USCPAの取得で拓けるキャリアとは?合格者だからこそ目指せる仕事も
「USCPAの合格後、どのような仕事に就けるのか?」
「USCPAの資格をどう活かせば、キャリアアップできるのか?」
このようにUSCPAの資格を取得した後に、キャリアにどう活かせるのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
USCPAの資格を取得すれば、USCPAは監査法人や国内・外資系の企業にも転職することは可能です。
本記事では、USCPAの取得で目指せるキャリアについて解説します。
1.USCPAの取得後にはどんなキャリアアップが期待できる?
USCPAとは米国公認会計士のことで、国際的な会計士資格として世界で知られています。
そのため、監査法人や税理士法人、外資系企業などが積極的にUSCPA資格所有者の求人を行っており、USCPAは優れたキャリアパスとして人気が高いのです。
では転職を行う場合、どのような求人に応募できるのでしょうか。
- 監査法人
- 税理士法人
- FAS(ファイナンシャルアドバイザリー)
- コンサルティングファーム
- 外資系企業の経理部門や経営企画部
- 一般企業の経理部門や経営企画部
- ファンド
上記の7つの業界が挙げられますので、順に説明します。
(1)監査法人
USCPAの資格取得後のキャリアアップ先の一つが、監査法人です。
監査法人は会計監査を主業務として行うために設立された法人で、多くのグローバル企業をクライアントとして抱えています。
そのため、国際的な会計資格であるUSCPAを持つ人材を積極的に募集しています。
#1:大手監査法人
日本には4大監査法人やBIG4と呼ばれている大手の監査法人が4つあります。
・有限責任あずさ監査法人
・EY新日本有限責任監査法人
・有限責任監査法人トーマツ
・PwCあらた有限責任監査法人
グローバル企業の監査を行う場合には国際的な監査基準を理解し、的確な指導を行う必要があります。
大手監査法人は日本の大手企業のほとんどの監査を担っており、毎年多くUSCPA資格所有者の求人を行っています。
この他に東陽監査法人や太陽有限責任監査法人といった準大手監査法人も、4大監査法人と同様に積極的にUSCPA資格者の求人を行っており、大手監査並みの経験が期待できます。
#2:中小監査法人
大手監査法人・準大手監査法人に次ぐ形で堅実な監査法人として知られるのが中小監査法人です。
中小規模のため大手監査法人のようなグローバル企業を監査するのではなく、少人数で先鋭化している監査法人が多いのが特徴で、USCPA資格所有者の求人も行っています。
近年ではIPOに特化し、企業の上場を支える中小監査法人も多く、やりがいが大きいという魅力があります。
(2)税理士法人
USCPAの豊富な会計知識を求めているのは監査法人だけではありません。
税理士法人も積極的に求人を行っており、キャリアアップが目指せる転職先です。
実際にUSCPA資格所有者の多くが、大手税理士法人へ転職が成功しておりアソシエイトとして活躍しています。
税理士法人ならUSCPAの知識を生かし、日本と海外の移転価格に関する部門で活躍することも可能です。
(3)FAS(ファイナンシャルアドバイザリー)
注目のキャリアアップ先として人気が上昇しているのはFASです。
FASとはファイナンシャルアドバイザリーの略語で、主にМ&Aのサポートや戦略を担当する部門です。
投資銀行やコンサルティングに関する知識を持っているUSCPA資格者が挑戦しやすい仕事です。
(4)コンサルティングファーム
論理的な思考と分析力が求められるコンサルティングファームも、USCPAの資格所有者を歓迎しています。
大手のコンサルティングファームでは、特に海外の会計知識があり英語力も保証されているUSCPA資格を探しています。
M&Aにも積極的なコンサルティングファームが多いので、商社経験などがある方が有利でしょう。
(5)外資系企業
外資系企業は多くのUSCPA資格所有者が活躍しており、転職先としても選びやすいでしょう。
特に経理や財務系部門に求められることが多く、海外での勤務も目指せる就職先です。
