Big4系などのFAS出身者のネクストキャリアは?転職時の注意点なども紹介
「FASからの転職を考えているが、年収を落としたくない」
「FASで培ったスキルや経験を活かすには、どのような業界がいいのだろう」
このように、FASからの転職を考えるうえで、ネクストキャリアとしてどんな選択肢があるか分からず悩んでいませんか?
FAS出身者は、高いビジネススキルや専門性を有しているため、転職先としての選択肢は幅広くあります。
ただし、事前に入念な調査と対策をしていないと、希望する年収を得られない、培った知識が活かされないなど後悔してしまうでしょう。
本記事では、Big4系を中心としたFAS出身者のネクストキャリアに加え、転職時の注意点やポイントをご紹介します。
ぜひ転職後のキャリアの具体的なイメージを掴んで、今後の活動に役立ててください。
また本記事のほか、FASの転職事情や業務内容、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
1.FAS出身者のネクストキャリア
まずは、FAS出身者のネクストキャリアとしてあげられるものを、6つに分けてご紹介します。
- ファンド
- 投資銀行
- 同業他社
- コンサルティングファーム
- 事業会社
- 中小企業、スタートアップ
それぞれ詳しく説明していきます。
(1)ファンド
ファンドとは、いわゆる「PE(プライベート・エクイティ)ファンド」のことを指します。
PEファンドは、潜在的な成長力を活かしきれていない企業に投資をし、企業価値を高めたのちにイグジット(M&A、IPO)して資金を回収するビジネスを行う会社です。
経験値や能力の高い数十名のプロフェッショナルが集まり、少数精鋭で業務を行うスタイルが一般的です。
PEファンドとFASの業務内容の親和性は高く、すぐに活かせるスキルとして、財務分析や会計知識、M&Aを行う際の財務モデリングスキルなどがあります。
こうした経験やスキルをFAS在籍時に積極的に獲得しておくと、PEファンドへの転職にも有利に働くでしょう。
転職先としておすすめのファンドは、以下のとおりです。
(2)投資銀行
投資銀行は、有価証券の発行や、発行された有価証券の取り扱いのサポートなどを行うことで、企業を金融・財務面から支援するビジネスを展開しています。
外資系・日系ともに転職の難易度が非常に高い業種ですが、FASでM&A関連の業務などの専門性を磨くことで、ポジションを得られる可能性は高まるでしょう。
また、FASから証券会社としての機能をもつ投資銀行へ場を移すことで、クライアントへの直接的な資金調達のサポートが行えるなど、スキルの幅も広がります。
転職先としておすすめの投資銀行は、以下のとおりです。
(3)同業他社
FASから他のFASへ転職する、というのも立派な選択肢の一つです。
たとえば、Big4系のFASは業界別に担当が分かれているため、規模が大きくグローバルな案件が多数を占めます。
一方、中堅系や独立系のFASは、特定の領域に特化している、あるいはクライアントと近い距離で幅広いサポートを行えるなどそれぞれ特徴が違うのです。
より専門性を極めたい、業界に関わらず様々なクライアントの支援をしたいなど、目的に合わせて異なるFASへ活動の場を移すことも、キャリアアップにつながるでしょう。
転職先としておすすめのFASは、以下のとおりです。
(4)コンサルティングファーム
コンサルティングファームも、FASからの転職先として人気の業種です。
FASで行う業務についても、「クライアントの課題解決」という目的においてはコンサルティング業務と共通しており、FASでの経験や知識が十分に活かせる場といえるでしょう。
昨今では、専門性を持ったコンサルタントのニーズが高まっており、M&A分野や財務・会計のスペシャリストとして、収入をアップさせた転職も可能です。
転職先としておすすめのコンサルティングファームは、以下のとおりです。
(5)事業会社
事業会社とは、モノやサービスといった商品を作る事業を行って利益を得ているメーカーや商社、小売など全般を指します。
FASから事業会社へ転職するメリットは、異なる視点から見たビジネスを経験できることと、働き方の柔軟性が高まることでしょう。
FASではクライアントとして付き合っていた企業の内部から、作り手としての目線をもって仕事に取り組めるため、新しい刺激や発見があります。
加えて、FASは膨大な業務量や長時間労働がベースですが、多くの事業会社は、よりワークライフバランスがとりやすい環境です。
FASで培った会計・財務の知識を活かし、財務部やM&A業務に従事する場合には、高いポジションでの転職や年収アップも見込めるでしょう。
転職先としておすすめの事業会社は、以下のとおりです。
(6)中小企業、スタートアップ
