コンサルタントの給料はなぜ高い?給料構造や年収が高いコンサルティングファームを紹介
「コンサルタントの給料が高い理由が知りたい」
「年収が高いコンサルティングファームはどこ?」
コンサルタントは若い内から大きな収入を得ることができ、成績によっては1,000万円を超えることもあるなど、給料が高いことで知られています。
コンサルタントへの転職を検討している人の中で、コンサルタントの給料がなぜ高いのか、知りたい人もいるのではないでしょうか。
本記事では、コンサルタントの給料が高い理由や、給料構造について解説します。
さらに、年収が高いコンサルティングファームを紹介しますので、ぜひ転職の際の参考にしてみてください。
1.コンサルタントの給料が高い理由
コンサルタントの給料は、他業種に比べ、高い傾向があります。その理由は以下の通りです。
- 専門的な知識やスキルが求められるから
- 案件単価が高いから
- 利益率が高いから
順に見ていきましょう。
(1)専門的な知識やスキルが求められるから
コンサルタントの給料が高い理由は、コンサルタントの業務が、クライアントの経営課題を解決するという、専門的な知識やスキルを必要とするものだからです。
決められた期日までに成果を出すことを求められるため、コンサルタントの仕事は労働集約型産業の中の知識集約型産業となります。
いわゆる単純作業や肉体労働とは違って、人の知的労働力量が多い仕事となるのです。
同業他社との競争やクライアントへの成果が、担当するコンサルタントの知識やスキルで決まるものであるため、人材への負担が大きいため、その分給料が高いといえます。
(2)案件単価が高いから
コンサルタントの給料が高い理由として2つめは、案件単価が高いことが挙げられます。
コンサルティングファームの種類や、1つのプロジェクトを担当するコンサルタントの数、プロジェクトの期間や必要経費によっても変わりますが、例えば外資系の大手戦略コンサルティングファームに1ヶ月のプロジェクト、コンサルタントが4名ほどアサインされた場合、コンサルティング料金の相場は1,500万円〜3,000万円です。
これは先にも述べたように、コンサル案件が、企業の経営課題という大きなテーマを扱う難易度が高いものである上に、知的集約型産業であることが理由となります。
分析や戦略構築なども高度な知識やスキルが求められるため高額になり、その分コンサルタントの個人の給料も高額なものになるのです。
(3)利益率が高いから
企業の経営課題を解決するためのコンサルティングは、他の商品やサービスと違って在庫を抱えることがない無形商材の商売のため、必要経費が少なく、利益率が非常に高い仕事という点も、コンサルタントの給料が高い理由として挙げられます。
例えば販売を業務としている仕事では、いつでもクライアントの要望に応えられるよう、常に在庫の管理が必要ですが、コンサルティングファームではそれがありません。
利益率の高さは、そのまま社員の利益へ還元される場合が多いため、コンサルタントの成果が給料に反映しやすいのです。
在庫を抱えないため、次々に営業や案件獲得をすることができ、実力のある社員に還元することができます。
2.コンサルタントの給料構造
コンサルタントの給料構造は、基本的に「ベースサラリー+インセンティブ」で計算されています。
特にインセンティブ給の割合が大きいケースが多く、成果次第で高額収入が見込める給与体系といえるでしょう。
日本企業のように年功序列の風潮はなく、個人の成績によってインセンティブが加算されるため、年齢に関係なく、高収入が狙える仕事です。
国内コンサルティングファームと外資系コンサルティングファームでは、外資系の方が成果報酬型の側面が強く、高い年収を得ることが期待できます。
以下で年収が高いコンサルティングファームを3つ紹介しますので、年収範囲を確認してみましょう。
3.年収が高いコンサルティングファーム3選
せっかくコンサルティングファームへの転職を検討しているのであれば、年収が高いコンサルティングファームを知って、転職活動を行うと良いでしょう。
openworkに寄せられた口コミ情報を元に、総合コンサルティングファームの年収が高い順に3つを紹介します。
- PwCコンサルティング株式会社
- デロイトトーマツコンサルティング株式会社
- KPMGコンサルティング株式会社
(1)PwCコンサルティング株式会社
設立 | 1983年1月31日 |
資本金 | 1億円 |
従業員数 | 3,000名 |
本社 | 東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One タワー |
公式サイト | https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/consulting.html |
PwCコンサルティング株式会社は、ロンドンに本拠地を置くPwC(プライスウォーターハウスクーパース)に属する、国内最大級のコンサルティング会社です。
M&Aによる事業再編、PEファンド向け投資検討などを事業としています。
さまざまなライフステージやライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができる福利厚生制度を持っており、男性も女性も働きやすいという声が聞かれます。
PwCコンサルティングの年収範囲は450万〜2,500万円ほどとなっており、平均年収は1,000万円近くと言われています。
基本給+賞与が報酬体系となっており、マネージャーより下の職位であれば、残業代が支給されます。
賞与はチームの実績や個人の実績によって変動し、チームの実績として出るボーナスは、チーム単位で支給される金額を山分けするようなシステムとなっているようです。
役職の高い人の割合が多いチームでは、役職の低い人の取り分が少なくなってしまうケースもあるため、役職を上げることが給料を上げることに繋がります。
