証券会社の営業職から人気の転職先は?おすすめの転職先や成功のポイントを解説
「証券会社の営業職から転職するならどの業界がおすすめ?」
「証券会社からの転職成功のポイント・コツを知りたい」
証券会社の営業の仕事はハードである一方で、ビジネスパーソンとして求められる様々なスキルを多数習得できることから、転職市場でも人気が高くなっており、転職を考えているならできるだけ早く行動を始めることをおすすめします。
そこで本記事では、証券会社の営業職からの転職でおすすめの業界や転職成功のポイントを紹介します。
本記事を読めば、証券会社から転職する際の方向性や自分の強みが分かり、理想の転職を実現できるでしょう。
1.証券会社の営業からの転職先
まず、証券会社の営業職からおすすめの転職先を解説します。
ビジネスパーソンに求められる様々なスキルを身につけている証券会社の営業出身者は、業界を問わず歓迎されやすいです。
その中でも今回は、以下の業界を紹介します。
- M&A仲介
- コンサルティングファーム
- 金融業界
- ベンチャー企業・スタートアップ企業
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)M&A仲介
1つ目のおすすめの転職先は、M&A仲介です。
M&A業界は、後継者不足問題だけでなく、新規事業開拓などM&Aニーズの高まりによって活況が続いています。
M&A仲介では、売り手企業・買い手企業双方のオーナーと深く関わることになるため新卒よりも中途採用に力を入れているM&A仲介会社が多く、中でも採用ニーズが高いのが豊富な経済・金融知識を持つ証券会社の営業経験者です。
証券会社営業で得た知識やスキルはそのまま企業の売買となるM&A仲介においても役立ちますし、クライアント企業のトップ層やステークホルダーとのやり取りではコミュニケーション能力をそのまま活かすことができます。
また、M&A仲介は、取り扱う案件の規模が大きいことから、成約時には高額なインセンティブを得られることも魅力です。
企業別の平均年収を見てもM&A仲介の企業は軒並み高水準となっており、転職後は実力次第で社歴が浅くても高年収を得ることも可能であるため、高年収を得たい証券会社営業出身者から人気が高いです。
また、企業の経営に対する視座やセンスも身につけられるため、その後のキャリアを考えてM&A仲介を選ぶ人も少なくありません。
(2)コンサルティングファーム
コンサルティングの仕事と証券会社の営業の仕事は、親和性が高いといわれています。
コンサルティングファームでは、クライアント企業が抱える経営課題を解決するために、企業の現状分析をスタートに問題点・課題の把握、それを解決に導く提案を行い、実行支援まで行います。
その際には、経営に関する知識や経済・業界の知識、金融知識などの専門知識に加え、経営者層と円滑なコミュニケーションをとれる能力、問題解決に至るまで諦めずに粘り強く取り組む意志の強さなど様々な能力が欠かせません。
一方、証券会社の営業職も、リテール営業や法人営業を問わず、営業で培った経済・金融知識に加え、コミュニケーション能力やタフさも鍛えられる仕事です。
そのため、証券会社営業経験者が得た様々な能力はそのままコンサルティングの仕事に活用できるものも多く、業界未経験でも証券営業経験者をポテンシャル採用するコンサルティングファームも多いです。
自分の能力を磨いてビジネスパーソンとして成長したい、成果を上げてどんどん稼ぎたいという人にとって、コンサルティングファームはおすすめの転職先と言えるでしょう。
(3)金融業界
3つ目のおすすめの転職先は、金融業界です。
証券会社の営業で金融商品を取り扱ってきた経験や営業のノウハウをそのまま活かせるだけでなく、年収面でもそれほど落とさずに転職できることから、同じ金融業界である保険会社や銀行などに転職する人も多いです。
金融業界への転職では、営業ではなく、一種外務員資格・保険販売資格・FPなどの資格を取得して、資産運用アドバイスのプロであるIFA(Independent Financial Advisor/独立系ファイナンシャルアドバイザー)として活躍する人もいます。
証券会社で得たスキルや経験も十分に活かしながら、なじみのある業界で活躍したいという人から人気が高いです。
(4)ベンチャー企業・スタートアップ企業
4つ目のおすすめの転職先は、ベンチャー企業やスタートアップ企業です。
多くのベンチャー規模やスタートアップ企業は、企業の立ち上げから日も浅いことから、急激な事業規模の拡大と合わせて企業の構造や人材を補強することが十分にできていないという企業も少なくありません。
特に、資金面で苦労する企業も多いことから、金融知識の豊富な証券会社営業経験者は引く手あまたとなっています。
年収は転職直後は下がることもありますが、成長段階の企業の発展に重要なポジションで尽力しているという大きなやりがいや、これまでに経験したことのない業務に携わることで多彩な経験を積んでビジネスパーソンとしての幅や厚みを増やせることなど魅力も多いです。
その後、企業が大きくなれば、証券会社営業の仕事の時よりも高い年収を得るチャンスも十分にあるでしょう。
2.証券会社営業経験者の転職動向
次に証券会社営業経験者の転職動向について見てみましょう。
一般的に、証券会社の営業、特に個人向けのリテール営業職に就いている人の転職意欲は高いといわれています。
その理由として、以下の理由を挙げる人が多いです。
- ノルマが厳しい
- 上下関係が厳しい体育会系の社風
- 若いうちは年収が低い
- 朝が早い(7時半出社・朝のミーティング前の社内外の掃除など)
- 転勤が多い