FASから中小企業やスタートアップへ転職する場合、その企業の規模や事業内容などにもよりますが、経営層に近いポジションを得られる可能性が高いでしょう。
年収アップや高いポジションでの転職を目指すなら、FASで培った会計・財務スキルを活かし、CFOなどを目指すことが一般的です。
スタートアップの場合は業務範囲や分担がはっきりしていないことも多いため、未経験の業務に幅広く携われる楽しさもあるでしょう。
転職先としておすすめの中小企業・スタートアップについては、以下のとおりです。
知り合いのツテなどを使い、設立したてのスタートアップに財務経理部門の責任者などのポジションで参画し、IPOの準備や資金調達などを担うパターンが多い
また、FASの代表企業についてや業務内容、活かせるスキルなど、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
2.FASからの転職における注意点
FASからの転職において、次のキャリアの選択肢は幅広くありますが、共通して注意すべきポイントをご紹介します。
- 専門性を活かした転職が望ましい
- 年齢が若いうちの転職が望ましい
それぞれ詳しく説明していきます。
(1)専門性を活かした転職が望ましい
転職するにあたり、年収アップを目指したい場合は、FASで得た専門性を活かした転職が望ましいでしょう。
FASにおいては、専門的かつ付加価値の高い業務経験を培うことができる反面、活かせる業界や部門は狭められる点に考慮が必要です。
専門スキルにさらに磨きをかけて年収アップを叶えたい場合はPEファンドや投資銀行、今ある知識を活かしながら働き方を変えたい場合は事業会社などの選択肢があります。
会計・財務の知識がさほど活きない職種を選択する場合は、低いポジションや年収での採用となることを想定しておきましょう。
(2)年齢が若いうちの転職が望ましい
転職市場全体としていえることですが、FASからの転職を考えている場合も、できる限り若い間に決断することがおすすめです。
20代~30代前半であれば、ある程度ポテンシャルを見た採用も可能ですが、それ以降は即戦力として求められることが多くなるため、より転職先の選択肢は狭まるでしょう。
ただし、FASで確固たる専門性を身に付けステップアップとしての転職を望む場合は、年齢に関わらず高いポジションを得られる可能性もあります。
ハイクラスの求人は一般に公開されていないことも多いため、業界に精通した転職エージェントを通して情報収集するとよいでしょう。
3.FASからの転職を成功させるためのポイント
FASからの転職を成功させるためのポイントを2つご紹介します。
- 目的に合ったキャリアパスを選択する
- FAS業界に精通した転職エージェントを活用する
それぞれ説明していきます。
(1)目的に合ったキャリアパスを選択する
FASからの転職先として、選択肢はさまざまであることをご紹介してきました。
ファイナンシャルアドバイザーとしての高い専門性が求められる場所が多いだけに、目的を持った転職先選びが重要となります。
以下の項目を参考に、どのような点を重視して転職活動をしたいかを固めるようにしましょう。
- 年収を上げたいかどうか
- 専門性を高めたいかどうか
- 業務範囲を広げたいかどうか
- マネジメントしたいかどうか
- 働き方を変えたいかどうか
相反する項目もあるため、すべてを叶えることは難しいですが、何を優先したいかによって転職先も絞られるはずです。
転職の目的をはっきりさせ、希望を叶えられる業界・企業を入念にリサーチしましょう。
(2)FAS業界に精通した転職エージェントを活用する
FASからの転職を検討する際、自力での情報収集や対策を行うのは得策ではありません。
最も効率よく、かつ希望どおりの転職を目指す場合は、業界に精通した転職エージェントを活用することがおすすめです。
転職エージェントを活用するメリットは以下のとおりです。
- 一般には公開されていない非公開求人を入手できる
- 最新の転職市場についてや企業の採用動向をキャッチできる
- 企業の内部事情について知れる
転職エージェントは無料で利用が可能なため、情報収集を兼ねてまずは相談してみるとよいでしょう。
まとめ
FASでは高度なビジネススキルに加え、会計・財務に関する専門性を身に付けられます。
転職市場でもFAS経験者の価値は高く、ネクストキャリアとしての選択肢も幅広くあるでしょう。
ただし、転職の目的をはっきりさせず、十分な情報を得ないまま転職活動をしてしまうと、よりよい選択肢を見逃す可能性もあります。
ぜひ、次なるキャリアを入念に精査することで、後悔のない転職を実現してください。
また本記事のほか、FAS業界への転職成功に向け、転職事情や未経験者の採用など、より詳しく知っておきたいという方はこちらをご覧ください。
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