(2)デロイトトーマツコンサルティング株式会社
設立 | 1993年4月 |
資本金 | 500百万円 |
従業員数 | 4,290名 |
本社 | 東京都千代田区丸の内3丁目2−3 丸の内二重橋ビルディング |
公式サイト | https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/dtc/dtc.html |
デロイトトーマツコンサルティング株式会社は、デロイトトーマツコンサルティング合同会社は、世界最大規模の会計事務所であるデロイト・トウシュ・トーマツの主要メンバー企業で、提言と戦略立案から実行まで一貫して支援するファームです。
デロイトトーマツの福利厚生は各種社会保険や退職金をはじめ、カフェテリアプランや企業内保育園などもあり、ワークライフバランスも充実しているといます。
チームプレーが強い組織で、やりたいことがあれば積極的にチャレンジできる社風を持つため、新人や未経験のメンバーも安心して働けるコンサルティングファームといえるでしょう。
デロイトトーマツコンサルティングの年収範囲は400万〜2,500万円ほどで、こちらも平均年収は1,000万円前後と言われています。
デロイトトーマツコンサルティングの報酬体系は、基本給+賞与で構成されており、賞与は年2回支給されます。
基本給の給与テーブルは役職によって異なっており、新卒が最初に所属する「ビジネスアナリスト」でも、600万円ほどが平均年収です。
同じ役職であってもプロジェクトへの貢献度によって賞与の金額が変わるため、貢献度を上げて賞与の配分を高くもらうことが、年収アップに繋がります。
(3)KPMGコンサルティング株式会社
設立 | 2014年7月 |
資本金 | 6,000万円 |
従業員数 | 1,302名 |
本社 | 千代田区大手町1丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティサウスタワー |
公式HP | https://kpmg.com/jp/ja/home/about/kc.html |
KPMGコンサルティング株式会社は、KPMGジャパンにおいて、グローバル規模での事業モデルの変革や、オペレーション改善を行うビジネストランスフォーメーションや、リスクマネジメントといったコンサルティングサービスを提供する会社です。
住宅補助などはありませんが、カフェテリアプランで飲食に対して一定の補助が出るなどの福利厚生が充実しています。
オープンな交流を大切にする社風で、風通しの良い職場といえるでしょう。
KPMGコンサルティングの年収範囲は500万〜2,070万円で、平均年収は900万円~1,000万円程です。
KPMGコンサルティングの給与制度は年俸制となっており、基本給に年1回の賞与が支給されます。
基本給は役職に応じて決定され、賞与は、役職および個人のパフォーマンスに対する年間評価に応じて支給されるようです。
外資系のコンサルティングファームとなりますが、賞与の支給額は月給換算で1〜2ヶ月相当分となるため、基本給の比率が高めであるのが特徴といえます。
4.コンサルティングファームに転職する方法
コンサルタントの給料が高い理由を見て、コンサルタントへ転職して年収を上げたいと感じた人もいるでしょう。
コンサルティングファームにもよりますが、基本的にコンサルティングファームへの転職は難易度が高いため、事前の備えが大切です。
最後に、現在他業種で働いている人が、コンサルタントとしてコンサルティングファームに転職する方法を2つ紹介します。
- 英語力を磨く
- 論理的思考能力を身につける
(1)英語力を磨く
コンサルティングファームでは、国内案件だけに絞っている場合は英語がなくても成り立ちますが、海外のクライアントを持つ場合や英語での情報収集が必要な場合など、英語ができると有利に働く場面が多々あります。
特にマッキンゼー・アンド・カンパニーに代表される戦略系コンサルティングファームやアクセンチュアなどの総合系コンサルティングファーム、日本IBMなどのIT系コンサルティングファームの場合は英語力がある方が案件獲得の幅が広がるため、身につけておくと良いでしょう。
TOEICの点数でいうと、800点以上が一つの指標となっています。
英語面接を導入しているコンサルティングファームもあるため、英語でのコミュニケーションが取れるようになることが大切です。
(2)論理的思考能力を身につける
論理的思考能力とは、コンサルタントの基礎力として必須になるもので、クライアントの抱える課題に対し、課題抽出・現状分析し結露運を導き出すためには当然必要な要素といえます。
論理的思考能力は、わかりやすくいうと、「複雑なものを整理し、シンプルにしていく力」です。
具体的な言葉を用いた会話を心がけたり、意識的に自分の考えを批判的に見る思考を持つなどで身につけることができるでしょう。
コンサルティングファームでは、論理的思考能力を見る筆記テストを課して、面接に進めるか否かのラインを決めているほどです。
論理的思考能力は、学習により伸ばすことができますので、ぜひ身につけられるよう勉強をしていきましょう。
まとめ
コンサルタントの給料が高い理由として、コンサルタントとは専門的な知識やスキルが求められる職業であり、案件単価が高く利益率も高いことが起因していることを紹介しました。
コンサルティングファームにもよりますが、基本的にコンサルタントの給料は「基本給+インセンティブ」で構成されており、役職が上がるにつれて年収が高くなる傾向があるようです。
現在他業種で働いていて、コンサルタントへ転職したいと思う人は、ぜひ英語力の向上や、論理的思考能力を身につけられるよう学習を行い、転職活動を成功させましょう。
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