現地採用を目指す方法もあり、日本国内の採用よりも好待遇で就職できる可能性もあります。
(6)一般企業
意外と穴場として人気があるのは一般企業です。
一般企業もグローバルに活躍している企業は多く、国際的な会計資格であるUSCPA資格所有者を招きたいと考えています。
主に経理部門や監査部門で活躍することが多く、日系企業の場合には海外子会社に出向をする場合もあります。
特に大手や中堅の商社は海外進出を目指しUSCPA資格所有者の求人に力を入れています。
(7)ファンド
ファンド分野もUSCPA資格所有者を求めています。
バリューアッププランの策定や推進、ファンドとして行っている事業再生において財務部門として対外交渉や事業の撤退・推進などにも深く関与していく仕事です。
クロスボーダーM&Aや海外関連事業などでは、国際会計の知識や知見が役立ちます。
マーケットリサーチ力を求めることが多いので、金融分野で業務経験がある方が有利です。
2.USCPA資格所有者が国内でキャリアアップするなら
USCPAの所有者で、国内でのキャリアアップを目指したい場合にはどういった分野を目指すと良いでしょうか。
おすすめの転職先は次のとおりです。
- 海外子会社の経営管理
- クロスボーダーM&Aの担当
では順に説明します。
(1)海外子会社の経営管理
USCPA所有者の国内転職先には、海外子会社の経営管理部門がおすすめです。
優れた会計知識と英語の能力を生かしつつ、国内でグローバルに活躍できるので、キャリアアップも見込めます。
また大手日系企業では、USCPA資格者でIRマネージャー業務が可能な方を募っています。
国内と海外の機関投資家向けの業務に挑戦できるので大変魅力的です。
(2)クロスボーダーM&Aの担当
USCPA資格所有者にとっては、コンサルティングファームや税理士法人で積極的に募集しているクロスボーダーM&Aの担当も魅力的です。
国境を超えたМ&Aはやりがいも多く、ダイナミックな事案を担当できるチャンスもあります。
リーマンショック後に停滞傾向だったクロスボーダーM&Aは、現在譲渡側も譲受側も需要が高まっています。
企業の持続可能な成長のために最前線で活躍できるので、今最も視線を集めている分野です。
3.USCPA資格所有者が海外でキャリアアップするなら
USCPAの資格をお持ちの方で、海外でのキャリアアップを目指したい場合にはどういった分野を目指すと良いでしょうか。
おすすめの転職先は次のとおりです。
- 海外での現地採用
- 国内会社からの出向
では順に説明します。
(1)海外での現地採用
USCPAはアメリカにおける会計士資格であり、アメリカ本土における求人は安定しています。
州別で収入格差があるため注意が必要ですが、実務経験も積めるアメリカの現地採用を目指すのも方法の1つです。
しかし、アメリカは専門職ビザの取得が難しいのが現状です。
まずはインターンとして挑戦をする、もしくはアメリカ以外の国を目指すと可能性は高くなります。
USCPAの協定を結んでいるオーストラリアやカナダでは、実際に日本人も多く現地採用で働いています。
USCPAはアメリカや日本以外でも広く知られている専門性の高い資格なので、永住権の獲得も目指しやすくなっています。
(2)国内会社からの出向
現地採用は永住権取得のメリットがありますが、国内の年金手続や被保険者資格の喪失などのデメリットもあります。
そのため日本国内の企業から出向を目指す、というのも視野に入れてみましょう。
移民としてではなく一時的な就労のためビザも取得しやすくなっています。
また、出向経験があると更にワンランク上の転職も目指しやすくなるのでおすすめです。
まとめ
ハイクラスな求人に挑戦をするためには、USCPAが有効なキャリアパスとなります。
USCPA資格者ということは、国際的な会計に関する知識やIT分野や英語力の証明にも役立ちます。
思い切って転職をする際にはこれまでの就労経験も強みにし、粘り強く転職活動を行いましょう。
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