- 仕事の将来性への不安
”証券会社営業”というと、華やかでエリートのイメージがありますが、仕事の内容やその環境はハードなことで知られています。
年収面を見ても、証券会社の平均年収は、607万円(推定/平均年齢37.9歳)ほど、20代の平均年収は約460万円(推定)、30代の平均年収は約830万円(推定)となっています。
30代になると年収も一気に上がる傾向がありますが、20代では、ハードな業務内容や環境に比べて年収は少々控えめであり、日本の平均年収443万円(国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」)と比較してもそれほど魅力のある数字とは言えません。
もちろん、証券会社の年収は営業成績によって個人差も開きやすく、年収事情をひとくくりにすることは困難ですが、「もっと良い条件で働きたい」と転職を考える人が多いのは事実です。
年収面への不満だけでなく、ネット証券などの拡大やAIの発展により、対面の証券会社の営業に対するニーズの低下も将来性への不安要素となっており、転職を考えるきっかけになることも多いようです。
しかし、証券会社の営業は若いうちは仕事もハードで年収もそれほど魅力的ではありませんが、この環境で努力したからこそ得られた知識や経験、スキルが自分の大きな財産となっているのは間違いありません。
証券会社営業経験者のニーズは転職市場でも高く、中途で採用したいと考えている企業も業界を問わず多いです。
証券営業経験を活かして活躍できる業界に転職して、新たなキャリアを築きましょう。
3.転職時に役立つ【証券営業で身につくスキル】
転職時に役立つ、証券営業で身につくスキルを解説します。
- 根性・意志の強さ
- 無形商材販売のセールス力
- 経済・金融などの専門的な知識や資格
- 高いコミュニケーション能力
- プレゼン能力
企業のトップ層や多種多様な個人と関わる営業証券会社の営業出身者は、ビジネスマナーなど社会人が当然身につけているスキルや常識に加え、ビジネスパーソンに求められる様々なスキルも身についているため、業界を問わず即戦力として歓迎されやすい傾向があります。
次に1つずつ見ていきましょう。
(1)根性・意志の強さ
1つ目のスキルは、根性や意志の強さです。
業務や環境がハードであることは他業界でも広く知られている証券会社営業、特にリテール営業の過酷なノルマやプレッシャーやストレスに耐えてきたという精神的・肉体的なタフさや、断られてもめげない根性・意志の強さは、業界を問わず高く評価されることが多いです。
社員のメンタルヘルスは多くの企業が頭を悩ませる問題の1つであるため、証券会社営業の仕事で培ったタフさは転職時の大きなアピールポイントとなることでしょう。
(2)無形商材販売のセールス力
2つ目のスキルは、無形商材販売のセールス力です。
無形商材の販売は、数ある営業の仕事の中でも特に難易度が高いといわれており、その販売には高いセールス力が求められます。
特に、インターネット証券の台頭により、対面で個人に販売を行うリテール営業のニーズが徐々に下がってきているといわれる中、丁寧でわかりやすい説明や信頼関係の構築、対話力など”対面ならではの強み”を活かして営業を行い成果を上げてきたセールス力は、他業界でも高く評価されます。
特に、M&A業界やコンサル業界など、企業のトップ層を相手にする業界では、証券会社の営業で培われたセールス力を欲しがる企業が多いです。
(3)経済・金融などの専門的な知識や資格
3つ目のスキルは、経済・金融などの専門的な知識や資格です。
証券会社では、取り扱っている金融商材(投資信託・債権・投資信託など)についての金融知識を幅広く学ぶことになり、関連資格を取得する人も多いです。
経済・金融に関する専門的な知識や資格を持っていることは、自分の引き出しを増やし、相手への提案の幅を広げることにつながることから、企業の経営に深く関わるM&A業界やコンサルティングファームで高く評価されます。
(4)高いコミュニケーション能力
4つ目のスキルは、高いコミュニケーション能力です。
無形商材の販売には、証券会社の名前・看板だけでなく、営業の人柄や信頼度の高さが影響します。
証券会社の営業の仕事は、どれだけ顧客との間に強い信頼関係を築けるかが結果を大きく左右するといっても過言ではありません。
どんな人とも円滑な人間関係を築き、信頼を得る高いコミュニケーション能力を身につけている優れた証券会社営業経験者は、特に経営者層に対する交渉や仕事が多いM&Aやコンサル業界で高く評価されます。
(5)プレゼン能力
5つ目のスキルは、プレゼン能力です。
証券会社のリテール営業において、素人を相手に株や投資信託などを販売するには、自社の商品のことを正しく理解しわかりやすく相手に伝える力が欠かせません。
また、法人営業では会計・財務に詳しい担当者との折衝となるため、専門の担当者を上回る知識と、彼らの納得や理解を得られるプレゼン力が必要となります。
このスキルはどんな仕事でも役立ちますが、特にM&Aやコンサル業界で重宝されるスキルです。
まとめ
証券会社営業職から人気の高い4つの転職先や、転職時に評価される4つのスキルを解説しました。
証券会社営業経験者は転職市場でも人気があり、そのスキルや経験を高く評価し「即戦力として雇いたい」と考えている企業も少なくありません。
人気の高いM&A仲介やコンサルといった新しい世界にチャレンジするなら、なおのこと、ポテンシャル採用されやすい20代のうちに行動を始めるとよいでしょう。
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