職サイトを利用するのもおすすめです。

まとめ

営業職は基本的に転職しやすい仕事であり、営業スキルを高く評価する企業も多いことから転職の際に選択肢も広いといえます。

しかし、選択肢が多いからこそ転職時に迷ってしまうことも少なくありません。

元営業マンが転職を成功させるためには、自分のスキルや実績を見直して把握すると同時に、現状の働き方から何を変えたいのか、何を重視して働きたいのかを明確にすることが重要です。

また、企業選びの際は、年収だけでなくその他の条件等もしっかり確認することで、より満足のできる転職を実現できるはずです。

それと合わせて、自分の市場価値を客観的に判断し、スキルや適性にあった企業とマッチングしてくれる転職エージェントや転職サイトを活用することで、転職に成功する可能性をさらに高めることができることでしょう。

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